ナツメロ

2020年5月29日 (金)

湯の町エレジー

今日のエールの村野鉄男とカフェーの女給、希穂子さんの悲恋物語、とても印象に残りました。このシーンと、選考会で音さんが歌う「椿姫」終盤のアリア「過ぎし日よ、さようなら」を被せると言う見事な展開。女給役・入山法子さんの演技が特に素晴らしかった。今日は主役より目立ってました。村野鉄男は、古関裕而の親友で作詞家の野村俊夫がモデルですが、彼の曲で一番有名なのは、作曲が古賀政男になりますが「湯の町エレジー」でしょう。聞いてて、どこか今日のドラマを思い出します。近江敏郎のナンバーワンヒットです。

水曜は再放送枠で無事放送されました。来週はトルコのセファルディーです。

湯の町エレジー 近江俊郎

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2020年5月27日 (水)

古関裕而の名曲「白いランプの灯る道」

「エール」を毎朝店に出る前に楽しく見ていますが、6/27の放送の後は残念なことにコロナの影響で休止するそうです。出世作の早稲田応援歌「紺碧の空 」が出た所ですが、この後はどんな曲が出てくるかも楽しみです。ご当地ソングの「船頭可愛や」辺りが出た後は、軍歌の時代に入りますが、どんな風に描写されるでしょうか。「露営の歌」など、涙をたっぷり含んだ名曲が色々あります。戦後は「白鳥の歌」「とんがり帽子」「長崎の鐘」辺りとかが来て、伊藤久男(エールでは佐藤久志)も出ていることですし「イヨマンテの夜」で締めでしょうか。あるいは岸恵子主演の「君の名は」かも。いや、60年代に入って「モスラの歌」も外せないですね。私は70年代の『オールスター家族対抗歌合戦』の審査員としての柔和なお爺ちゃんの姿が目に焼き付いています。コロンビアの懐メロは色々音源を持っているので、奥さんの金子さん(エールの音さん)の録音がないか、探しているところです。
今日の動画は、奈良光江さんの代表曲「白いランプの灯る道」で、古関裕而さんの代表作とも言えるでしょう。実は98年頃ナツメロ番組で奈良さんと近江敏郎(やはり『オールスター家族対抗歌合戦』で審査員でした)の1971年の「悲しき竹笛」の映像を見て、余りに美しい歌声と白い着物の舞台姿にぞっこんになりまして。正に佳人薄命の生涯で1977年に53歳の若さで亡くなり、1998年の5/14が21周忌でした。故郷の青森の弘前で行われる式に参列したいと思い立ち、ご家族に連絡を取ってから品川からの夜行バスに飛び乗りました。奈良さんのお墓の前で同級生の方たち(当時75歳)と写真も撮りました。その時お聞きしたのですが、77年の告別式で流されたのが、この「白いランプの灯る道」だったとのこと。涙涙の名曲です。
2本目はその1971年の「悲しき竹笛」です。1946年のオリジナル録音より40代に入ってからのこの歌唱の方が私は好きです。作曲者は古賀政男。エールでは木枯正人です。番組で「影を慕いて」が出てきましたが、少し節が違っていました。そういえば藤山一郎の出世作「丘を越えて」も出てきましたが、当時は大正のモボモガの流れの曲だったのだろうなと思いました。
一つ古関メロディの大名曲を忘れていました。「栄冠は君に輝く」ですが、今年は夏の甲子園がないので、この曲を熱く聞けないのがとても残念です。

白いランプの灯る道(昭和26年)奈良 光枝


XAA462 悲しき竹笛 近江俊郎&奈良光枝 (1946)1971・130814 vL HD

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2019年1月11日 (金)

「鹿の遠音」と「この道」

そろそろお屠蘇気分も完全に抜けた頃でしょうが、今週は6日のお正月放送の関連動画で行きます。今回「春の海」について調べていて、青木鈴慕さんが去年の8月に亡くなられていたことを初めて知りました。20年余り前、邦楽ジャーナル誌上でよく拝見したのをつい先日のように思い出しました。追悼として横山勝也さんとの虚無僧尺八の名曲「鹿の遠音」を上げておきます。
スコットランドとのハーフのテノール歌手、藤原義江の蓄音機動画もたくさんありますが、山田耕筰の「この道」を選びました。1928年録音のようです。

鹿の遠音(青木鈴慕・横山勝也)/Shika No Tohne(Aoki Reibo&Yokoyama Katsuya )

藤原義江 Yoshie Fujiwara - この道 (1928)

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2012年7月23日 (月)

小さな喫茶店

今日はピアソラ作品ではありませんが、タンゴと言えば思い出す曲、「小さな喫茶店」です。この曲はアルゼンチン・タンゴではなくヨーロッパで生まれたコンチネンタルタンゴの名曲の一つ。こちらに作曲者と歌詞についての解説がありました。

この曲を歌っていた歌手で思い出す人と言えば、菅原洋一とあがた森魚です。菅原さんの歌唱も清々しくて良かったですが、あがたさんの歌唱がまたウィットが効いて楽しかったのを昨日のように覚えています。

戦靴の音が近づく時期(昭和9年)に日本に紹介されたとは思えないような曲の明るさ。そこに昭和レトロ趣味をからめたあがた節に、何ともタンゴが似合いました。収録されていた「バンドネオンの豹(ジャガー)」がリリースされた1987年頃にはライヴを見に行きました。youtubeで久々に聞いていると、二重三重に懐かしさが込み上げます。

小さな喫茶店 中野忠晴

小さな喫茶店 菅原洋一&梓みちよ UPC‐0098

小さな喫茶店 あがた森魚

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2011年5月 9日 (月)

オロチョン

アイヌの周辺の北辺の民族にはギリヤークのような古シベリア系だけでなく、ツングース系が多いのですが、オロチョン族もその一つ。ツングース系の代表的な民族は、と言えば、満州族やエヴェンキ族でしょう。
「イヨマンテの夜」と同じ伊藤久男さんが「オロチョンの火祭り」という歌を歌っていましたが、「イヨマンテの夜」がほとんどアイヌ伝統音楽の要素を留めていないのと同様、「オロチョンの火祭り」も元々の中国やロシア領内に居住するツングース系のオロチョンからはかけ離れた歌のようです。オロチョンは「北方民族」を指す言葉として用いられた時期があり、その名残からオロチョンの火祭りと命名されたそうです。オロチョン族自体に火祭りの儀式も無いそうです。
北辺の諸民族と日本との関係を調べていると、たまにこういう不思議なエピソードを見かけるように思います。アイヌの周辺にエヴェンキは確かにいましたが、オロチョンはもしかしたら大分離れていたのかも知れません。

オロチョンの火祭り   伊藤久男

オロチョン娘 三門順子



三門さんがこんな歌を歌っていました。作曲は「同期の桜」の作曲で有名な大村能章

ウデゲ族の村にて



オロチョン族の映像が見当たらないので、アイヌとの共通性も見出されるウデゲ族の映像を一本上げておきます。(以下はビデオの解説)
ドルミンの森のベースからスノーモービルで確か1時間のところ。グバシュウギ村を訪れました。車でもいけないことはないのですが、2-3倍の時間がかかるため、スノーモー­ビルでタイガの冬の森を走り、この村に辿り着きました。
ウデゲ族はナナイ族同様、この周辺のツングース系民族と言われ、日本のアイヌと近い風習を持っています。私はアメリカ・インディアンを想像しました。まさか現在に向かいな­がらの生活が残っているとは思えませんが、何らかの発見を求めてこの地への旅をリクエストしました。

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2011年5月 2日 (月)

イヨマンテ

やはり熊祭り(熊送り)の伝統はギリヤーク(ニヴフ)にもあるようですので、昨日の一本目は関連映像ではと思われます。イヨマンテ(熊祭り)と言えば、伊藤久男氏の「イヨマンテの夜」をまず思い出してしまいますが、これは世代かも知れません(笑) 昔の歌謡番組でよく見かけましたが、もの凄い声量に驚いたものです。今日の一本目に、作曲者・古関裕而氏自身の指揮で。古関さんは日本の歌謡名曲を沢山書いた人です。70年代にオールスター家族対抗歌合戦の審査員として、近江俊郎氏などと一緒に出演されていました。今思えば、日本歌謡界の重鎮が揃っていました。
併せてアイヌ民謡を二本上げておきます。3本目はアイヌの伝統楽器トンコリの弾き語りです。
追分のルーツ探訪とはずれましたが、アイヌやその他の北辺の諸民族を当たりながら徐々に西へ移動する予定です。

伊藤久男イヨマンテの夜1975

アイヌ民謡

Ainu Village - Girl singing


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2011年4月24日 (日)

三門順子 追分、白虎隊

一週間ブログを休んだら、すっかり腰が重くなってしまいました(笑) 予定通り、追分~オルティンドーのラインでちょっと見ていましたら、とても懐かしい歌手の映像を見つけました。
三門順子さんは長唄や端唄、詩吟のような邦楽の素養のある歌手で、この凛とした歌い方が私は結構好きです。戦前戦中の歌手で若くして亡くなっていますから、ナツメロ・ファンでも知っている人は少ないかも知れません。4曲の中でNo.1ヒットは「忠義ざくら」ですが、会津の誇りを象徴する白虎隊を歌った2曲目は、タイムリーな内容でしょうか。
詩吟と言うのは、最近の若い方はほとんど知ってる人も少ないのではと思いますが、明治生まれの私の祖父母の世代ではとても人気があって、中でも「鞭声粛々~」で始まる川中島や白虎隊の話はよく聞きました。
三門さんの歌声には古めかしい印象を持つ人が多いと思いますが、それが新鮮と思う方もいらっしゃるのではと思いアップしてみました。こういう歌い方をする人は現在では皆無です。追分月夜は、民謡の追分と言うよりは、リンゴ追分のようなタイプで、忠烈白虎隊と忠義ざくらでは歌詞の間に詩吟が挿まれ、香に迷うは端唄・俗曲そのものです。

追分月夜 三門順子

忠烈白虎隊  三門順子

忠義ざくら 三門順子

香に迷う 三門順子

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2011年3月23日 (水)

北上夜曲

後は遠野の御祝(ごいわい)か、塩釜甚句か、と思いましたが、今日は岩手の故郷の歌として名高い北上夜曲にしました。岩手県民でなくとも、ジーンと心に沁み渡る歌です。「思い出すのは~」のリフレインは特にグッと来ますが、この哀愁味極まるメロディと、3拍子にその秘密があるように思います。小林旭やダークダックスが歌っていたからでしょうか、惜別の歌(島崎藤村の若菜集から)とセットで思い出す歌です。
この曲を初めて聞いたのは宇宙戦艦ヤマト(初代のTV版)で、岩手出身の乗組員が他の星で懐かしい故郷の幻影を見るようなシーンだったと思います。96年に車で岩手を回った際に、一関~盛岡~龍泉洞から三陸海岸に抜けた後、釜石~遠野~北上市というルートで帰り、北上川の夜景を見た時、ここがあの歌の生まれた場所かと感慨を覚えました。平泉~宮沢賢治の旧跡~日本一の鍾乳洞~三陸のウミネコと記念撮影~田老町のチリ地震の津波跡見学~どこか妖気を感じる遠野の夜景~北上の夜風を味わって帰るという欲張りな旅で、8月15日でしたが、龍泉洞近くのドライブインでは何とストーブを焚いていて、非常に驚いたものです。今回の未曾有の大災害で石巻は大きな被害を受けましたが、この町が河口に当たります。

北上夜曲 野路由紀子

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2011年1月 7日 (金)

松井須磨子の歌声

今年の松の内邦楽は今日までにしますが、最後に松井須磨子の歌声で締めましょうか。カチューシャの唄や、ゴンドラの唄などで有名な人で、それらの曲は演歌師の中心的なレパートリーにもなっていたようです。女優・松井須磨子(1886-1919)の歌声はコロムビアの音源に何曲か残されていて、何度かSP復刻音源で登場しました。大体が無伴奏で、一聴ぶっきらぼうとも思える歌い方ですが、何とも言えないオーラがあるのも確かで、この人の音源を探し出した時は宝物を見つけたような気持ちになったものです。そんな「日本初の歌う女優」の歌声までも、youtubeではSPが回る映像と一緒に聞けるようになっています。
昨日の続報になりますが、診察結果は、風邪から来る気管支炎でした。養生は必要ですが、インフルでなくて一安心でした。

復活(カチューシャの唄)松井須磨子

さすらいの唄  芸術座劇(生ける屍)  松井須磨子

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2010年1月 5日 (火)

嘆きの夜曲

松の内は和もので行こうと思いますが、今日も奈良さんの歌で「嘆きの夜曲」。昨日の「悲しき~」とか今日の「嘆きの~」というイメージは、正月的ではないかも知れませんが(笑)
個人的には「悲しき竹笛」と並んで彼女のベスト3に入るかなと常々思っていた歌です。この曲も古賀メロで、最初は関種子吹き込みで昭和7年にリリースされ大ヒット。奈良光枝さんが昭和30年にリヴァイヴァル・ヒットさせました。オリジナルではヴァイオリンとチェロのカノン形式の伴奏が独唱を追っていきますが、奈良ヴァージョンは同じカノン形式でも、管楽器やマンドリン?を含めた編成になっています。関種子の歌が佐藤千夜子にも似た感じのモボ・モガの雰囲気を残したような割とあっさりした歌唱なのに対し、奈良さんの歌唱は陰翳に溢れる憂いの絶唱と言っていいのでは。特にyoutubeの昭和40年代録音と思われる歌唱は、円熟の味わいを聞かせます。今日は奈良、関、両ヴァージョンをアップしておきます。
この歌を聴きながら東北の若い女性が服毒自殺した事件があったそうで、作曲者はそれを知って大変にショックを受けたと語っています。さもありなんと思えるような悲痛な絶唱だと思いますが、何とこの歌の原曲は沖縄にあるとの説があるようです。メロディはヨナ抜き短音階ですから、本土のメロディと見るのが自然ですが、確かに最近出た宮古島の4枚の南嶋シリーズにも、沖縄には意外とも思えるヨナ抜き短音階が聞き取れたように思いますから、沖縄本島ではなく宮古の民謡なのかも。更に考えてみれば、遠くジャワ島のスンダ地方にもヨナ抜き短音階そっくり(そのもの?)の音階がありますから、宮古の場合は南方から来たのかも知れません。(参考資料:コロムビア「SP盤復刻による懐かしのメロディ 奈良光枝」の森一也氏の解説)

嘆きの夜曲 唄ー奈良光枝

嘆きの夜曲 関種子

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