東欧

2008年2月21日 (木)

スラヴ教会の音楽とハザールの話

ベラルーシの3日目は、宗教音楽の方を見てみましょう。youtubeのメンテナンスがあるようなので、慌ててアップしています^^;  一定時間見られないかも知れませんが、どうぞご了承下さい。また前にアップした中に、著作権問題に引っかかったのか、その後見られなくなっているクリップ(ナツメロ関係)もあります。youtubeは、いつも、またいつまでも見られるとは限りませんので、そこの所はどうぞご了解下さい。

さて今日のファイルについて。ロシア、ウクライナでは教会音楽は見なかったのですが、ベラルーシではファイル数が少ないこともあって、すぐにこちら方面が出てきました。スラヴの正教会と、カトリックではないかと思われるものも混じっています。正教会が80%、カトリック、プロテスタントなどが20%くらいのようです。
いきなりルーツの話になりますが、東スラヴの世界がギリシア正教を受け入れたのは、ハザール(中世にユダヤ教を国教に定めたチュルク系民族の帝国)攻略のため、キエフ・ルーシ(ロシアの前身)の支配層だったヴァイキングがビザンツ帝国と連合したためと見られています。この連合のため政略結婚がなされ、キエフ・ルーシはギリシア正教を採用し、後のロシア世界に正教が広まりました。ロシア系文字がギリシア文字から来ているのもそのためのようです。ハザールと言うと、東欧ユダヤ人(アシュケナジーム)のルーツ説にばかりスポットが当たっているように見受けられますが、スラヴ世界との間でも結果的に大きな役割を果たした民族だったのですね。

ハザールがユダヤ教を国教に採用したのは、イスラム教のサラセン帝国とキリスト教のビザンツ帝国の間にあって、どちらとも上手く亘り合うため(両国から敵視されない宗教を選んだ)と言われています。一方、黒海~カスピ海の間にハザール帝国がなかったら、ヨーロッパへの東からのイスラーム流入に歯止めがきかなかったとも言われます。
1月の初めに取り上げたチュルク系少数民族のカライムは、まず間違いなくハザールの末裔ではないかと思われます。だとすれば、ドイツ系の混成言語であるイディッシュ語を話していた何百万というアシュケナジームのルーツが丸々ハザールと考えるのは、かなり無理があるように思います。カライムはトルコ語に似た言葉を今も喋っている訳ですから、東欧系ユダヤ人もトルコ語を話してないと辻褄が合わないように思います。 

Aliluja

ベラルーシのアレルヤ(ハレルヤ)唱。解説にはPublic prayer for Belarusan youth at St. Cyril's of Turau Cathedral とあります。

Aliluja, glas 5

会衆によるアレルヤ。ここにはByzantin chantとありますので、確かに正教の方ですが、ただ国名が出てないので、ベラルーシかどうか不明。コメントの一つには「Serbian choirでは?」ともあります。ベラルーシ、セルビアのいずれにしてもスラヴの正教会ではあります。ドローン(持続音)とその上で動く旋律が綾なす響きは、とても美しいものです。

Church music in Minsk, Belarus

これはカトリック教会でしょうか。日曜の礼拝のビデオのようですが、流れてくる聖歌は正教的に聞こえない気がします。隣のポーランドはカトリックですから、混ざっているのかも知れません。

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2008年2月20日 (水)

ベラルーシ関係4本

今日はベラルーシのフォーク・ダンスとフォークソングと、パルティザン関連の名画から。

Belarusian Folk Music Dance

解説にChildren's Folk Group fromm Minsk, Belarusとありますが、高校生くらいでしょうか。沢山あるクリップの内の一本です。ご興味のある方は、再生後のリンクから続きをどうぞ。やはり動きがポーランドの踊りに似てくるような気がします。

Nagual in Minsk, BELARUS

首都ミンスクのNagualというグループの演奏。女性のツィンバロムと男性の太鼓叩き語り中心。歌は喉歌(ホーミーはその代表的唱法)になっている部分もあります。昨日のヴァイキング系トラッド、オランダのレーベルPanからCDが出ていたIvan Kirchuk、そして今日のこのグループと、「ロシア」離れしたワイルドな魅力を放つグループが結構いるようですね。

Za tumanam, Kriwi

Kriwiというグループの歌唱。北国の哀愁味がしみじみ感じられる佳曲です。多少民謡の要素も感じられます。

Come And See (with English subtitles). Part 1 (1 of 7).

Belarus Partisanで検索しましたが、残念ながらパルティザン・ソングは見つからず。約半分はこの映画「Come and See (Russian: "Иди и смотри"」のファイルでした。この映画、20年ほど前にTVで見た記憶があります。主役の少年の迫真の演技は、今でもよく覚えていました。ご興味とお時間のある方は、再生後のリンクから続きをご覧下さい。確認していませんが、全部見られるのかも。

Come and See (Russian: "Иди и смотри", Idi i smotri) is a 1985 Soviet war movie/psychological horror[1] directed by Elem Klimov and starring Aleksei Kravchenko and Olga Mironova in the leading roles. The film is set in 1943 in various villages in Belarus during the Nazi occupation.
The screenplay was written by Ales Adamovich in collaboration with Elem Klimov. The words Come and See ("Иди и смотри" in Russian) quote from The Apocalypse of John, chapter 6, ...and I heard one of the four living creatures saying, as with a voice of thunder, "Come and see!" (In Russian: "...и я услышал одно из четырех животных, говорящее как бы громовым голосом: иди и смотри.")

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2008年2月19日 (火)

ベラルーシのビッケ

チェチェンが数回続きましたので、このまま同じコーカサス系のグルジアに入ればスムースなのですが、東スラヴのベラルーシが残っていましたので、ベラルーシに数日かける予定です。言うまでもなく、ロシア、ウクライナ、ベラルーシの3つが東スラヴです。
ソ連時代にはウクライナは小ロシア、ベラルーシは白ロシアとも呼ばれていました。ポーランドに接しているので、やはり音楽でも一番ヨーロッパ色が強いように思います。第2次大戦ではポーランドの隣という場所柄、戦死者を多く出し、対独レジスタンス(ゲリラか?)が盛んでした。その頃作られたパルティザン・ソングも残っているようです。(youtube見つかると良いのですが)

Stary Olsa

ベラルーシの古楽か、トラッドか、詳細不明ですが、解説にPerformance of the Ensamble STARY OLSA. Festival of Vikings. Wolin 2006. とあります。東スラヴの世界は、中世にスカンジナヴィア・ヴァイキングの影響を強く受けた訳ですが、Stary Olsaはその頃の響きを復元し奏でるグループのようです。ソ連時代には難しかったベラルーシ人のルーツ探しの一つなのでしょう。

stary olsa - in taberna

タベルナって、ギリシア語だと思っていましたがw  タベルナでの饗宴は大変な乱痴気騒ぎ。ヴァイキング文化のワイルドさを表現しているビデオ、ということでしょうか。

Biaseda Cossack Song

ベラルーシのコサック・ソング。ロシアのピャトニツキーのような地声合唱。コサックらしい勇壮さよりも、ほのぼのした感じの歌です。

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2008年2月12日 (火)

ルテニア~カルパチアのジプシー・バンド

ウクライナ西部のカルパチア山脈の辺りは、ルーマニアのトランシルヴァニアやマラムレシュ、ハンガリー、スロヴァキア、ポーランドと接している地方で、この辺りは昔からルテニアと呼ばれていました。ルテニアのジプシー・バンドの珍しい映像が見つかりましたので、今日はそれをアップしてみました。
当地のTecso Bandが、ブダペストで演奏した時の映像のようです。音楽的にはハンガリーの農村ジプシー音楽系ですが、ウクライナ側に出ているので、少し音楽の雰囲気が違うように思います。ハンガリーでは、バスドラのような太鼓は東部以外ではあまり使わないと思いますし。その東部(というか東北部)はサトゥマール地方という所で、この辺りの音楽にはやはりそっくりだと思います。国境を挟んだ両地方に共通するのは、古いユダヤ系のレパートリーを持っていることで、ハンガリーのクレズマー(ユダヤの楽士)達が昔演奏していたユダヤ・メロディを、ジプシーの楽士たちが今でも忘れずに記憶しています。今日の3つ目のビデオはその演奏。往年のクレズマーたちの多くは、悲しいことにホロコーストで亡くなってしまいました。

Hutsul Tecso Band at Fono pt.1

Tecso Band: Hutsul Tsymbaly (cimbalom) solo

テチョェー・バンド(無理やりカタカナにするとこんな感じでしょうかw)のツィンバリ奏者のソロ。ルテニアのTsymbalyは、勿論ツィンバロムの兄弟楽器です。

Hutsul band From Tecso plays old Jewish Melody "7:40"

この分かりやすい歌謡性を帯びた哀愁味あるメロディは、典型的東欧ユダヤの旋律。90年代前半にHarmonia Mundi系のQuintana(その後消滅したレーベル)から出ていたカルパチア音楽のCDにもこの曲が収録されていました。

以下一本目のビデオの解説文の転載
The village band from Tjaciv, Karpatho-Ukraine (called Técső in Hungarian, Tetch in Yiddish) play at the Fono Music House in Budapest. The musicians are Gypsies, Josika (bayan button accordion) and Yura (drum and plonka) Csernovics with Ivan Popovic, the fiddler. Missing here is the tsymbaly/cimbalom player,Misha, who was ill when this was recorded, and sadly, has since passed away. Yura plays plonka while drummig - it is a piece of negative film (originally birch bark) held between the gums and lips in the mouth, and blown as a reed. Técső is a majority Hutsul/Ruthenian village located just across the Tisza river from Romania, near the Hungarian border, and thus preserves a unique repetoire of all nationality's dance musics, including old Carpthian Jewish music.

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2008年2月11日 (月)

こんな合唱

昨日のドニエプル川を歌った合唱曲ですが、PLAYA SOUND盤で聞いた演奏とは、こんな感じでした。近い演奏を見つけましたので、今日はそれを。youtubeの星の数は当てにならないなと今回も思いました。昨日の曲は赤軍合唱団の演奏ではUkrainian Poemeとなっています。お持ちの方は是非ご確認下さい。作詞したシェフチェンコは、抑圧されたウクライナ人の悲しみを詩に表現したことで知られる19世紀の有名な詩人。
ウクライナのこの見事はポリフォニックな合唱は、やはりコサックの伝統合唱の影響のようです。民間でこういうポリフォニーが出来るなんて、羨ましい限りです。歌詞と相まって愛国的な調子を帯びている曲も多いのでしょう。PLAYA SOUND盤で指揮をしていたレフチェンコは、ソ連時代にウクライナの自由を歌った曲を指揮したため職を奪われたそうです。ペレストロイカ後に復帰し、件の録音を残しました。

На святого Миколая (part 5)

この盛り上がりですから、プログラムの最後か、アンコール曲でしょう。

На святого Миколая (part 2)

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2008年2月10日 (日)

ウクライナ絶唱

昨日から食あたり?でダウンしていましたが、昨日の記事は何とかアップ。今日は少しよくなりました。で、更にウクライナでこれはというのを何本か見つけました。バンドゥーラ関係もまだまだありますが、きりがないので。
前にちょっと予告した「ドニエプルの荒波」(邦訳はないので我流ですが)を見つけました。ここではReve Ta Stogneになっていますが、間違いなく同じ曲です。仏PLAYA SOUNDから93年に出ていたウクライナの民謡合唱盤(Ukrainian Voices おそらく廃盤)では、英訳が「The Dnepr roars and moans」になっていました。直訳だと「ドニエプルは轟々とうなり呻く」でしょうか。どことなくイスラエル国歌のハティクヴァを思い出させる悲愴美があります。PLAYA SOUND盤を聞いて最初に強く印象に残った曲で、特に女声の切々と迫ってくる表現には鳥肌が立ちました。赤軍合唱団もレパートリーに入れていた曲ですが、地元ウクライナの合唱は一枚上でした。
このビデオでも、普段はロック系の音楽を演奏しているグループのようですが、楽器を置いてアカペラのコーラスでポリフォニックに粛然と歌われています。どういう民族的な思いがこめられた歌か分からないのが残念ですが、ウクライナ絶唱と言っていいように思います。Kobzaと言えば、ルーマニアのウード系弦楽器の名前ですが、それで目に留まった次第(笑

Kobza - Reve Ta Stogne

Кобза - "Реве Та Стогне" (НПК "Україна" 8 Березеня 2006) vocal instrumental ensemble from Ukraine

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2008年2月 9日 (土)

バンドゥーラの妙技

ウクライナの弦楽器バンドゥーラは、これまでにも何回かアップしましたが、今日のVictor Mishalowという人は、見た中では一番の名手です。器楽的に可能性を探求しているように見えますので、民族色は希薄かも知れませんが。彼はオーストラリア生まれで現在はカナダ在住のようです。結構ウクライナ人も外に出ているんですね。(バイオグラフィーは名前のリンクをご参照下さい)
何本か最近の収録と思われる独奏をアップしておきます。この楽器、どういうチューニングになっているのでしょうか。多分クロマティック(半音)になっているのでしょうが、謎は低音の部分で、フレットレスの棹は押さえることもあるのでしょうか。下のふちにアジャスター(というかペグ自体か?)が並んでいるように見えます。

Victor Mishalow: The Captives' Market

演奏は真ん中辺りから。エリック・サティのグノシェンヌ風のエキゾチックな音階。あの曲はルーマニア音楽にヒントを得て書かれていますが、西ウクライナにはルーマニア風の音楽がありますから、このモードが出てきて不思議ではないように思います。

Victor Mishalow: Turkish Dance

こちらはトルコ風の演奏。確かにカーヌーン的にも聞こえます。

Victor Mishalow: Snow Dance

こちらは一番スラヴ的な曲調。バンドゥーラのイメージに一番ぴったりに聞こえます。

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2008年2月 8日 (金)

ウクライナの犬 (アニメ)

今日は一転してハートウォーミングなアニメを一本。ルイス・ブニュエルの映画「アンダルシアの犬」を思い出させるタイトルを付けてみましたが、ああいうシュールな内容ではありません。ウクライナ民話に基づいてソ連時代に制作されたようですが、動物愛と歌と踊りを愛するウクライナ人の等身大の姿が見えてきそうな秀逸なアニメだと思います。人間はほとんど喋らず、犬の会話中心に進みます。チェコのアニメのように前衛的ではありませんが、独特な雰囲気と素朴な作画が素晴らしいと思います。民謡が方々で出てきますし、犬猫好きの私としましては、是非アップしようと思った次第です。老犬のペーソス溢れる人間臭い表情が良いです。(民謡はウクライナというよりはロシア風に聞こえますが)

Zhil byl pes.

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2008年2月 7日 (木)

Драбына(梯子)

今日はウクライナ・フォークのグループ、ドラビナ(Драбына)の演奏。
ギリシア正教が入ってくる前の、アニミズム時代を思わせるようなビデオです。不思議なトーテムポールのような人形が夢に出てきそうです。でもよく見ると十字架がありますねw スラヴ神話の魔女バーバ・ヤーガとかのイメージでしょうか。呪術的な演奏、森の中を徘徊するカメラワークに彼らのセンスが現れています。楽器は民族的な縦笛(名前は不明)、ハーディーガーディー(手回しヴァイオリン)、フィドル、枠太鼓(ボドランか?)など。いかにもトラッド的な編成ではあります。こういうのは、ソ連時代にはまずなかったタイプの演奏です。しかし、吸血鬼伝説が生まれたのもスラヴ世界のようですから、魔女くらいで驚いていてはいけないのかも知れませんw 
以下はビデオの解説文の転載:
Folk and country band "Atel'e Drabyna" is from Kharkiv (Ukraine). It is named Atel'e because we also write paintings, collect and restore Ukrainian traditional dress and music instruments besides making music. It is Drabyna because Drabyna is a ladder in Ukrainian, it is the ladder between the deep past of our Europian culture and people in the modern 21st century.
The wide range of our music includes the Ukrainian Middle Age songs from the East of Ukraine (Kharkiv area) and other areas of the country, Europian folk music such as Irish and Scottish, music of the peoples of the world, for instance country and bluegrass of the States.

Drabina

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2008年2月 6日 (水)

ベッサラビア、ドゥムカ、バンドゥーラ

今日はヴァラエティー豊かなウクライナの音楽と踊りを何本かアップしました。ウクライナ西南部のベッサラビアと、ドゥムカの名唱、昨日に続きバンドゥーラ弾き語り(今日はソロ)です。ハンガリーやスロヴァキアとの国境近くのルテニア辺りも探してみたいと思いますが、見つかるでしょうか...。民族詩人のシェフチェンコが詩を書いた「ドニエプルの荒波?」も探していますが、なかなか見当たらず。赤軍合唱団も中心レパートリーにしていた名曲ですが。
ウクライナは現在人口は5000万近くに達し、面積はロシアについでヨーロッパで2番目の国。チェルノブイリの悲劇も遠い昔の話になりました。

"DOR BASARABEAN" Romanian Folk Ensemble from Ukraine

ベッサラビア(またはバサラビエ等)とはロシア帝国時代における中央ヨーロッパ領土の一部分で、現在のモルダヴィア共和国のほとんどと、現在のウクライナの一部を加えた地域のこと。ユダヤのクレズマーたちが活躍した舞台としても有名です。このビデオはウクライナ側ベッサラビアのルーマニア民族アンサンブルの演奏。冒頭に演奏されているのは、ルーマニアのネットTV、TVRの伝統音楽番組Tezaur Folcloricのテーマ曲です。コマネチのふるさとのルーマニア東部モルドヴァ地方の音楽と踊りに瓜二つ、というかそのものに聞こえます。

Magomaev Muslim - Dumka

アゼルバイジャン生まれの有名なソヴィエトのオペラ歌手、ムスリム・マゴマーエフ(この名前ですからイスラム教徒でしょう)がピアノ弾き語りでウクライナの代表的な民謡ドゥムカを聞かせます。1969年キエフでの演奏。ドゥムキーとは英訳すればThoughtの意。単一の曲ではなく、叙事的な民謡のジャンルのようです。こちらには「ドゥムカとは哀歌とも訳され、18世紀にポーランドで起こった叙事詩による民謡の形式」とありました。

Bandura

バンドゥーラ演奏、今日は女性の弾き語りで。この涼しげで哀愁漂う音色は、フィンランドのカンテレと似て聞こえます。同じように叙事的な哀歌風の歌が歌われます。(もしかしたら、どちらもヴァイキングから伝来したものなのでしょうか?)

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2008年2月 5日 (火)

ウクライナ民謡の色々

東スラヴ語族はロシア、ウクライナ、ベラルーシの3つですが、言葉の近さで並べると、ロシア語、ベラルーシ語、ウクライナ語、ポーランド語(西スラブ語族)の順になるとどこかで読んだことがあります。ウクライナ語は、3つの中では一番ポーランド語に近い部分があるようです。文字もロシア語とは少し違って、同じキリル系ですがウクライナ語独自の文字があります。
ソ連時代にはウクライナもベラルーシもロシアと一緒くたに見られていたように思いますが、ウクライナだけをとっても地方色が豊かで、色々な民族の歴史が重層的に重なっている所です。古くは古代のイラン系遊牧民族スキタイ、中世には東スラヴ3カ国共通の源流のキエフ・ルーシがウクライナの地から興りました。そこでの当初の支配者は、北からのノルマン人(ヴァイキング)でしたが、彼らはスラヴ世界に混血、同化していきます。キエフ・ルーシも近世にはモンゴルに倒され、数百年間いわゆる「タタールのくびき」が続きます。その他にも、フン族、チュルク系諸族、オスマン帝国など、両手で数えられない程の民族が通過していきました。中世には、あの謎のハザール帝国の版図にも一部入っていました。14世紀にコサックが最初に登場したのも、ウクライナの地です。
当然人種的には混合が進んだと思われますが、音楽で見る限り、現在の姿はロシアとかなり似通っていると言えると思います。そんな中で、今日は何曲か特徴的なビデオを見てみましょう。

Kraina Mriy 2007 - Song of Ukrainian Steppes

South of Ukraine (Kirovograd region)の民謡。ロシアの地声女性コーラスに非常に似た感じです。

Banduryste, Orle Syzyj - Ukrainian Bandura, Lviv

ピアノの中身を取り出したようなウクライナの弦楽器、バンドゥーラの弾き語り合奏。この叙情性はウクライナ的で、ロシアの歌とは大いに異なる点です。

Ukrainian kozak song

ウクライナのコサック民謡。ちょっと男声が弱い気がしますが。
先日書き忘れましたが、「コサック」とは英語読みで、ロシア語ではカザーク、ウクライナ語ではコザークです。ロシア語の方はカザフ(kazakh)とほとんど同じ綴りです。

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