東欧

2022年4月 1日 (金)

バンドゥーラ弾き語り

数年前にも上げた動画ですが、彼女らがどうかご無事で、また美しい歌声を聞かせてくれる日が来ますように、と祈るばかりです。バンドゥーラの響きには、ウクライナ語がぴったり合います。
今週の放送では、西ウクライナのQuintana音源が残っていますが、5年前にも取り上げていますし、おそらく地域は西部のルテニアの辺りで、音楽的にはほぼ完全にハンガリー音楽なので、またハンガリーの時に取り上げようかと思います。

KIEV - Khreshchatik. Hermanas tocando la bandura ucraniana

Місяць на небі Українська народна пісня (ukrainian folk song) bandura

| | コメント (0)

2022年3月31日 (木)

赤軍合唱団、バンドゥーラ弾き語り合唱、弦楽合奏のРеве та стогне Дніпр широкий

「ドニエプルは轟き呻く」は、ソ連時代に赤軍合唱団( l'armée Rouge)が「ウクライナの詩」と言う曲名で歌っていました。これは番組でかけたのと同じシャン・デュ・モンドの音源です。1960年のパリでのライヴ録音で、指揮はボリス・アレクサンドロフです。ソ連時代はグルジアのスリコ、アルメニアのつばめと同様に各国の名歌が歌われることがあったので、これはそのウクライナ版だと思います。ドラマティックな悲愴美溢れる歌唱です。

<4 Les choeurs de l'armée Rouge a Paris ~Poème à l'Ukraine 5分44秒>

この映像では、ウクライナのバンドゥーラ弾き語りの男性が合唱しています。大勢の場合、バンドゥーラの調律は合うのだろうかと思ったりもしますが、このように大人数のバンドゥーラ弾き語りと言うのも、ウクライナではよく見かけるスタイルです。

"Реве та стогне Дніпр широкий" - Національна капела бандуристів України (2017)

このロシアのクズネツクと思しき弦楽合奏団の映像は、戦争後の3/21にアップされています。В поддержку простого украинского народа!(一般のウクライナ人を支援するために)のコメントがありました。戦争の悲しみと平和への思いをこの曲に託したい気持ちは、一般のロシア人も同じなのでしょう。楽譜が手に入れば、私らも弾いてみたいものです。

Реве та стогне Дніпр широкий - Ревёт и стонет Днепр широкий

| | コメント (0)

2022年3月30日 (水)

広きドニエプルに吹き荒ぶ嵐

ナターシャ・グジーのバンドゥーラ弾き語りですが、27日の番組でかけた「我がキエフ」は見当たりませんが、「ドニエプルは轟き呻く」の方はすぐに見つかりました。ナターシャさんの方では「広きドニエプルに吹き荒ぶ嵐」と言うタイトルになっていました。月曜にかけた合唱版とは違って静かな趣きですが、やはり非常に素晴らしい歌声です。吟遊詩人の弾き語りのスタイルが元だとすれば、こちらがオリジナルの演奏形式なのでしょう。解説によると「詩はタラス・シェフチェンコの詩集「コブザーリ」に収められている。19世紀末ごろから歌い続けられているのであろうこの歌は、今なおウクライナの人々に愛されていて、第2の国歌とも言うべき存在である。」とのこと。この曲は夥しい数の動画が、特に今回の戦争後にも上がってきていました。また明日幾つか上げる予定です。カタカナ表記ですが、月曜は急いでいて少し間違っていました。レヴェ・タ・ストーネ・ドニプル・シローキーが正しいと思います。
5年前に番組でかけたウクライナ民謡「バンドゥーラを手にすれば」と同じく「我がキエフ」も2002年の盤「セルツェ」からでした。「セルツェ(心)」は確かデビュー盤でしたが、「広きドニエプルに吹き荒ぶ嵐」も、その後の盤に入っているのかも知れないので、チェックしてみます。

"Реве та стогне Дніпр широкий" Наталія Гудзій  広きドニエプルに吹き荒ぶ嵐 ナターシャ・グジー


| | コメント (0)

2022年3月28日 (月)

Реве та стогне Дніпр широкий

ゼアミdeワールド302回目の放送、日曜夜10時にありました。30日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日のタイトルは「ドニエプルは轟き呻く」のウクライナ語表記です。同じキリル文字系ですが、iの文字があるのがロシア語と大きく違う点です。レベ・タ・ストーネ・ドニプル・シローキーとカタカナ表記するのが近いと思います。プラヤ盤で聞いたのは30年近く前ですが、今も鮮烈に覚えていた曲でした。名曲ですから、色々動画もあります。CDと同じ音源は無さそうですが、今日の一本目は近い感じです。ナターシャ・グジーさんも歌ってないか、後日探してみます。

ルーマニアの音楽の15回目として、フランスHarmonia Mundi系のQuintanaから1991年に出ていた「カルパチアの伝統音楽」を考えておりました。カルパチア山脈と言えば、ルーマニア、ウクライナ、スロヴァキア、ポーランドにまたがっていますが、この盤に入っているのは、ほとんどが西ウクライナの録音でした。

この盤の前に、痛ましい戦火が一日も早く終わることを願って、また亡くなった方々への鎮魂歌として、ウクライナの合唱などを先におかけしたいと思います。いずれもペレストロイカ後だからリリース出来た盤だと思います。
東スラヴ系のロシア、ウクライナ、ベラルーシの音楽をこの番組で取り上げたのは、5年程前になります。その時にもかけた音源ですが、フランスPlaya Soundから出ていたウクライニアン・ヴォイスから、「ドニエプルは轟き呻く」と言う合唱曲からおかけします。抑圧されたウクライナ人の悲しみを表現した19世紀の詩人シェフチェンコの詩に作曲されています。キエフの中心を流れる大河ドニエプルの轟く様が目に浮かぶような、とりわけ感動的な一曲です。

<8 Ukrainian Voices ~Le Large Dniepr Hurle Et Gemit 4分12秒>
Хор ім. Верьовки - Реве та стогне Дніпр широкий

Reve ta stohne Dnipr shyrokyy

同じ曲をソ連時代の赤軍合唱団も「ウクライナの詩」と言う曲名で歌っています。1960年のパリでのライヴ録音で、指揮はボリス・アレクサンドロフです。ソ連時代はグルジアのスリコ、アルメニアのつばめと同様に各国の名歌が歌われることがあったので、これはそのウクライナ版だと思います。こちらもドラマティックな悲愴美溢れる歌唱です。

<4 Les choeurs de l'armée Rouge a Paris ~Poème à l'Ukraine 5分44秒>

日本で活動しているバンドゥーラ弾き語りの女性歌手ナターシャ・グジーの歌は、5年前にはウクライナ民謡「バンドゥーラを手にすれば」をかけましたので、今回は同じく2002年の盤「セルツェ」から「我がキエフ」をおかけします。透き通った物悲しい歌声が余りに美しいです。バンドゥーラはウクライナの吟遊詩人が弾き語って来た小型ハープのような弦楽器です。

<1 Nataliya Gudziy 我がキエフ 4分5秒>

この後は、Quintanaの「カルパチアの伝統音楽」からおかけしますが、5年前にも取り上げた曲を今回も選んでいました。その時の解説を読み上げます。

ウクライナは広大なので、地方によって音楽もかなり違いますが、ハンガリーやルーマニアに近い西ウクライナの音楽は、これらの国の伝統音楽にかなり似通っています。フランスのQuintanaから出ていた「カルパチアの伝統音楽」から、結婚式のチャールダッシュのヴァイオリン演奏をおかけします。演奏者と曲目共にハンガリー語ですが、西ウクライナのブコヴィナ地方での録音のようです。

<5 カルパチア山脈の伝統音楽 ~Lakodalmi csardasok 4分24秒>

結婚式のチャールダッシュのヴァイオリン独奏以外のチャールダッシュやその前進の舞曲ヴェルブンコシュをかけてみたいと思いますが、その中からマジャール・ヴェルブンクという曲をどうぞ。

<15 Quintana「カルパチアの伝統音楽」 / Magyar Verbunk 2分4秒>

ヴェルブンクと言うのは、19世紀前半のハンガリー独立戦争の頃に募兵活動の中で生まれた男性の踊りで、これが基礎になってヴェルブンコシュが生まれ、更にそれが居酒屋(チャールダ)で洗練されてチャールダッシュが生まれたという経緯があります。ヴェルブンクにはヴェルブンコシュになる前の、男性の荒削りな踊りの印象が強く残っているように思います。

この盤にはユダヤの音楽も入っていましたので、次にマゼルトーフやホラなどのダンス曲をかけてみます。ハンガリー音楽のスタイルに乗せて、特徴的な哀感溢れるユダヤ・メロディがメドレーで出てきます。この曲を時間まで聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<24 Quintana「カルパチアの伝統音楽」 / Mazeltof 2分37秒>

| | コメント (0)

2019年7月30日 (火)

PANFILI & FRIENDS

「パリからカルカッタへ」関連は他に見当たらないようですので、先週の話題に戻ります。ルーマニア系の国モルドヴァ出身の女流ヴァイオリニスト、ルザンダ・パンフィリは、PANFILI & FRIENDSでは地元モルドヴァの曲からピアソラまで、実に華やかな活動を展開していました。ルーマニアのホラ(ディニクではありませんが)も、ハイフェッツもびっくりかものテクニックを見せています。東欧の音楽シーンの情報はほとんど日本まで来ないので、youtubeを見てびっくり仰天することになりますが、またまたびっくりでした。さすが往年のヴァイオリンの大家エネスコを生んだルーマニアで教育を受けただけあって、完璧なテクニック!(2本目のようなラウタルをテーマにした独奏曲をエネスコが書いていたとは知らなかった)元弓に来てダウンになる直前に、これみよがしの指弓にならず、右手人差し指がちょいと上がるところが素晴らしい。真似したいものですが(笑)
彼女はチャイコフスキーなどのオーソドックスなヴァイオリン協奏曲も弾いているようですので、そちらも気になります。
明日31日は、加藤さんのウード・ソロ・ライブのため、ブログはお休みします。まだ若干残席あります!

PANFILI & FRIENDS - MUSICAL TEASER

Rusanda Panfili playing Lautaru (The Fiddler) composed by George Enescu

| | コメント (0)

2017年5月24日 (水)

「春の祭典」とベラルーシやリトアニアのペイガニズム

ゼアミdeワールド58回目の放送、水曜夜に終りました。21日には前々回の放送(56回目)が流れてしまいましたが、今回はちゃんと58回目が流れました。<>内がかけた音源です。今回もイネディやメロディアの盤と全く同じ音源のyoutubeはおそらくないのではと思いますので、今日は「春の祭典」のみ上げておきます。民謡はもし見つかったら、また取り上げます。

今回はベラルーシと、北側に隣接するバルト三国の一つ、リトアニアの歌を聞いてみたいと思います。ZeAmiブログの方でベラルーシやリトアニアの伝統音楽を見ていると、結構Pagan Songというタイトルが目立つことに気がつきました。キリスト教化する前のペイガン(異教的)な雰囲気を感じさせる映像がありましたが、そこで出てくる民謡は、正に前回かけたユネスコ盤に入っているようなタイプでした。
ここで思い出したのがストラヴィンスキーの「春の祭典」で、この曲の冒頭に出てくる旋律がリトアニア民謡でしたから、今回はベラルーシからリトアニアにかけて、ペイガンな曲を探してみようかと思いました。そうは言いましても、一曲一曲詳細に吟味するのも難しいので、前回一曲かけましたロシアのメロディア盤2枚組の「ベラルーシの民族音楽アンソロジー」の中から、決まったテーマの部分を続けてかけてみます。今回じっくり聞いてみて、ユネスコ盤と音源が数曲ダブっていることにも気がつきました。ここにどうもペイガンな歌が有りそうだと言うことで、「春の祭典」を想起させる「春の歌」4曲を続けてどうぞ。

<ベラルーシの民族音楽アンソロジー~春の歌 56秒、38秒、1分5秒、50秒>

続いて、ストラヴィンスキーの「春の祭典」の冒頭部分をかけてみます。ストラヴィンスキーの自作自演です。リトアニア民謡をベースにしたファゴットから始まる序奏から、弦楽器を中心に同時に力強く鳴らされる同じ和音の連続とアクセントの変化による音楽に始まる乙女達の踊り「春のきざし」の辺りまでです。80年代にピナ・バウシュのバレエで「春の祭典」を見たことがありますが、どうもペイガンなyoutubeの映像と印象がダブります。

<ストラヴィンスキー / 春の祭典 ストラヴィンスキー指揮ニューヨーク・フィル 2分53秒、3分14秒>
Igor Stravinsky Le Sacre du Printemps Vaslav Nijinsky Version 1913 Ballett Mariinski Theater

自作自演はおそらく上がってないので、ニジンスキー・ヴァージョンのマリインスキー劇場管弦楽団とバレエ団の演奏で。何と言ってもあのニジンスキーですから、これが正調なのでしょう。指揮はもちろんヴァレリー・ゲルギエフ

露Melodiyaの2枚組は、春の歌、三位一体の日曜と聖ヨハネの生誕前夜の歌、収穫の歌、秋の収穫の歌、キャロルと祭りの歌、結婚式と出生の歌、非儀礼の叙情歌、器楽と言う風に分れています。異教的という観点で見れば、当然三位一体とかキャロルのようなキリスト教関連の歌は外れるのだろうと思います。
言語的には、ベラルーシはロシアやウクライナと同じ東スラヴ系ですが リトアニアとその北のラトヴィアはバルト語派で、共にインド・ヨーロッパ語族ではありますが、全く系統の異なるグループです。エストニアだけ、フィンランドと兄弟関係に当るウラル系のフィン・ウゴル語派になります。この辺りでベラルーシとリトアニアだけに共通するような異教的なイメージの曲があり、それがストラヴィンスキーにもインスピレーションを与えたのだとすれば、これはとても興味深い事実だと思います。
次にリトアニアの曲をかけてみます。フランスのIneditから出ている「バルトの歌声」には、ラトヴィア、リトアニア、エストニアの順に伝統音楽が入っていますが、その中からリトアニアの収穫の歌、結婚式の哀歌、ホイッスル、2声のカノンでのスタルティネなどの一部古い録音も聞けますが、キリスト教以前の儀礼歌も入っているようです。異教的だとしても、ベラルーシよりは穏やかな印象の曲が多いように思います。

これらの曲を聞きながら今回はお別れです。多分結婚式の歌の辺りで時間切れになると思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Baltic Voices~Lithuania 4分28秒、2分11秒、36秒、46秒、1分28秒、2分30秒>

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年5月17日 (水)

ベラルーシとリトアニアのペイガン・ソング

ストラヴィンスキーの「春の祭典」を思い起こさせる、キリスト教化以前のペイガン(異教的)な雰囲気を感じさせる曲と映像が出たところですので、今日の次回番組収録ではベラルーシとリトアニアのペイガン・ソングをテーマにしました。音源はストラヴィンスキーの自作自演と、メロディアのベラルーシ音楽アンソロジー2枚組、イネディ盤のBaltic Voiceです。今日は先回りしてyoutubeをいくつか見てみようかと思います。
「春の祭典」では、冒頭のファゴットのメロディに、リトアニア民謡がモチーフとして使われていました。 太陽神への生贄として一人の乙女が選ばれて生贄の踊りを踊った末に息絶え、長老たちによって捧げられる、という筋の「春の祭典」には、キリスト教化される以前のロシアの原始宗教の世界が根底にあると言われますが、導入のモチーフがロシアではなく、リトアニアだったかと言う驚きがまずあります。旧ソ連内ではありますが、スラヴ系のロシアやベラルーシと、バルト系のリトアニア。同じインド・ヨーロッパ語族ではあっても全く別グループです。その関係について調べてみたくなりました。

Belarusian pagan song

Belarusian traditional pagan song - Lecieli żurauli

Lithuanian pagan folk song | Jurginių liaudies daina - Geras vakaras

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年5月15日 (月)

ベラルーシの伝統音楽

ゼアミdeワールド57回目の放送、日曜夕方に終りました。17日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。今回もユネスコ盤の現地録音が中心ですので、youtube捜索は困難、もしくは多分データ自体無いと思いますので、似たイメージの曲をアップしておきます。

今回はベラルーシの音楽を聞いてみたいと思います。
ロシア、ウクライナと東スラヴの一角をなし、昔は「白ロシア」と呼ばれました。昨今はヨーロッパ最後の独裁者の話題が記憶に残り、戦中のパルチザンやチェルノブイリの原発事故など、悲劇的な印象も強い国ですが、地方色豊かな民謡や民話の宝庫として知られています。ベラルーシ語は、言語的にはロシア語とウクライナ語の中間に位置づけられます。
昔から日本ではベロルシアを訳した白ロシアとも呼ばれ、ソ連崩壊から20年以上経った今も、ほぼその名前通りのベラルーシと呼ばれています。国名の由来は、13~16世紀のモンゴルによる支配の、所謂「タタールのくびき」の頃に、モンゴル人が中国から学んだ文化である「方角を色で呼ぶ方法(五行思想)」をルーシ(ロシア)に持ち込んだため、赤ルーシ(南部ルーシすなわち現在のウクライナ西部)、白ルーシ(西部ルーシすなわち現在のベラルーシ)、黒ルーシ(北部ルーシすなわち現在のモスクワ周辺)という名称が生まれ、そのうちの白ルーシ(ベラルーシ)が国名として残った、とされています。ウクライナには小ロシアという一種の蔑称もありました。
ウクライナの北に位置し、東はロシア、西はポーランド、北はバルト三国のリトアニアとラトヴィアに接するこの内陸国で私がまず思い出すのは、第二次大戦中に東進するナチスドイツに相対し、全ベロルシアが一枚のパルチザン部隊となって戦い、国民の4人に1人が命を落としたと言われる、熾烈を極めた対独レジスタンスについてです。タイトルを忘れてしまいましたが、ナチスとの死闘を描いた映画が80年代にありました。
ベラルーシの音源は、ウクライナと同じくフランスのユネスコ・コレクションから一枚ありまして、最近になってロシアのメロディアからソ連時代の1962年~1986年録音の2枚組も登場しました。

GUDA: Belarusian Spring folk song "Oh, you white birch!" (белорусская народная песня)

ストラヴィンスキーの「春の祭典」のような、キリスト教化以前のペイガン(異教的)な雰囲気を感じさせる映像ですが、ここで出てくる民謡は、正にユネスコ盤に入っているようなタイプです。

ユネスコ・コレクションの方には、その第二次大戦中のパルティザンの歌が2曲入っておりますので、まずそれをかけてみます。女性達の合唱は「兵士の帰還の喜び」を歌っていますが、やはりこのトラックがこの盤の白眉のように思います。

<ベラルーシの伝統音楽~第二次大戦中のパルティザンの歌 6分52秒>

ベラルーシのユネスコ・コレクション盤は、南部のポレシエ地方の民謡が集成されていて、この地方はプリピャチ川の流域にあたる森林に覆われた地方で、伝統的な色彩の強い素朴で美しい歌が残っていた所です。ベラルーシ統一以前の古い歌や、コサックの多声歌なども収録されています。この盤の最初を飾っているクリスマス・キャロルと新年の歌を次にかけてみましょう。プリピャチと聞くと、チェルノブイリに近いというイメージがありますが、原発事故以前のこの録音からはその影響は当然感じられず、この長閑さには"伝説・昔話と歌の国"といわれた詩情豊かな国民性が確かに表われているように思います。

<ベラルーシの伝統音楽~クリスマス・キャロルと新年の歌 4分10秒>

バラードと題する歌唱では、コサック歌謡を思わせるポリフォニックな合唱を聞かせています。

<ベラルーシの伝統音楽~バラード 3分58秒>

露Melodiyaの2枚組からも特徴的な重唱を一曲かけておきましょう。ユネスコ盤にも似たタイプのロンドがありますが、近い音程で2つの声を合わせる歌声がとてもインパクト大です。曲名は和訳するなら「谷は深く、霧は広がっている」となると思います。歌唱はAnna KulakovskayaとAnton Makhnachという事ですので、男女の重唱でしょうか。Gomel地方の歌とあります。

<Anthology of folk music. Spirit of folk ~ BELARUS The Valley is wide, the Mist is spreading. 1分55秒>

最後に、スクリプカというヴァイオリンの独奏と、器楽演奏も多い「祭の歌と踊り」5曲をかけてみますが、歌では東スラヴそのものなのに対して、器楽の響きはロシアと言うより、どこかポーランドかスカンジナヴィアの音楽に近いものすら感じさせます。因みに、ロシア語でもヴァイオリンはスクリプカと言います。これらの曲を聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<ベラルーシの伝統音楽~スクリプカの小曲 43秒>
<ベラルーシの伝統音楽~祭の歌と踊り 7分46秒>

Belarus Folk Music

器楽も同じ曲はないと思われますので、とりあえずこちらを。途中3分前辺りから打弦のツィンバロムが弾いている耳馴染みの旋律は、ロシアの「行商人」です。他は大体ベラルーシの音楽だと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年5月 2日 (火)

ロシアのヴェスニアンカ?

放送でかけたような女性の地声合唱の民謡原曲を探していたら、ロシア側の合唱のようですが、веснянка(ヴェスニアンカ)の表記が確かにあります。ロシア語で「春」はヴェスナーですから、ヴェスニアンカというウクライナ語も容易に意味が類推できるのですが、ロシアでも春の歌(民謡)のことを、こう呼ぶのでしょうか? 2本目にはрусская народная песня(ルースカヤ・ナロードナヤ・ペスニャ=ロシアの民謡)と、はっきり出ています。2本目は間違いなくロシアの歌だと思います。放送で少しかけたBoheme Musicの音源に似た、非常に素晴らしい歌唱です。マイクなしで鮮烈な歌声を響かせ、こういう風に指揮のように振りが入るのかとか、衣装や歌っている時の凛とした表情などを確認できて、非常に嬉しい映像資料です。しばし、聞き惚れました。

Летела Стрела ☀ Вся Надєжда / весенняя закличка, календарная обрядовая песня веснянка

Черный ворон воду пил ☀ Вся Надєжда / обрядовая свадебная хороводная русская народная песня

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年5月 1日 (月)

веснянка ヴェスニアンカ

ゼアミdeワールド55回目の放送、日曜夕方に終りました。3日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。今回はさすがにyoutubeはおそらくほとんど無いだろうと思いますので、見つかった曲だけ今週中に上げられればと思います。ヴェスニアンカも、放送でかけたような民謡原曲ではなく、アレンジが入って耳当りが良くなっています。2本ともアップした曲とは別です。

前々回に西ウクライナの音楽を取り上げましたので、今回はウクライナ音楽の4回目として、東部と北部を中心にクローズアップしてみたいと思っておりましたが、日本の倍近い面積の大きな国ですので、地方によって音楽も少なからず違っていて、その中では前々回のルーマニアやハンガリーの音楽に近い西ウクライナのブコヴィナやイヴァノ・フランキフスケ地方辺りの音楽が特に異彩を放っていました。何度か取り上げましたユネスコ・コレクションの「ウクライナの伝統音楽」では、各地方の音楽が混在していまして、それぞれがどの方面に当るか調べてみましたが、西ウクライナだけでも、他にポーランドに近い音楽があったり、かなり地方色が豊かなことが浮き彫りになってきました。

ユネスコ盤では、季節ごとの歌もまとめられていますので、順に取り上げてみたいと思います。ベラルーシやポーランドに近い北西部のリヴネ地方のヴェニスアンカと呼ばれる「春の歌」を4曲続けてかけてみます。

<ウクライナの伝統音楽~春の歌1 38秒>
<ウクライナの伝統音楽~春の歌2 1分12秒>

Веснянка - Ukrainian Dance


Веснянка - Побреду


次は中西部のジトミール地方の合唱で、南スラヴ系にかけてよく聞かれる独特の叫び声がつきます。

<ウクライナの伝統音楽~あの山の上に 58秒>

次はリヴネ地方のヴェスニアンカの合唱です。

<ウクライナの伝統音楽~牧人 1分35秒>

続きまして、「夏の歌」ですが、中西部のフメルニツキ地方の祭り歌の合唱です。

<ウクライナの伝統音楽~柳の近くの小川で 1分52秒>

次は中西部ジトミール地方の合唱で、聖ペテロの祭日(6月24日)の歌です。男も女もリボンや花で飾り立てて歌う求婚の歌でもあります。

<ウクライナの伝統音楽~今日は聖ペテロの日だ 1分21秒>

次は北部のチェルニヒヴ地方の収穫の歌で、畑で仕事をしながら歌われる昔からの形式を残した合唱です。

<ウクライナの伝統音楽~草を刈る人 1分41秒>

次は中西部ジトミール地方の合唱で、こちらも古風な儀礼的な歌の一つです。各節ごとに独特な裏声が入ります。

<ウクライナの伝統音楽~日没 1分15秒>

続きまして、結婚の歌も数曲入っております。まずは北部チェルニヒヴ地方の合唱で、花で飾られた式用の木を捧げての花嫁の行列のメンバーによって、東北ウクライナに典型的なスタイルで歌われています。

<ウクライナの伝統音楽~花飾りのために 1分22秒>

次は中西部フメルニツキ地方の女性合唱で、花嫁の髪をときほぐしながら歌われる儀式歌です。花嫁は生家を離れる悲しみに泣いていると言う内容で、日本の、金襴緞子の帯締めながら花嫁御寮は何故泣くの、と始まる「花嫁人形」をすぐさま思い出させます。

<ウクライナの伝統音楽~どうして嘆き悲しむの 2分16秒>

コサックの歌も入っておりまして、手回しヴァイオリンのハーディーガーディーを弾き語っています。ふくろうが戦場で死んだ一人のコサックについての知らせを彼の妻子に伝えるという歌です。

<ウクライナの伝統音楽~ふくろうよ、もう不吉を告げないで 3分35秒>

次は東北部のハルキフ地方に伝わる無伴奏の合唱による若い女性の嘆き歌で、コサック起源の旋律のようです。ウクライナ草原地帯の典型的な節回しです。

<ウクライナの伝統音楽~夜明けの母さん 1分31秒>

次はリイイ地方の野外での歌と踊りの曲で、ポーランド系のテンポ・ルバート風なポルカ・リズムが特徴的です。

<ウクライナの伝統音楽~広い流れのドナウで 1分18秒>

では、最後にウクライナ盤のヴェスニアンカを聞きながら今回はお別れです。女性のみの「春の歌」ヴェスニアンカをレパートリーの中心にしている、リヴネ地方のおそらく同名の合唱グループですが、これからかけます「オイ・ナ・ゴーリェ・イ・スーヒー・ドゥーブ」という曲はパブートヴァという別なジャンルになるようです。とても印象的な曲です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<ヴェスニアンカ/オイ・ナ・ゴーリェ・イ・スーヒー・ドゥーブ 3分>

| | コメント (0) | トラックバック (0)

その他のカテゴリー

J.S.バッハ New Wave-Indies アイヌ アメリカ アラブ アラブ・マグレブ アルゼンチン イギリス イスラエル イスラム教 イタリア イディッシュ イラン地方音楽 インディアン、インディオ インド インドネシア インド音楽 ウイグル ウラル・アルタイ エジプト エチオピア オペラ オーストラリア オーストリア キリスト教 ギリシア クルド クレズマー ケルト コンサート情報 コーカサス (カフカス) サハラ シベリア シャンソン ジャズ スイス スペイン スポーツ スーダン セファルディー ゼアミdeワールド チェロ チベット トルコ音楽 ドイツ ナイル・サハラ ナツメロ ニュース ハシディック ハンガリー バルカン バルト語派 バロック パキスタン ビザンツ音楽 フランス フランス近代 ブラジル ペルシア音楽 ペルシア音楽 トンバク ユダヤ ユダヤ音楽 ライブ情報 ルーマニア レビュー ロシア ロシア・マイナー ロマン派 ヴァイオリン 中南米 中国 中央アジア 仏教 仏教音楽 北アジア 北コーカサス(カフカス) 北欧 南アジア 南インド古典音楽 古楽 地中海 室内楽 弦楽合奏 弦楽四重奏 後期ロマン派 文化・芸術 新ウィーン楽派 旅行・地域 日記・コラム・つぶやき 映画・テレビ 東アフリカ 東南アジア 東方教会 東欧 歌謡曲・演歌 民謡 沖縄 独墺 猫・犬 現代音楽 童謡、わらべうた 筝曲 純邦楽 西アフリカ 西スラヴ 韓国