ギリシア

2020年2月21日 (金)

「トラキアの音楽」プロジェクト

カルシラマもあればと思いましたが、youtubeはないようですので、ハサピコのライブバージョンと、おそらくその同じ時のライブの全映像を上げておきます。日本にも2016年に「トラキアの音楽」プロジェクトで来日して大好評だったようですが、地方にいると全く疎くなっていて知りませんでした。チェロもトンバクもいじる者としては、大変に残念です。特にケラスの妙技を見てみたかったです。
昨日のブログに一つ訂正があります。ハサピコのルーツが11世紀以前に辿れると書きましたが、コンスタンティノープルだけは15世紀にオスマン帝国によって征服されるまではビザンツ帝国(東ローマ帝国)が死守していたので、15世紀まで可能性はありました。が、ハサピコのルーツとしては「中世」と明記されているので、やはり11世紀以前だろうと思われます。

Música mediterrânica - Socrates Sinopoulos, com Jean-Guihen Queyras


28/09/2012: ARTE Concert (Jean-Guihen Queyras, Σωκράτης Σινόπουλος, Bijan & Keyvan Chemirani)

| | コメント (0)

2020年2月20日 (木)

ハサピコ

ソクラテス・シノプーロスが中心になって弾いていたハサピコはこちらです。聞けば聞くほど、先日ハリス・アレクシーウの歌唱で上げたガルソナに音階、リズム、雰囲気などがそっくりです。ハサピコは元々東ローマ帝国のコンスタンチノープル(現在のイスタンプール)の肉屋たちの踊りだったとのこと。当時はトルコの場所がトルコ化する前。セルジュク朝を起こしたテュルク人が中央アジアから今のトルコの場所に来たのが11世紀ですから、それより前の古い古い踊りと言うことになります。ハサピコは、ギリシアの踊りで最も有名なシルタキに繋がって行くようです。このハサピコのメロディ・ラインは、ユダヤのクレズマーにもそっくり。と言うかハサピコが本家本元なのでしょうか?

Hasápiko

| | コメント (0)

2020年2月19日 (水)

Nihavent Semai

先日のプロモーション映像にも少し出てきましたが、この曲が200回目の放送で最初にかけたNihavent Semaiです。リラ奏者のソクラテス・シノプーロスの作曲ですが、レヴァント(東地中海地域)の伝統の中にその雛形はあると見ていいようです。例の10拍子のサマーイの形式がレヴァントとエジプトのアラブ音楽でとてもポピュラーなことと、旋法面ではニハーヴェントがトルコ、ペルシア、ビザンティン、アルメニア、ユダヤ、ボスニア、ロマにも共通しているものがあるのがその理由で、更に西洋では和声的短音階に当たり馴染みがあるので、チェロとリラの旋律を組み合わせ、対位法的にも演奏を構築するという新しい試みと見ることも出来そうです。ただ10拍子と言うのはペルシア音楽にはないので、トンバク奏者が合わせるのは難しいのではと推測します。

Σωκράτης Σινόπουλος Νιαβέντ σεμάι

| | コメント (0)

2020年2月14日 (金)

Μανταλένα (Σαμοθράκη) マンタレーナ(サモトラキ島)

メスード・ジェミルやタリプ・オズカン、ソクラテス・シノプーロスのゼイベクとゼイベキコの映像も見つかっていますが、今週のテーマで言えば、一番の驚きは、タンブーリ・ジェミル・ベイの弾くゼイベクとハリス・アレクシーウのΜαntalio (Mantalena)が、全く同じ旋律だったことですから、その線で終えようと思います。
マンタレーナと言うのがどういう曲なのか、またギリシアに入った時に調べますが、Μανταλένα (Σαμοθράκη)という映像がまず気になりました。このギリシア語は「マンタレーナ(サモトラキ島)」と訳せますので、エーゲ海北東部に位置するサモトラキ島の民族舞踊のようですが、2+2+2+3の9拍子と言うよりシンプルな8拍子(あるいは4拍子)に聞こえますから、ゼイベキコとは別の舞踊なのでしょう。
2本目は、ハリス・アレクシーウの大先輩パパギカ・マリカの歌うマンタリオ・マンタレーナです。カッコかと思ったら、Μανταλιώ και Μανταλέναとあるように、και (そして)が付いているので、マンタリオーとマンタレーナと訳すのが正しそうです。タンブーリ・ジェミル・ベイは、もしかしたら彼女の歌を聞いてあのゼイベクを弾いたのでしょうか?

Μανταλένα (Σαμοθράκη).''Πευκαδίτικα 2018''Ενηλ.Χ.Ακαδημίας Πεύκων 20-6-18


Μανταλιώ και Μανταλένα - Παπαγκίκα Μαρίκα

| | コメント (0)

2020年2月13日 (木)

カルシラマスの例 カモマトゥ

カモマトゥはタ・ツィリカの音源とライブ映像の2つがありました。中間部の声を張って歌う所は独特で、とても印象的です。カルシラマスについては、またギリシアに回ってきた時に探したいと思います。(以下放送原稿を再度)

ハリス・アレクシーウがレベティカやライカを歌った名盤タ・ツィリカには、2+2+2+3の9拍子とはっきり分かるカモマトゥと言う曲がありますので、併せておかけしておきます。これもゼイベキコになるのかと思いましたが、アレクシーウのベスト盤の中村とうようさんの解説によると、トルコのカルシュラーマがギリシアに根付いたカルシラマスの踊りのリズムのようです。

<1-2 ハリス・アレクシーウ / カモマトゥ 2分56秒>

Kamomatou


Alexiou Kamomatou

| | コメント (0)

2020年2月12日 (水)

ガルソナとΜΠΑΡΜΠΑΓΙΑΝΝΑΚΑΚΗΣ

今週は放送でかけたゼイベクとゼイベキコ、カルシラマスについての調査が残っていますし、トルコ・シリーズではこの後、トルコの古録音、トルコのセファルディー、サフィイェ・アイラとネスリン・シパヒ、ハーレムの音楽、ドニゼッティ・パシャ、ハルク(トルコの民謡)、トルコのブルガリア系少数民族ポマック族の伝統音楽などが控えていて、最後にはトルコのクルドを大々的に取り上げる予定ですが、ギリシア関連を見ている内に、一足飛びにギリシアの音楽に目が行ってしまいました(笑)
今日のガルソナと言う曲は、レベティカの大御所パナヨティス・トゥーンダスの作曲で、私が最初に聞いたのはアンナ・ヴィッシの映像でしたが、76年にハリス・アレクシーウを有名にした曲の一つだそうです。タ・ツィリカなどは手元にありますが、ガルソナ入りは持ってなかったもので。今日の収録でトラキアの音楽を取り上げますが、その中にハサピコがあります。この曲、リズム的にはハサピコになるのでしょうか? ハサピコは元々東ローマ帝国のコンスタンチノープル(現在のイスタンプール)の肉屋たちの踊りだったそうで、ゼイベクもその頃のギリシア系舞踊にルーツを辿れるのかも知れないという推測もあながち間違いでないかも知れません。しかし、理屈は抜きにして何と魅力的なアレクシーウの歌声でしょうか! 2本目はタ・ツィリカの1枚目の1曲目です。何度かブログに上げましたが、こちらも最高です。

HARIS ALEXIOU - GARSONA / ΧΑΡΙΣ ΑΛΕΞΙΟΥ - ΓΚΑΡΣΟΝΑ (1976)


ΜΠΑΡΜΠΑΓΙΑΝΝΑΚΑΚΗΣ - ΧΑΡΙΣ ΑΛΕΞΙΟΥ

| | コメント (0)

2020年2月10日 (月)

ゼイベクとゼイベキコ

ゼアミdeワールド199回目の放送、日曜夜にありました。12日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。

トルコの16回目になります。今回はオスマン音楽の曲名によく出てくるゼイベクと、ギリシアの舞踊ゼイベキコの関係を探ってみたいと思います。今日の2本以外は、また後日。

オスマン古典音楽を聞いていて、曲名にギリシアの舞踊と関連のあるゼイベク(あるいあはゼイベキ)とか、ベリーダンスと関連する舞踊チフテテリの名が出てくるのが、少々意外に思われる方もいらっしゃるのではと思います。

ギリシアのZeibekiko(ギリシア語:Ζεϊμπέκικο)は、オスマン大衆音楽の影響を強く受けたギリシアにおける貧民層のサブカルチャーだった音楽、レベティカとともに踊られた踊りと言われます。

一方、ゼイベクはトルコの西アナトリアに特有の踊りで、ギリシアのゼイベキコはトルコ・アナトリア西部のゼイベクに由来する踊りです。リズムが特徴的で、ゆっくりとした9拍のリズム・パターンが多く、多くは4分の9拍子=2+2+2+3拍ですが、3+2+2+2拍の変化形も見られます。

これは推測ですが、今のトルコの場所が「トルコ化」するのは、オスマン朝以前のセルジュク朝が興った11世紀頃からで、セルジュク朝以前のトルコの場所は、長らくビザンツ帝国でしたからギリシア系住民が多かったはずなので、ゼイベクもその頃のギリシア系舞踊にルーツを辿れるのかも知れません。

まずは、タンブーリ・ジェミル・ベイのTraditional Crossroadsからの1枚目に入っているZeibek Havasiからおかけします。2+2+2+3の9拍子がはっきり分かる踊りの曲です。

<7 Zeibek Havasi 3分39秒>

Tanburi Cemil Bey - Zeybek Havası - Kemençe – Ud [ Külliyat © 2016 Kalan Müzik ]


タンブーリ・ジェミル・ベイがケメンチェで弾いていたZeibek Havasiと全く同じ旋律を、現代ギリシアの歌姫ハリス・アレクシーウが歌っていますので、続いておかけします。伴奏のギリシアの代表的弦楽器は、明るい音色のブズーキで、トルコのサズ、レバノンやシリアのブズクと兄弟楽器になります。

<1 Xaris Alexiou / 23 Tragoudia ~Μαntalio (Mantalena) 3分>

Μανταλιώ ( Μανταλένα ) Χάρις Αλεξίου


ハリス・アレクシーウがレベティカやライカを歌った名盤タ・ツィリカには、2+2+2+3の9拍子とはっきり分かるカモマトゥと言う曲がありますので、併せておかけしておきます。これもゼイベキコになるのかと思いましたが、アレクシーウのベスト盤の中村とうようさんの解説によると、トルコのカルシュラーマがギリシアに根付いたカルシラマスの踊りのリズムのようです。

<1-2 ハリス・アレクシーウ / カモマトゥ 2分56秒>

タンブーリ・ジェミル・ベイの息子メスード・ジェミルの2枚組にも、ゼイベクと付く曲がありますので、2曲続けておかけします。最初がタンブールの独奏で、2曲目は民謡歌唱のような合唱で、どちらも1932年録音です。2曲とも2+2+2+3の9拍子とはっきり分かります。

<1-8 Nikriz Taksim Nikriz Zeybek (1932 Kahire Arap Musıkisi Kongresi Kayıtları) 2分45秒>

<1-10 Muhayyer Aksak Zeybek - Sarı Zeybek (1932 Kahire Arap Musıkisi Kongresi Kayıtları) 3分19秒>

1938年生まれのサズやタンブールの名手タリプ・オズカンのオコラ盤にもゼイベクがありましたので、一曲おかけします。タリプ・オズカンと言えば、サズの名人の印象が強いので、古典楽器のタンブールを弾いてもどうしても民謡系のニュアンスを感じてしまいますが、そこが面白い点でもあります。

<13 Talip Özkan / Makam Nikris: Taksim / Kordon Zeybeği (Açış) 6分3秒>

では最後に東地中海各国の擦弦楽器(フィドル)を集めたギリシアFMのコンピレーション盤から、ソクラテス・シノプーロスのリラ演奏でゼイベキコを時間まで聞きながら、今回はお別れです。リラは音と形共にトルコのケメンチェにそっくりの楽器です。

もし時間が余りましたら、ギリシア南部に浮かぶクレタ島のリラもおかけします。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<10 Sokratis Sinopoulos / Zeibekikos 3分>

| | コメント (0)

2016年12月12日 (月)

正教の典礼歌 ギリシア、ロシア、ルーマニア、レバノン

ラジオの36回目の報告をする曜日ですが、立て込み作業や忘年会等でブログが飛んだり、短くなったりしがちなので、正教関係をもう少しアップしておきます。絶美の映像を拾ってみました。東方教会の音楽では、ドローンの上に響き渡る男声の荘厳さからギリシア正教の男声合唱が一番と思っていましたが、深遠なロシア正教の混声合唱も素晴らしく美しくて、多少ロシア語が分かるので、テキストとつき合わせてみたくなりました。ドストエフスキーやタルコフスキーの作品の秘密もこんな中にもあるのかも知れません。ルーマニア正教の典礼も礼拝の風景からして非常に美しく驚きました。レバノンは、ファイルーズやケイルーズで聞いたのと似ていて、やはりアラビア語で歌われています。アルメニアやグルジアの正教音楽までは今回追えませんでしたので、またいつか取り上げたいと思います。

ΑΣΜΑΤΙΚΟΝ - GREEK ORTHODOX CHANT

Russian Orthodox Choir Chanting Choral Vocal Top 10 Collection

Beautiful Romanian Orthodox Divine Liturgy.

Byzantine Christmas Hymns in Arabic: Mount Lebanon Choir (Lebanon)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年12月 8日 (木)

ギリシア正教の典礼歌

ギリシア正教会については、余りちゃんと取り上げてなかったと思いますが、youtubeが相当ありそうです。さすがに聖域アトス山の映像などはないのではと思いますが。2本目は修道女の合唱で、ギリシア正教と言うと男声が多いので、おそらく珍しい録音ではと思います。ロシア正教、ルーマニア正教などまで広げると、更に東方教会の荘厳で美しい礼拝の様子が身近に感じられます。グルジアやアルメニアも正教系ですから、このドローンが重厚に響き渡る荘厳で幽玄な美しさに満ち溢れた合唱は、遍く東方各地に見られます。

BEAUTIFUL Greek Orthodox Christian CHANT Ασματικον YouTube

Ormylia Greek Orthodox Nuns - Hymns of St. Mary Magdalene

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年12月12日 (木)

Thlegrafima Sthn Karmen

脱線序に、パナヨティス・トゥンダスの曲で個人的に特に愛好していた一曲、Thlegrafima Sthn Karmen(原語ではΤηλεγράφημα στην Κάρμεν)で探してみました。ハリス・アレクシーウのTa Tsilikaの1枚目ラストを飾っていたこの曲を聞いて、しみじみとした味わいに感動したものです。数年前には確か見当たらなかったように思いますが、今回はありました!
1本目はトゥンダス自身の演奏ではないかと思いますが、この録音はCDも出ていました。2本目がそのTa Tsilikaでのアレクシーウ。映像にはジャケット写真が出ています。
明日ですが、忘年会のためブログはお休みするかも知れませんm(_ _)m

Παγιουμτζής, Περπινιάδης-Τηλεγράφημα στην Κάρμεν

Τηλεγράφημα στην Κάρμεν - Χάρις Αλεξίου

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

J.S.バッハ New Wave-Indies アイヌ アメリカ アラブ アラブ・マグレブ アルゼンチン イギリス イスラエル イスラム教 イタリア イディッシュ イラン地方音楽 インディアン、インディオ インド インドネシア インド音楽 ウイグル ウラル・アルタイ エジプト エチオピア オペラ オーストラリア オーストリア キリスト教 ギリシア クルド クレズマー ケルト コンサート情報 コーカサス (カフカス) サハラ シベリア シャンソン ジャズ スイス スペイン スポーツ スーダン セファルディー ゼアミdeワールド チェロ チベット トルコ音楽 ドイツ ナイル・サハラ ナツメロ ニュース ハシディック ハンガリー バルカン バルト語派 バロック パキスタン ビザンツ音楽 フランス フランス近代 ブラジル ペルシア音楽 ペルシア音楽 トンバク ユダヤ ユダヤ音楽 ライブ情報 ルーマニア レビュー ロシア ロシア・マイナー ロマン派 ヴァイオリン 中南米 中国 中央アジア 仏教 仏教音楽 北アジア 北コーカサス(カフカス) 北欧 南アジア 南インド古典音楽 古楽 地中海 室内楽 弦楽合奏 弦楽四重奏 後期ロマン派 文化・芸術 新ウィーン楽派 旅行・地域 日記・コラム・つぶやき 映画・テレビ 東アフリカ 東南アジア 東方教会 東欧 歌謡曲・演歌 民謡 沖縄 独墺 猫・犬 現代音楽 童謡、わらべうた 筝曲 純邦楽 西アフリカ 西スラヴ 韓国