クルド

2009年2月27日 (金)

Zozan違い

昨日の一本目はKoma Zozanの女性ヴォーカルではと、コメントしましたが、調べたところ同じゾザンと言う名の別な女性歌手のようでした。今日はそのゾザンさんの映像を3本上げてみましたが、なかなかに味わい深い歌を聞かせる人です。アルメニアのドゥドゥクに似たダブルリード管、メイの音色も素晴らしいです。Koma Zozanでyoutube検索するとかなりヒットするのですが、仏Arion盤のグループは結局見つからず。かなり前のグループなので、youtubeなどはないか、あるいはもう目立った活動はしていないのかも知れません。

Zozan - Digerim 2008

Zozan Gidi Lo Lo http://www.Heval.Org

Zozan - Feleke

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2009年2月26日 (木)

クルドの歌手 Xelil XemginとZozan

トルコのクルド音楽については、大分前にカリスマ的な歌手シヴァン・ペルウェルを取り上げたことがありました。最近トルコの民謡関係を見ていて、今度はXelil Xemginのビデオを発見。10年ほど前にCDで見たことのあった民謡歌手(あるいはアシュク?)でした。読みはクセリール・クセムギンと書かれていたように思いますが、ギリシア語ではないので、おそらくヘリール・ヘムギンとするのが近いのではと思います。ペルウェルほどの「熱さ」は感じませんが、熟練の歌声を聞かせています。一本目で共演しているZozanというのは、Koma Zozan(コマはクルド語でグループの意味)のことではと思います。80年代に仏Arionから音源(LPとCD)がありました。

Zozan & Xelil Xemgin - Le Dayeke

女性歌手はコマ・ゾザンのGulizerでは? 歌自体も歌唱も実に良いです。

Xelil Xemgin

クルドの結婚式でしょうか? 左の男性歌手がXelil Xemgin

Kuduz Filmi - Daglar Seni Delik Delik Delerim (Türkü)

こちらはトルコ民謡の出てくる映画のワンシーン。これまで見てきたような少なからずアレンジの入った歌ではなく、生のままのトルコ民謡。これも非常に素晴らしいですが、こうして並べると、クルドのノリとかなり違うことがよく分かるように思います。

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2008年8月28日 (木)

クルドのマジュヌーニー旋法

突然ですが、一日イランのクルド音楽に戻ります。
3月末にアップしたタンブールの名手、アリレザー・フェイゼバシプール氏の以下の演奏ですが、ナーゼリーが2006年の日本ライヴで披露したマジュヌーニー旋法(クルド・マカームの一つ)らしいということが判明しました。演奏はMajnooniからTarze Rostam(?)への移動ではないかとのこと。マイミクのりーずさんからの情報で、「あ~やっぱりそうだったか!」と膝を打ちまして、この件、是非ブログに書いておこうと思いました。
クルド・タンブール特有の右手のアップストローク、微妙な間の取り方など、このタンブール・ソロはとにかく凄いです。2本目も一度アップしたものですが、ナーゼリーのマジュヌーニー旋法(おそらく仏Buda音源)の歌唱で、「ライラとマジュヌーン」らしき独特な絵が印象的。勿論バックのタンブールはバシプールさんです。
しかし来日時の演奏は、冒頭の日没、マジュヌーニー、ビジャンの再生を仏Buda盤より拡大して演奏していて、その代わりロスタム~ジェロシャーヒー以下はカットされていました。後半の展開も出来たら聞きたかったものですが、前半のマジュヌーニーなどの緊迫感溢れる演奏は、仏Buda盤以上の素晴らしさでした。後半のカットは何か意図があったのか、ただ時間がなかっただけなのか、今となっては分かりませんが^^  サハリー旋法も仏Buda盤にはない曲で、マジュヌーニーとの境目が微妙ですが、ビジャンの再生に至る前奏のようにも聞こえます。

Tanbour Alireza Feyz Bashipoor

Shahram Nazeri- Maghaame Majnooni, Moye bar marge Leili

☆以下は、シャハラーム・ナーゼリーの芸術(キングレコードWorld Roots Music Libraryの一枚)のライナーノーツ拙稿からの抜粋

 クルド人は古代のメディア王国(BC708-550に存在したイラン史で一番古い王朝)の建設者だったメディア人の末裔と言われているだけあって、その音楽もとても古い伝承を残している。主にクルド・マカームで用いられるタンブールは、中東の最も古い弦楽器の一つと言われ、クルドでは「神聖な楽器」とみなされている。直接には近世のカージャール朝(18~20世紀初頭)の宮廷音楽がルーツのペルシア古典音楽よりも古く、言わば「イラン音楽の古層」を覗かせているとも考えられるのがイランのクルド音楽。特にヤルサン(あるいはアフレハック Ahl-e Haqq)と言われるクルドの宗教は、イスラーム以前(更に言えば3~7世紀のササン朝期以前という説も有り)の古代ペルシアの信仰に起源があるとも言われ、クルディスタン人口の3~10%いるという推計もある。古代ペルシアの信仰にルーツがあるとは言っても、勿論イスラームと全く関係がない訳ではなく、イスラーム神秘主義(スーフィズム)の中に、古代において大流行した新プラトン主義やグノーシス思想、更にはキリスト教や仏教の影響までが見えるように、ヤルサンの何かがスーフィズム自体に流れ込んでいる(あるいはその逆も)部分もあるのではと考えられる。

●「クルドのシャーナーメ」について
Nazeriwrml  2006年のナーゼリー来日公演のプログラム1部(左のCDの 1~4曲目)は、ヤルサン(アフレハック)の宗教儀礼音楽をベースに、アリー・レザー・フェイゼバシプールが作曲したもの。オリジナルアルバムは、 2001年にフランスのBudaレーベルからMythical Chant(神話の歌)としてリリース(左下)。同内容のイラン盤ではAvaz-e-Asatir Shahnameh Kurdi(アサティールの歌 - クルドのシャーナーメ)となっていたが、アサティールと言うのが 「神話」に当たるアラビア語起源のペルシア語の言葉。この曲の場合 「神話」とはシャーナーメ(王書)や「ライラとマジュヌーン」を指していて、その形態の全体が「クルドのシャーナーメ」と呼ばれている。ヤルサン独自ではないが、クルド・マカームの中ではこの2つがイランの歴史のシンボルとして頻繁にテーマとして登場する。
 中東版のロミオとジュリエットと言われたりもする悲恋物語『ライラとマジュヌーン』は、アラブの伝説をもとに、12世紀の詩人ニザーミーが著したペルシア語のロマンス叙事詩がよく知られるが、この曲の場合「ライラとマジュヌーン」は愛の象徴として入れられていて、ニザーミーの作品と直接関係はない。イラン中の都市や各地域にそれぞれの「ライラとマジュヌーン」の物語があり、その中でニザーミがまとめたものが特に有名になっている、ということに過ぎない。

2)マジュヌーニー旋法
恋人ライラの死を嘆くマジュヌーンを愛の象徴として歌い上げたもの。

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2008年7月11日 (金)

ハニ嬢のクルド・マカームと民謡

3月末頃に一度取り上げたクルド・マカームの歌ですが、昨日ナーゼリーさんの素晴らしい歌を聞いたので、対比でアップしてみます。勿論イランのアーヴァーズとは異なる音楽ですが、何か共通するクルドのパッションを感じるのは確か。女性歌手ハニさんの歌唱は前に少し上げたので、何本かダブっていると思いますが、何度見ても良いですね~。
2本目hoy nareは解説にkurdish music from mmc mesopotamia music channelとありますので、イラクの放送局の映像ではないかと思われます。バラバン(ドゥドゥク?)の使用とアルメニア風にも聞こえる哀感溢れる旋律にイランのトンバク、それらが自然に共存しています。彼女は多分トルコ側の歌手だと思いますが、国境を越えて愛されているのでしょう。クルド美人のコブシ豊かな歌声は抗い難い魅力があります。特に一本目のクルド・マカームは最高!
こうして数本見てみると、クルド各地の歌を方言を使い分けて各地のスタイルで歌っているように思えます。コメントにもhow many dialect does she sings? I did heard Lori dialect from her and she sang it so perfect.とありました。ロレスターンのロリ語でも歌っているようです。6曲目はトルコのクルマーンジの大歌手スィヴァン・ペルウェルも歌っていたと思います。7本位ありましたが、接続の良くないクリップを除いて全てアップしてしまいした^^

Kurdish Song Hani Maqam

hani - hoy nare

kurdistan -sna( Hani-3)

Kurdistan- sna( Hani-6)

Kurdistan- sna(Hani-7)

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2008年7月10日 (木)

ナーゼリーのタハリールとタスニーフ

今日も未アップだったナーゼリー・ビデオを2本。最近の彼の名唱を記録した映像で、カメラが近いのが嬉しい所です。

Shahram Nazeri: Konserte Tabriz 05

2006年アップの映像ですが、当ブログで取り上げるのは初だったと思います。
6月10日にアップしたセタール奏者マスード・シャアリとバルバット奏者のモハンマド・フィルーズィ他の伴奏。バルバットとセタール、ケマンチェの組み合わせは珍しいし、前半はナーゼリーさんの素晴らしいタハリール唱法がたっぷり聞けます。
Shahram Nazeri: Avaz, Masoud Shoari: SeTar, Mohammad Firoozi: Barbat, Shervin Mohajer: Kamanche, Pejham Akhavas: Tonbak, Siavash Nazeri: Daf

Nazeri,Shahram,Rumi, "Andak andak jamae mastan mi rasand".

昨日取り上げた2本目の同曲異演。CD「ゴレ・サッドバルグ」ではAndak Andak-TASNEEFとなっていました。この曲はルーミーの詩のようです。この歌のように明るいマーフール旋法がアルバムの全編を彩りながらも、グノーシスというのが謎ですが、私的には最も知りたいポイントですね^^  詩の意味が知りたいものです。隣のケイホスロー・プールナーゼリーが、タンブールではなく、タールを弾いているのが珍しいように思います。

謎ついでに・・・
昨日のマジュヌーニー旋法の絵ですが、よく見るとライラとマジュヌーンの抱擁図だと思いますが、髪が長くて色の黒い方がライラで、青白く蜻蛉のような方がマジュヌーンでしょうか。
恋人ライラは病没して既に彼岸、マジュヌーンは彷徨の後にライラの墓で息絶えるラストシーンでしょうか。マジュヌーンの方がより高く昇天しているように見える所が、興味深いです。この辺、ニザーミーの「ライラとマジュヌーン」がスーフィズムの教科書と言われる所以でしょうか。

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2008年7月 9日 (水)

未アップナーゼリー

ばたばたしていてすっかりアップが遅くなりました。今日はナーゼリーさんの当ブログでの未アップ・クリップを見てみたいと思います。以下昨日とダブりますが、強調したい情報ですので、再度上げておきます。連日のアップで、くどくて済みません m(_ _)m

Nazeriwrml例のキングレコードのワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリー150タイトル、遂に9日発売になりました! 詳細はこちら  
私がライナーノーツを担当したナーゼリーさんの2006ライヴをジャケットだけアップしておきます。明後日位に当店にも入荷予定。遅れましたが明日か明後日にはHPにもアップします。

Shahram Nazeri- Maghaame Majnooni, Moye bar marge Leili

上記の東京ライヴでも披露されたマジュヌーニー旋法。クルド・マカームの一つでしょう。恋人ライラの死を嘆くマジュヌーンを愛の象徴として歌い上げたもの。(上記CDの解説より) 音階が日本の民謡音階に似ている部分がある点、youtubeのこの不思議な絵は何?と、私にとってもまだまだ解き難い謎に包まれています。

Concert de Shahram Nazeri à Paris en 2007

この曲は確か名盤のGol-eSadbargに収録されていたように思います。そのアルバムにはIranian Gnostici(s)m Music(イランのグノーシス主義の音楽)と興味深い副題が付いていました。ナーゼリーさんのセタール弾き語り、左のタンブール奏者はフェイゼ・バシプールさん、右のダフ奏者は不明。日本でのライヴの後の去年のパリ・ライヴから。カメラの遠さを感じさせない存在感。

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2008年7月 8日 (火)

クルド・エトセトラ + ナーゼリー2006ライヴ

クルドもかなりかけて見てきましたが、やはり3月末の周辺で取り上げたヤルサンのタンブール音楽は頭抜けて素晴らしいということを再確認したような気がします。なかなかそれ以上のクリップは見当たりませんでしたね。やっぱりという感じもありますが。往年の歌手ヘセンさんは良かったですが、結構アラブ風なので驚きました。
今日はそんな残りの映像の中から、なかなか興味深い2本を見つけました。

Halabja Art and Music

ハラブジャはイラク東部のクルディスタンの町の名。この地の音楽状況を捉えた貴重映像が次々出てきます。歌は典型的クルド節。国境を挿んでサナンダジが近いので、ソーラーニ方言の地域でしょう。

Dozaleh Solo Improvisation (埋め込み禁止)

ホラサーン、ケルマンシャーのクルド人の組笛Dozalehの即興演奏
ビデオの解説にDozaleh is one of the old folk wind instruments of Iran which is used in mirth celebrations.とありますが、mirth celebrationsと言うのは何でしょうか?
続いてAbu Nasr Farabi had called it Mezmarol-Mosana or Mozdavadg [mozdavej] (married!). It is played in Khorasan, Kermanshah , and mostly in Kurdistan. In some different dialects it is called Zanbooreh.とあります。married!というコメントが気になりますw  東部のホラサーンにも16~18世紀に強制移住させられたクルマーンジのクルド人が結構いますが、主に彼らの間で吹かれているようです。

最後に例のキングレコードのワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリー150タイトル、遂に今日発売になりました! 詳細はこちら  
私がライナーノーツを担当したナーゼリーさんの2006ライヴをジャケットだけアップしておきます。明後日位に当店にも入荷予定。遅れましたが明日か明後日にはHPにもアップします。Nazeriwrml

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2008年7月 7日 (月)

ヘセン・ズィレクをもう二本

一昨日アップした歌手ですが、在イランのマイミクさん、りーずさんによるとタンブールの師匠から薦められた程のカリスマ的な(ということだと思いますが・・)歌手だそうです。ケルマンシャーに行くと、この人の人差し指を口にくわえたポスター(カメラ目線?w)を方々で目にするそうで(笑) youtubeにも必ず出てきますが、あれは指笛を吹く所でしょうか。一昨日のクリップも良かったのですが、今日のも素晴らしいです。この2曲もクルドと言うより、よりアラビックに聞こえます。他にも何曲かアップされていますので、ご興味のある方は再生後のリンクからご覧下さい。

Hesen Zirek - Classic Kurdish Music (Wek qumrî)

Hesen Zirek - Classic Kurdish Music (Le pêy de)

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2008年7月 6日 (日)

300記念にナーゼリー&カムカル

今日で300に到達しました。勿論アクセスではなく、記事数ですhappy01
昨年8月に試作ページを作りましたが、実質書き始めたのは去年の9月に入ってからで、これまでに多分10日休んでないと思います。大晦日も元旦にも書きました。アクセスは今日現在23574で、これは多いのか少ないのかよく分かりませんが、一日に沢山見ていただいている方もいらっしゃるようです。いつもアクセス有難うございます。とても励みになります。

道のりを振り返ってみると、やはりyoutubeによるフィールドワークのようになったと言えましょうか。当初漠然とそのように考えていましたので、まずは思い通りには辿ってきたように思います。逆にCD音源の限界を感じてしまう部分はありますが。
「ここ掘れdogdog」的に地域別に掘り下げていくのが長続きの秘訣のように思いますが、他の諸国の面白い映像も同時進行で色々見つかっていて、それらがどんどんフレッシュでなくなってしまうので、これからは少し右へ左へ東へ西へ寄り道しながらにしようかと思います。 
 ・映像「発掘現場」の公開 (特に未知の北カフカス。スリリングな毎日でした)
 ・試聴としての機能 (HPの関係ページにもっとURLを載せる予定)
 ・各地域の音楽調査 (私自身の知識強化)
以上3点がこのブログの主眼ですが、もっとHPとの(既存CD音源との)より有機的な繋がりを強めて行きたいと考えております。

300記念ということで、クルドの音楽家で特に有名なシャーラム・ナーゼリーとカムカル・アンサンブルの未アップの映像を上げてみました。3日後にはキング新WMLのナーゼリーの日本ライヴCD(ライナーノーツ担当しました)も出ますので。(旧シリーズ→WML
2本目はかなり接続が悪いかも知れません。最新版Realをお持ちの方は、ビデオをダウンロード後に再生されるとスムーズに見られると思います。

※17日のカシモフは行けるかどうか微妙ですが、何とかその前に#41を出すぞと勢いを加えているところですm(_ _)m  なのでマイミクさんの日記へのアクセスやコメントが減っていると思いますm(_ _)m  早い夏の到来で早くも猛暑の中ですが、無事上京することになりましたら、その前後数日ブログはお休みする予定です。

Kamkaran - shahram nazeri - Hayroo

Kamkaran -shahram nazeri- khan amiri

カムカル・アンサンブルの現メンバー=Hushang (director, composer)、Pashang Kamkar (santur)、Ghashang Kamkar (setar)、Bijan Kamkar (vocal, robab, daf)、Arjang Kamkar (tombak)、Arsalan Kamkar (barbat, vocal)、Ardeshir Kamkar (kamancheh)、Ardavan Kamkar (santur)、Saba Kamkar (vocal)、Maryam Ebrahimpur (vocal, ghichak)

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2008年7月 5日 (土)

往年のクルド民謡歌手 ヘセン・ズィレク

さて寄り道が大分長くなりましたが、イランの地方音楽というかクルドへ戻ります。今日の男性歌手は初めて知った名前ですが、Hesen Zirek(1921-1972) と言う人で(Hasan Zirakとも綴られる) 、発見は偶然でしたがとても素晴らしいクルド民謡歌手だと思いました。
彼はHermêleという東クルディスタンの小さな村に生まれ、幼少より才能を現し、 彼の名前の ''Zirek'' と言うのはクルド語で「one who got a clear and pure warbling voice 」の意味だそうです。warblingは「小鳥が囀るように美しく歌う」のような意味。Zirekは「''zire'' と ''zirandin''」(クルドの民話とかでしょうか?)にルーツがあるそうですが、アラブ音楽の元祖とも言える中世の音楽家''Ziryab(ズィルヤブ)''とも関係のある言葉のようです。1953年に彼はイラクのクルディスタンを離れ、バグダッドの放送局のクルド向け番組でクルド語の歌を沢山吹き込んだようです。彼の活躍した地方から考えると、方言はクルマーンジ(発音はクルマンジーよりこの方が近いようです)ではなく、ソーラーニでしょう。1957年にはイランのクルディスタンに戻り、ケルマンシャーのラジオ局の楽団と協力し、沢山のクルドの歌を録音しました。彼は1972年に癌で亡くなり、故郷のBukanの近くに埋葬されました。(以上の解説はこのビデオの英文解説の訳が中心です)
最近のクルドの民謡歌手には、これ程素晴らしい歌手は見かけないように思います。勿論ナーゼリーさんの古典音楽サイドは別ですが。イラク生活が長かったからでしょうか、伴奏のリズムはかなりアラブ的。でも全体的な印象としては、クルディスタンの古き良き時代を感じさせる歌唱です。

Hesen Zirek - Classic Kurdish Music (Balaberz)

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2008年6月23日 (月)

レイラ・ファリギのクルド・マカーム?+個展の話し等

昨日は13日に紹介しましたモハメッド・アリさんの個展に行っておりまして、ブログはお休みしました。地元今治のマイミクさんのFさんご夫妻を車で迎えての松山行となりまして、豪華民族衣装で身を固めたアリさん(無類のカッワーリ・フリーク)、補佐のプリティなYさん、松山の音楽マニアKさん(いきつけのカフェ、市駅前の1954の常連さん)が画廊に揃い、久々の楽しい一時でした。最近こういう刺激がほとんどないもので、リフレッシュ&エネルギー充填できた一日でした。ムガール、ラージプートなどのスタイルによる若い頃の作品や、艶美なカーマ・スートラの諸作、中でも精緻なタントラの絵にまつわる色々なエピソードには驚かされました。
予告ですが、7月17日のアリム・カシモフ公演の周辺に上京しますが、それまでにはカタログの次号を出す予定です。また、来月9日にはキングレコードから150タイトルのワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリー(World Music Libraryのリニューアル・シリーズ)が出ますが、私がライナー・ノーツを担当したシャーラム・ナーゼリーの東京ライヴも入っております。先日ライナー・ノーツの英訳をチェックしてキングに返事し、こちらでの作業は全て完了。出来上がりが楽しみです^^  HPにも早めに情報を乗せる予定です。

今日は一昨日紹介しましたクルドの女性歌手レイラ・ファリギ(またはライラ・ファリギ)の他のクリップを見ていたら、3月末に取り上げたようなクルド・マカーム的な歌を歌っているものが見つかりましたので、それらをアップしておきます。彼女の他のアラブやベリーダンス的な歌唱とは対照的で、本当に同じ歌手?と思ってしまいます。ナーゼリーの歌に聞けるようなクルドの音階が特徴的ですし、フリーリズムで歌われるパンチの効いた憂い節は、言葉は分からなくても非常にインパクトがあります。喩えて言えば、クルドの浪曲的な歌謡になるのでしょうか、しかしもっとエレジー的な歌で、日本にはそういうパッションの込められた哀歌のジャンルはないかも知れません。こういうジャンルがあるのは羨ましく思います。(強いて言えば日本で近いのは新内でしょうか?) 2本目は少し接続状況が悪いようですが、イランらしいリズムに乗せた歌唱を聞かせてくれています。

KURDISH Music Leila Fariqi Mutribi 7arifan Maqam u Gorani

Kurdish Music Leila Fariqi Sutanduta Gorani Kurdi

Kurdish Music Leila Fariqi Ja Chon Nagrim Gorani kurdi

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2008年6月21日 (土)

哀愁のクルド女性ポップス

ケルマンシャーに行く前にサナンダジでもう一本と思いましたが、手頃なのがないので、ポップスですが、一本上げておきます。サナンダジの初回のような男性の群舞はやたらにありますが、何度も上げるのもちょっとむさい気がしまして^^

Leila Fariqi(レイラ・ファリギ)という歌手、結構有名な人のようで、クリップも沢山アップされています。その中から、クルドの女性を歌ったKiji xemという曲。シャンソン風なイメージも持ちますが、なかなかメランコリックでノスタルジックな美しさに溢れた曲です。コメントに This is a old song from her second CD "Love&Pain".とありました。他のクリップは結構アラブ色の強い曲が目立ちましたが、Kiji xemはクルド民族の胸の内にある哀感を感じさせます。ビデオとのマッチングも秀逸です。

Kiji xem - Layla - Leila Fariqi

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2008年6月19日 (木)

この人もクルマンジー

今日のスィヴァン・ペルウェルは明らかにトルコ側クルディスタンの人。クルマンジーは、トルコと北イラク、イランの北部、カフカス、ホラサーンやトルクメン(近世に強制移住されられたクルド人の子孫)などに住んでいます。ソーラーニやケルマンシャーの言葉がアラビア文字系で表記されるのに対し、クルマンジーはトルコやシリアではラテン文字、カフカスではキリル文字で綴られます。イランにも少なからずいるはずですが、昨日のビデオのようにトルコ側クルドの要素が濃いのかも知れません。
トルコのクルド系アシュク(吟遊詩人)として内外で有名なスィヴァン・ペルウェルですが、彼のビデオは大分前にも一度アップしました。今日の一本目は91年のライヴのようですが、会場には一体何人聴衆がいるのか見当も付きません。大変なカリスマ的存在であることが見て取れる熱~い映像です。「クルドは一つだ!」と歌っているのでしょうか? Favorite this video for all your friends. Please vote for this video.というコメントがまた何とも熱いです。

Şivan PERWER - Kine Em ! Kurdistan - 1991

Sivan Perwer - Halepce

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2008年4月 6日 (日)

Naser Razzazi

伊予でも桜満開です。そんな訳ですっかり遅いうpになりました^ ^
今日でクルドは一応終わりにします。Naser Razzaziはyoutubeで初めて知った歌手ですが、キーワードから判断するに、イラク北部かイラン西部のどちらかでは。楽団にはイランのサントゥールやトンバクが見えますので、トルコ東部ではないように思います。この3+2の少々つんのめるように跳ねるリズムは、スィヴァン・ペルウェルの歌とも共通したもの。勿論5拍子ではなく、2拍子の1拍目が3連譜になっているということだと思いますが、とにかくクルドに特徴的なリズムです。2本目も似たリズムに聞こえますが、こちらはより明確な8分の6だと思います。この2本ヘミオラ型の典型のようにも聞こえますが、どうでしょうか。

Naser Razzazi - Texti merig - Kurdish Music

Naser Razzazi - Hebibem - Kurdish Music

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2008年4月 5日 (土)

Koma Denge Azadi

今日はトルコ(東部?)のクルド音楽グループ、Koma Denge Azadiのクリップを。グループ名によく出てくるKomaはクルド語で「グループ」の意味のようです。
コマ・デンゲ・アザディは、10年余り前に現地盤で偶然耳にして、なかなか良いなぁと思っていたグループ。基本的にクルディッシュ・ポップですが、割と伝統色が濃い音作りです。偶然聞いたアルバムでは、独特な哀感にたまらない魅力がありました。今回のビデオもエレキ・サズ?やダフの作り出す跳ねるようなクルド・リズムに、ダブルリードのバラバン(あるいはメイかも)の哀愁味がかぶさり、なかなか良い感じです。2本目はいかにもトルコ東部のクルド伝統舞踊という感じで、続き物のようですが、続編が見当たりません。

Koma Denge Azadi Hebs u zindan Kurdi Kürtce

Koma Denge Azadi =Part (1)

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2008年4月 4日 (金)

ウードによるクルド系マカーム+昨日の回答

まず昨日の回答をレスの形でりーずさんから頂きましたので、重複しますが、ここにも載せておきます。Beethoven Musicとは、イランのレーベルでしょうか。(そうなのでしょうね) 何故ベートーヴェン?w  凄いネーミングです。(以下8行引用)

Taher Yarveysiは、1319年(1940年)イラン西部のギャフヴァーレ生まれ、10歳の頃よりタンブール学習を開始、セイエド・ワリー・ホセイニーらに師事。
その後イラン各地はもとより、ベルリン、タジキスタン、イラクなどの海外公演を行っており、並み居るタンブールのオスタードの中でもその名実ともに素晴らしいものがあります。
確認できる作品はBeethoven Musicの「Majnouni」の一点ですが、闇で映像、音源がかなり出回ってます。印税はいらないと思われ、涙を誘います。
しかも本業は金物屋さん。しかもギャフヴァーレという小さな街の。音楽は金にならないのか。。。

さて今日のビデオですが、ウード演奏でクルド系(あるいは風)マカームをやっているのを比較のために上げてみました。
一本目は2004年に来日し、TVアラビア語会話への登場などで、一部のアラブ音楽ファンの間ではお馴染みのイラク出身の名手ナスィール・シャンマ。近年はエジプト中心に活躍中。北イラクのクルド音楽でよく演奏されるマカームのようです。
二本目はオスマン・トルコ末期の作曲家タチオス・エフェンディの曲を演奏しているものですが、演奏者が不明。クルディヒジャズカルのサズ・セマーイのようです。ちょっと我流になっているようですが、ノン・プロでこのテクはさすが本場トルコ。それにこの細身のウード良いですね^^

naseer shamma --- dasht taqsim

naseer shamma playing dasht taqsim , this maqam is mostly used in kurdish music in north iraq (kurdistan)

Semai Tatyos Maqam Kurd

I am playing this samai inspired by Afif taian. I tought myself how to play oud about 3 years ago. But I need a teacher to correct my technique.

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2008年4月 3日 (木)

Taher Yarveysi

タンブール特集は一区切りと思っていましたが、昨日のコメントで、いつも大変にお世話になっているマイミクのりーずさん(イランにてセタール、タンブールの研鑽中)から「Taher Yarveysiもうpキボンヌ」wとリクエストいただきましたので、一日延長します^^ 因みに「うpキボンヌ」とはPC隠語になるのでしょうか、「アップ希望」の意味です。お分かりにならない方がいらっしゃったらいけませんので念の為。
さて、そのTaher Yarveysiさんについて、私は何も知りませんので、またりーずさんからコメント頂きましたら、後日うpするように致しますw 一本目がコンサート、二本目はヤーレスタンのアフレハックの何かの儀礼の際の映像でしょうか。ナーゼリーさんの音楽の背景やルーツを知りたい方にとっては、ピンポイントの場所です。二本目は全部で4本ありますので、ご興味のある方は再生後のリンクからご覧下さい。
06年にナーゼリーさんにインタビューした際、「Ostad Elahiは特別な人ではない、沢山いるオスタッドの一人に過ぎない」 と語っていましたが、確かにモーリス・ベジャール(モダン・バレエ振付師)やイェフディ・メニューヒン(ヴァイオリニスト)など西洋の巨匠たちの称賛を受けていたのがたまたまエラーヒだったということかも、と色々なオスタッドを聞いた今では少し思えるようになりました。その位エラーヒの存在は一部のファンの間で絶大だったと思います。

tanbour

ostad taher yarveysi,magam:sartarz.garibi

tanbour

tanbour,ostad taher yarveysi,magam, yarestan,ahlehag

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2008年4月 2日 (水)

バシプールさん

とりあえずタンブールは終えて、と思いましたが、何とアリ・レザ・フェイゼ・バシプールさんのソロが見つかりましたので、アップしておきます。2006年のナーゼリー公演で伴奏していた名手。華麗なアップストロークがこれ程ちゃんと見れるのは、嬉しい限りです。パンチと流麗さの絶妙なバランス。す、素晴らしい! 公演の時は即売で出ていたため、ステージをちゃんと見れていませんでした。もう残念からげます(伊予弁^^)
ビデオ情報=Maghame Tanbour, Tarze Rostam be revayate Alireza Feyz Bashipoor

Tanbour Alireza Feyz Bashipoor

tanbour Dedicated to Seyed Khalil

おまけで一本。この人が弾いている曲ですが、ナーゼリーの96年頃の名盤「Motrebe Mahtab Rou」のタンブール・パートにそっくりです。アフレハック(ヤルサン)関係の音楽になるようです。
ビデオ情報=Tanbour piece adapted from Master Seyed Khalil Ali Nejad. Dedicated to the True Ahle Hagh Ya Ali

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2008年4月 1日 (火)

モラディ&プールナーゼリー

無事ナーゼリーさんライヴ音源のライナー執筆終了。ほっと一息ですが、今日もクルドのタンブール^^
昨日に続きモラディさんのもう一本の動画と、彼の師匠でしょうか?カイホスロー・プールナーゼリー(多分こんな発音)の独奏も見つかりました。例のナーゼリーのMotrebe Mahtab Rouで、タンブール伴奏をしていた二人ですが、見た目にはこのプールナーゼリー氏がリーダーに見えました。2本目はTabour solo by the master musician Keykhosro Pournazeri for the year of Rumiと解説にある通り、2007年はルーミーの生誕800周年の年だったので、去年の演奏だろうと思われます。モラディの抜群のテクニックの切れ、カイホスローの歌うようなタンブール演奏、どちらも見ものです。カイホスロー氏率いるシャムス・アンサンブル関係のビデオは、まだまだありますが、きりがないので、他のクルド音楽を少し巡ってアゼルバイジャンに向かおうと思います^^

tanbuorali

kaykhosro pournazeri

Kaykhosro PourNazeri

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2008年3月31日 (月)

アリ・アクバル・モラディ

今日は予告しておいたアリ・アクバル・モラディの演奏。現在イランで最高のタンブール名手と言われる人です。以下のyoutubeはシャハラム・ナーゼリーの96年頃のビデオ「Motrebe Mahtab Rou」(綴りは少々異なるかも知れませんが)の後半に収録されていたモラディさんのソロだと思います。(手元にワカメになりかけの現物あり。その後継続して売る程は確保できなかったアイテムです) 当時はビデオで見た感じ、若手名手なのかなと思ったりしていました^^  「Motrebe Mahtab Rou」では伴奏陣の一人としてナーゼリーの名唱を支えています。凄く熱くて最高のアルバムでしたが、現在ではおそらく入手困難。
とにかく、その超絶技巧には驚きました。96年と言えば、エラーヒの仏Chant du mondeからのシリーズも、1枚目が出た後くらいでしょうか。当時はクルドのタンブールについては、ほとんど知られてなかったのでは。フラメンコのラスゲアードを逆回しにしたような、指をばらしたアップストロークは、タンブール独自の奏法。何だこの奏法は!と驚いたものです。この独奏はクルド・マカームからのパラフレーズでしょうか。ただただ驚愕の演奏です。

以下の珠玉の4枚組みの情報は、こちらより。
クルド・マカームを聞くなら、オスタッド・エラーヒのシリーズやナーゼリーのクルド関係諸作と並ぶ必聴盤。色々なシチュエーションで演奏されてきたクルド・マカームのレパートリーが豊富に収録されています。そして、エラーヒはもとより、Mahoorから出ているAmrollâh ShâhebrâhimiやAmir Hayatiの演奏と聞き比べるとまた興味尽きないものがあります。

〓ヤルサンのマカーム儀礼 ~ イランのクルディスタン(4CD)

      アリ・アクバル・モラディ(歌とタンブール)他

 
*11世紀に生まれたヤルサンのタンブールを用いた儀礼音楽を収めた初のアルバム。ヤルサンはAhl-e Haq
q: "People of the Truth"としても知られ、イスラーム以前の古代ペルシアの信仰に起源があると言われるクルディスタンに多く見られる宗教(クルド人口の3~10%)。 モラディはイラン西部ケルマンシャー出身のクルドのタンブールの巨匠。4枚にわたって秘教ヤルサンのマカーム儀礼を収録したイネディならではの注目作で、 特に往年の大巨匠エラーヒ(彼の場合はシーア派にかなり接近)や最近のシャーラム・ナゼリの音楽に感動した方は要チェックです。クルドらしい緊迫感溢れる 世界で、タンブールの3弦とは思えない繊細な音使いは驚異的。

Aliakbar Moradi

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2008年3月30日 (日)

バーバー・ターヘル・アンサンブル

クルド・マカームで用いられるクルドの聖なる楽器、タンブールのソロと合奏を見つけましたので、二本上げておきます。(一本目は埋め込み禁止でした)バーバー・ターヘル・アンサンブル(CDなど欧米盤はなかったように思います)の1995年の演奏から。一本目はSeyyed Khalilの独奏。この独奏、アリ・アクバル・モラディやアリ・レザ・フェイゼ・バシプールの演奏とは大分感じが違うように思いますが、あの特徴的なアップストロークも頻繁にやっています。大変美しい独奏です。スーフィー(イスラーム神秘主義者)のダルヴィーシュ(托鉢僧)としても知られるペルシア中世のルバーイー(四行詩)詩人の名を冠したこのグループ、私は初めて知りました。
モラディさんのビデオ、ないと思っていたら見つかりました。明日上げる予定です^^

Seyyed Khalil Ali Nejad (3/5) - Baba Taher Ensemble

Baba Taher Ensemble (4/5) - Seyyed Khalil Ali Nejad

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2008年3月29日 (土)

ナーゼリーwithアルメニアン・オーケストラ

ナーゼリーの歌ったクルド・マカーム系(タンブール伴奏の)を探していましたが、なかなか見つからず、代わりに珍品を見つけましたので、今日はそれを。何とアルメニアの管弦楽団とコーラスをバックに歌っているビデオ。解説にShahram Nazeri performs a Kurdish song with Armenian Philharmonic Orchestra.とありますが、この特徴のあるリズムとメロディ・ラインは、どう聞いてもアルメニアの歌に聞こえます。イランの舞曲レングをゆったり歌っているようなテンポとリズムです。いずれにしても、とても興味深いクリップであることは確か。

Nazeri

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2008年3月28日 (金)

カムカル・ファミリー

クルド・シリーズが続いていますが、今日はカムカル・アンサンブルのメンバーの演奏をちょっと見てみましょう。1本目と3本目はクルド音楽ではなくペルシア古典音楽の演奏です。ペルシア古典においても彼らは一流のプレーヤー揃いです。

Ardavan Kamkar - Santour Solo

若き名手アルダヴァン・カムカル(1968-)のサントゥール独奏ですが、どことなくクルドのフレーズが感じられるかも?と思いながら聞くとより面白く聞けるようです。ステージ左端にもサントゥール奏者がいますが、おそらく年長のパシャン・カムカル(1951-)でしょう。

Ardeshir Kamkar, Mathaios Tsahouridis and Hussein Zahawi

アルデシール・カムカルのケマンチェとポンティック・リラのMathaios Tsahouridisのデュオ+ダフ伴奏付き。これはクルド的なパッションを感じさせる演奏。

Morgh-e Sahar by Lotfi & Akhavan

トンバクでビジャン・カムカルが参加していますが、まずタール名人のモハンマド・レザ・ロトフィの名前を上げるべきでしょう。現在もアリザーデ、タライと並ぶ巨匠です。ロトフィの髪が黒いこと、女性歌手のヘンガメー・アハヴァン(Hengameh Akhavan)が参加していることから察するに、70年代の演奏でしょうか。曲はシャジャリアンのライヴを前にアップした、マーフール旋法の名タスニーフ「Morgh-e Sahar」です。しかし、いい曲ですね~^^

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2008年3月27日 (木)

ナーゼリー親子&カーブーキ

今日の「クルド」は、またイランに戻ります。
Shahram & Hafez Nazeri in Kodak Theater December 2005 と、関連のインタビュー場面のビデオ。おまけでカーブーキ。
アリザーデのNey Navaを思い出させるようなノスタルジックなチェロの独奏に始まり、ペルシアの大詩人ルーミーが創ったトルコのメヴレヴィー教団の旋回舞踏の映像が流れ、その後ナーゼリーの息子ハーフェズ・ナーゼリーのセタール伴奏で、父がルーミーの世界を歌い上げます。いつ聞いても素晴らしいタハリールの技です。
ハーフェズ・ナーゼリーが率いるルーミー・アンサンブルにはチェロ奏者がレギュラー・メンバーとしているようですが、この導入のチェロ独奏良いですね。チェロをいじる者としては、大変に興味深いです。アラブやトルコではそれぞれの古典音楽によくチェロが用いられ、特にオスマン・トルコではチェロのソロも結構盛んでした。有名なタンブーリ・ジェミル・ベイ(Tanburi Cemil Bey)の息子のメスード・ジェミル(Mesut Cemil)もタンブール(撥弦の方)と並んでチェロの名手でした。

Shahram & Hafez Nazeri - In The Path Of Rumi

Shahram Nazeri, the "Iranian Pavarotti" at the Asia Society

「イランのパヴァロッティ」はないだろうと思いますがw

Setar Nazeri

2006年の来日時の2日目の後半でも披露されたセタール弾き語りのクルド・ナンバー「カーブーキ」。来日直後、東京では一部のファンの間でカブキ・レイホーと呼ばれていたように記憶していますw カーブーキとは花嫁という意味ですが、小鳩という解釈もあるようです。これは隠喩でしょうか。この曲、トルコのイッサ(Buzuq奏者の仏Arion盤)や、カムカル・アンアンブルもやっています。相当有名な曲のようです。トルコの曲をイランでやっていたり、その逆もあったり、クルドの世界では柔軟に歌が旅するようです。

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2008年3月26日 (水)

クルド3 Zembilfiros

クルド音楽シリーズ、トルコとイランを行き来していますが、今日はトルコ側の名アシュク(吟遊詩人)、スィヴァン・ペルウェルの輝かしい歌声とその原曲と思われる歌唱。Zembilfirosは、トルコのSes PlakからのシリーズのVol.14冒頭の曲でした。ペルウェル夫人のギュリスタンとのデュエットで、クルドらしいリズムに乗った哀愁味溢れる美しい旋律。いや~良い曲です。CD音源と静止画像のビデオです。動画があると良かったのですが。
打楽器叩き語りと思われる2本目は、そのZembilfirosの原曲ではないかと思われます。よく聞くと断片が似ているのが分かるかと思います。
イラクやシリア、アルメニアなどのクルド関係もあると良いのですが、圧倒的にトルコとイランのものが多いです。もし見つかったら即アップします^^

Sivan Perwer - Zembilfiros

Dengbej Xale Hizni - Zembilfıroş

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2008年3月25日 (火)

ナーゼリー&カムカル +中間?報告

最初に当ブログの中間?報告を^^ 
昨年9月に書き始めまして、記事数が今日で200になりました。アクセスは13500位で、これは多いのか少ないのかよく分かりませんが、グーグルのページランクが半年余りで「3」と言うのは、幾分早いのかも知れません。原稿締め切りやカタログ製作などこれから色々ありますので、たまにアップできない日も出てくるかも知れません。(一応予告まで ^^) 今後ともHP共々、当ブログを宜しくお願い致します。 

クルドの2日目は、イランのクルディスタンを代表する名歌手シャハラーム・ナーゼリーとカムカル一族のアンサンブルの演奏。繊細極まりないペルシアの古典音楽と、熱情的なクルド音楽と、どちらにおいても一流の名手達です。
昨日肝心なことを書き忘れていましたが、クルド語は北西イラン語派の一つで、ペルシア語とも兄弟言語。でもお互いの言葉では全く通じないようです。クルド人は山岳地帯に住んでいたためでしょうか、方言分化が著しく(大きく4つに分かれ更に17の方言があるそうです)、グループが違うと詩のスムーズな理解もなかなか困難なようです。
ちょっと飛躍しますが、北コーカサスのオセチア語(スキタイとも関係のあるイラン語派)との位置関係は?などと言うのも興味深い探り所かも知れません。オセチアのルーツに当たる民族名はアランですが、イランと関係があることは一目瞭然です。アがイになっただけで、ともに「アーリア」に由来する言葉。 さて、余談はこの位にして・・^^

gol neshan

Komazozanarion_2 カムカル・アンサンブルの伴奏でナーゼリーさんが歌っています。この曲、仏Arionから94年に出ていたKoma Zozanというグループのアルバムに収録されていました。Koma Zozanは確かトルコ東部のクルド人グループ。この歌もトルコのクルディスタン民謡では? 2006年の来日インタビューで(9月の4つ目の記事です)、クルドは本来一つだから国境を越えて音楽も通じている、とナーゼリーさんが語っていたのを思い出す例です。

dooram lah yaran

こちらもカムカル・アンサンブルとの共演。蓮の茎のようなマレットで叩いているのはドールでしょうか。来日の時のものとちょっと違うように見えますが、とにかく打楽器陣が強力。こういうタテノリの躍動するクルド・リズムを聞くと、どうしても「剣の舞」を思い出してしまいます^^

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2008年3月24日 (月)

クルドの音楽

アルメニア・シリーズを一応終えましたので、順番では次はアゼルバイジャンですが、先日書きましたように、ナーゼリーさんのライナー執筆(新しいキングWMLの一枚)の件がありますので、下調べを兼ねて今日から月末くらいまでクルド音楽を巡ってみます。今日は歌謡的な所から見てみましょう。コブシ回しの素晴らしい女性ヴォーカル・ビデオがかなり見つかりました。おそらくトルコ側のクルド系歌手の演奏だと思います。
クルド人は古代のメディア王国(BC708-550に存在したイラン史で一番古い王朝)の建設者だったメディア人の末裔と言われているだけあって、その音楽もとても古い伝承を残しています。ペルシアのダストガー音楽のように複雑ではありませんが、現在のクルド・マカームでは、その古風で玄妙な音楽体系を残しています。ダストガーの中にもバヤーテ・コルド(本来はクルドの詩とか歌のような意味)という形で入っています。往年のオスタッド・エラーヒは勿論、シャハラーム・ナーゼリーの音楽にも、現在のクルド・マカーム(一応ペルシアのダストガー音楽とは別物)の形を取って、そのイラン系民族文化の古層を覗かせています。イスラームやスーフィー以前に遡る部分もあるようで、事実エラーヒやアリ・アクバル・モラディの属する宗派ヤルサン(アフレハックとも)は、ササン朝(つまりプレ・イスラム)以前の時代に遡るとも言われています。
クルド人は、現在はトルコ東部、イラン西部、シリア東部、イラク東北部を中心に、南コーカサス(ザカフカス)にもかなり住んでいるようです。ハチャトゥリアンの一番有名な「剣の舞」はクルドの伝統舞踊をイメージして書かれた曲でした。クルドの人口は2000万人近くを数え、国家を持たない最大の民族と言われているようです。各国で独立を求める運動を繰り返し、色々な紛争の火種になっているのは周知の通りです。
その他、色々なデータがありますが、また追々書いていきます。今日はとりあえず以下のビデオをどうぞ。

kurdish song Kijan Ibrahim xayat - maqam

歌も良いですが、ヴァイオリンのかすれたフラジオ混じりの音にとてもクルド的な哀愁を感じます。ウードもなかなか聞かせます。トルコ側の歌手だと思いますが、クルド的な直裁的な熱情は国境を越えたクルディスタン共通のものだと思います。

Kurdish Song Hani - Dlem Tanga Maqam

しかもクルドには目の覚めるような美人が多いようですね^^

Aziz waisi Maqam kurdistan

Khachaturian - Sabre dance

2度目ですが、小沢征爾指揮ベルリン・フィルで「剣の舞」。

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