クルド

2020年8月 7日 (金)

イッサのブズク

クルド人のブズク名手、イッサ・ハッサンはYouTubeチャンネルもあって、動画がたくさんありました。1本目は放送でかけたのとは別トラックですが、ブズクの妙技・妙音を堪能できる演奏です。2本目は最近の映像でしょうか、ラスト旋法のタクシームです。華やかな高音と対照的に、シビれる低音がブズクらしさの要だと思います。曲名ですぐ分かりますが、弾き語りの3本目はいかにもクルド的な一曲。(以下放送原稿を再度上げておきます)

クルドの次は、ギリシアに入りますが、ギリシアの代表的な弦楽器ブズーキに繋がる中東の弦楽器ブズクの演奏がイッサという奏者の盤で出ていますので、こちらを聞いてギリシアに繋げて行きたいと思います。
フランスのArionから出ている「イッサ ブズクの芸術」は仏Arionの世界の楽器シリーズの一枚です。ブズク奏者と言えば、大分前にシリア~レバノンの時にかけました仏Ineditのマタル・ムハンマドが有名ですが、マタル・ムハンマドがジプシー、イッサ・ハッサンはクルドと、ブズクではアラブ人ではないマージナルな民族の名手が目立つ所が興味深いと思います。自作曲を含め、マカームに則った即興を聞かせています。テクニックの切れ味はマタル・ムハンマドほどではないにしても、若々しく熱気溢れるクルド節がたっぷり聞けます。イッサのCDは仏Club du Disque Arabeや彼の自主盤などで数枚出ていました。
この盤の日本語の帯には「ブズーキ」となっていますが、これは間違いで、主にレバノンやシリアで弾かれているブズクのことです。アラブの弦楽器ですから、ブズーキと違って、平均律にない微分音のフレットがあります。

Voyage à travers les maqams (Issa Hassan)


Rast


Issa Hasan - Canê / Kesara Xortê Dilbirîn

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2020年8月 4日 (火)

エラーヒの息子のタンブール

オスタッド・エラーヒの末息子、シャーロフ・エラーヒ氏のタンブール演奏がありました。オスタッド・エラーヒのサイトにアップされていた映像でしょうか? 昨日のサル・ハーニも演奏しているようです。エラーヒの演奏に一番近いのではと思います。昨日のTarz-e-Yari Suiteと言う曲は、神聖な秘伝の曲なのでしょうか。どうしても映像は見つかりませんが、断片のようなタイトルの映像がありましたので、2本目に入れておきます。3本目はTarz-e-Yari のアリ・アクバル・モラディの演奏で、イネディ盤の音源です。確かに同じ曲と分かる曲調です。
水曜はブログを書けないので、火曜ですがアップしておきます。次回放送のコンテンツも出来ているので、今晩収録予定です。Cafeトークトークは所用のため、5~10日と14~16日は夏季休業致します。m(__)m (ブログは木金は書けると思います)

The Art of Tanbour Part I : Exploring the Music of Ostad Elahi (1895-1974)


Tarz


Tarz yari

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2020年8月 3日 (月)

クルドの締めは、エラーヒのSuite Tarz-e Yâriとイッサ

ゼアミdeワールド219回目の放送、日曜夜10時にありました。5日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。PCMレコーダーでの宅録1回目でしたが、無事放送されてホッとしました。クルドの締めだけでなく、次回ギリシアからヨーロッパに入りますので、中東のラストになります。今日の動画はエラーヒのSāru Khāni のみです。Suite Tarz-e Yâriは、youtubeでは聞けなくなっているようです。Sāru Khāniはこの曲の次に入っている曲です。

クルドの音楽の8回目です。今回でクルドのシリーズはラストにしたいと思います。最後にタンブールの巨匠オスタッド・エラーヒの、これまで聞いた中で最高作と思ったA Spiritual Epicから、Tarz-e-Yari Suiteをおかけします。たった2本の弦(1コースは復弦)から出ているとは到底思えない凄い音楽です。18分弱の演奏ですが、特に後半の壮絶な演奏と展開には耳がくぎ付けになりました。

<1 Ostad Elahi / Suite Tarz-e Yâri 17分47秒>

Sāru Khāni Suite


クルドの次は、ギリシアに入りますが、ギリシアの代表的な弦楽器ブズーキに繋がる中東の弦楽器ブズクの演奏がイッサという奏者の盤で出ていますので、こちらを聞いてギリシアに繋げて行きたいと思います。
フランスのArionから出ている「イッサ ブズクの芸術」は仏Arionの世界の楽器シリーズの一枚です。ブズク奏者と言えば、大分前にシリア~レバノンの時にかけました仏Ineditのマタル・ムハンマドが有名ですが、マタル・ムハンマドがジプシー、イッサ・ハッサンはクルドと、ブズクではアラブ人ではないマージナルな民族の名手が目立つ所が興味深いと思います。自作曲を含め、マカームに則った即興を聞かせています。テクニックの切れ味はマタル・ムハンマドほどではないにしても、若々しく熱気溢れるクルド節がたっぷり聞けます。イッサのCDは仏Club du Disque Arabeや彼の自主盤などで数枚出ていました。
この盤の日本語の帯には「ブズーキ」となっていますが、これは間違いで、主にレバノンやシリアで弾かれているブズクのことです。アラブの弦楽器ですから、ブズーキと違って、平均律にない微分音のフレットがあります。
ウスクダラと同じ旋法のMaqam Nahawendと、もっともアラブ的と言われるヒジャーズ旋法の演奏の2曲を聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<5 Issa Hassan / L'art du bouzouk ~Maqam Nahawend 5分43秒>

<8 Issa Hassan / L'art du bouzouk ~Maqam Hidjaz 5分3秒>

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2020年7月31日 (金)

ラウクとウズン・ハワ

「二人のアイヌール」で、クルドのラウクと、トルコのウズン・ハワを聞き比べたいと思います。同じフリーリズムの詠唱でも、クルドの方はぐっと突き刺さってくるようなインパクトの強い歌い方なのに対し、トルコの方はたゆたうような瞑想的な音の動きに特徴があるでしょうか。これは歌手の個性も大きいのだろうとは思いますが。アイヌール・ドーアンの方はLawikê Metînê / Heyderの前半がラウクですが、トルコのクルディスタンではラウィケと呼ぶのでしょうか? 別な動画では、この前半部分だけが「ウズン・ハワ」のタイトルで上がっていました。アイヌール・ハシュハシュはすっかり白髪になってからの歌唱のようです。最近の動画をいくつか見ましたが、リズミカルな曲よりも、ソフトなウズン・ハワ・タイプが増えているように思いました。

Aynur Doğan - Lawikê Metînê / Heyder


Aynur Haşhaş-Geçti Gönül Baharımız Yazımız(Uzun Hava)

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2020年7月30日 (木)

アイヌール・ドーアンの鮮烈な歌声

アイヌール・ドーアンは、「アフメド」と「クルドの娘」だけだったので、他の動画も見てみたいと思います。「心に刺さる歌」という表現が彼女の歌には当てはまるでしょうか。アフメドは鮮烈なライブ映像で、Qumrikeは他の歌手でも聞き覚えのある曲です。3本目のウズン・ハワは、同じフリーリズムでも、トルコのウズン・ハワよりはイラクのラウクに近く聞こえます。この伸びのあるロングトーンは、本当に凄いです。どうすれば、こんな声が出るのでしょうか。

Aynur Doğan - Ahmedo [ Ehmedo ]


Aynur Doğan - Qumrike


Aynur Dogan Uzun Hava

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2020年7月27日 (月)

二人のアイヌール

ゼアミdeワールド218回目の放送、日曜夜10時にありました。29日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。まず大事なお知らせをしておきます。今治でも遂に感染者が出まして、スタジオが再度閉鎖されることになりました。また宅録の道はありますが、位相の問題を解決しないと、以前のように放送事故になりますので、解決できるまでは放送をお休みするかも知れません。どうぞよろしくお願い致します。宅録用ミキサーでは明らかに音質は落ちますが致し方無いです。今日の動画は「クルドの娘」の2曲のみにしておきます。

クルドの音楽の7回目です。今回は「二人のアイヌール」と題して、クルドとトルコのアイヌールの歌を聞いて行きます。
まずは、クルドの女性歌手アイヌール・ドーアンですが、日本でこの人の歌が話題になったのは、NHKのBSプレミアムで2004年頃に放送された〈Amazing Voice~驚異の歌声〉のトルコ編の放送後だったと思います。彼女の2枚目のアルバム「クルドの娘」が、発売の翌日にトルコ東部のディヤルバクルの行政裁判所によって販売差し止め命令が下されまして、それはこの放送の前だったように記憶していますが、歌詞に政府と対立するクルド組織を擁護する内容が含まれていたためだったとのことです。

トルコ機密警察とクルド労働者党の板挟みになりながらも、クルドの心を歌い続けるアイヌールの歌唱を、「クルドの娘」から2曲続けておかけします。その問題の曲がどれか、はっきり分かりませんが、これからかける中にあるのでは、と予想して選曲しました。発売当時まだ20代で、こんな熱い歌を日本の若手女性歌手が歌うことがあるだろうかと思う程です。リリースは、気骨のある名門レーベルKalan Musicです。1曲目がアフメド、2曲目は名アシュクのシヴァン・ペルウェルが作った「クルドの娘」です。(2曲目が件の曲かなと思います)

<1 Aynur Karadoğan / Ahmedo アフメド 5分32秒>

Aynur Dogan - Ahmedo



<2 Aynur Karadoğan / Keçe Kurdan / Kürt Kizi クルドの娘 4分32秒>

AYNUR DOĞAN KEÇE KURDAN


アイヌール・ドーアンの最近作 Hedurからも一曲おかけしておきます。タイトル曲のヘドゥールとは、「慰め」の意味だそうです。

<2 Aynur Karadoğan / Hedûr 5分22秒>

もう一人のアイヌールとは、アイヌール・ハシュハシュという女性歌手で、2004年当時この人のGulistanという盤がリリースされていて、実はアイヌール・ドーアンより先に聞いていたものですから、たまたまその頃の問い合わせで「アイヌールのCDありますか?」と聞かれたことがありまして、間違えてこちらを紹介しそうになったことがありました。可憐なルックスに似合わず、先輩ハルク歌手のベルクス・アッカレばりのパンチの効いたハスキーで艶っぽい歌声は実に魅力的だと思います。同じ名前ですが、彼女はクルドではないようです。

プロフィールに「1994年には、民謡を含むファーストアルバム「Yesterday and Day」をリリース。有名なトルコのアーティストArifSağの指導のもと、1999年にセカンドアルバム「Yolculuk」を発表。サードアルバム「Yar Sesi」は、同じくArifSağの指導の下で準備され、2002年にリリースされました」とありましたから、ギュリスタンはその2年後のアルバムになります。最近の動画で見ましたが、まだ47歳なのにすっかり白髪になっていて、ちょっとショックを受けました。(放送では最後の曲が全く入らないので、後でこの部分を削除しましたが、編集が上手くいかず繋ぎが不自然になってしまいました。大変失礼いたしました。)

Aynur Haşhaşでyoutube検索すると上位に上がってきているギュリスタンの1曲目をおかけします。5拍子か10拍子の特徴的なアップテンポの曲です。

<1 Aynur Haşhaş / Gulistan ~Icmisim Serhosum Bugun 3分37秒>

5曲目は他の歌い手で聞いたことがある曲で、アゼルバイジャンの歌だったように思います。タールの音色が特徴的な3拍子か8分の6拍子の大変に美しいメロディです。

<5 Aynur Haşhaş / Gulistan ~Men Onu Sevmistim 3分36秒>

では最後に、2曲目のKirpiklerim Ok Eyleという曲を聴きながら今回はお別れです。いかにもアリフ・サーがバーラマで伴奏していそうな感じの、アナトリアらしい曲調の美しい曲ですが、バーラマ奏者は不明です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<2 Aynur Haşhaş / Gulistan ~Kirpiklerim Ok Eyle 4分46秒>

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2020年7月24日 (金)

アッシリアの古い伝承歌 ラウェー

アッシリア人の「東洋的な音」は、割とすぐに見つかりました。アッシリアのラウェーという古風な男性の歌唱ですが、これは確かにハッカリのCDで聞いた歌に似ています。CDでは聞いた記憶がないので、YouTubeで2本目の歌唱風景の映像まで見られるのは、有難い限りです。昨日も書きましたが、細かすぎるほど細かい節回しは、日本の民謡だけでなく東アフリカの節にも似ているように思いますが、いかがでしょうか。最初に引き合いに出しましたイエメン系ユダヤのディワンも思い出しましたが、日本や東アフリカの歌との類似の比ではないようにも思います。(言葉はアラム語系ですから、同じセム系のヘブライ語と音は似ていますが)3本目は2007年にこのブログを始めた頃にも貼ったアゼルバイジャンのアッシリア女性の歌ですが、こちらは中東的エキゾチシズムの範囲の旋律に聞こえます。これほどの差があるのが不思議です。アッシリアはブログのカテゴリーを作ってなくて、教会音楽以外はちょうど良い入れ場所がないので、とりあえずクルドで入れてあります。

Assyrian Raweh - Traditional Songs


Raweh ( OLD ASSYRIAN SONGS ) ( ASSYRIAN WEDDING )


Assyrian Folk Song from Azerbaijan

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2020年7月23日 (木)

ハッカリとアッシリア、エチオピア、ケニア

日本の民謡と聞き紛うようなハッカリの歌の背景には、アッシリア人の影響があるのではとのご指摘がありました。私もそうかなと思っていましたが、ネストリウス派キリスト教(景教)の後継に当たるアッシリア東方教会の典礼などを見る限り、大体はシリア正教会に近い中東音楽の範疇に入る音のように思いました。アッシリア人の民間の歌に「東洋的な音」がないか、もう少し探ってみます。動画はモスクワのアッシリア東方教会の典礼です。

Assyrian Church of the East Moskow


2本目は、カランのハッカリ2枚組の2枚目冒頭の曲です。この独唱は、木遣りではなく追分か馬子唄に似た印象もありますが、それよりもエチオピアのバガナやクラールのような、所謂「ダヴィデの竪琴」系の弾き語りに似て聞こえました。同じ「ダヴィデの竪琴」系でも、さすがに東アフリカ(ケニアやタンザニア)のリトゥングまで行くと、音楽はかなりダンサブルになります。ハッカリのSerso - Raveのような、非常に細かいメリスマ(というよりモデュレーション?)の歌声を聞いた記憶がありますが、動画は見つからずです。

Serso - Rave (Sarhoş) [ Eyhok No. 2 © 2004 Kalan Müzik ]


Alemu Aga from Ethiopia playing the Begenna - David Harp: Aba Geragn Mote


How to play Litungu.avi

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2020年7月22日 (水)

ハッカリ伝承歌の現在

消滅の危機にあるというハッカリの伝承歌ですが、現代の若者による絶好の歌声のサンプルがありました。1本目がカランのCDの音源、2本目は同じElo Dinoと言う曲を、キャンプファイヤー?のようなシチュエーションで歌っています。3本目は少しアレンジも入った演奏です。どうしても不思議に思うのは、どうしてハッカリの歌が日本の民謡などに似ているのかということですが、他のクルドの音楽は中東の音楽のイメージ内なので、なおさらそう思います。ハッカリ諸部族には、クルド系以外の民族も入っているのでしょうか?

Abdülkerim Kaçar - Elo Dino 3 [ Eyhok © 2004 Kalan Müzik ]


Elo Dîno - Duçerxe


Gulen Xerzan - elo Dino

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2020年7月20日 (月)

ハッカリ、木遣り、イエメン系ユダヤ

ゼアミdeワールド217回目の放送、日曜夜10時にありました。22日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日の動画は、ハッカリの1枚目と木遣りのみにしておきます。

クルドの音楽の6回目です。今回はハッカリとクルドのスーフィーの音源をご紹介したいと思います。クルドは少し延びまして一応後3回の予定です。まずは土Kalan Muzik Yapimから出ている"EYHOK"Traditional Music of Hakkariですが、この盤についてのゼアミHPの紹介文を読み上げます。

トルコ南東部ヴァン湖の南の高地に位置するハッカリ地方は、クルド系遊牧民が多く住む所。この地の民謡フィールド・レコーディング2枚組で04年リリース盤。日本の東北辺りの民謡に似て聞こえる歌があったり、他には意外に似ているのがイエメン系ユダヤ人の宗教詩ディワン。つまり、故オフラ・ハザの歌のルーツとどこかイメージがダブってくるから不思議。古代のイラン系メディア王国の末裔とも言われる高地クルドの逞しく凛とした歌声は実に素晴らしいです。歌詞にはシリア系文字も見えますが、これはアッシリア由来のネストリウス派キリスト教の伝統も入っているからでしょう。

この盤から何曲か続けておかけします。よく売れるもので、現物が手元に残ってないので、アップルミュージックからの音出しになります。解説を参照できないので曲の詳細は不明ですが、1枚目の最初の方に入っている男性の掛け合いの歌は、日本の民謡の中でもとりわけ、火消しなどで鳶職が歌った仕事歌の「江戸木遣り」にも似ているように思います。3,6曲目を続けておかけします。

<1-3 Serşo 2 2分26秒>

Piyanisili Erkekler - Serşo 2 [ Eyhok © 2004 Kalan Müzik ]



<1-6 Narink 3 1分20秒>

Piyanisili Erkekler - Narink 3 [ Eyhok © 2004 Kalan Müzik ]


少し飛んで20曲目も、どう聞いても日本の民謡にそっくりです。
 

<1-20 Zeynel Beg/Bedirxan Beg 2分47秒>

Abdülkerim Kaçar - Zeynel Beg & Bedirxan Beg [ Eyhok © 2004 Kalan Müzik ]


2枚目の1曲目でも、追分か馬子唄のような細かいコブシを聞かせていますが、この曲はエチオピアの民謡にも似ているように思いました。

<2-1 Rave 52秒>

前回「長い歌」系のラウクをかけましたが、同じラウクに当たる曲が2枚目4曲目に入っています。これも日本の民謡に瓜二つに聞こえます。

<2-4 Lawkê Tuxûbî 3分8秒>

引き合いに出したイエメン系ユダヤ人の伝承歌謡ディワンも、ユネスコ・コレクションの音源からかけておきます。2曲目のTsur Menati(神は我が居場所)は、オフラ・ハザも歌っていた曲で、これが原曲になります。

<2 The Yemenite Jews  Tsadoq Tsubeiri / Tsur Menati 3分46秒>

ハッカリの1枚目で引き合いに出した江戸木遣りも一曲おかけしておきます。曲は、真鶴・手古です。ハッカリのクルドの歌が、ユダヤコミュニティーの中でも特に古い伝承を残すと言われるイエメン系ユダヤの歌や、日本の木遣りや追分にも似ているという興味深い例をご紹介しました。ナーゼリーさんの曲にも、タンブールの音使いが津軽三味線にそっくりな曲もあったのを思い出しました。

<1-1 真鶴 手古 4分33秒>

木遣り、真鶴/手古


最後に1994年にフランスのOcoraから出ていたクルドのスーフィー儀礼音楽の2枚組から、唱念儀礼ジクルを聞きながら今回はお別れです。イラン西部クルディスタンにあるコルデスターン州の州都サナンダージの神秘主義教団、カーディリー教団の儀礼の93年現地録音で、枠太鼓のダフを叩きながら唱えられます。2枚組に120分以上入ったディープな世界の中から、極々一部ですが、多少は雰囲気が感じられると思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<2-1 Zikr-E Allâh Et Percussions 9分38秒>

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