イラン地方音楽

2008年7月26日 (土)

サズ タブリーズの場合 + 花火

サズ(コプズ)の演奏、今日は東アゼルバイジャンのタブリーズの場合。
1本目に見られるように、高く高く掲げて、ほとんど顔のすぐ下くらいで弾くことも多いようです。楽器は左からダフとバラバン2本、コプズで、1993年のタブリーズのグループ来日の時も同じ編成でした。このスタイルを見ると、あっ!タブリーズのアゼリ・グループだ!と反応してしまいます^^ 今日のは、その編成の珍しいヴィンテージ映像。昨日のとは対照的に、男性はこうして人前で歌っても何も問題はないのですが・・。
2本目は6歳の少女朗読者とのデュオということでしょうか。詩の思いを弦で表現するような、エモーショナルなプレイが素晴らしいです。南アゼルバイジャンとありますが、どの辺りか不明ですが、タブリーズの近くでは。3本目は、詩の作者か、古老の映像が最初に出てきた後、少女朗読とタール弾き語りになります。このように、詩が盛んなのは、ペルシアだけではないようです。

Qulamrza Sebri Tebrizi 3

6 years old South Azerbaijani Girl (Dona MohammadPour)-(4/6)

6 years old South Azerbaijani Girl (Dona MohammadPour)-(5/6)

おんまく花火

今日は隅田川花火大会だったそうで。関東にいた時は、よくTVで見ていました。生も1,2回。
最後に、去年の地元今治の祭おんまくの映像を上げておきます。携帯のビデオで撮ったものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月25日 (金)

パリサー・アルサラーニのサズ

もう一つのアゼルバイジャン音楽は、ムガームよりもトルコ的なアシュク系の音楽。アシュクとは、サズ(コプズとも)などを手に語り物を聞かせる吟遊詩人(minstrel)のこと。女性のサズ奏者パリサー・アルサラーニという人のビデオがいくつかありましたので、今日はそれを見てみます。youtubeなのでサズの高音は割れていますが f(^^;
トルコとの国境に近い西アゼルバイジャン州の州都ウルミエでの演奏ですが、この人もこの辺の演奏家かどうかは不明。もしそうだとしたらタブリーズなどの東アゼルバイジャンのサズ演奏との違いが確認できるかも知れません。(タブリーズの方はまだですが)
この人、これらのビデオを見る限りでは、器楽的にサズの可能性を追求しているようにも見えますが、それは公の場での女性の歌が禁じられているイランだからではと思われます。事実アゼルバイジャン本国の首都バクーでアシュクの歌を学んでいるようです。しかし彼女の母国では禁じられているので、サズで表現するしかない、ということでしょうか。しかし歌を忘れさせるほど、雄弁で華麗な独奏になっていると思います。高揚してくると高く上げるなど、視覚的インパクトも強い楽器です。2本目は確か昨秋一度アップしたと思います。英文解説はビデオの解説文の転載。

Parisa Arsalani (yanikh kerem) Solo saz

少しギリシアのブズーキに似た感じにも聞こえますが、アゼリのミンストレル達の間で非常にポピュラーな曲とのこと。 Yanikh kerem is one of the most popular melodies played by azerbaycanian minstrels and Ashiqs. this has been played by Parisa Arsalani Iranian Azeri girl in a concert at Urmia-Iran 2002

Parisa Arsalani (saritel) Solo saz

こちらは幾分ペルシア音楽的。 music festival in Iran. she is from Urmia-Iran an instrumental music by an azerbayjanian girl.

Parisa Arsalani (Osman divanisi) Solo saz

Osman divanisi is the name of the Azerbaycanian Minstrel Music played by Parisa Arsalani in Sefieddin-Urmevi Music Congress held in Iran Urmia at 2005. She is one of the youngest musicians of Iran Who studies Vocal in Azerbayjanian Conservatory in Baku as it is forbidden in her own country. That is why it is mere instrumental as minstrelsy has always been accompanied by minstrel's singing. She earned the best reputation of playing Kopuz (ashik saz) among among the men and women in the Fajr Music Festival held in kerman-Iran 2000.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月24日 (木)

タブリーズ点描

今日は土用の丑の日。  暑中お見舞い申し上げます。 m(_ _)m 
しかし暑いですね。3日の梅雨明け以来、伊予では毎日34度前後が続いていますが、さすがにぐったりしてきます。既に夏バテぎみ。鰻を食べたので、これから効くでしょうか?
今日はイラン北西部アゼルバイジャン州の中心都市タブリーズの音楽と音の色々、ということで。。

Tar and Tombak (Dashti), Extremely well performed in Tabriz.

タブリーズでとてもよく演奏されるダシュティとのことですが、ダシュティ旋法ってルーツはカスピ海の南側の北イランだったように思いますが。Another Part of a good performance by Behrouz Jamali on Tombak and Behzad Ravagi on Tar. This video has been recorded in 1997 in Tabriz. It was a fundraising event for earthquake victims of Ardebil.

AYRILIK - H.Abdolazimzadeh IRAN - TABRIZ

数日前にアップしたアイリュリク(表記はちょっと怪しいですw)を、ご当地ロック・グループが演奏。良い曲はこういうアレンジで聞くのも乙ですね^^

A Walk In Tabriz's Bazar

ちょっと町の音も^^ タブリーズのバザール。いえ、正確にはバーザール。正に「ペルシアの市場にて」♪♪♪♬♬♪♪(歌の部分が浮かびますw)

Azan In Tabriz, Iran

礼拝への召喚の歌(ではなく声?)、アザーンのタブリーズ版。町に毎日響き渡るイスラム教の聖なる言葉。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月23日 (水)

タブリーズのタール名人

アゼルバイジャン式タール演奏の素晴らしいクリップがありましたので、今日はそれを。
タブリーズのタール名人マフムード・シャテリアン(1944-2006)が、生徒たちのために残した映像のようです。ペルシア音楽の場合より楽器を高く掲げ、楽器の素材や作りもかなり違うようです。師匠の極めて自然に紡ぎ出される音はとても素晴らしいですが、この音色を聞くと、どうしてもパラジャーノフの映画を思い出してしまいます。しかしペルシア音楽の影響でしょうか、タブリーズの場合は少し穏やかに聞こえます。後半は生徒でしょうか。ナガラ(ドール?)の演奏も、音色がコーカサス的なのに、テクニックはかなりトンバク風。後ろにアリム・カシモフのポスターが見えます^^
2本目はペルシア音楽のタール名人ジャリール・シャフナーズの演奏。アゼルバイジャン式との比較のために。見た目にも、構え、素材ともかなり違います。シャフナーズはケマンチェのバハーリーやトンバクのテヘラーニ、サントゥールのパイヴァールとの共演も多かった人。当ブログでも主役では登場していませんが、これまでに何度もアップされています。伴奏はもちろんトンバク。

Mahmud Shaterian, Shaterian Darshanase(Amuzeshgah), Tabriz

Mahmud shaterian, Great Azerbayjani Tar Master, Tabriz(1944-2006)
(Recording a music for students)

Tar....An Iranian music instrument

Tar is An Iranian music instrument mainly used in Iranian traditional music, in this video played by an expert Jalil Shahnaz.... この曲はネイのハッサン・キャサイがPLAYA SOUND盤で演奏していたマーフール旋法の一節。意外に他では聞きません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月22日 (火)

アゼルバイジャン本国とタブリーズの比較

アゼルバイジャンの音楽ですが、本来は一つだったはずですが、イランではよりペルシア音楽の影響を受けたかも知れないし、本国では名前だけ(-vや-vaが苗字の最後に付く点)でなくロシア化した部分もあったのでは、と思われます。
今日の1本目はアゼルバイジャンの演奏家の映像のようです。ごく最近アップされたもので、どうも「ライラとマジュヌーン」(何度も出てきているので説明は省略しますが)をテーマにしていると思しき男女の歌手のステージ。物語が悲劇的な様相を帯びる前なのでしょうか、妙に明るい二重唱です。
2,3本目はイラン北西部のアゼルバイジャン州の州都タブリーズのムガーム演奏家。どこがとはっきり言い難いですが、どこかがペルシア音楽寄りになっているように聞こえます。ダルアーマドのような静かな歌いだしからそう感じますし、節回しがよりイランのタハリールに近寄っているように思えます。
しかし4本目になると、コーカサス的な面(男性舞踊の動き全般)が、イラン側にも残存しているように見えます。
今後どういう変遷を遂げるのか、興味深いところではあります。

Güllü Muradov - Abgul Mirzeliyev , layli majnun

Nice Azerbaijan Mugham from Tabriz 1

Nice Azerbaijan Mugham from Tabriz 2

Tabriz Azerbaijan

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月21日 (月)

グーグーシュsingsアゼリ・アンセム

久しぶりにイラン地方音楽シリーズに戻りますが、クルドが一まず終わったので、後は北西部のアゼルバイジャンだけ残っていました。そこで例のアゼルバイジャン音楽の宝庫azerimusicから。トゥアレグや北アフリカ方面にもまたいつか訪れるでしょう。

まずは前に10月頃だったか一度アップしたビデオですが、タール奏者アリ・サリミの作曲した名曲Ayriliq。元はタールの曲(イランMahoor Institutのアルバム「Tar」に作曲者自身のタール独奏が収録されています)のようですが、歌詞が付けられたこの曲は、祖国をソ連とイランの二つに分断されたアゼルバイジャン人の悲しみを歌っているようです。何度聞いても、この甘美で哀切な調べには魅了されます。この曲、例えばバルカンのロマにあてはめるならロマのアンセムとして知られるEderleziでしょうか。どちらも外国人の胸をも打つ名曲として、もっと知られて良いと思います。 ※youtubeを一本 Ederlezi (hi-fi recording)

歌っているのは、革命前から活躍する女性歌手グーグーシュとYaqub Zurufchu(やはりタブリーズの人か、アゼルバイジャン共和国の人か、どちらかは不明)。ペルシャン・ポップスの女王として知られたグーグーシュですが、実はアゼルバイジャン州出身で、この曲もトルコ系のアゼリ語で歌っているようです。もう一本は2005年頃のカナダでのライヴから。(これもダブっていたら済みませんf(^^; )

Great Azeri Turk Singers Ququş and Yaqub Zurufçu - Ayriliq

Googoosh (Ayriliq) in Azeri Turkish

Googoosh, Iranian most famous singer ever, who is originally from Azerbaijan performs well-known AYRILIQ song in a concert in Canada (I think in 2005).She sings this song really by heart and extremely emotional. Hope you enjoy it. Ayrliq means seperation in Turkish. Yasasin Googoosh

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年6月28日 (土)

クルドのダフ

クルドの音楽で目立つ打楽器と言えば、重厚なトンバクよりも、スーフィー音楽で重要視される枠太鼓のダフ(またはダプ)であることは明らかでしょう。このシンプルな作りの太鼓から様々な音を作り出す技は、目を見張るものがあります。トンバクのリーズ(スネアのロールのような奏法)に近い奏法も入るようで、これはやはりトンバクの名人芸をヒントにしたものでは。
このビデオのKeivan Alimohamadiという人は、ケルマンシャーの人かどうか分かりませんが、クルド人のようです。

このビデオの解説にSome pictures of dap have been found in the paintings to be painted before the birth of Christ. The presence of Persian dap in the stonecutting of Bisotun is really wonderful. とあるように、キリスト生誕以前の古代からこの楽器は存在し、ビストゥーンのレリーフにも刻まれているようです。
またMoors introduced Daf and other Middle Eastern musical instruments to Spain and Spanish adapted and promoted Daf and other musical instruments in medieval Europe. とあるように、北西アフリカのムーア人(ベルベル人)がイスラーム王朝下のスペインからダフなどの中東起源の楽器を持ち込んでから中世ヨーロッパに広まり、ヨーロッパの楽器のルーツになっていったのでした。ヴァイオリンやギター、ピアノなど、現在の西洋の主要楽器は、大体が中東に起源があります。
In 15th century daf was only used in Sufi ceremonies, Ottomans reintroduced it to Europe in 17th century.とあるように、スーフィー儀礼のみに使われていたダフはオスマン帝国によって17世紀に再度ヨーロッパに紹介されたようです。中世に西から、近世に東から入った訳ですね。それぞれがどのように継承されて行ったかも興味深いところ。枠太鼓は東欧やアイルランドのトラッドでも頻繁に使われています。

興味深いデータは以下のスーフィーたちの名前。彼らがダフの技をスーフィー音楽にふさわしいものに仕上げて行ったようです。20世紀になってからのようですから、現在のダフ技巧は新しい伝統と言えるのかも知れません。
The art of daf playing in Iran has reached us by the effort of the Iranian Sufis especially in 20th century the late Sayyed Baha-al-Din Shams Ghorayshi(1872-1947), Ostad Haj Khalifeh Karim Safvati (1919-...), Ostad Haj Khalifeh Mirza Agha Ghosi (1928-...), Mohi-al-Din Bolbolani (1929-...), Sayyed Mohammad Shams Ghorayshi (1930-...) and Masha-Allah Bakhtiyari (1940-...).

PLAYING DAF(frame drumming )

tak navazi daf

前にバフティアリの所で名前が出てきたダフ名手abbas bakhiariのソロ。ナーゼリーなどの伴奏者としても知られています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年6月27日 (金)

ケルマンシャーのパーティ

2日間、ケルマンシャーの遺跡関係を見ましたが、現在のクルドとは直接関係ないのかも知れません。そこで今日はケルマンシャーの「クルド音楽の現在」と言う事で、クルド・ダンスのビデオを数本。このタテノリの音楽と、老若男女入り乱れてのダンス、何とも楽しそうです。音楽自体はカムカルの演奏の方がはるかに高度ですが、このタテノリ・リズムはほとんど同じと言っていいでしょう。所謂「クルドのり」というやつでしょうか^^
Mohammad Amin Gholamyariという歌手は若手に見えますが、ケルマンシャーでは名の通ったクルド民謡の歌手なのでしょう。ビデオが何本も見つかります。一本目はMohammad Amin Gholamyariの独唱と伴奏風景(左からケマンチェ、タール、トンバク、ウード)も確認できるビデオ。2本目は彼の歌をかけて会衆が踊っているようです。このクリップはちょっと接続が悪いようです。3本目はMohammad Amin Gholamyariではないようですが、接続はばっちり。故郷から遠く離れたイギリスで羽目を外して踊るクルド人たち^^ 会場の熱気に乗せて、望郷の思いも伝わってくるようです。

Mohammad Amin Gholamyari Traditionalmix

Mohammad Amin Gholamyari

Kurdish Dance in England

Kermanshah Party in Leeds

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年6月25日 (水)

ビストゥーンの古代ペルシア遺跡

ケルマンシャー州は、もちろんケルマンシャー市だけでなく、他にも名所旧跡が色々あるようです。ケルマンシャーから東に少し行った所にビストゥーンという町がありあますが、そこにはダレイオス(ダリウス)大王の戦勝記念磨崖浮彫がありまして、この浮彫は、アケメネス朝ペルシャ帝国第3代の王ダレイオス1世(在位前522~486)の功績を記念したもの。楔型文字解明の手がかりになった貴重なレリーフです。 以下レリーフ解説はこちらより
 左に王位僣称者ガウマータを踏みつけたダレイオス。彼の前には9人の反乱指導者が後ろ手に縛られ、首に縄を付けて数珠繋ぎにされています。その上にはアフラ・マズダ神が彫られています。彫刻のパネルの下には古代ペルシア語(楔型文字)とその左右にエラム語。パネルの左にはバビロニア語の碑文が刻まれています。ビストゥーンは、ザグロス山中にあり、古くはバガスターナ(神の居所)と呼ばれていました。

シーリーン(「甘美な」、またはロマンス叙事詩のヒロインの名)を連呼しているこの歌が何を歌っているのか非常に気になるところ。古代のレリーフと何か関係があるのだろうと思います。伴奏楽器にカーヌーンが使われているのも、また歌われている音階も、イラン的またはクルド的というよりアラブ寄りな風味を感じさせ、何とも不思議です。

Bistoon kermanshah

Shirin Jan Bistoon kermanshah

Khosrow & Shirin aus fünf Büchern des Nezami

ニザーミのロマンス叙事詩「ホスローとシーリーン」に関するドイツのドキュメンタリー番組。28分余りあります。物語を描出したペルシア細密画はもちろん、ネイの演奏が素晴らしい! レリーフからは飛躍しますが、歌関連ビデオと言うことで。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年6月24日 (火)

ケルマンシャー

さて、イラン西部クルディスタンの中心地、ケルマンシャーに辿り着きました。
ナーゼリーさんやヤルサンのタンブール音楽などは、3月末前後に集中してアップしましたので、今度はできるだけその他の音楽状況を見ていければと思っています。

一本目はパーレヴィ王朝時代の50~60年代に撮られたビデオのようです。当時のクルディスタンの風俗や町の風景など、とても興味深い映像が出てきます。セピア色のフィルムだけで確かにノスタルジック。バックのクルディッシュ・ポップスは最近のものだと思いますが。
二本目はケルマンシャー・ポップスになるのでしょうか。ファルハド・スルタンというのが歌手名? 伝統音楽色を残したサウンドで、この位だと現在のイランでもOKなのでしょうか。女性は被り物を被ってないし・・。
このように、分からないことばかりですが、ナーゼリー&ヤルサン音楽しか知らなかった者としては、とても新鮮に聞こえます。ケルマンシャーにも色々な音楽が流れているようです。しかしこの辺りもやはり美人が多いですね^^

Kermanshah

KERMANSHAH YA SULTAN SAGH awarey_donia

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年6月20日 (金)

サナンダジの女性スーフィー儀礼

今日はもう少しサナンダジのクリップを見てみます。クルディスタン(コルデスターン)州の州都サナンダジはセンナ(Senna)とも言われ、クルド以外ではSine或いはSnaと綴られることもあるようです。サナンダジの南に位置するケルマンシャーと並んで、イランのクルディスタンの中心地のイメージが強い町です。人口の大多数はクルド人ですが、少数民族としてアルメニア人、ユダヤ人、カルデア人(アッシリア系のクリスチャンと思われます)のようなキリスト教徒やユダヤ教徒も住んでいるようです。アルメニア人やユダヤ人(イラン革命後減ったようです)はテヘランにもいるようですが、カルデア人の存在はやはり西イランならではでしょう。
7世紀以後にイスラームが浸透するまでは、イランの西はキリスト教世界(東は仏教世界)だった痕跡と言えると思います。その東西の世界にイランの宗教文化が様々な影響を及ぼしていたことも忘れてはいけないと思いますし、キリスト教が東進することと仏教が西進することをイランという国が堰き止めていたという事実も重要なポイントでしょう。

一本目はサナンダジの町を紹介するビデオで、バックに流れる女性の歌声はクルディッシュ・ポップスでしょうか。メロディはトルコ側のクルド歌謡とそっくりです。カムカル・アンサンブルの面々の出身地ですが、ここサナンダジのようです。りーずさんからコメントいただきました。
二本目は驚くべき一本です。女性のダルヴィーシュ(托鉢僧)達によるスーフィー・ダンスと、トランス状態になった彼女らの姿をも収めたドキュメンタリー番組からの一こま。クルドのスーフィー音楽と言えば、音源では仏Ocoraの2枚組みなどがありましたが、女性のダルヴィーシュの、しかも本当にトランス状態になっている映像まで見たのは流石に初めてです。これは驚きが隠せない一本!

Sharakam Sena

Mystic Iran -- Women dervish dance and trance

from filmmaker Aryana Farshad's amazing film of spiritual rituals and visits to sacred locations in her native Iran-- "Mystic Iran" (2002) 52 minutes.

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年6月18日 (水)

クルマンジーの音楽

昨日アップしましたカームカールの演奏のナリネーという曲ですが、異演がありましたので、一本目にアップしておきます。クルマンジー(クルド語の北方言)の地域だけあって、サズを持っていますね。トルコ側の演奏かも知れませんが、イランでもサズが使われることはあるのでしょうか。イラン、トルコ、イラク北部のどこになるのか判然としない音楽が多いですが、そこが魅力のように思います。

narine.....zober swrchiy

Urmîye, Kurdistan

トルコとの国境に近いイランのアゼルバイジャン州のクルドの町、ウルミエを歌ったKoma Şîrvanの曲。クルマンジー語で歌っているようです。音楽の印象はほとんど完全に「トルコ」です。とても素晴らしい所のようですね~。

sabah allami

これはイラク側のクリップのようですが、クルドなのかアラブなのか不明。音楽やリズムは少しクルマンジーに近いようにも聞こえますが。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年6月17日 (火)

サナンダジとクルマンジー

さて、またイランの地方音楽シリーズに戻ります。南インドや北インドの音楽は、また改めてたっぷりかけたいと思いますが、何ヶ月か後になると思います。
イランの地方音楽シリーズは、コーカサスから入ってヤズド~ホラサーン~ファールスのガシュガイ~ケルマン~バルチスタン~ペルシア湾岸~ハメダン~ロレスターン~バフティアリ~イスファハーンと螺旋状に巡ってきましたが、またコーカサス関係で巡ったクルディスタンとアゼルバイジャンに戻ってきました。(地図はハメダンの回にあります)

北西イラン語派に属するクルド語は、大きく分けてサナンダジやイラク側のクルディスタンなどのソーラーニ語(中央方言)と、ケルマンシャーなどの南部方言、トルコ~イラン北部などのクルマンジー語(北部方言)の3つに分かれます。同じクルド語でもケルマンシャーとサナンダジでは別な方言になるため通じない部分も多いようです。
ケルマンシャーには、ナーゼリーやヤルサンの音楽以外にも、まだまだ色々あるだろうと思いますが、その捜索はまた後日に回し、今日はケルマンシャーの北に位置するサナンダジ(コルデスターン州の州都)中心に見てみます。
ソーラーニ語の分布地域で納得ですが、今日の3本目のような男性の群舞はイラク側にもあったような気がします。1本目はクルド音楽の雄、カームカール・アンサンブルの演奏で、サナンダジの民謡のようです。ちょっと映像が不鮮明ですが。2本目はカームカールの演奏で、クルマンジーの民謡。差は、、微妙ですね~^^   
ところで、カームカールの出身はどちらなのでしょうか?

Cuwani - Kamkars

Cuwani is a newer version of an old Kurdish Song In Sorani. Performed by Kamkars. As known Kamkars are the most Famus Kurdish Music groups In the wold Now.

Narine - Kamkars

Narine is a Kurmanci song that performed By Kamkars in thier last CD.

The best kurdish dance

shaho group in sanandaj

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年6月 5日 (木)

バフティアリ・ポップス

バフティアリは一応今日までの予定です。最後はポップスに行ってみましょう。結構地方色を生かしたポップスも盛んなようです。3本目のようなクラシック的アプローチは、バフティアリ以外にもいくつか(CDでも)あったように思います。
一つ訂正です。昨日名前が出てきたアッバース・バフティアリですが、検索キーワードには入っていましたが、ナーゼリー・パリ・ライヴのメンバーには入ってなかったようです。参考ビデオ→Sama この中でダフを叩いている人がアッバース・バフティアリ。90年にパリでCentre pouyaを立ち上げ主催している人なので、Samaはそのプロモーション・ビデオなのでしょう。ナーゼリーのライヴも、演奏ではなくプロデュースだったのでは。

Iran bakhtiari, Risheh

最初の曇った音色のバラバン(メイか?)を聞いて、お!と思いましたが、打ち込みが入りましたw  ちょっと残念です。 ビデオの解説=Shaer va ahange motevafete bakhtiari payghami be farzandaneh ayandeh saz.

Iran bakhtiari, monom bakhtiari

女性歌手Foroozandehの歌。元はトラッドのようです。うしろの叔父さんが叩いている組ダラブッカは、クーゼスタンの黒人系音楽に使われていたのと同じ^^

Shirin Jan (Shaghayegh Kamali)

これはバフティアリの民謡を現代音楽風に演奏したもの。これはユニークです! クラリネット奏者はドイツ系(-manが付いているのでユダヤ系かも?)のようです。 A composition upon a Folksong from Bakhtiari (Iran) by Siavash Beizai.This piece contains also "Ninay Nay" an other folksong from Bakhtiari that you don´t see here. Song: Shghayegh Kamali Piano: Anoosha Golestane Clarinet: Ulrich Peterman

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年6月 3日 (火)

ホスローとシーリーン

今日はここ数日の間に何度か登場したロレスターンの(バフティアリらしいですが)女性歌手パルヴィーン・アアリプールの歌で、「ホスローとシーリーン」とバフティアリの結婚の歌。「ホスローとシーリーン」と言えば、「ライラとマジュヌーン」と並んで12世紀のロマンス詩人ニザーミーの代表作として知られています。ビデオを見て特に感じたのは、ネイ奏者の素晴らしさ。これは特筆ものだと思います。こんな名手がいるなんて、ネイが盛んなイスファハーンに近いからでしょうか。この人、イラン人にしては珍しく髭がないので、くわえた所がはっきり分かって、ネイ吹奏の壮絶さ^^がはっきり見て取れます。私も挑戦したことがありますが、葦に真鍮の輪をはめただけの、ただの筒状の作りですから、音を出すだけでも至難の業。すきっぱでないと難しい(というか故意に「すきっぱ」にするのでしょうか)笛だと思いました。それと舌のコントロールが要でしょうね。歌唱含め演奏は、バフティアリらしい野性味のような味わいが古典音楽に埋め込まれた、すこぶる興味深いものです。

"Khosrow-o-Shirin" and Bakhtiari Wedding Song

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年6月 2日 (月)

マスード・バフティアリ

バフティアリ出身の古典歌手でしょうか、今日はマスード・バフティアリという男性歌手の演奏を見てみます。全部でクリップが11あるようですが、1と2が見当たりません。ネイ伴奏でしみじみ聞かせる3と、セタール伴奏から始まる4を取りあえず上げておきますので、続きを見たい方は再生後のリンクを辿ってみて下さい。
バフティアリ~ロリらしさ、については正直よく分かりませんが、メロディ・ラインは近くのクルドの音楽に似ていると言えるかも。解説にMasoud Bakhtiari (Bahman Ala'eddin) in a concert in Ahvazとあるように、KhuzestanのAhvazでのライヴのようです。同じ州ですが、こないだの湾岸の黒人系音楽とは大変な違いです。本当に同じ国なのかと思ってしまう程^^

Masoud Bakhtiari 3 (Bakhtiari Lori music)

Masoud Bakhtiari 4 (Bakhtiari Lori music)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年6月 1日 (日)

バフティアリとローリの差は?

今日の最初の2本は同じメンバーが演奏しているものですが、一本目がバフティアリ、二本目がロレスターンの音楽ということになっています。両方の伝統音楽を演じ分けるグループのようです。確かに二本目はソルナのフレーズを感じさせるようなネイのソロです。三本目はバフティアリの女性の踊り。目の覚めるようなカラフルな民族衣装が特徴的です。しかし、音楽的には極めて似通っていて、ここまで見た限りではそう大きな差は感じられませんが、四本目のバフティアリの踊りを見ると、ユーユーも入って、より部族的なグルーヴが感じられます。そう言えば、アリザーデさんのPaykoubiは、バフティアリの音楽を題材にした作品だったように思います。(現在手元に現物なしのため、どなたか情報をお待ちしております^^)

Bakhtiyari-Music-1

Lori music!!!

Raghse Bakhtiyari

PAAYKOOBI-E BAKHTIYAAREE

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月31日 (土)

バフティアリ

ロレスターンで数日見てきましたが、そろそろバフティアリの方へ行ってみます。バフティアリは元々イラン南西部に住む遊牧民でしたが、今でも完全な遊牧生活を送っているバフティアリは少数のようです。シーラーズ周辺のガシュガイの言葉はトルコ系でしたが、バフティアリはイラン系のローリ(ロリ)語を使用。当然ロレスターンの文化と密接な関係があるようです。彼らはロレスターン、イスファハーン、クーゼスタン、チャハールマハール・バフティアリの各州にまたがって居住。(地図はハメダンの回をご参照下さい) 今日は民謡と踊りを一本、後は少し変り種?を2本^^

Bakhtiari

バフティアリの遊牧生活のイメージ・ビデオ。ここで歌われているのは代表的なバフティアリ民謡のようです。

IRANIAN ACTRESS : BEHNOUSH BAKHTIARI !

バフティアリ出身の女優のようです。イラニアン(バフティアリ?)・ポップスに乗せて。

Princess Soraya Bakhtiari

こちらはパーレヴィ国王の2回目の夫人だったソラヤ・バフティアリのドキュメンタリー・ビデオ。遊牧風景からは想像がつきませんが、女優や王族の妻がバフティアリから出ていて、二人とも名前はBakhtiariを名乗っています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月30日 (金)

またまたロレスターン ユーユー入り

3日ほどロレスターンのクリップを見ましたが、まだまだ面白いのがありそうです。しかもどれもCDなどは出ていない(現地盤はあるかも知れませんが)演奏家のものが多く、youtube先行の最近の音楽状況を反映しているように思えます。

Sawza-Sawza (Lori folklore song from Lorestan)

これは昨日のParvin Aalipourの歌唱の続編。このビデオの解説には以下のようにあります。A Khorramabadi Lori folklore song, by Parvin Aalipour (she is Bakhtiari herself, not Khorramabadi) ロレスターンのホッラマーバード出身ではなく、バフティアリ(数日後に廻る予定)だそうで。昨日のコメントにはクルドとありましたが、どれが正しいのでしょうかw 甲高い叫び声のユーユーが聞かれます。アラブ世界が近いからでしょう、西イランでは結構耳にするような気がします。

Faraj & Moslem Alipour - Lorestan dance music (埋め込み禁止)
ビデオの解説に、Iraqi Kurdistan Festival - 2007 -The two lor tal player are accompanied by Jalil Andalibi kurdish family.とあります。イラキ・クルディスタンとは言ってもイラクでは出来ないのではと思うので、イラン側に集まってのセッションでしょう。Jalil Andalibiはケマンチェ弾き語りの人では。ウード弾きながらユーユーやるか!という驚きがあります^^ ペルシア古典音楽にユーユーとは何とも不思議な取り合わせ。そう言えば、ケマンチェの胴の作りはイラクの弓奏楽器ジョゼに似ています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月29日 (木)

ロレスターンの古典音楽

イラン西部のロレスターンの音楽、今日は古典的な演奏。これらの内のいくつかはクルド系の音楽家による演奏のようです。隣接しているので、クルド人が多いようですね。ペルシア語の方言だと思いますが、言葉はローリ語という地方語が多く使われているようです。ロレスターンの古典音楽風のクリップは非常に多いので、あと数日見るかどうかは思案中^^

Dāya Dāya (Lori folklore song from Lorestan)

女性歌手の歌と器楽。コメントにIt is never Persian! It is 10000% Kurdish.+ It is Media TV (Kurdish TV)とありますが、どうなのでしょう?

Lori (Traditional Iranian Music) - Mehrdad Hedayati (Live)

Mehrdad Hedayatiの素晴らしい歌が堪能できる一本。何本か見た限りでは、この地方ではケマンチェが多く使われ、マーフールのような晴れやかな旋律が多いように思います。

lorestan music(Mohahmad mirzavand)

この人はクルド系の歌手のようです。言葉もローリ語ではなくクルド語のようです。

lorestan music(Sayfoldin Ashtiani)

このタテノリのリズムは、いかにもクルド的。カムカールと聞き間違えそうです^^ しかし、舞踊はロレスターンの場合と同じに見えます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月28日 (水)

ロレスターンのソルナ

昨日は所用でアップできませんでした。ロレスターンの2日目はダブルリード管楽器のソルナの演奏他。チャルメラ、オーボエ、シャーナイ、ズルナなど、同種の楽器は世界中にありますが、ソルナは口元の丸いものでアンブシュアーが見えませんね。右足を上げて吹くところがイナセ^^  シャーミルザー・モラディは1924年生まれの名手。例のNimbus盤(Mahoorから出ているのもニンバス音源)もこの人の演奏だったと思います。一本目ではソルナ、二本目ではサズと呼ばれています(この2本は同じ演奏)。両面太鼓はドホルですが、クルドのドホルより厚みの薄い作り。叩き方はほぼ同じだと思います。軍楽を思い出すリズムですが、3拍子ですから韓国のトランス系巫楽シナウィにも似ているかも。結婚式や葬儀などで演奏されるようですが、ソルナは同じザグロス山系南のバフティアリなどでも使われます。

ShahMirza Moradi (埋め込み禁止)

Sāz o Dohol (Lori music), by Shamirza Moradi and his son

lorestan music(Mohamad bajelavand)

一昨日アップしたビデオの続編。ケマンチェ弾き語りとトンバク。素朴ながら素晴らしい地方音楽の音色を聞かせてくれています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月26日 (月)

ロレスターンの音楽

今日はハメダンの南に接するロレスターン州の音楽。音源で言えばイギリスのNimbusからズルナ(ソルナだったかも?)演奏のCDが出ていました。youtubeはと言うと、かなりありますので、今日だけでは終わらなさそうです。ザグロス山系の北側にかかっているので、かなり寒冷の地ではないかと思われます。(地図はハメダンの回をご覧下さい)

Lorestan folk music(dayah dayah waghte jangeh)

この人はクルド系の民謡歌手のようです。クルディスタンにも近いのでクルド人が多いのでしょうか。

lorestan music

この素朴なケマンチェ弾き語り、トンバクも一本調子ではありますが、とてもいい感じです。前にイラン名産のザクロが盛られているのが印象的。

THE GIRL FROM LORESTAN

これは興味深い古えの映画。曲は何故かトルコ民謡のウシュクダラも出てきます^^  First Persian Film from Mr.Sepenta (Shadravan). Filmed in Indien?!!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月23日 (金)

バーバー・ターヘルの詩

昨日に続いてバーバー・ターヘルの詩ですが、今日はスーフィー音楽(またはヤルサンの音楽)に乗せて歌われるバーバー・ターヘルと朗読を2本。一本目はタンブールとダフのようですから、クルド系音楽家ではないかと思われます。ハメダンのバーバー・ターヘル廟での演奏。ホットな演奏で素晴らしいですが、演奏者が不明。もっと長く見たいものです。

Baba Taher Poetry

Robaiyate baba taher........

バーバー・ターヘルの四行詩(ルバイヤート)の朗読。

Poetry & Politic

これはバーバー・ターヘルの朗読ではなさそうですが、ペルシア詩の朗読例ということで。しかし美しいご婦人ですね^^

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月22日 (木)

ハメダンとバーバー・ターヘル+イランの地図

Photo イラン南部のバンダルアッバースは、まだまだクリップがありましたが、きりがないので今日は一気に北に飛んでみます。クルディスタンのケルマンシャーとサナンダジの東にある州、ハメダンの紹介ビデオ。州都のハメダン(ハマダンとも)は古代ペルシア時代の遺跡の残る古い町ですが、11世紀の詩人バーバー・ターヘルやアヴィセンナの廟があることでも有名。バーバー・ターヘルは四行詩(ルバーイー)で知られる神秘主義者にして托鉢僧、グノーシス主義者でもあったようです。当時はまだヘレニズム時代の遺産が生きていたということでしょうか。ルバーイーでは最も有名なオマル・ハイヤーム(ルバイヤートの著者)より先輩格の詩人。トルコ族支配時代だからでしょうか、廟の屋根のターキッシュ・ブルーがとても美しいです。以下バーバー・ターヘルの代表作2編。ビデオに一部対応しています。
*地図は「イランイスラム共和国」(イランイスラム共和国大使館1994年刊)より

丘のチューリップも七日の生命
小川のほとりの菫も七日の生命
町から町へと触れ廻ろう
「美女の誠も七日だけ」と

わが心はいつも火に満ち、目に涙
わが人生の壺に溢れるは悲哀
わが亡き後、わが墓を通れば
そなたの香りで生き返るわれ

黒柳恒男著「ペルシア文芸思潮」(近藤出版社)より

HAMEDAN

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月21日 (水)

バンダルアッバースとケシム島

イランの音楽とは思えないようなクリップが数日続いていますが、今日もバンダルアッバースのビデオを数本アップしておきます。1,2本目は、アルジェリアのライとベドウィン歌謡とラテン音楽、ザンジバルの音楽がミックスしたような曲調。3本目はバンダルアッバースの対岸のホルムズ海峡にあるケシム島の伝統音楽。これはオマーン、UAE、バーレーンとかの対岸の音楽に似た響きです。赤い仮面?が特徴的。

bandar abbas(rohanda&milad)1

bandar abbas(rohanda&milad)2

bandar abbas queshm

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年5月20日 (火)

バンダルアッバースの黒人系音楽

今日はブーシェフル州の東隣ホルモズガン州のホルムズ海峡に面する町、バンダルアッバースの伝統音楽。やはり黒人系の面立ちの人がいます。音楽もアフロ系の太鼓とダブルリード(スルナ?)に男性ヴォーカル。客席からは甲高い叫び声ユーユー(北アフリカからアラブ辺りにかけて多く見られる技)の声が響き渡ります。3本目では壺?奏者が半ばトランス状態?に入っていますね。ザールのように悪魔祓い(エクソシスト)と憑依に関連した黒人系の治療儀礼音楽でしょうか? youtubeで見るのが初めての芸能ですので、この音楽の詳細なことが分かりません。詳しい方情報をお待ちしております。

hormozgan bandarabbas, bandar abbas, hormuzgan

hormozgan bandarabbas, bandar abbas, hormuzgan

hormozgan bandarabbas, bandar abbas, hormuzgan

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月19日 (月)

アバダンのバグパイプと太鼓

今日のビデオもブーシェフルで検索して引っかかったものですが、隣のKhuzestan州(イラクとブーシェフル州の間)の町、大精油所で有名なアバダンの音楽ではないかと思われます。バグパイプ奏者は見るからに黒人系ですね。アラブのマットブッチとかの吹奏に似ているように思います。ダラブッカの二連叩きもとてもインパクトがあります。これが本当にイラン?と思ってしまう驚きの演奏。3本目はチグリス・ユーフラテス川の河口を挿んでアバダンと対岸の国、クウェートのAbadan Banderiのようです。しかし、ペルシア湾岸は驚きの音楽が一杯です^^

Abadan Banderi

Abadan Banderi B

Abadan Banderi kuwaiti

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年5月18日 (日)

ブーシェフルのグループsingsオマル・ハイヤーム

今日もイラン南部のブーシェフルのグループをアップしておきます。ビデオの解説にAn Iranian traditional song, originally from southern Iran, mainly Bushehr( Bandar). the lyric is from Khayam, who is a great Iranian poet living around 1000 years ago. とありますので、ルバイヤート(四行詩)で有名なオマル・ハイヤームの詩を歌っているようですが、このハッピーな曲調だと、あの刹那的、厭世的なニュアンスはほとんど感じられませんね^^  
メンバーを見ると、やはり黒人の血が入っているのかなという人がいます。ハチロク・リズムの歌はペルシア的ですが、両面太鼓ダムマームは南イランだなぁと思わせる音。一方オマル・ハイヤームはホラサーン出身の詩人。南イランとは大分風土が違うはずです。この意外な組み合わせは、なかなかに面白いと思います。

Khayam Khani...... Golamreza Vazzan

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月17日 (土)

ブーシェフルの音楽

イラン南部のシーラーズからペルシア湾岸に下りるとブーシェフルという州があります。核施設の問題でよく話題に上っていますが、政治家の先生方は「ブシェール」と、英語式の読み方(実は間違った読み方ですが)で呼んでいるのをよく耳にします。この辺りはイギリスとロシアが分割領有していた時代に、イギリスによってザンジバルから黒人奴隷が連れて来られた場所なので、明らかに黒人系の血を引く人がかなりいるようです。
当然音楽もイランの地方音楽のカラーを残しながらも、強烈なアフリカのリズムが躍動する場面に出くわします。youtubeで一グループ見つかりましたので、4つまとめて上げておきます。Ensemble Shanbehzadehというファミリーと思われるグループが、2007年のニュージーランドでのWomadに出演した際の映像です。ビデオではズルナ(ソルナか?)、バグパイプ(マットブッチ?)、二連太鼓(トンバクのテクニックがベースのようですが、アフロっぽさがあります)の演奏が確認できます。以下ビデオの解説より Saeid Shanbehzadeh and his son Naghib Shanbehzadeh. perform the music of Bushehr,Iran,including wedding music, love songs and religious pieces with moods ranging from celebration to meditation and trance-inducing rhythms.

Ensemble Shanbehzadeh - Womad New Zealand 2007

Ensemble Shanbehzadeh - Womad New Zealand 2007 (2)

Ensemble Shanbehzadeh - Womad New Zealand 2007 (3)

Ensemble Shanbehzadeh - Womad New Zealand 2007 (4)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月16日 (金)

Torbat e Jaamの音楽

今日はザーボル(後で思い出しましたがSegahのグーシェ名にZabolというのがありました)から北に上がったホラサーンのトルバテ・ジャーム地方の音楽。北ホラサーンになるようですが、どの辺りか今ひとつ不明。首都のマシュハドよりは南になるようで、かなりアフガニスタン寄りでは。この地方の音源はドタールの名人芸を収めたCDがMahoorからも出ていますが、今日の一本目のようにドタール合奏(ダフ伴奏)は珍しいように思います。クルドのタンブール合奏を思い出させる図ですが、イランの東と西では大分感じが違います。

明日からは南イランに移動する予定です^^

ahange torbati . torbati music

concerte musighi torbati ba lebase mahalli va aganghaye ziba
コメント欄に以下のように出ていました。アフガンで最近生まれた曲(Ahmad Zahir作曲)で、歌詞はサアディの詩のようです。これはなかなか印象的な良い曲。
This is Ahmad Zahir's song, a famous afghan musician , a legend who was killed 30 years ago. It's Saadi's poem: "I told myself, if you ever come, I will tell you about all my sorrows, but now what can I say, all my sorrows are gone, as you have come"

Avaz - Torbat Jam

A men's dance from Iran, Torbat Jam simulates battle. This version is performed by Anthony Shay's Avaz International Dance Theatre.

Jahanshahi, "Navaie"

Anoush Jahanshahi's sehtar and Torbat e Jaam song

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年5月15日 (木)

ザーボルの音楽

今日はホラサーンとアフガニスタンに挿まれたバルチスタン(あるいはシスターン?)北部の町、ザーボルの音楽。
一本目のビデオの解説には両面太鼓のドールとサズ(ダブルリードのスルナ系管楽器のことか?)による演奏とあります。このザーボルという町は地図で見ると低地になっている所のようです。ワジが湖(ロプ・ノール湖のようなものかも知れませんが)に流れ込んでいるようですから、砂漠の中のオアシス都市かも。しかしこの辺りは色の黒い人が多いようですね。印象的な踊りと衣装ですが、例えばスーフィー音楽と関係があるかなどは不明。(詳しい方、情報をお待ちしております)イランと言うよりパシュトゥーンとかの南アフガニスタンに明らかに近いイメージです。
二本目は、この3日ほどずっと登場しているゲイチャクの演奏。ザーボル版の弾き語りです。これも素晴らしい!
三本目はこれらの民俗音楽に聞かれるような旋律を、ペルシア古典音楽のスタイルで演奏しています。ご当地の男性歌手とサントゥール少年でしょうか。テヘランの古典スタイルとは、かなり異なる感じで大変興味深いものがあります。

CHAPPE zaboli ba DOL-O-SAZ , I LOVE ZABOL jan

ahange zaboli ( moka me kenjake tono...)

ahange zaboli (shabastari)olang olang yar agha jan

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年5月14日 (水)

シスターンの楽士

シスターン(Sistan)はイラン東部のバルチスタンの一部に入るのだと思います。どこに位置するのか今ひとつはっきり分かりませんが。この3日くらい出っ放しのゲイチャクがやはり中心のようです。イランらしい八分の六拍子に乗って、カッワーリにも似た歌が演じられています。右の太鼓はフレームドラムでしょうか。こういう風に立てて叩くのは初めて見るような気がします。Mahoorからイラン各地のフレームドラムを取り上げたシリーズがありましたが、シスターンも一枚出ていました。
二本目はネイ?の演奏。こういう組笛はインド西部ラジャスターンの放浪芸人ランガやマンガニャールにも同類の楽器が見られます。一気にインドめいてくる音です^^

agange zaboli NEGARE MAN (gorouhe mahalli)

nei(flauto) 2 sar dar zabol jan

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月13日 (火)

バルチスタンの音楽

ケルマンに続いて、更に東のパキスタンに接するバルチスタンと、その北のシスターンを調べてみました。まずはバルチスタンですが、どうもパキスタン側のビデオがほとんど(全て?)のようです。今日アップしたのもパキスタン側バルチスタンの海沿いの地方、マクラーンのゲイチャク演奏など。吟遊詩人系の弾き語りになりますが、2本目では両面太鼓のドーラクだけでなく組太鼓のタブラが出てきますので、マクラーンよりはもうちょっと東のバルチスタンでしょうか。カレーの匂いが似つかわしい雰囲気が出てきています^^ 映像も美しく、良いビデオです。
イラン側バルチスタンのものがほとんど見つからないのは、ホラサーンの場合にほとんどがアフガニスタン側のクリップだったのに似た状況です。元は一つだった地方を、イギリスとペルシアが国境線を引いた訳ですから、そんなに音楽も違わないのかも知れません。今回はゲイチャク(ギジャク)の演奏を上げておきますが、バルチスタン音楽は色々な楽器や歌ものもかなり見つかります。(一本目は埋め込み禁止)

Balochi Cultural Music

zaher jan baloch

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年5月12日 (月)

ケルマン州

イラン南東部のケルマン州は、ホラサーン州の南に位置する大きな州。バム市での大地震や、最近では日本人の誘拐事件が起きた所として知られているかと思います。歴史的な遺跡も多く、一本目はその紹介ビデオ。二本目の擦弦楽器はギジャクかソルード、どちらかでしょう。イラン南東部からパキスタン南部にかけて広く類似の形の楽器が見られ、パキスタンのサーリンダから北インドのサーランギへと繋がっていきますから、この8の字形を見るとどうしても南アジアをイメージしてしまいます。音楽自体も隣接するホラサーンやファールス(シーラーズのある州)とは、かなり異なると思います。この地のバード(吟遊詩人)による演奏で、テクニックも達者ですが、旅行者が撮ったものでしょうか、映像が横になっていて少々見づらいです^^

Iran historical heritage - City of Kerman

bardsir kerman

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月 9日 (金)

ガシュガイのヴァイオリニスト

今日のビデオは、ガシュガイの音楽家によるシーラーズのレストランでの演奏のようですが、yordというのは何でしょう。演奏はヴァイオリンとトンバク、サントゥールがスタンバっているという状況のようです。前の垂れ幕のトラとマングース?が何とも不思議です。ヴァイオリンのクリップをいくつか見かけましたので、ガシュガイでは盛んなのかも。一方ペルシア古典音楽では70年代以前ほどはヴァイオリン奏者を見かけないように思います。
現地にいらっしゃる方、コメント頂けると嬉しい限りです^^
一本目のコメントに以下のようにありました。やはりトルコ系の同胞ということで、強く意識されているのでしょうか。

Great video ! Guzel video ! elinize saglik !
we love  qashqai turks from turkey
oo my qaşkai brother we are one nation we are turk

Musicians at Yord Restaurant in Shiraz

Qashqai Folk Music- Violin

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2008年5月 8日 (木)

ガシュガイ族の音楽

今日はイラン南西部のシーラーズ周辺に住むガシュガイ族(Qashqayi)のクリップを見てみます。ガシュガイはトルコ系の言語を話し、マフマルバフの映画「ギャッベー」(音楽はH.アリザーデ)で描かれたように遊牧民のイメージが強い民族ですが、かなり定住化が進んでいるようです。印欧語族のペルシア人の中に、ぽつんと言語島をなして住んでいるところがとても興味深い点。しかもイラン北西部のアゼルバイジャン地方の言葉とそう遠くないそうです。こういったトライバルな音楽を聞くと、またまたイランの広大さを感じてしまいます。

Qashqai Music

舞台中央右でトルコ軍楽のクデュムのような組太鼓を叩いているのは、04年のアリザーデ一行来日(Raze Noの時の)の際のダムマーム奏者では。

Qashqai Dance

clips from a Qashqai marrage in Shiraz, Fars Iran

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月 7日 (水)

ゾロアスター教の話

今日はゾロアスター教エトセトラということで、興味深いエピソード(昨日と一部ダブりあり。既にかなり有名だとは思いますが)と、ビデオは聖典アヴェスターの朗唱、ドイツのドキュメンタリー番組という内容です。ドキュメンタリーは、ゾロアスター教とイスラームが共存するヤズドを紹介する番組のようです。秀逸な番組ですが39分を越えますので、お時間のある方はどうぞ。

 ゾロアスター教は、キリスト教や仏教へ大きな影響を与えたとみられていますが、ではミトラ教とかゾロアスター教、その後を受けて出てきたマニ教とかがキリスト教の代わりに世界宗教になっていたら。。。どうなっていたのでしょう。これは大きな大きな歴史のロマンです。
 民族宗教のゾロアスター教とグノーシス的なマニ教の場合は可能性は低いでしょうが、ミトラ教などは可能性がない訳ではなかったのでは。ローマ帝国にもかなりの信徒がいたとみられています。また興味深いことに、古代キリスト教の神学者アウグスティヌスは、改宗前はマニ教に入信している時期もあったようです。マニ教は、ユダヤ教、キリスト教、ゾロアスター教、仏教、グノーシス主義の影響の下、ササン朝ペルシア(現在はイラク領内)に生まれた宗教。白蓮教など形を変えて近世まで中国にも残存していたようです。
    西洋ではニーチェのツァラトストラで突然出てきたように思われ勝ちかも知れませんが、モーツァルトのオペラ「魔笛」に出てくるザラストロもゾロアスターのことですし(こちらはフリーメーソン関係)、新約聖書の「東方の三博士」以来、東方の賢者に一目置く伝統は地下水脈としてあったのでしょう。
    お盆の正式名称「盂蘭盆」も、古代ペルシア語?のurvan(霊魂)から来ている説が有力だそうで、それがインドのサンスクリットを通して日本にも入ってきたと。しかも大文字焼きのように火を祭りますし。偶然とは思えません。東大寺二月堂の修二会(しゅにえ)との関連性を唱える学者もいるようです。

とにかくイランは、東西のルーツが音楽だけでなく色々と見つかる国です。

余談ですが、7世紀のイスラーム勢力のイランへの侵入から逃れたゾロアスター教徒の末裔は、インドではパールシー(明らかに「ペルシア」の意味の「ファールスィー」に由来している言葉)と呼ばれますが、パールシーで有名な人は、指揮者のズビン・メータ、クイーンの歌手フレディ・マーキュリー(英領時代のザンジバル生まれ)がいます。メータがリヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」をよく演奏するのは、実に似つかわしいと言えるのかも知れません^^

Zoroastrier & Islam - Yazd, zwischen Licht & Dunkelheit

Avesta - Yasna 27.15 - in Gathic

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月 6日 (火)

ヤズドとゾロアスター教

さてイランの地方音楽に戻ります。イラン中央部に位置する砂漠都市ヤズドは、今でもゾロアスター教徒が多数住んでいる町として知られています。ゾロアスター教(拝火教)が興ったのは紀元前7世紀頃と言われ、アケメネス朝~セレウコス朝~パルティアの時代は徐々に信徒数を増やし、その後のササン朝(3~7世紀)ではペルシアの国教になりました。ゾロアスター教の流れを汲むミトラ教、マニ教など色々登場した後でも、やはりイスラーム以前の古代イランの宗教の中心的存在ですし、音楽を初めイラン文化の「イランらしさ」の根源はゾロアスター教にあるのではとも思います。先日アップしたルーミー等の所縁の地バルフは、ゾロアスター教が発生した土地であるだけでなく、ゾロアスターが埋葬された土地として神聖視されたそうです。
キリストの生誕の際、祝福に訪れたとされる「東方の三博士」は、ペルシアの聖職者「マギ」だったそうですが、そういうゾロアスターの「東方の賢者」のイメージは、その後の西洋に受け継がれ、ニーチェをして自身の哲学をツァラトゥストラ(ゾロアスターのドイツ語読み)に語らせ、モーツァルトは歌劇「魔笛」の中にザラストロ(ゾロアスターのこと)を登場させるなど、新約聖書の東方の賢者以来の伝統が地下水脈のように流れていました。某国がイランを「悪の枢軸」と呼んだりする現代とは正反対と言えましょう。
今日はそんなゾロアスター教が今も息づく町、ヤズドの紹介ビデオをアップしてみました。1500年燃え続けていると言う拝火殿の火や、鳥葬の丘などがペルシアの古典音楽に乗せて出てきます。中でもゾロアスター教の宗教歌朗唱シーンは貴重だと思います。

Yazd - Chak Chak (Part 1)

Yazd - Chak Chak (Part 2) End

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年5月 2日 (金)

北イランの調べ

今日もスィマ・ビナの歌ですが、ホラサーンではなく、北イランのギーラーンやマザンダラーンの民謡を歌っています。ギーラーンがカスピ海南岸の西側、マザンダラーンはその東側に位置する州。イランにしては水蒸気の多そうな景色が多く、田植え?の風景などは日本の越後や東北辺りと似ていると言われてきました。
そのためか、先日も取り上げた有名な「デイラーマンの歌」(ダシュティ旋法)を始め、日本人の心にストレートに訴えてくる節が多いようにも思います。一本目がギーラーン民謡、二本目がマザンダラーン民謡のクリップ。未確認ですが、二本目は2003年のケルン・ライヴDVD (Fars Media)からの映像かも。

sima bina
سیما بینا : عزیز بشین به کنارم

Mazandaran- North of Iran-sent by Kamal

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年5月 1日 (木)

スィマ・ビナ&女性アンサンブル

スィマ・ビナさんのクリップはまだまだありまして、今日のはおそらくドイツでのライヴ。女性の音楽活動が著しく制限されるイランを離れ、ドイツやヨーロッパを中心に活動しているようです。映像の通り、若手の器楽奏者を従えて歌っています。彼女のレパートリーはホラサーンの民謡だけではなく、他のイラン各地の民謡も手がけていますが(マザンダーランなど北イランが多いようです)、ここではXurasani musicとなっていますし、衣装もホラサーン風に見えるので、おそらくその範囲の演目では。編成はタール、ケマンチェとダフなど各種打楽器。大きなタライのような枠太鼓は初めて見ますが、何でしょうか?

sima bina

Xurasani music culture by Sima Bina

Xurasani music culture by Sima Bina

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年4月30日 (水)

ホラサーンの歌姫スィマ・ビナ

ホラサーン・シリーズ、今日はこの地が生んだ歌姫スィマ・ビナのビデオを見てみます。この人の音源は最近のFars Media盤の他に、90年代に仏Budaから2枚、タラネーやカルテックスから数枚あったと思います。スィマ・ビナについては、去年の9月17日の記事で某雑誌への拙稿を転載してありますので、ご参照下さい。CD、DVDについてはこちらで。
ホラサーンの表記ですが、一般的と思われるKhorasanの他にChorasan、Khurasan、Xurasanなど色々なアルファベット表記が存在しているため、まだまだyoutubeも全貌が分からないと思います。ペルシア文字で検索をかければ更に出てきそうな気もしますが、イラン本国ではyoutubeは見れないそうですので、海外でアップされたものだけとなると、それ程ないのかも知れません。

sima-bina

これは70年前後のラジオ番組Golhaye Tazeに出ていた頃の映像か。Taranehからシャヒーディーとのカップリング盤もありました。タグの中にTaranehと出てますし、見た目も若いし^^

Xurasani music culture by Sima Bina

これはダスタン・アンサンブルのメンバー(バルバットとダフの二人)との共演ですから、ここ5年以内の映像だろうと思います。DVDが3本ほど出ていて、その中からの映像かもしれません。(現在手元に資料がないため確認できておりません) しっとりしたヴォーカルが素晴らしいですね。微小音程がほのかに感じられる歌唱です。左のドタールはホラサーンを代表する弦楽器。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月29日 (火)

アフガンのホラサーン/タジク音楽

ホラサーンで数日見てきましたが、ほとんどがアフガニスタン側のクリップ。イランの方はほとんど見つかりません。Khorasan,とBakhshiで検索しても、ほとんど先日のハジ・ゴルバン・ソレイマニだけでした。Mahoorからバフシー関係はかなり出ているので、もっと見つかっても良さそうなものですが。今日のビデオもおそらくアフガニスタン西部のヘーラートか北部バルフ辺りのタジク族の演奏と思われます。(民謡歌手スィマ・ビナのクリップは色々ありましたので、明日以降にアップします)
楽器は、一本目がタンブールとザルバガリ、二本目がラバーブとタブラ、ザルバガリ、三本目はハルモニウム弾き語りにラバーブとザルバガリ。歌の節回しはかなりインド寄りに聞こえますが、打楽器はトンバクとタブラの奏法が混じったようなテクニックで、大変に興味深いものがあります。豊かな低音は間違いなくトンバクの影響でしょう。タンブールとのデュオはエキサイティングで、とても素晴らしいと思います。
古代のササン朝から近世のカージャール朝まで、ホラサーンは現在のイラン東北部のホラサーン州とアフガニスタン北部、タジキスタン(西部?)、ウズベキスタンのトランスオクサニア(アラル海に注ぐアム、シル両河川の間。現在もペルシア語話者が結構いるらしい)にまたがる大きな地方でした。現在もその共通点、相違点が色々見えて大変興味深い訳ですが、youtubeのおかげでこうして映像で確認できるのは嬉しい限りですね。
中世ホラサーン生まれのペルシア文化の特に名高い偉人を列挙してみました。ルーダキー(ペルシア古典詩初期の詩聖)、ルーミー、フィルドゥースィー(王書の著者)、オマル・ハイヤーム(ルバイヤートの著者)、イブン・スィーナー(アヴィセンナ)と、錚々たる顔ぶれです。

Tajikan--Yarane Khorasan 1 www.Tajikam.com

Tajikan--Yarane Khorasan 5 www.Tajikam.com

Dokhtar tajik

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月28日 (月)

ホラサーンの女性ポップス歌手

ホラサーンの女性歌手を見つけましたので、今日はそれを2本。ホラサーンとは言っても、やはりアフガニスタン側(おそらくアフガン北西部)のようです。タジク族ということになるのでしょうか。そう言えば2001年の同時多発テロの直前に自爆テロで暗殺されたマスード将軍もタジク族でした。
ファールスィー(ペルシア語)とダリー語(ペルシア語に極めて近いアフガニスタンのイラン系言語)の両言語で歌っているのでしょうか。1本目の節回しはグーグーシュにも似ています。(彼女は西の端のトルコ系アゼリでしたが)2本目ですが、この緊迫感のあるメロディ・ラインと音階は、パミール山中のタジキスタン東部バダフシャン地方の音楽にも似て聞こえます。
ペルシア文化の揺籃の地は、このように今も多様で魅力的な音楽文化を保っているようです。

Khorasan/Aryana -- the homeland of FARSI e DARI

Farsi = Tajiki = Dari

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月27日 (日)

古都バルフ

昨日ペルシアの詩聖ルーミーの出身地バルフの話が出ましたので、探してみたら面白いビデオがありました。現在はアフガニスタン領になるホラサーンの町バルフを巡るクリップです。ペルシアと中央アジア(トランスオクサニア)の様式が混ざったようなモスクのフォルムと青い色の美しさも印象的ですが、数々のイラン文化の偉人を生んだ町のようです。ルーミー(モウラヴィー)だけでなく、医学者イブン・スィーナー(アヴィセンナ)もそうだったんですね。ここで流れている音楽は、どちらかと言えばカッワーリ的なインド・イスラーム系の音楽。現在のこの地の音楽なのでしょう。ルーミーやアヴィセンナの頃はどうだったでしょうか。当時既にカッワーリの原型はあったはずです。

Khorasan -- Balkh e Bastan -- Tajikan

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年4月26日 (土)

ハジ・ゴルバン・ソレイマニ

さて今日からしばらくペルシア古典音楽を離れ、イランの地方の音楽を見て行こうと思います。まずはイラン東北部ホラサーン地方のバフシー(バード=吟遊詩人)としてイランの内外で名高い、農夫兼音楽家ハジ・ゴルバン・ソレイマニのドキュメンタリー・フィルム。
彼は1920年にホラサーン北部のGhuchanの小村Aliabadに生まれたとのこと。もう87歳という高齢ですが、ドタール弾き語りはかくしゃくとしたもの。トルクメンに近い所ですから、トルコ系住民が多く、彼もペルシア語だけでなく、トルコ語、クルド語でも語っているようです。この人の音源はKereshmehから90年代に出ていました。
2弦とは思えない技巧的なドタール演奏ですが、トルクメンの場合のようにテクニックを誇示する感じのパンチの効いた演奏と言うよりは、ホラサーン・バフシーの歌心が豊かに感じられます。ルーミーが生まれたのもホラサーン(現在はアフガニスタン領に入るバルフ)で、この辺りはペルシア文化の揺籃の地でもあるんですね。
ビデオは埋め込み禁止でした。

Haj Ghorban Soleimani - Plectrums of Love - 1 / 2

Haj Ghorban Soleimani - Plectrums of Love - 2 / 2

| | コメント (4) | トラックバック (0)