各国のタンブール(トルコ、クルド)
西アジアから中央アジアに広く見られるタンブールの、各国の演奏を見比べ聞き比べしてみます。ウイグルは上げたばかり、ウズベクやアフガンも前に取り上げましたので、外します。トルコでは、主にオスマン朝の繊細な古典音楽で使われていて、4分音より更に細かい9分の1音を表現するための微細なフレットが、長い棹にびっしり付いています。有名なオスマン末期のタンブーリ・ジェミル・ベイなど、多くの名手が生まれた楽器です。タンブール奏者にはタンブーリ、ウード奏者にはウーディ、ケメンチェ奏者にはケマニの称号が名人の名前の最初に付されています。イラン西部などのクルドのタンブールは、形は若干トルコのサズやシリアやレバノンのブズクにも似ているでしょうか。オスタッド・エラーヒや現代のシャハラーム・ナーゼリー、アリ・アクバル・モラディのタンブールを用いたヤルサンの儀礼音楽の凄演で、一部ではお馴染みでしょう。フラメンコのラスゲアードの逆回しのような右手のストロークがとても印象的です。
Tanbur - Traditional Music of Turkey with Wooden Instruments
Tanbur Solo by Kourosh Moradi
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