インド音楽

2016年7月12日 (火)

ラーガのルーツ

ムニール・バシールは、フラメンコや北インド古典音楽にも独自のアプローチで掘り下げる作品を発表していました。フラメンコには、中世イスラム王朝時代のスペインのアラブ音楽の要素が入っていることは、比較的容易に分るかと思いますが、北インドの古典音楽においても、シタールのルーツがセタールの例を出すまでもなく、始まりの頃においてはペルシア音楽の影響が強いことから、(おそらく)間接的にアラブ音楽との繋がりもあると推測してのことだろうと思います。ウードの音色は、シタールよりも、アフガン・ラバーブ~サロッドの系列に近い感じにも聞こえます。しかし、もしかしたら、ラーガの中には、本当にアラビア起源の旋律を含むものもあったりするのでしょうか? このByblos盤は現在は入手が難しくなっているように思います。

Munir Bashir - From the Maqam to the Raga (Raga Roots)

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2014年1月23日 (木)

パッワインとタブラ・タラング

今日はミャンマーのサイン・ワインの花形楽器パッワインと、北インドのタブラ・タラングの見比べです。こうして並べてみると、そっくりに思えます。膜面の黒い塗り物がどちらにもあるので、ルーツは同じでしょうか。どちらかが真似たのか、両方でそれぞれ生まれたのか、それも不明ですが。タブラ・タラングと言えば、Wergo盤などのあった3本目の名人カマレーシュ・マイトラが有名ですが、動画はないようです。

Myanmar Saing Waing

Tabla Tarang by Sanjeev Kanitkar

Pandit Kamalesh Maitra: Raga Deen Todi

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2013年10月10日 (木)

サーランギによるウッタル・プラデーシュ民謡

サーランギでウッタル・プラデーシュの民謡のメロディを弾いているという映像がありました。Bhojpuriというのが同州内の地方名なのかどうか不明ですが、おそらくそうでしょう。これくらい鮮明にサーランギの演奏を見られるのも余りないように思います。演奏家にはムスリムが多い楽器と言われますが、Ramesh Misraという名前から察するに、ヒンドゥー教徒ではないかと思われます。

Sarangi: Bhojpuri Folksong from Uttar Pradesh

Ganga Maiya Tohe Piyari Chadhayibo Bhojpuri Folksong from Uttar Pradesh, North India. Performed by Ramesh Misra on sarangi and accompanied by Samir Chatterjee on tabla and Benjamin Stewart on tanpura. Filmed in the gallery for the art of Mughal South Asia and Later South Asia at The Metropolitan Museum of Art on May13, 2013.

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2013年9月19日 (木)

Man Kunto Maula

昨日のグラム・ファリッド・ニザーミは、やはり別人のようです。シタールやタブラまで演奏していて、フェイスブックを見るとパキスタンの人のようでした。今日の一本目のように、カッワーリをやっていたりするので、いよいよ紛らわしいです。このMan Kunto Maulaはカッワーリの名曲中の名曲で、リンクに色々なグループの名が見えます。ヌスラットより前から名声の高かったサブリ・ブラザースとアジズ・ミヤーンの演奏を2,3本目に。それぞれに個性的な、カッワーリの大家の演奏です。4本目の通り、アミール・フスロー作の曲のようです。彼はヒンドゥスターニ音楽とカッワーリの両方の祖であるだけでなく、シタールやタブラをそれらの音楽に導入したという偉人です。

Ustad Ghulam Farid Nizami - Man Kunto Maula

Sabri Brothers Live In Uk - Man Kunto Maula - Part 2

Aziz Mian - Man Kunto Maula (Live in England)

Amir Khusro - Mann Kunto Maula

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2013年9月18日 (水)

Ghulam Farid Nizami

ニザーミ・ブラザースのIneditの録音(80年代)ですが、Mahmud NizamiとGhulam Farid Nizamiが中心でした。1914年生まれのマフムード・ニザーミは、ムガール宮廷楽士の家系に繋がるムシュタク・フセイン・カーンの息子で、1946年生まれのグラム・ファリッド・ニザーミは、マフムードの息子でした。マフムードはご存命なら100歳前ですが、息子のグラム・ファリッドの方は、まだ60台ですから、ニザーミ・ブラザースの中に見えないのはおかしいと思っていました。名前で検索したところ、カッワーリの場合と同じくハルモニウム弾き語りで歌っている映像がかなり上がっていました。ヒンドゥスターニ音楽の歌手に転向したのでしょうか? それとも同姓同名の音楽家でしょうか?

Ustad Ghulam Farid Nizami -More Sayan Ji

Ustad Ghulam Farid Nizami and Sri Sukhvinder Singh Namdhari - 'Manun Sochan Diya' part 1 of 2

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2013年6月28日 (金)

吉見さんと逆瀬川さん

今日は日本のヴェテラン・タブラ名人のお二人にご登場頂きましょう。吉見先生は20年前と全くお変わりなく、タブラのテクニックも相変わらず素晴らしく、関西弁のオヤジギャグまで懐かしく思い出し(笑)、とても嬉しく思いました。レッスン中の、あたかも「乾いた風」のようなタブラの音を、はっきりと思い出させてくれる映像です。
逆瀬川さんは、やはり20年ほど前にライヴで一度拝見しました。雲の上の名人のようなイメージのマハプルシュ・ミシュラの弟子、というのが強烈に記憶に残っていました。師譲りの切れ味鋭いテクニックと、芳醇な味わい深いタブラです。アラブ音楽とのフュージョンなどにも表現の幅を広げている吉見さんよりも、オーソドックスな北インド古典音楽の演奏が多いようにyoutubeからは見受けられます。

Tabla タブラ奏者 吉見征樹

井上憲司 逆瀬川健治 旭屋 20110528

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2013年6月27日 (木)

タブラとパカワジのジュガルバンディ

今回は余りタブラで続けるつもりではなかったのですが、この際ですからもう少し見てみましょう。オニンド・チャタルジー(この表記が最近多くなっているようです)は、80年代頃からドイツChhanda Dharaレーベルのアリ・アクバル・カーンなどの伴奏でお馴染みのタブラ・プレイヤーでした。アラ・ラカ&ザキール・フセイン親子やスワパン・チョードリーと並んで、同レーベルで一番目立つタブラ奏者だったと思います。オニンド氏は日本の若手名手ユザーンさんが師事したことでも最近よく知られてきているようです。
今日面白い映像を見つけました。ドゥルパッドやオリッシーの伴奏に使われる両面太鼓パカワジとのジュガルバンディ(二重奏)で、チャンダ・ダーラの頃に比べると大分年取ったなと思いましたから、最近の映像でしょう。しかし、この人の音は相変わらず凄いです。前半の3連譜?に聞こえる辺りから面白く、耳が引き寄せられます。

Jugalbandi: Pandit Anindo Chatterjee on Tabla and Pandit Bhavani S

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2013年6月26日 (水)

Anokhelal Mishraの秘技

その「悪の華」の音源を上げたいところですが、CDは大分前のリリースのため廃盤のようですし、youtubeも今のところ見つかっておりません。マハプルシュ・ミシュラで探していくと、彼の師匠のアノラール・ミシュラ(1914-58)の音源がいくつか出てきました。例のコニサー・ソサエティの「北インドの太鼓」の故・江波戸先生の解説に以下のように出ていました。
インドには現在も世界的にみてもトップ・クラスの器楽のヴィルトゥオーソが何人もいるが、それをまた上回るという程の伝説的な楽器奏者が多く語り継がれている。そのような一人に、本来数本の指で叩くタブラを、一本指で叩いてしまったという猛烈なスピードとテクニックを持つパンディット・アノケラール・ミスラがいた。ベナレス派の不世出のタブラ奏者とされる彼は、その一本指奏法で多くの合奏相手をダウンさせてしまったという程である。その若くして逝ったアノケラールのいわば一番弟子がこのアルバムの主役のマハプルシュ・ミスラである。1934年にビハール州パトナの生まれの彼はベナレスで巨匠アノケラールにその秘技を学び、イスラム圏でのウスタッドにあたるヒンドゥーの巨匠の称号パンディットを冠せられている。(引用終わり)
一本指奏法とは、おそらく右手(利き腕の場合)の人差し指の連打のことだろうと思いますが、そのナー(タブラの縁を叩く音)の甲高い連打音が確かに一本目からは聞こえてきます。二本目も途中から連打が増えますが、バヤンの細かい指使いも相当に凄いです。

Tabla Samrat Pt.Anokhe Lal mishra

Pt. Anokhelal Mishra

Pt. Anokhelal Mishra - Teen Taal - Tabla Solo

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2013年6月25日 (火)

マハプルシュ・ミシュラのルーパク 悪の華

往年のタブラ名人マハプルシュ・ミシュラの独奏を見ていますが、生映像もいくつかありました。両方ターラはルーパク・タールでした。ルーパクは3+2+2の7拍で、変拍子のようではありますが、サム(強調を置く一拍目)がはっきりしないターラのため、変拍子というのが分りにくいかと思います。ターラではティーン・タール(4+4+4+4の16拍)が一番頻繁に使用されますが、ルーパクはその次位でしょうか。ルーパクと言えば、67年録音で85年にCDでも出ていたコニサー・ソサエティの「北インドの太鼓 North Indian Drums」でも一曲目を飾っていました。彼の得意なターラだったのでしょう。粒の揃った輝かしい音は見事と言う他ないです。左手のバヤン(バーヤ)の黒い練り物の部分を内側に向けるのは、彼の演奏の特徴でしょうか。
コニサー・ソサエティからは「悪の華」というCDも出ていて、タイトル通りフランスの詩人ボードレールの「悪の華」の数篇の朗読とアリ・アクバル・カーンのサロッド、ミシュラのタブラを合わせるという試みの異色作でした。朗読はフランスの女優イヴェット・ミミューでしたが、言葉は英語、これはインド音楽の二人が詩にあわせてイマジネーションできるようにするためでしょう。選ばれた詩篇は、あほうどり、忘却の河、閑談、路上で会った女に、シテールの旅、殉教の女、の6篇。「路上で会った女」にはシャンソンの巨星ブラッサンスにも関連曲がありまして、大分前に当ブログでも取り上げました。「シテールの旅」はギリシアのアンゲロプーロスがこのタイトルで映画を作っていましたし、「忘却の河」は福永武彦の同名の名作がありました。デュパルクの歌曲「旅への誘い」もこの「悪の華」の一篇です。Phewのアント・サリー時代の「かがみ」という曲には、ボードレールの「巴里の憂鬱」中の「無能なガラス屋」がモチーフに入っているようです。こういう見逃せない例が多く見出される程の影響力絶大な詩人ということでしょう。
インドの巨匠二人はボードレールの詩の内奥を彼らなりに理解して、この異色の異種格闘技も見事に成功、アリ・アクバルは一部プレイバックを聞いて涙を流したそうですが、どの曲だったか気になります。「人生は一行のボオドレエルにも若かない」という芥川龍之介の名句(『或阿呆の一生』の冒頭)がありましたが、「芸術至上主義」において共鳴/一致する部分があったのでしょうか。そして、西洋では頽廃趣味と見られるボードレールの世界を、自身の音楽の中に包み込めるのは、インド音楽の懐の深さなのでしょう。

mahapurush-misra-tablaclip.avi

Mahapurush Misra - tabla - rupak tal -

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2013年6月24日 (月)

Mahapurush Mishra

サロッドの大巨匠、故・アリ・アクバル・カーンの伴奏をよく担当していたタブラ奏者にマハプルシュ・ミシュラ (1932-1987) がいます。日本の逆瀬川さんが彼の弟子の一人だったそうですが、90年頃まで出回っていたコニサーソサエティーやAMMPのアリ・アクバルの諸作品で端整なタブラ伴奏を聞かせていました。今日は幾つか二人の共演を上げておきましょう。
92年頃クマール・ボースに驚いたのは、前にも書きましたが、確かBSで放送されたラヴィ・シャンカルのドキュメンタリーでの演奏を通してでした。彼の芸はミシュラに比べると派手な技が散見されるように思いました。一方ミシュラは、往時の宮廷音楽としてのヒンドゥスターニ音楽の面影を残している奏者だったのかなと思います。87年にまだ50代の若さで亡くなっていたことは今日初めて知りました。

Pt. Mahapurush Mishra - Taal Ektal - Tabla Solo

GREATS TOGETHER-Ustad Ali Akbar Khan and Pt.Mahapurush Mishra-raag

MASTER STROKES-Pt.Mahapurush Mishra-sitarkhani tal

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