南インド古典音楽

2013年6月17日 (月)

オリッシーとバラタナーティアム

カタックからイスラーム世界の方へ寄り道をしておりましたが、インドに戻します。北インドの古典舞踊でカタック、マニプリと並んで有名なのはインド東部オリッサ州オリッシーでしょう。シルクロードなどのイスラーム世界の文化とも繋がるカタックと異なり、オリッシーが純ヒンドゥー的な踊りであることは明らかだと思います。南インドのバラタナーティアムからの影響もあるのでしょうか、とても優美な踊りを見て、インド舞踊の典型という印象を覚えます。南インド4州の一つ、アーンドラ・プラデーシュと接していますから、実際かなり影響があるのでは。
まずはオリッシーとバラタナーティアムを一本ずつ並べてみました。音楽は声楽とシタール中心の北インド古典音楽(ヒンドゥスターニ音楽)と、声楽とムリダンガム等の南インド古典音楽(カルナティック音楽)に分かれますが、衣装や動きは共通点が多いように見えます。バラタでは複雑なターラに合わせた軽快なステップが見られます。オリッシーの伴奏の太鼓はタブラではなく、主にドゥルパッドで用いられる重厚な音が素晴らしい両面太鼓パカワジが使われています。

Indian Odissi Dance by Sujata Mohapatra

Savitha Sastry Bharatanatyam Performance

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年3月20日 (水)

Pooja Prasad

先日のVatapi Ganapathimを歌っていた若手女性歌手Pooja Prasadについて、知らなかったので、他の映像をあたってみました。どうやらフィルム・ソングを歌っている人のようです。イェスーダスのように古典声楽の素養を持った歌手は多いようですので、彼女もその一人ということなのでしょう。私はインドの映画音楽には全く疎い方ですが、一曲目のようなたおやかな雰囲気は、ベンガルのタゴール・ソングに似ているなと思ったりもします。
こういうインドの音楽状況を見ると、日本の昔の映画に出てくる俳優や歌手にも純邦楽の素養がある人が多かったことを思い出します。(例えば高田浩吉や勝新太郎と長唄、嵐寛壽郎と謡曲 等) そして、現在では伝統から切れてしまった日本のように、インドの映画音楽もデラシネ(根無し草)になって欲しくないとも思います。インドの場合、いらぬ心配だとは思いますが(笑)

Pooja Prasad - Madhava Keshava

Pooja Prasad - Omkara Rupini

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年3月19日 (火)

チェンバイとイェスーダスのヴィリボニ

今日は往年の大歌手チェンバイ・バイドヤナタ・バガヴァタールと、インド映画のプレイバックシンガーとしても知られるイェスーダスのデュエットのヴィリボニを上げておきます。昔この組み合わせを聞いた時は、その意外性にかなり驚いたものでした。
イェスーダスと言えば、その名前に表れている通りキリスト教徒ですが、おそらくヒンドゥー文化を濃厚に湛えているであろうヴィリボニを、どんな思いで歌っているのか、そこにも大いに興味があります。彼は南インドの南西に位置するケーララ州出身で、ケーララには西洋伝来ではない(おそらく中東から直の)古くからのキリスト教徒が多くいることでも有名です。更にはケララの中でもコーチンですから、古くからのユダヤ教徒のいる町としても知られています。
そういう話はまた後日触れるとして、師弟関係にあったというチェンバイとイェスーダスの歌唱を聞いていると、44歳年上のチェンバイ爺さんの若手を見守る温かく厳しいまなざしを感じます。(この動画は確か昨年末にもアップしていました)

Chembai & Yesudas (together) Classical-Viriboni Varnam

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年3月18日 (月)

ヴィリボニのヴァイオリン

ヴァルナムとは高度なラーガ表現を習得するために作られた練習曲形式で、このヴィリボニというヴァルナムを作曲したアーディヤッパイヤーは南インド3楽聖より前の人。その内の一人、シャーマ・シャーストリも学んだという最古のヴァルナムだそうです。(M.S.スブラクシュミ/「サンギータ・カラーニディ」の井上貴子氏の解説参照)
ラーガのエッセンスがぎっしり詰まったヴァルナムでは、ヴァイオリンの演奏も相当にテクニカルと思われます。加えて、このヴィリボニという曲のラーガ・バイラヴィらしい鮮烈な旋律の素晴らしさは特筆すべきもののように思います。ガマカ(装飾)のかけ方など、よく確認できる映像を2本上げておきます。(西洋的なヴァイオリン奏法に慣れた人には刺激的過ぎるかも知れませんが) 2本目は昨年末にも一度アップしました。

Varnam-Viriboni-Raga Bhairavi - By Suresh Padmanabhan

VIRIBONI VARNAM

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年3月15日 (金)

N.ラジャムのヴィリボニ

今日はこれまでにヴァータッピ以外にカルナティック音楽で取り上げた名曲の一つ、ヴィリボニを一本上げておきましょう。大分前ですが、この曲はM.S.スブラクシュミ(サンギータ・カラーニディ収録)とマハリンガム(Stilのパリ・コンサート収録)の演奏で上げておりました。今日の映像は、この曲を何と北インド・ヴァイオリンの第一人者、N.ラジャムが演奏しているもの。娘のサンギータ・シャンカルが共演しています。音は悪いですが、さすがT.N.クリシュナンの妹ですから、ヒンドゥスターニの時とは異なるカルナティックらしい重厚さと格式の高さが感じられます。上記音源をお持ちの方は、聞き比べをお薦めします。龍安寺の石のように、ぽつりぽつりと音を置いていくようなマリ(マハリンガム)と、崇高ささえ感じさせるスブラクシュミの歌声、ヒンドゥスターニとの演じ分けが興趣尽きないN.ラジャムと、この一曲を廻っても色々な聞き所が見出せます。

Dr. N . Rajam With Sangeeta Shankar - Viriboni Bhairavi Raga Varnam

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年3月14日 (木)

動くチェンバイ&チョウダイヤー

昨日は所用のためアップ出来ませんでしたm(_ _)m 今日も時間がなくて一本だけで短いですが、よりぐすぐりの映像を上げておきます。(ブログアップに伴うHPの更新は明日行います)
マイミクのMさんからの情報で、往年の南インド古典声楽の大御所、チェンバイ・バイドヤナタ・バガヴァタールとヴァイオリンのマイソール・チョウダイヤーの火花の散るような凄い演奏の生映像でした。チェンバイの動画が見れるなんて、何年か前には考えられなかったことです。ヴァイオリンを弾いていた者の一人として、チョウダイヤーの後半の弓先飛ばしの辺りは、特に衝撃的でした。この奏法でよくターラに合ってるなと思いまして。チェンバイの張りのある歌声の素晴らしさはもちろん、若さと辮髪のような髪型も(笑)
Mさん、情報有難うございましたm(_ _)m

Chembai and Chowdiah_video.avi

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年3月12日 (火)

プージャ・プラサド他のヴァータッピ

南インドに戻ります。今日もヴァータッピ・ガナパティームですが、もう少し他の演奏を見てみます。くどいようですが色々な演奏で見ることで、この名曲を色々な角度から眺めることにもなろうかと思いますので。プージャ・プラサドという歌手については知らなかったのですが、そのタミル美人ぶりは勿論、歌唱も清楚でとても良いですね。2本目のヴェテラン歌手と少年ムリダンガム奏者も面白く聞けますし、映像がクリアなので、ヴァイオリンのフィンガリングや楽器自体もよく確認できます。3本目は森の中での女流ヴィーナ奏者ギータ・ナヴァレとムリダンガムという風変わりな?セッティング。これは曲のルーツを見つめている面もありなのかも知れません。いずれも楽しめる内容でした。

Pooja Prasad - Vatapi Ganapathim Bhaje

Varun Mridangam Arangetram - Song 2: Vatapi ganapathim

Geetha Navale - Vathapi Ganapathim Bhaje

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年3月 8日 (金)

カニアクマリとカドリのヴァータッピ

ヴァータッピ・ガナパティームは名曲中の名曲ですから、器楽での演奏も色々あります。T.N.クリシュナンなどより若い世代で、おそらくアカンパニストやソリストとして最も録音も多いだろうと思われる女流ヴァイオリニストのカニアクマリと、サックスでカルナティック音楽を演奏することで有名なカドリ・ゴパルナートの映像を今日は上げておきます。ゴパルナートは残念ながら動画ではありませんが。
巨匠達の世代から、少しずつ演奏のタッチが変わってきているように思いますが、更に若い世代ではどうなっていくのでしょうか。これはどんな音楽についても言える事ですが、他国の者が杞憂することではないのでしょう。しかし、古式の核の部分は保っていて欲しいと、どうしても願ってしまいます。

'E' SWARA 01 A Kanyakumari and Party Vatapi Ganapathim Hamsdwani P

vatapi ganapathim saxophone kadrigopalnath part1

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年3月 7日 (木)

チェンバイのヴァータッピ

チェンバイのヴァータッピもありました。さすがに動画ではありませんが。特に2本目のアーラーパナから入る方をじっくり聞かれることをお薦めします。即興部分の歌唱の冴えが凄いです。彼はヴァイオリンも弾いていたのでしょうか、しかし弓の持ち方が何とも無茶な(西洋の奏法から見ただけでないと思います)という感じですが(笑) 2本目のヴァイオリン伴奏は、どうやらT.N.クリシュナンのようで、だからこんな火花が散るようなスリリングな演奏になったのでしょう。

Vathapi Ganapathim - Chembai

Chembai-Vathapi-Hamsadhwani-alapana,niraval and thani avarthanam

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年3月 6日 (水)

Vathapi Ganapathim M.S.スブラクシュミ

南インド古典音楽の3大楽聖はティヤーガラージャ、ディークシタール、シャーマ・シャーストリでした。南インド古典音楽(カルナティック音楽)の音源を聞いていて特に強く印象に残る曲がありますが、先日のヴィリボニとか今日のヴァータッピ・ガナパティームなどはその筆頭でしょう。この曲はMuthuswamy Dikshithar作曲のKrithiで、象の頭を持つガネーシャ神を歌った曲(Ganesha songs) で、ラーガはハムサドワニ、ターラはアーディです。明朗快活で一聴シンプルですが、名人の手にかかると奥の深い表現が盛り込まれます。
この曲は、ガネーシャと同じ太鼓腹の(笑)チェンバイ・ヴァイドヤナタ・バガヴァタルが歌うとイメージ的にピッタリで、豪快かつ爽快な歌声は実に素晴らしいものでした。彼の十八番と言っても良いようです。取りあえず今日は、カルナティック音楽で一番有名な女性歌手、M.S.スブラクシュミの歌唱でアップしておきましょう。

Vathapi Ganapathim - Swaralaya Puraskaram

| | コメント (0) | トラックバック (0)

その他のカテゴリー

J.S.バッハ | New Wave-Indies | アイヌ | アメリカ | アラブ | アラブ・マグレブ | アルゼンチン | イギリス | イスラエル | イタリア | イディッシュ | イラン地方音楽 | インディアン、インディオ | インド | インドネシア | インド音楽 | ウイグル | ウラル・アルタイ | エジプト | エチオピア | オペラ | オーストラリア | オーストリア | キリスト教 | ギリシア | クルド | クレズマー | ケルト | コンサート情報 | コーカサス (カフカス) | サハラ | シベリア | シャンソン | ジャズ | スイス | スペイン | スポーツ | スーダン | セファルディー | ゼアミdeワールド | チェロ | トルコ音楽 | ドイツ | ナイル・サハラ | ナツメロ | ニュース | ハシディック | ハンガリー | バルカン | バルト語派 | バロック | パキスタン | ビザンツ音楽 | フランス | フランス近代 | ブラジル | ペルシア音楽 | ペルシア音楽 トンバク | ユダヤ | ユダヤ音楽 | ルーマニア | レビュー | ロシア | ロシア・マイナー | ロマン派 | ヴァイオリン | 中南米 | 中国 | 中央アジア | 仏教 | 仏教音楽 | 北コーカサス(カフカス) | 北欧 | 南アジア | 南インド古典音楽 | 古楽 | 地中海 | 室内楽 | 弦楽合奏 | 弦楽四重奏 | 後期ロマン派 | 文化・芸術 | 新ウィーン楽派 | 旅行・地域 | 日記・コラム・つぶやき | 映画・テレビ | 東アフリカ | 東南アジア | 東方教会 | 東欧 | 歌謡曲・演歌 | 民謡 | 独墺 | 猫・犬 | 現代音楽 | 純邦楽 | 西アフリカ | 西スラヴ | 韓国