東方教会

2008年12月30日 (火)

エチオピア正教会

東方諸教会巡り、今日はエチオピアに行ってみます。エチオピア正教会は、1959年にエジプトのコプト正教会から独立した一派で、「サハラより南で唯一、植民地時代以前から存在するキリスト教会」(カッコ内はウィキペディアより)。エチオピアと言えば、エチオピア系ユダヤ人もいて、典礼音楽の節回しなどは結構似ているように思います。太く豊かな地声のヘテロフォニックな歌声は、アフリカの大地から生まれたものだと実感されると思います。原始キリスト教的一派と、古い東方系ユダヤ教とは、何か繋がりがあったのかも知れません。

エチオピア正教会の音源は、オコラから2枚組が出ていましたが、現在は廃盤のようです。エルサレムには大きなエチオピア正教会のコミュニティーがあるのでしょうか、オコラの録音もエルサレムのエチオピア正教会でのものでしたし、今日の一本目もそうです。ユダヤの方はイネディから出ていて、同レーベルからのごく初期の一枚です。二本目はエチオピアの民族楽器伴奏の独唱で、ペンタトニック(五音音階)には日本の民謡などに似た感じがあります。この竪琴は、旧約聖書の詩篇などに出てくる「ダヴィデの竪琴」がそのまま南下したものではと思われます。エチオピアの人々は色は黒いですが、彼らの代表的な言葉のアムハラ語やゲエズ語は、アラビア語やヘブライ語と同じセム系の言語です。

Liturgy at the Ethiopian Orthodox Chapel (Jerusalem)

Celebrating Liturgy at the Ethiopian Orthodox Chapel, part of the building complex that is the Church of the Holy Sepulchre in Jerusalem, is something quite extraordinary. The church claims its origins from Philip the Evangelist (Acts of the Apostles, chapter 8) and became an established church in the 4th century through the efforts of the Syrian Greek Frumentius. Services are held in the Ge'ez language. The Ethiopian Church is one of the oldest Churches in the world. God bless the Ethiopians!

ethiopian orthodox mezmur

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2008年12月29日 (月)

エジプト コプト正教会の典礼音楽

今日はコプトの典礼音楽を見てみたいと思います。イスラーム成立以前からエジプトに広まっていたコプト正教会の信徒は、現在のエジプトの人口の5~10%程。コプト正教会は原始キリスト教の一派で、西洋経由ではない、キリスト教のルーツに近い部分も持っているようです。典礼の言葉はギリシア語、シリア語、コプト語、アラビア語で歌われ、伴奏楽器はアラブの民族楽器も使われているようです。とりわけ言葉の響きと節回しが、何と言ってもアラブ的。一本目のアレクサンドリアの教会建築の美しさも特筆ものだと思います。なお、同じ非カルケドン派(現在のキリスト教多数派はカルケドン派)の東方教会には、他にアルメニア教会、シリア教会、エチオピア正教会、アッシリア東方教会などがあります。アルメニア教会については前にコーカサスの時に触れましたので、他の諸教会について、もう少し見て行ければと思います。

コプト教会の音源は、ChristophorusやInstitut du monde arabeなどから出ています。(クリストフォルスは過去形になっているかも知れませんが)

St.Mina Coptic Orthodox Monastery in Alexandria-Egypt.

St.Mina Coptic Orthodox Monastery in Alexandria-Egypt one from most Beautiful Monasterys in Egypt & the world by St.Pope Kyrillos the 6 www.coptic.org

Coptic Orthodox Church

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2008年12月28日 (日)

コプトの音楽

クリスマスから東方諸教会の音楽を回っていますが、今日はエジプトのコプト教会の音楽を取り上げてみます。エジプトの古い呼称を名乗るコプト教会は、2世紀頃からエジプトで独自に発展した非カルケドン派の一派。同じく「正教会」と入っていますが、オルトドクスでも多数派のギリシア正教会系はカルケドン派ですので、根本の所で分かれています。コプト教会は単性論教会の一派とのことですが、なかなか専門的な話で難解ですね。オルトドクス(正教)ではなく、カトリックのコプト教会もあると思うので、なかなかyoutubeの選択も難しいです。今日は取りあえず一本、アラブ歌謡風の歌をアップしてみました。

coptic song coptic music YA BABA KIROLOS

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2008年12月27日 (土)

コソヴォのクリスマス

ビザンツ教会で探していたら、コソヴォの正教会の珍しいビデオが見つかりました。独立問題で今年の前半に大きな話題になりましたが、まだ世界各国が承認した形にはなっていないようです。コソヴォと言えば、セルビア内の自治共和国でアルバニア系住民が多い所のイメージが強かったと思います。ウィキペディアの記述によると、アルバニア人が88%(そのほとんどがイスラム教徒)なのに対し、セルビア人は7%とのこと。今日のビデオは、そのセルビア系住民の映像だろうと思われます。コソヴォではマイノリティの彼ら、クリスマスの典礼も密やかなような印象を受けますが、いかがでしょうか。以下ビデオの解説 Serbian Orthodox Christmas service at Banjska monastery on Kosovo in 2006. Chantors: mr Nikola Popmihajlov and Byzantine choir Moisey Petrovich

Christmas on Kosovo 1

Christmas on Kosovo 2

Christmas on Kosovo 3

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2008年12月26日 (金)

オリエンタル風とビザンツ風

昨日に続いてマリー・ケイルーズのビデオです。昨日はかなり西洋的な内容の3本でしたが、今日はデビューの頃にCDで聞かせていたアラブ的な歌唱とビザンツ聖歌的な歌唱を一本ずつ。1本目のアラブ的歌唱は「民謡」と書いてありますので、内容がキリスト教に関するものかどうかは不明ですが、2本目の男性のドローン(持続音)をバックに歌っている方は明らかにビザンツ的ですから、教会歌なのではと思います。解説に曲名だと思いますが、Anti ya walidata Allahとありますし。アラビア語ではイスラームの場合もキリスト教の場合も、「神」の名は「アッラー」になるのでしょうか。
しかしこうして聞くと、同じレバノンの大歌手ファイルーズに声質、節回しなどそっくりなように思いますが、いかがでしょうか。これらはDVDの映像ではないかと思いますが、youtubeですので音が良くないのが残念な所。

keyrouz Marie - folklore

Sister keyrouz Marie

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2008年12月25日 (木)

Sister Marie Keyrouz

クリスマスの今日も東方教会のビデオですが、アラブのビザンツ教会と言えば、音楽活動のユニークさから見て、この人は外せません。修道女マリー・ケイルーズ(キーロウズとも)の音源は1989年頃にHarmonia Mundi Franceから出た盤↓(以下HMF盤)が最初だったと思います。当時私は、今は無き六本木ウェイヴのクラシック担当でしたが、このケイルーズの歌唱に感動して、東方教会のアイテムを並べる売り場企画を組んだことがありました。ギリシアのレーベルOrataから出たビザンティン世俗音楽セットや東欧諸国の正教の音楽などを一緒に並べていましたが、当時はちょうど東欧・ロシアの大変動の時期。それなりに注目を集めたようにも思います。しかし、何と言ってもケイルーズの歌唱の素晴らしさにノックアウトされての企画だったことを、ここで明かしておきます(笑)  色々調べているうちに、ハンガリーの「ブダペスト、ドハーニ街シナゴーグの典礼」を偶然耳にして、更に大きな衝撃を受け、以降しばらくユダヤ音楽巡りに向かう伏線にもなりました。
今日の3本のビデオは、クリスマス関係ではなさそうですが、特に一本目のピエタ(慈悲)の素晴らしさは格別です。HMF盤ではアラビア語やシリア語、ギリシア語でビザンツ教会の聖歌(受難と復活に関する)を歌っていましたが、どうもこの人はマロン派の人のようです。レバノンの最大キリスト教宗派のマロン派はカトリック繋がりでフランスとの関係が深いので、アンサンブル・オルガヌムなど、上記HMF盤前後くらいからのフランスでの活躍も納得が行きます。フランス語も流暢に話されています。(日産のカルロス・ゴーンさんがマロン派だったとは上記ウィキペディアで初めて知りました。驚きです)

Sister Marie keyrouz - pieta

SISTER KEYROUZ MARIE

Sister Keyrouz Marie - Rabbah

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2008年12月24日 (水)

ルーマニアとアラブのビザンツ教会のクリスマス聖歌

イヴの今夜は、ルーマニア正教会とアラブのビザンツ教会のクリスマス・キャロルで。いくつか見てみましたが、ルーマニアのものは、ビザンツ聖歌特有の幽玄な重厚さだけでなく、流麗な旋律美が感じられます。PLAYA SOUNDのCDもなかなか好評でしたが、今日の一本目などは耳を捉えて離さないと思います。いかがでしょうか。ビザンツ教会歌のビデオは、他にも本家のギリシアを初め、セルビア、コソヴォなどまだまだ沢山あります。クリスマスは明日ですが、カトリックでは12月25日に始まり1月6日まで祝われますので、取りあえず大晦日まではこのままクリスマス関係で見てみたいと思います。

Romanian Christmas Carol

Corala Armonia による演奏。ハイトーンのパートは忘れられない歌声。

Romanian Christmas Byzantine Carol

こちらはギリシア正教的なアルカイックで重厚な歌唱に聞こえます。

An Arabic Christmas Carol (Byzantine Hymn of the Nativity)

こちらはアラブのクリスマス・キャロル。アラビア半島西部もイスラームが浸透するまでは、ユダヤ教とキリスト教が盛んだった土地ですので、特にレバノン、シリアやイラクなどには今でもキリスト教徒のアラブ人は結構います。クリスチャンのアラブ音楽家と言えば、レバノンの大歌手ファイルーズやウード奏者のムニール・バシールは特に有名だと思います。

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2008年12月23日 (火)

ビザンティンのクリスマス

数日トルコ古典音楽をお休みして、トルコに関係の深いビザンティンのクリスマス音楽を取り上げてみます。まだ決めてませんが、年末一杯ビザンティン~東方教会で行くかも知れません。
11世紀にトルコ系のセルジュク朝が起こるまでは、現在のトルコの場所にはビザンツ帝国(東ローマ帝国)があって、そこではギリシア系の人々が中心だったようです。セルジュク朝の後に興ったオスマン朝が20世紀に入って滅亡するまでは、トルコにもギリシア正教徒がいて、トルコ共和国成立後、キリスト教徒はギリシアへ、ムスリムはトルコへ移住させられたとのこと。住民を区別できるのは宗教だけだったのかも知れません。なので80年ほど経った今でも、ギリシアなどの正教会の音楽には、アナトリアの色々な音楽の要素が色濃く残っていて、その東方的な響きは、西洋の教会音楽とは全く趣きが異なります。キリスト教が興ったのは西洋ではなく、中東のパレスティナの地ですから、よりルーツに近いキリスト教音楽と言えると思います。先日取り上げたオスマン古典のファスルの混声合唱にビザンツ音楽の影響を感じたのは、上記の逆パターンと言えるのかも知れません。

Byzantine Christmas Carols

12~14世紀のビザンティンのクリスマス・キャロル。この頃はアナトリア(現在のトルコ)側にもビザンツ帝国領が残っていたようです。ギリシア語の歌詞と対訳がyoutubeの概要欄に出ています。

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