弦楽四重奏

2018年12月31日 (月)

大晦日のベートーヴェンSQとクレズマー

ゼアミdeワールド141回目の放送、日曜夕方に終りました。放送されるのは30日の夕方のみで再放送は無しと言うことですので、去年と同じく、今日おかけするのは、交響曲第九番に近い時期に作曲されて、似た感じのテーマ性を感じさせる後期の弦楽四重奏曲から第15番の第3楽章と第5楽章です。民族音楽を中心に聞きながらも、バッハの音楽やベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲などは、昔から変わらず聞き続けている西洋のクラシック音楽です。ヌーヴェルヴァーグの監督J.L.ゴダールの映画にも絶妙に引用されていたことは、好事家の方はよくご存知だと思います。
正月の間はブログアップは飛び飛びになるか、出来ないかも知れません。放送原稿の末にも書いておりますが、皆様どうぞ良いお年をお迎え下さい。来年も宜しくお願い致します。

この15番のカルテットは、全部で5楽章から成っていますが、その中でゆったりとした第3楽章は白眉の部分とされています。第九のラストを飾る歓喜の合唱と共通するものを感じる、ベートーヴェン晩年の深い音楽です。

以下ウィキペディアの解説を読み上げてみます。

第3楽章 "Heiliger Dankgesang eines Genesenen an die Gottheit, in der lydischen Tonart" Molto Adagio - Andante
ヘ調のリディア旋法、五部形式
「リディア旋法による、病より癒えたる者の神への聖なる感謝の歌」と題された、最も長い楽章。全体のクライマックスに位置している。ゆっくりとしたヘ調の教会旋法による部分と、より速めの「新しい力を得た」ニ長調の部分の交替で構成される。この楽章は、ベートーヴェンが恐れていた重病から快復した後に作曲されたため、上記のような題名が付された。

<3 Beethoven String Quartet No.15 In A Minor, Op.132 - 3. Molto Adagio 16分18秒>
Beethoven: String Quartet No.15 in A minor, Op.132 - 3. Canzona di ringraziamento offerta alla...


続きまして4楽章を飛ばして終楽章の第5楽章ですが、「失われた時を求めて」で知られるフランスの小説家マルセル・プルーストが、「ベートーヴェンでは、後期のピアノソナタや弦楽四重奏曲第15番の最終楽章を好み、真夜中に自室に楽団を呼んで演奏させたこともある」というエピソードを読んだことがあります。当時の有名なカペー弦楽四重奏団だったのかも知れません。この楽章の主題にはもの凄い秘話がありまして、実は第九の終楽章の主題として予定されていたそうです。それがあの合唱付に差し替えられました。もしこの曲が採用されていたら、憂いを含みながら素晴らしく情熱的で力動感溢れる名旋律ではあっても、器楽曲ですから、年末に第九が恒例になるようなことはなかったのではと思います。去年はブダペストSQでしたが、今年はハーゲン弦楽四重奏団の演奏でおかけします。古風で芳醇なブダペストSQとは一味違って、現在の弦楽四重奏団の最高峰とも言われるカルテットの名演です。

<5 Beethoven String Quartet No.15 In A Minor, Op.132 - 5. Allegro Appassionato 6分33秒>
Beethoven: String Quartet No.15 in A minor, Op.132 - 5. Allegro appassionato


では、最後に前回かけられなかったクレズマー・コンサーヴァトリー・バンドの87年に出たOy Chanukah!から、冒頭のA Freylekhe Nakht in Gan Eydnから始めて、時間までこの盤から続けたいと思います。今年のハヌカーは、12月2日から10日まででしたから、先週には既に終わっていました。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。皆様どうぞ良いお年をお迎え下さい。

<1 Klezmer Coservatory Band / Oy Chanukah! ~A Freylekhe Nakht in Gan Eydn 1分48秒>
A Freylekhe Nakht In Gan Eydn

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2018年1月 4日 (木)

ベートーヴェンのSQ15番と高砂の千秋楽

明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。
ゼアミdeワールド89回目の放送、大晦日の夕方にありました。年は明けておりますが、いつも通り放送内容をアップしておきます。あと20秒ほどがどうしても入らなかったので、やむを得ず、オープニング曲の頭と、3楽章の解説の一部を削りました。以下の放送原稿には全て載っております。また、何とか時間内に収めようと慌てていたものですから、付祝言の所で、観世流宗家を宗曲と間違って言っておりました。ベートーヴェンの方は、ブダペストSQのyoutubeでは5楽章までの全曲のみのようでした。

放送されるのは31日大晦日の夕方のみで再放送は無しと言うことで、相応しい音楽を色々考えておりました。紅白の前に例えばナツメロとかを聞いて頂くのが良いか、ベートーヴェンの第九か、迷いましたが、前者は今一つ選曲が絞れないので、また来年にでも回すことにしまして、今回はベートーヴェンの音楽にしたいと思います。

今日おかけするのは、交響曲第九番に近い時期に作曲されて、似た感じのテーマ性を感じさせる後期の弦楽四重奏曲から第15番の第3楽章と第5楽章です。民族音楽を中心に聞きながらも、バッハの音楽やベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲などは、昔から変わらず聞き続けている西洋クラシック音楽です。ヌーヴェルヴァーグの監督J.L.ゴダールの映画にも絶妙に引用されていたことは、好事家の方はよくご存知かと思います。

この15番のカルテットは、全部で5楽章から成っていますが、その中でゆったりとした第3楽章は白眉の部分とされています。第九のラストを飾る歓喜の合唱と共通するものを感じる、ベートーヴェン晩年の深い音楽です。

以下ウィキペディアの解説を読み上げてみます。

第3楽章 "Heiliger Dankgesang eines Genesenen an die Gottheit, in der lydischen Tonart" Molto Adagio - Andante
ヘ調のリディア旋法、五部形式
「リディア旋法による、病より癒えたる者の神への聖なる感謝の歌」と題された、最も長い楽章。全体のクライマックスに位置している。ゆっくりとしたヘ調の教会旋法による部分と、より速めの「新しい力を得た」ニ長調の部分の交替で構成される。この楽章は、ベートーヴェンが恐れていた重病から快復した後に作曲されたため、上記のような題名が付された。

<3 Beethoven String Quartet No.15 In A Minor, Op.132 - 3. Molto Adagio 16分18秒>
Beethoven - String quartet n°15 op.132 - Budapest


続きまして4楽章を飛ばして終楽章の第5楽章ですが、「失われた時を求めて」で知られるフランスの小説家マルセル・プルーストが、「ベートーヴェンでは、後期のピアノソナタや弦楽四重奏曲第15番の最終楽章を好み、真夜中に自室に楽団を呼んで演奏させたこともある」というエピソードを読んだことがあります。当時の有名なカペー弦楽四重奏団だったのかも知れません。この楽章の主題にはもの凄い秘話がありまして、実は第九の終楽章の主題として予定されていたそうです。それがあの合唱付に差し替えられました。もしこの曲が採用されていたら、憂いを含みながら素晴らしく情熱的で力動感溢れる名旋律ではあっても、器楽曲ですから、年末に第九が恒例になるようなことはなかったのではと思います。ブダペスト弦楽四重奏団の60年代の演奏でどうぞ。

<5 Beethoven String Quartet No.15 In A Minor, Op.132 - 5. Allegro Appassionato 6分33秒>

では、最後にゼアミらしく謡曲「高砂」の有名な部分を聞きながら、今回はお別れです。
世阿弥作のお能の名曲「高砂」と言えば、結婚式に謡われる「高砂やこの浦舟に帆を上げて」の祝言の小謡でよく知られますが、ラストの「千秋楽は民を撫で」の部分が大晦日に相応しいように思いました。謡うのは観世流宗家の観世清和氏です。私が95年に習ったのは喜多流謡曲ですが、観世流の謡いは5流の中では一番近く感じます。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。皆様どうぞ良いお年をお迎え下さい。

<3 観世流初心小謡集 高砂~千秋楽は民を撫で 37秒>
DVD実践編3 謡「千秋楽」

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2017年12月 6日 (水)

Chryzantemebi=菊?

プッチーニの弦楽四重奏のためのクリザンテミ(菊)を思い出してしまうタイトルのTrio MandiliのChryzantemebiですが、何本かありました。やっぱり良い曲で、詩の内容が大変に気になります。彼女らの歌唱から追悼のニュアンスは感じ難くはありますが。プッチーニの曲は彼のパトロンでもあったアオスタ公追悼のために書かれた、彼の数少ない室内楽曲。私が聞いたのはハーゲン・カルテットのDG盤で、初めて聞いて20年以上経ちますが、その哀感がいつまでも忘れられず、いつか弾いてみたいと思っている曲です。ロシア歌謡のフリザンテミは、往時の愛の思い出を、今は荒れてしまった逢瀬の庭に咲く菊を見て追想し涙するという曲で、少し似た雰囲気があります。残念ながらyoutubeは無しのようでした。オコラのSvetlanaのChansons Russes(廃盤)に入っていますので、お持ちの方は聞いてみて下さい。

Trio Mandili - Chryzantemebi (CD-album is available on http://triomandili.com/en/#buy)

Trio Mandili - Qrizantemebi (19.04.2016)

Trio Mandili Qrizantemebi SUBSCRIBE

Puccini "Crisantemi" performed by the Enso String Quartet

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2016年5月31日 (火)

弦楽四重奏曲13番&大フーガ(ABSQ)

先週の放送で追悼曲として流したベートーヴェンの弦楽四重奏曲13番の第5楽章「カヴァティーナ」ですが、全曲通しで聞くと、あの楽章のこの上ない美しさが、より際立ちます。晩年の堪え難い寂寥感の吐露とも言えますが、本来その後の楽章に用意されていた大フーガは、そんな弱さを力を振り絞って乗り越えようとするベートーヴェンらしい音楽になっています。しかし、余りに難解・晦渋・長大な音楽のため楽譜の出版社からOKが出ず、6楽章は別に書き直され、大フーガは独立した作品になっています。13番については何年か前にも取り上げたと思いますが、今回はABSQ(アルバン・ベルク弦楽四重奏団)の名演です。是非13番全曲をお時間のある時に聴いてみて下さい。 カヴァティーナは23分30秒からです。2本目に大フーガを上げておきます。

Beethoven String Quartet No 13 Op 130 in B flat major Alban Berg Quartet

Beethoven - Große Fuge B-Dur Op. 133 - Alban Berg Quartett

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2016年5月25日 (水)

追悼特番1

ゼアミdeワールド8回目の収録に行ってきました。
16日に大変お世話になりました音楽プロデューサーの星川京児さんが亡くなられましたので、今週と来週は追悼特集にしました。放送は26日木曜午後5時15分、再放送は29日日曜午後3時からです。宜しければ是非お聞き下さい。

星川さんの追悼曲として、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲13番の5楽章をかけました。併せてキングの旧WMLシリーズの「カスピ海の旋律」から、アゼルバイジャンのケマンチャ演奏も時間まで。(現在のワールドルーツミュージックライブラリーシリーズでは「アゼルバイジャンの音楽」に収録)

葬儀の帰りに奥さんから、星川さんはクラシックにも相当詳しかったと聞きました。クラシックには余りご興味ないかと思って話題にしたことはありませんが、是非色々話をうかがいたかったです。13番の本命である第5楽章「カヴァティナ」は、その寂寥感溢れる無上の美しい旋律で知られています。深遠なベートーヴェン後期作品の中でも白眉と言えると思います。誰かを告別するような、とよく形容されますが、事実葬儀にかけて欲しいと希望する人も多いそうで、数多くの人が、この楽章が奏される中、黄泉路へ旅だって行かれたそうです。この曲だけは、フェイドアウトせずに全曲かけました。放送ではブダペスト弦楽四重奏団の演奏でしたが、ブログではイタリア弦楽四重奏団です。
「近藤君、ベートーヴェンなんてやめてくれよ(笑)」とは言われないと思いますが(笑)

Beethoven: String Quartet No.13 op.130 V. Cavatina Quartetto Italiano


南コーカサスの国の一つ、アゼルバイジャンは言語的にはトルコ系ですが、音楽や楽器の面では南隣のペルシアの影響を強く受けていて、ケマンチャもドゥンベクも楽器名からしてそっくりです。最高の名手アリエフ・ガビリ・ムスタファ・オグリが、イランの古都シーラーズの名を冠した旋法の哀愁の名旋律を聴かせます。この曲は、90年代前半のNHKFM「世界の民族音楽」の星川さん司会の回でテーマ曲に使われていました。星川さんプロデュースの録音です。83年の小泉文夫さん逝去の後、このFM番組を引き継いだ内のお一人です。

カスピ海の旋律  バヤーテ・シーラーズ
Habil Əliyev - Bayatı Şiraz

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2012年3月14日 (水)

アリム・カシモフ&クロノス・カルテット

アリム・カシモフとクロノスとの映像は、昨日のリハらしき映像のリンクからステージのものもいくつか見つかりました。こういうのを聞くにつけ、ペルシアのアーヴァーズとの共通点、相違点、またテュルク的な中央アジアの騎馬民族文化の伝統のような要素などがクロスして聞こえてきて興味深い限りです。一本目など、ペルシアのマーフールに似た晴朗で美しいメロディラインですが、歌唱はどちらかと言えば激情の迸るもので、そこはペルシア音楽と少し違ってきます。しかし、娘のファルガナさんの伸びのある高音は美しいですね。まだ若いので今後が楽しみです。
こうしてアゼルバイジャンのムガームの新しい形を見ていると、繊細極まりないペルシア古典声楽とクロノスの共演を、どんな対話が可能になるのか、見てみたくなるのは、私だけでしょうか?

La Mar de Músicas 2010: El Kronos Quartet arropa a Alim Qasimov

Kronos Quartet & Alim Qasimov -La Mar de Musicas 2010 - Cartagena - España

Alim Qasimov & Kronos Quartet en La Mar de Músicas 2010 - 2

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2012年3月13日 (火)

アリム・カシモフ&シルクロード・アンサンブル、クロノスSQ

また少しずつ大陸の方に戻して行こうと思いますが、再びシルクロード・アンサンブル関係の映像を見ていて、少数ですがアゼルバイジャンの名歌手アリム・カシモフと共演したものを発見しました。彼と娘のファルガナ・カシモフは08年に来日し、東京と確か大阪で公演がありました。私は残念ながら行けなかったのですが、さすがに大御所の堂々たる歌唱だったとの感想を沢山聞きました。
ヨーヨー・マ&シルクロード・アンサンブルとの共演は、NHKの新シルクロードで彼の輝かしい歌声がトップに出てきていましたので、彼と知らなくても聞き覚えのある方は多いはず。
クロノスSQとの共演はSmithsonian Folkwaysから出ていますので、この映像はその中の収録内容だったかも知れません。クロノスは90年代から旧ソ連各国の作曲家の作品を取り上げたりしていましたので、アリム・カシモフとも出会うべくして出会ったと言えるのでは。あのクロノスの面々を前にして、互角かそれ以上の迫力でもってyoutubeからすら迫ってくる歌声。凄いです。
彼の名前のカタカナ表記ですが、アリム・ガスモフという風に書かれることもありますが、80年代頃からカシモフで通していたので、どうもしっくり行かずそのまま書いております(笑) カシモフの頭文字のQの音は、確かに日本語のガにも近くなると思いますが、日本語にはない喉の奥から出す音だと思いますので、結局日本語の発音のカとガのいずれとも違うでしょう。

Alim and Ferghana Qasimov with the Silk Road Ensemble Lincoln Center June 2009

Kronos Quartet / Alim Qasimov

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2012年1月11日 (水)

フォーレのピアノ・トリオと弦楽四重奏曲

フォーレ・シリーズは一応今日で終えますが、ラストは最晩年の作品120のピアノ・トリオ(三重奏)と作品121の弦楽四重奏曲です。ピアノ四重奏や五重奏よりも、ずっとオーソドックスなスタイルの室内楽を生涯の最後に書きました。
ピアノ・トリオは1923年6月に、アルフレッド・コルトー、ジャック・ティボー、パブロ・カザルスにより初演されました。そう言えば、カザルスがフォーレの音楽をどう思っていたか気になって、ちょっと調べようかと思っていたところです。演奏は、何とプルースト・ピアノ・トリオというユニットでした(笑) 晦渋な印象すらある弦楽四重奏曲と比べて、フォーレらしい伸びやかな美しさにも溢れ、日本でもよく演奏されています。
弦楽四重奏曲はフォーレ最後の作品で、ピアノを含まない唯一の室内楽作品。彼は「室内楽の王者」のスタイルにはなかなか手を出しませんでしたが、最後の一曲でようやくその弦楽四重奏というスタイルで書きました。その深さは計り知れないほどで、晩年の諦念が色濃く感じられます。私も若い頃はよく分かりませんでしたが、最近少しずつ分ってきたような気がします。3楽章という楽章構成もドイツ系の作品とは違って、独特です。この曲は彼の死後1925年6月12日に初演されました。

Proust Piano Trio: Gabriel Faure Piano Trio in D minor, Op.120 I. Allegro, ma non troppo

Proust Piano Trio: Faure Piano Trio in D minor, Op.120 2nd mvt

Proust Piano Trio: Faure Piano Trio in D minor, Op.120 3rd mvt

Gabriel Faure, String Quartet, Op.121 1st mvt.



何故か1楽章だけなくて、このミディのもの位でした。

Faure, String Quartet, Movement 2

Faure, String Quartet, M3

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2009年3月25日 (水)

カヴァティーナの実演

昨日はベートーヴェン後期弦楽四重奏曲シリーズを一まず終わりにします、と書きましたが、昨日イメージ映像でアップした絶美のカヴァティーナの実演が見つかりましたので、せっかくの機会ですからアップしておきます。13という数字からでしょうか(クリスチャンではないので、13という数字を不吉がることもなかったのですが)、余りちゃんと聞かずに来ましたが、深遠極まりない14番よりも分かりやすく、15番以上に美しさが心に沁み亘る曲だというのがよく分かりました。大フーガの代わりに書かれた6楽章も含め、5楽章以外も比較的小粒ながら素晴らしい曲の連続です。今日は見つかった他の楽章も併せて上げておきます。残念ながら6楽章だけ見当たりませんでした。アリアのようにカヴァティーナだけ聞くのではなく、全楽章聞いてこそ5楽章が際立つと思います。

The Fry Street Quartet - Beethoven: String Quartet in B-flat Major, Op. 130, Cavatina

ベートーヴェンのSQ全曲を吹き込んでいるフライ・ストリート・カルテットによる13番の第5楽章カヴァティーナ。至純の響きに心が洗われるようです。

The American String Quartet - Beethoven String Quartet, op. 130 Cavatina

カルテットのプロフィールは調べてみないと分かりませんが、こちらもなかなか良いです。1stヴァイオリンの前に乗り出して語りかけるような演奏が特に良いです。^^

Beethoven Quartet Op 130 1st movt part 1 (Budapest Qt 1960)

ブダペストSQによる第一楽章。この楽章の緩やかな序奏からして非常に印象的です。

Beethoven String Quartet no.13 op.130 2nd movement

同曲第2楽章。カルテット名は不明ですが。小粒ながら味わい深いスケルツォ楽章。

Beethoven String Quartet no.13 op.130 3rd movement

同曲第3楽章。カルテット名は不明ですが。

Beethoven String Quartet no.13 op.130 4th movement

同曲第4楽章。素朴な旋律によるドイツ舞曲のレントラー。どこか懐かしげな響き。

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2009年3月24日 (火)

カヴァティーナと大フーガ

ベートーヴェンの後期弦楽四重奏もシリーズになりましたが、一応今日までにしたいと思います。最後は13番の弦楽四重奏曲の第5楽章カヴァティーナと、当初第6楽章として作曲された大フーガ。13番は大規模な曲の多い後期のSQ作品の中にあって、比較的小さな規模の6楽章という変則的な構成。その幻想的とも言える音楽は、作曲者の嘆きを映す色調を帯びていますが、そのような弱さを超克すべく6楽章に大フーガが作曲されました。しかし演奏者からの拒否に会い、大フーガは単独の作品として発表されることになりました。余りの演奏困難さ、晦渋さが原因のようです。現在の第6楽章は、後に作曲された最晩年の作品。

Beethoven Quartet no.13 op.130 mov.5 cavatina

大フーガの直前に置かれた第5楽章のカヴァティーナ。この筆舌に尽くせない美しい音楽については、以下の文章を引用させて頂きました。
「晩年の堪え難い寂寥感を映し出した悲しい音楽で、ベートーヴェン自身もこの作曲は涙とともに行い、出来ばえには至極満足であったという。充実した響きの上に、無上の美しい旋律が歌われる。」(ブダペストSQの全集の大木正興氏の解説) 
葬儀にはこの曲を(第5楽章「カヴァティナ」)   とやかく申すまでもなく、13番での本命は第5楽章「カヴァティナ」です。最終部で啜り泣く一期一会の旋律。・・・今まで数多くの人が、この楽章が奏される中、黄泉路へ旅だってゆきました。(mixiのSQ13番のコミュニティより)

Beethoven/Alkan: Cavatina

ピアノの難曲を沢山書いたことで知られるロマン派の作曲家アルカンによるカヴァティーナの編曲版。

Beethoven GREAT FUGUE op. 133 Leipzig String Quartet

数ある大フーガのクリップの中から、ライプツィヒSQの演奏で。前半のみで残念ですが。この曲の峻厳極まりない「音楽の追求」は、結果的に現代音楽への流れを準備していた所があるようで、例えばアルディッティSQがGramavisionからの89年のアルバムArdittiで、ナンカロウやクセナキスの前に大フーガを入れていました。

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