ヴァイオリン

2024年10月25日 (金)

モーツァルト(カデンツァはジプシー音楽他) タラフっぽいLFAT

今日の1本目では、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲3番を清冽な音色で聞かせるところまでは、正統派クラシックの妙技を聞かせていますが、その後のフリーリズムのカデンツァの部分が大きく引き伸ばされ、まずアイリッシュあるいはカントリーが登場し、その後でこの映像の2003年頃に世界中で人気のあったジプシー・ヴァイオリンの名手ロビー・ラカトシュが登場。最初はジプシー音楽のセッションですが、最後はジプシーのルーツと言われるインドの古典音楽に移って行きます。おそらく北インド古典音楽スタイルの演奏です。そして、モーツァルトの演奏に戻って終了(笑) ヒンドゥスターニ音楽まで出ることには驚きました。
今回バッハ演奏にまでは触れられなくて残念ですが、最後にNO PIANO ON THAT ONEから、LFAT (Lookin' for a Title)の2つのヴァージョンは入れておきます。この辺の音を聞くと、全盛期のタラフ・ドゥ・ハイドゥークスを思い出してしまいます。2001年リリースですから、ルーマニアのタラフ・ドゥ・ハイドゥークスを思い出させるということは、ヨーロッパでタラフの活動が盛んだった時期と一致していて、ジル・アパップも影響を受けていたのではと思いました。

Gilles Apap - Another Unusual Cadenza

LFAT (Lookin' for a Title)

LFAT (string orchestra Version)

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2024年10月24日 (木)

モンティのチャールダーシュ Transylvanian Mountain Boys

モンティのチャールダーシュは、Gilles Apap & the Transylvanian Mountain Boysの頃の映像がありましたので、ライブ映像で上げておきます。このグループの頃ですから、96年くらいでしょうか。当時はモンティのチャールダーシュも、今ほどは弾く人がいなかったかも知れません。私が持っている古い楽譜は84年頃のものですが、その頃はまだ葉加瀬さんも弾いてなかったように思います。しかし、ジル・アパップほど、速い部分のスピッカートの弓がきれいに飛んでいる人は、あまり見かけません。それとハンガリーの時などで何度も指摘していますが、モンティ作曲のこの曲がチャールダーシュ(この曲の固有名詞として)だと思っている人が何と多い事でしょうか。2本目は昨日コメントしていたディニクのホラ・スタッカートですが、やはりワンボウスタッカートで弾いていました。この技術がいかに高度かは、ヴァイオリンを弾かない人には想像がつきにくいと思います。これもTransylvanian Mountain Boysの頃の映像でした。(以下放送原稿を再度)

The Transylvanian Mountain Boys」は、ジル・アパップが結成したもう1つの大成功を収めたクロスオーバーバンドですが、1996年に出たGilles Apap & the Transylvanian Mountain Boysから、大変に有名なモンティ作曲のチャールダーシュをおかけしておきます。この盤は「黒い瞳」などが入っているように全体にロシアン・ジプシー色が強いように思いますが、先ほどの2001年リリースのNO PIANO ON THAT ONEがルーマニアのタラフ・ドゥ・ハイドゥークスを思い出させるということは、ヨーロッパでタラフの活動が盛んになった時期と一致していて、ジル・アパップも影響を受けていたのではと思いました。

Gilles Apap _ Csardas de Monti

Gilles Apap _ Hora Staccato

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2024年10月23日 (水)

若い頃のジル・アパップ

ジル・アパップの初来日公演は、2006年の第22回<東京の夏>音楽祭だったと思います。この催しで来日していたイランのクルド系音楽家シャハラーム・ナーゼリーの方では、キングレコードのCDのライナーノーツを執筆したり、開演前にナーゼリー本人にインタビューしたり、会場に即売に出たりで、深く関わっていましたが、既にUターン後で、長くは東京にいられなかったので、気になりながらもジル・アパップの方は見れず終いでした。
今日の映像ですが1本目が彼が若い頃でしょう、クライスラーの「プニャーニのスタイルによる序奏とアレグロ 」の伴奏パートを若い楽団員に独創的な指導をしているシーン。2本目は番組でかけたディニクのホラ・スタッカートです。この曲の一番の焦点は、ハイフェッツのようにワンボウスタッカートで弾いているかどうかです。録音のみですが、おそらくワンボウでしょう。

Gilles Apap Unkown Fiddler (clip 1)

Hora Staccato

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2024年10月21日 (月)

ジル・アパップのスケルツォ・タランテラ

ゼアミdeワールド433回目の放送、日曜夜10時にありました。23日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。スケルツォ・タランテラ以外は、水曜以降に。

ヴァイオリンで「死ぬまでに弾きたい曲」として2回続けましたが、前々回に取り上げたスケルツォ・タランテラで名手ヤッシャ・ハイフェッツと並べて予定していたジル・アパップの音源が途中までになってしまっていましたので、まずこちらからおかけします。彼はクラシックに留まらず東欧やアイルランド等の民族音楽の領域にも越境している現代のヴァイオリンの鬼才です。ユーディ・メニューインが「21世紀の真のバイオリニスト。私にとって、あなたは21世紀の音楽家の典型です。あなたは音楽が進化するべき方向を体現しています。」と評していて、この大ヴァイオリニストの晩年に親交があったそうです。
スケルツォ・タランテラが入っていたのは2001年のNO PIANO ON THAT ONEと言う盤です。グループ名のThe Colors of Inventionの編成は、ヴァイオリン、アコーディオン、コントラバス、ツィンバロムです。最初に言っておきますが、私はいずれもCDでは持ってなくて、ストリーミングからかけていますので、解説は参照できておりません。Sarasate, Faure, Gluck, Wieniawski, Kreislerのクラシック曲に交じって、東欧のジプシー音楽にも深く踏み込んでいるユニークなアルバムです。

<Gilles Apap & The Colors of Invention / No Piano On That One ~Scherzo-Tarantelle 4分52秒>

同じくNO PIANO ON THAT ONEから、前にルーマニアの時にハイフェッツの演奏などで取り上げた、ディニクのホラ・スタッカートをおかけしますが、その後の2曲LFAT (Lookin' for a Title)の2つのヴァージョンも大変面白い曲です。この辺の音を聞くと、全盛期のタラフ・ドゥ・ハイドゥークスを思い出してしまいます。

<Gilles Apap & The Colors of Invention / No Piano On That One ~Hora Staccato 2分25秒>
<Gilles Apap & The Colors of Invention / No Piano On That One ~LFAT (Lookin' for a Title) 2分26秒>
<Gilles Apap & The Colors of Invention / No Piano On That One ~LFAT (string Orchestra Version) 1分35秒>

The Transylvanian Mountain Boys」は、ジル・アパップが結成したもう1つの大成功を収めたクロスオーバーバンドですが、1996年に出たGilles Apap & the Transylvanian Mountain Boysから、大変に有名なモンティ作曲のチャールダーシュをおかけしておきます。この盤は「黒い瞳」などが入っているように全体にロシアン・ジプシー色が強いように思いますが、先ほどの2001年リリースのNO PIANO ON THAT ONEがルーマニアのタラフ・ドゥ・ハイドゥークスを思い出させるということは、ヨーロッパでタラフの活動が盛んになった時期と一致していて、ジル・アパップも影響を受けていたのではと思いました。

<Gilles Apap & the Transylvanian Mountain Boys ~Csárdás 4分55秒>

2007年リリースのFRIENDSと言う盤では、Old-time, Cajun and bluegrass folk musicをやっているとオフィシャルサイトにコメントがありましたが、私が引っ掛かったのは、アメリカのケイジャンやブルーグラスではなく、やはりノスタルジックな東欧の雰囲気のVals Emilianoと言う曲でした。

<Gilles Apap / FRIENDS ~Vals Emiliano 3分5秒>

2006年リリースのMUSIC FOR SOLO VIOLINでは、Bach and Ysaye sonatas, seasoned with traditional Irish and American tunes.とサイトにコメントがあります通り、バッハとイザイの無伴奏ヴァイオリン曲と、アイルランドとアメリカの民族音楽が交互に出て来るユニークな構成です。何と「私のお休みミュージック」になっているとして数回前にかけたバッハの無伴奏ヴァイオリンのソナタ1番のプレストと、パルティータ1番のサラバンドとドゥーブルも出て来ます。プレストとサラバンドを時間まで聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Gilles Apap / MUSIC FOR SOLO VIOLIN Presto from Sonata No. 1 In G Minor, BWV 1001 2分48秒>
<Gilles Apap / MUSIC FOR SOLO VIOLIN Sarabande from Partita No. 1 In B Minor, BWV 1002 4分18秒>

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2024年10月18日 (金)

ショーソンの詩曲 ヒラリー・ハーンとジャニーヌ・ヤンセン

ショーソンの詩曲は、数年前「題名のない音楽会」で辻彩奈さんのスタジオでのライブ映像が出まして、ピアノ伴奏のためヴァイオリン技巧が手に取るように分かり、改めて強い関心を持ちました。長らくジネット・ヌヴーのイメージが強すぎる曲でしたが、探してみるとほとんどの有名なヴァイオリニストが手掛けているのではと思う程、音源は沢山ありました。
詩曲については番組で言いました通り、ワーグナーの影響が色濃いフランス後期ロマン派音楽と言う印象を持ち続けていました。ずばり連想するのは、やはり「トリスタンとイゾルデ」の響きです。ロシアの作家ツルゲーネフの小説『恋の凱歌』(または『勝ち誇れる愛の歌』)に基づく交響詩として当初は着想されたそうですが、ほぼ同時期に書かれた類似作と番組で指摘したウジェーヌ・イザイの悲劇的詩曲(Poème élégiaque)の素材は、シェークスピアの「ロミオとジュリエット」でした。原作から考えても、トリスタンに似た響きになるのは容易に想像できるのではないでしょうか。それがフランコ・ベルギー派のヴァイオリンの音色と結びついた双生児のような2つの名曲です。
誰かの生演奏で上げようと思いまして探しました。ヒラリー・ハーンとジャニーヌ・ヤンセンの演奏を上げておきます。

Hilary Hahn - Poeme by Ernest Chausson

Ernest Chausson - Poème (Janine Jansen, Swedish Radio Symphony Orchestra, Johannes Gustavsson)

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2024年10月17日 (木)

ハイフェッツとピアティゴルスキーのパッサカリアも

番組でかけたハイフェッツとプリムローズのパッサカリアは2本目ですが、ハイフェッツとピアティゴルスキーの演奏もありましたので、1本目に入れておきます。この録音、もしかしたらYouTubeで聞いただけかも知れません。ピアティゴルスキーと言えば、ローゼン師匠の師匠で、ハイフェッツのエピソード含め色々お聞きしました。ローゼンさんもデルモニとこの曲を入れていて、これはCDで持っています。やはり最近の演奏よりはテンポゆったり目だと思います。(以下放送原稿を再度)

前回「死ぬまでに弾きたい曲」として2曲取り上げました。ヴァイオリンとヴィオラまたはチェロの技巧を凝らした唯一無二の二重奏曲になっているヘンデル作曲ハルヴォルセン編曲のパッサカリアを最初にかけました。「古くはハイフェッツとピアティゴルスキーの二重奏もありました。」と言っていたので、その音源もと思い探しましたが、チェロのピアティゴルスキーとの演奏が見つからず、代わりにヴィオラのプリムローズとの二重奏はありましたので、その音源をおかけしたいと思います。

Handel-Halvorsen - Passacaglia - Jascha Heifetz, Gregor Piatigorsky

<ヤッシャ・ハイフェッツ & ウィリアム・プリムローズ / Passacaglia in G Minor (After Handel's HWV 432) 6分41秒>

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2024年10月14日 (月)

ジネット・ヌヴーのショーソン / 詩曲

ゼアミdeワールド432回目の放送、日曜夜10時にありました。16日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日はヌヴーの詩曲です。ヌヴーと言えば、80年代頃はブラームスのヴァイオリン協奏曲とラヴェルのツィガーヌ、ショーソンの詩曲ばかりが有名な感を受けましたが、最近はどうでしょうか。2本目は貴重な詩曲のエンディングの部分の動画です。数年前に見た時は、飛行機事故で1949年に亡くなった伝説のヴァイオリニストの動画が残っていたのかと驚きましたが、何故全曲はないのでしょうか。

前回ヴァイオリンで「死ぬまでに弾きたい曲」として2曲取り上げました。ヴァイオリンとヴィオラまたはチェロの技巧を凝らした唯一無二の二重奏曲になっているヘンデル作曲ハルヴォルセン編曲のパッサカリアを最初にかけました。番組の終わりに原曲のピアノ曲を用意していましたが、時間切れでかけられなかったので、その音源を最初にかけます。それと「古くはハイフェッツとピアティゴルスキーの二重奏もありました。」と言っていたので、その音源もと思い探しましたが、チェロのピアティゴルスキーとの演奏が見つからず、代わりにヴィオラのプリムローズとの二重奏はありましたので、その音源をおかけしたいと思います。

それでは、パッサカリアの原曲のヘンデルのハープシコード組曲第7番の第6曲「パッサカリア」をピアノで弾いた音源がありますので、アンヌ・ケフェレックの演奏でおかけします。ケフェレックは1982年に来日した際に聞きに行きましたが、バッハ、ベートーヴェン、ブラームス、ラヴェル、クープラン、D.スカルラッティ、サティなどの作品の中でも、たまたま個人的に好きなピアノ曲をよく弾いていた人で、LPの頃から聞いていました。ラ・フォル・ジュルネでの来日で日本でも近年すっかりお馴染みのようです。

<Anne Queffélec Plays Handel ~Passacaille de la Suite en Sol Mineur No. 7, HWV 432, 1er Cahier 4分37秒>

<ヤッシャ・ハイフェッツ & ウィリアム・プリムローズ / Passacaglia in G Minor (After Handel's HWV 432) 6分41秒>

「死ぬまでに弾きたい曲」として前回はスケルツォ・タランテラを2曲目に取り上げましたが、もう3曲ありました。まず19世紀フランスの作曲家エルネスト・ショーソンが作曲した「詩曲」とイザイの「悲劇的詩曲」ですが、ショーソンの「詩曲」はヴァイオリンと管弦楽のための作品で、原題そのままで「ポエム」とも呼ばれます。当時の名ヴァイオリニストのウジェーヌ・イザイが初演していますが、彼は作曲家でもあり、悲劇的詩曲(Poème élégiaque)と言う曲をほぼ同時期に書いています。原題もエレジアックを取れば同じで、非常に似た作品だと思います。特にショーゾンの詩曲は、ワーグナーの影響が色濃いフランス後期ロマン派音楽と言って良いと思います。個人的に若い頃はバッハ以前の古楽とシェーンベルク以降の現代音楽に傾きがちでしたが、この年になると後期ロマン派の濃密な音楽の方に惹かれてしまいます。もう一曲はディーリアスのヴァイオリン・ソナタ1番です。またイギリスに回った際に触れると思います。
今回イザイの曲はかけませんが、フランスかベルギーに回った時にかけるかも知れません。1949年に飛行機事故で若くして亡くなった往年の名ヴァイオリニスト、ジネット・ヌヴーの演奏でショーソンの「詩曲」を時間まで聞きながら今回はお別れです。15分余りありますので途中までになりますが、ゼアミブログでは全曲アップします。
前回ジル・アパップのスケルツォ・タランテラが途中までになってしまいましたので、次回彼の東欧音楽へのアプローチを聞いてから、その後、西スラヴの音楽に移行したいと思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Ginette Neveu: The Complete Recordings ~Ernest Chausson / Poème, Op. 25 15分38秒>
Ginette Neveu - Chausson Poème (studio recording in 1946)

Ginette Neveu toca Chausson Poème

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2024年10月11日 (金)

最近のスケルツォ・タランテラ

最近の演奏家では、ヴィエニャフスキと同郷ポーランドのヴァイオリニスト、コンスタンティ・クルカの演奏は、技術的余裕が凄いと思いました。この難曲を簡単な曲のように弾いています。ポーランド人にとってこの曲は、日本で言えば津軽三味線のようなものでしょうか(笑) パッサカリアに続いて、高松あいさんの演奏もありましたので、2本目に入れておきます。3本目はレッスン動画で、弾いてみようと思っている者にはとても参考になります。4本目のRuslan Khokhlachevの演奏はスケルツォ・タランテラのヴァイオリンも完璧ですが、何と自身が弾いたエレキギターと合わせています。他にもチェロで多重録音したものなど色々ありまして、びっくりし通しでした。

スケルツォタランテラ/ヴィニヤフスキop.16 /コンスタンティ・クルカ 平澤真希/ Scherzo Tarantelle/Wieniawski op.16

踊り狂う技巧オンパレードスケルツォ!【スケルツォ・タランテラ : ヴィエニャフスキ(Scherzo-tarantelle : Wieniawski)】

【バイオリン講座37】スケルツォ・タランテラ練習法/ 速いパッセージ、重音練習、ボウイング

Ruslan Khokhlachev - H.Wieniawski - "Scherzo-Tarantelle" (metal version)

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2024年10月10日 (木)

ハイフェッツのスケルツォ・タランテラ

ハイフェッツが弾くスケルツォ・タランテラは、1950年、彼が49歳の時の動画がありましたので、それを1本目に、2本目は番組でかけた戦前の録音です。この曲はハイフェッツの十八番の一つで、80年代のLPにもトップに入っていました。ジル・アパップの演奏は来週改めて取り上げます。(以下放送原稿を再度)

もう一曲はポーランドの名ヴァイオリニスト兼作曲家だったヴィエニャフスキ(1835-1880)が書いたスケルツォ・タランテラと言うピアノ伴奏のヴァイオリン独奏曲です。70年代頃からパールマンがよく弾いていたイメージがありまして、華やかなヴァイオリン技巧を披露する類似のヴィルトゥオーゾ・ピースには前から余り興味はないのですが、この曲については名人芸の中に高い音楽性と歌心が感じられまして、数年前から猛烈に弾きたい曲になりました。D線で朗々と歌うように弾く旋律が最高に美しく、これを弾きたいからと言うのもあります。後半ではその旋律がタランテラの速い部分と絡んでますます面白い展開になります。
先で触れる予定の南イタリアの舞曲タランテラもそうですが、この数回で出てきた色々な舞曲が、現代のヨーロッパで継承されているか否かも、今後探ってみようと思っているポイントです。
それではスケルツォ・タランテラを一番有名にしたのではと思われる往年の名手ヤッシャ・ハイフェッツの古い録音でおかけしてから、クラシックに留まらず東欧やアイルランド等の民族音楽の領域にも越境している現代のヴァイオリンの鬼才ジル・アパップの演奏を続けます。ジル・アパップの伴奏は、ピアノではなくアコーディオンです。

Heifetz plays Scherzo Tarantelle (Wieniawski)

<ヤッシャ・ハイフェッツ & Arpád Sándor / The Heifetz Collection (1925 - 1934) - The First Electrical Recordings ~Scherzo - Tarantelle, Op. 16 4分20秒>

<Gilles Apap & The Colors of Invention / No Piano On That One ~Scherzo-Tarantelle 4分52秒>

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2024年10月 9日 (水)

ユリア・フィッシャーとダニエル・ミュラー・ショットのパッサカリア

ヘンデル / ハルヴォルセンのパッサカリアを誰の演奏で最初に見た(聞いた)か、思い出しました。2009年にアップされているユリア・フィッシャーとダニエル・ミュラー・ショットの二重奏の映像でした。当時26歳くらいのユリア・フィッシャーは、今では中堅の大ヴェテランで、現代ヴァイオリニストの最高峰の一人と言って良いと思います。ダニエル・ミュラー・ショットも中堅のヴェテランで、数年前にBSのクラシック倶楽部で来日公演の映像を見かけました。
この曲は視覚的なインパクトが大きく、特にヴァイオリンやチェロを弾く者にとっては、これほどワクワクする映像も少ないと思います。2009年と言えば、YouTubeが本格化して数年だったと思いますが、この映像の影響もあってでしょうか、爆発的に音源や映像が増えたように思います。私のiPhoneにはストリーミングから拾った音源中心に20種類位入っていて、先日番組でかけた2つ(宮本笑里とツケメン)は、その中から選びました。楽譜も2010年頃に手に入れました。90年前後にハイフェッツとプリムローズで聞いたようにも思いますが、ハイフェッツにしては意外に大人しく当時は映像もなかったので、ほとんど記憶に残っていませんでした。

Julia Fischer & Daniel Muller-Schott - Handel-Halvorsen Passacaglia (HQ)

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