ヴァイオリン

2024年1月10日 (水)

ヴァイオリンによる「春の海」

元旦の朝には、4日の弾き初めで「春の海」をやってみようと合奏団のメンバーにLINEしましたが、4時過ぎの能登の地震で正月気分は吹き飛びまして、すっかりそんな気は無くなっていました。しかしメンバーの一人が「FGでずっとかかっていました。やってみましょう」との返事。重い腰を上げて、まぁ一回やってみましょうかと言う事になりました。楽譜は全音から出ているヴァイオリン名曲集第1集のピアノ伴奏版で、ピアノパートの音をセカンドヴァイオリンとチェロで拾ってと言う実験でした。弾いてみて改めて思ったのは、冒頭は筝曲の名曲「六段」のような雅さと厳かさがあり、続いて出て来るソロパートは民謡音階なのに、途中で出て来る走句には長唄風な都節音階もあり、普通に考えれば合わない部品が巧みに組み合わされてできている、本当に奇跡的なワン&オンリーの正月名曲だという事でした。ルネ・シュメーがピチカートで弾いている部分とフラジオ(1と4の指で4度の音程の位置を4で軽く触れて出すハーモニクス)の部分は、今日の2本目のようにアルコ(弓)で弾いているものも結構ありました。伴奏との音量バランスもあるのだろうと思います。私もフラジオは上手く鳴らないので、実音で弾きました。
考えてみれば、この曲が生まれた1930年は、関東大震災から7年目かつ大恐慌の翌年で、軍靴の音が近づきつつある頃。今より大変に違いない時期に生まれたことを思い出し、新年を寿ぐこの曲について改めて考え直した年明けでした。やはり何よりも宮城道雄の琴の音の素晴らしさを味わいたいものです。(以下放送原稿を再度)

宮城道雄の父の出身地である広島県鞆の浦を訪れた際の、瀬戸内海の印象を三部形式に乗せて標題音楽風に作曲したこの曲は、今では彼の代表作として親しまれていますが、吉田晴風との1930年の初演の評判は芳しくなかったそうです。
この曲が一躍有名になったのは、1932年に演奏旅行で来日していたフランスの女流ヴァイオリニスト、ルネ・シュメーと共演してからと言われています。日本音楽に触れるために宮城道雄を訪ねた彼女が一番感動したのが、この「春の海」で、早速尺八パートをヴァイオリン用に編曲して宮城道雄とコンサートで演奏したら、大喝采を受けたそうです。会場で聞いていた小説家の川端康成が、その感動の光景を小説「化粧と口笛」に記しています。その宮城道雄とルネ・シュメーの演奏を次にどうぞ。

<2 春の海(箏とヴァイオリンによる) 6分13秒>
宮城道雄 Michio Miyagi(Koto), Renée Chemet ルネ・シュメー(Vn) - "春の海 Haru no Umi" (1932)電気再生

春の海 バイオリン 宮城道雄

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2023年7月14日 (金)

メッツェナー氏のクラシック演奏 パッサカリアとイザイ

結局エドワード・メッツェナーさんのクレズマー・ヴァイオリンをフィーチャーした映像は見つけられず終いでした。何でクレズマーに目が向いたのかも謎のままです。クラシック演奏の方はかなりありますので、新倉瞳さんと夫婦でのヘンデル作曲ハルヴォルセン編曲のパッサカリアの一部と、イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ1番を上げておきます。このヴァイオリンとチェロ版のパッサカリアは前々から憧れの曲で、両パート練習していますが、人生の残り時間で果たして弾けるかどうかと思っている難曲です。全曲は10分余りあったと思いますので是非見たいものですが、アップされないでしょうか。イザイの無伴奏1番は、ヨーゼフ・シゲティに献呈された独奏曲で、この曲を暗譜出来る人の頭の中はどうなってるのだろうかと思う程の難解な難曲です。3本目はハイベ・バラガンで検索すると上位に上がっている動画ですが、大体この位の1,2分の映像がほとんどです。気に入ったらライブに足を運んでね、と言うことだと思います。それと番組でかけた音源はファーストアルバムのDer Nayer MantlからはYouTubeは見当たらず、2,3枚目がほとんどのようです。
ハイベ・バラガンは、ギタリストがイディッシュ語歌唱をよく聞かせているので、メッツェナーさんと二人は容貌からもユダヤ系ではと思いましたが。メッツェナーさんはフランス系スイス人とのことです。フランスのBudaから「フランスのユダヤ音楽の遺産」シリーズが出ているように、フランスでは戦後もドイツ程ユダヤ人人口が激減してないので、もしやと思いますが。

Edouard Mätzener and Hitomi Niikura @Rimini Bar

Edouard Maetzener - Ysaye Sonata No 1

Cheibe Balagan @ Schlauer Bauer Openair

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2023年7月12日 (水)

ハイベ・バラガン&新倉瞳

ハイベ・バラガンは2017年に来日、ジャパンツアーしていたのですね。地方にいると東京のライブ情報に疎くなりますし、ユダヤ音楽から久しく離れてもいたので、動画を調べるまで全く知りませんでした。シカラムータのお二人とセッションしている映像もありました。最近は95年頃のクレズマーの聴衆とは、かなり入れ替わっているでしょうか。
幾つか見た限りでは、ヴァイオリニストのメッツェナーさんは、コルンゴルドの難解なヴァイオリン協奏曲を弾く程の腕前なのに、クレズマーのライブでは、ヴァイオリンはむしろリズムセクション的な方に回って、歌って踊っている方が多い様にも見えました。このはっちゃけ具合は、どういうことでしょうか(笑) 最近作の幾つかの曲では、旋律は奥さんの新倉瞳さんのチェロに譲ってる感もあります。公式サイトに上がっているユーモラスな動画には、腹を抱えて笑ってしまいました(笑)が、やっぱりヴァイオリンのソロも見てみたいものですので、また探してみます。ユーモラスな動画は、また後日。
一本目は、2018年に出たセカンドアルバムのSumer in Odesから、Mayn Seideです。新倉さんのチェロが朗々と聞かせる旋律は、どこかハンガリーの時に聞いた作者不詳のチャールダーシュに似ています。2本目は日本ツアーのまとめ映像で、ここで流れている曲もMayn Seideです。

"Mein Seide" (My Grandfather)

Cheibe Balagan Japan Tour

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2022年10月12日 (水)

ジネット・ヌヴーのブラームス

ヌヴーのブラームスを初めてLPで聞いたのは、もう40年ほど前で、当時から極め付きの名盤と呼ばれていました。鬼気迫る演奏に驚きました。彼女は30歳の若さで飛行機事故で亡くなり、遺体の腕には愛器のストラディヴァリウスが抱きしめられていたそうです。ヌヴーの死から4年後の1953年には、ジャック・ティボーも飛行機事故で亡くなっています。彼の愛器もストラディヴァリウスでした。20世紀前半の大ヴァイオリニストが二人も続けて亡くなり、当時の聴衆は大きな衝撃を受けたことでしょう。今ではヌヴーは伝説の名ヴァイオリニストとして、様々なコンピレーションが登場し、ブラームスもヴァイオリン協奏曲だけでなく、ヴァイオリン・ソナタ3番などもあって、遅ればせながら愛聴しています。ショーソンの詩曲の音源は昔から知ってますが、こちらも最高です。今日の動画はイッセルシュテット指揮のブラームス / ヴァイオリン協奏曲全曲で、番組でかけた第3楽章は32分位からです。その後にヴァイオリン・ソナタ3番も入っています。
明日はウクライナのバンドゥーラ弾き語りの歌姫ナターシャ・グジーのコンサートに行くため、店をお休みし、ブログアップも出来ないかも知れません。夕方かと思っていたら、チケットをよく見たら昼間のコンサートでした。この機会を逃すと愛媛で聞く機会はないかも知れませんので、店を休むしかなく。m(__)m(以下放送原稿を再度)

ブラームスの代表作の一つ、45歳の年に作曲したヴァイオリン協奏曲でも、終楽章の3楽章でジプシー風の情熱的な音楽を書いています。クラシック作品のフィナーレとして取り入れたのは、おそらくハイドンかブラームスが最初だと思いますが、それ程に若い頃のハンガリー舞曲での心躍る思いが強かったのだろうと思います。飛行機事故のため1949年に30歳の若さで亡くなったジネット・ヌヴーのヴァイオリン、ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮北ドイツ放送交響楽団の、名演の誉れ高い録音でおかけします。

<ブラームス / ヴァイオリン協奏曲 3楽章 ジネット・ヌヴー他 8分6秒>
Brahms - Violin Concerto + Sonata n°3 / Presentation + New Mastering (Cent. rec. : Ginette Neveu)

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2022年10月 7日 (金)

77歳のイェネー・フバイの至芸

モンティのチャールダーシュがこれ程人気があるので、他のチャールダーシュも、もっと弾かれても良いのではと常々思いますが、ヴァイオリンの難易度から言えば、モンティが「2」とすれば、ツィゴイネルワイゼンは「10」、ブラームスのハンガリー舞曲の1番は編曲にもよりますが「5」、フバイのScenes de la Csardaのシリーズなどは「5」から「8」かそれ以上なのではと、多少の経験者としては推測します。それ位他のチャールダーシュは難しいです。ですので、ツィゴイネルワイゼンをモンティの曲程TVで見かけないのも納得です。モンティの曲はキャッチーで取り組みやすいです。
フバイのScenes de la Csardaは、今回取り上げた3,4,5,8,12番以外に9曲もありますが、ハンガリーのシリーズが更に長くなるので、来週は「エチェル村の結婚式」でも弾いていたラースロー・ベルキのビクターJVC盤「神技のジプシー・ヴァイオリン」を聞いて、ハンガリー・都会のジプシー音楽シリーズを締める予定です。その後は農村ジプシーの音楽、マジャールの民謡、バルトーク作品、現代のハンガリートラッドと進みます。
今日の動画は、1935年のイェネー・フバイ77歳の時のHungarian Fantasyの自作自演映像。これはもう素晴らしいという他ないです。弓の動き、左手のフィンガリングなど完璧の上にも完璧。全盛期はどんなだったのだろうかと思います。(コメントにSimply the Greatest!!! Father of all violinist!!! 76 years old...とありました。76の時かも知れません)

Hubay plays (VIDEO)-1935-

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2022年10月 6日 (木)

Scenes de la Csardaの8番 So They Say

Music & Artsの「Hubay, J.: Violin Music」では冒頭を飾っていますが、1896年に書かれたScenes de la Csardaの「8番」でYouTube検索すると、これまで見てきた5番、4番、3番と比べて、はるかに少ないことが分かりました。14曲の中ではマイナーかも知れませんが、特に後半のフリスカの速い部分は華やかで素晴らしいと思います。
この曲の副題は、英独仏入り混じって"So They Say" in A minor(Tavern Scenes; Csárda Scenes; Csárda-Scenen)("They Say They Don't Give Me"; "À ce qu'ils disent")、冒頭の旋律についてはThe opening melody is that of the Slovak national anthem Nad Tatrou sa blýskaと作品リストに記述がありました。スロヴァキア国歌とは大変興味深いです。ギリシア語起源で英語のTavernとハンガリー語のCsárdaは、全く同義の「酒場、居酒屋」と取っていいようです。2本目には、副題がIt is Sadとあります。これも気になります。
1本目が番組でかけたCharles Castlemanの音源、2本目は当初かけようとしていて外れていたFerenc Szecsődi & Istvan Kassai(フェレンツ・セチョディ Vn、イシュトヴァン・カシャイ Pf)コンビによるイェネー・フバイのヴァイオリン音楽シリーズの1枚です。ハンガリーのフンガロトンから出ています。
素晴らしい演奏を聞かせるCharles Castlemanについて気になっていたので、プロフィールから誰に師事していたかの部分だけ以下に転載します。6歳でアーサー・フィードラーと共演! 日本ではほとんど知られてない素晴らしい演奏家が、アメリカには沢山いるなと今回も思いました。

Charles Castleman (チャールズ・キャッスルマン)。アメリカの男性ヴァイオリニスト。1941年5月22日生まれ。
マサチューセッツ州クインシーに生まれ、4歳のときにオンドリチェクにヴァイオリンを習い始めた。6歳のとき、アーサー・フィードラーとボストン・ポップス・オーケストラのソリストとしてデビュー。9歳のとき、ボストンのジョーダン・ホールとニューヨークのタウン・ホールでソロ・リサイタル・デビュー。1950年から51年のアーロン・リッチモンドのセレブリティ・シリーズで、ミッシャ・エルマン、ヤッシャ・ハイフェッツ、アイザック・スターンと共演した。1959年から63年年にフィラデルフィアのカーティス音楽院でガラミアンに師事し、またギンゴールド、セーリング、オイストラフからも指導を受けた。

<Charles Castleman, Mendi Rohan & Eastman Chamber Orchestra / Scenes de la Csarda No. 8, Op. 60, "Azt mondjak" (So they say) [arr. for violin and orchestra] 9分59秒>

It is Sad (Scenes de la Csárda No. 8, Op.60)

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2022年10月 5日 (水)

ヘイレ・カティ

4番のヘイレ・カティは、Carl Fleschのヒストリカル録音で初めて聞いたように思います。ラッサンの優美な旋律が耳に残っていました。アマゾンで楽譜が容易に見つかったので、もしかしたらScenes de la Csarda(酒場の情景)の中で、5番の「バラトン湖の波の上で」を抜いて一番有名なのかも知れません。Markiyan Melnychenkoの動画を一本目に、カール・フレッシュを二本目、三本目は放送でかけた音源です。余談ですが、カール・フレッシュ(1873-1944)はジネット・ヌヴー、ヨーゼフ・ハシッド、イダ・ヘンデル、ヘンリク・シェリング、イヴリー・ギトリス、シモン・ゴールドベルク、ティボール・ヴァルガなど錚々たる名手達を教えた名教師で名ヴァイオリニスト。ヴァイオリンを弾く人で知らぬ人はいない大御所です。(以下放送原稿を再度)

一番有名な5番の「バラトン湖の波の上で」は、前回フバイ自身の演奏でかけましたので、それ以外の13曲からですが、いずれも5~7分前後以上と結構長くて、この後1曲しかかけられません。2枚目に2番が入っていますが、この曲の冒頭は明らかにツィゴイネルワイゼン中間部の「ジプシーの月」あるいはCsak egy szép lány van a világonの旋律です。後半は一転して非常に難度の高そうな展開になります。
ハンガリーの国民的英雄になっている独立運動の指導者コッシュートをテーマにした7番も気になりますが、楽譜も出版されていて、おそらく「バラトン湖の波の上で」と並んで最もポピュラーな一曲と思われる、明るく朗らかな4番のヘイレ・カティを聞きながら今回はお別れです。

Jeno Hubay - Hejre Kati (Czardas)

Scenes de la Csarda, No. 4, Op. 32, "Hejre Kati" (Hey, Katie)

<Charles Castleman, Mendi Rohan & Eastman Chamber Orchestra / Scenes de la Csarda No. 4, Op. 32, "Hejre Kati" (Hey Katie) 5分58秒>

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2022年10月 3日 (月)

Scenes de la Csarda シゲティの3番

ゼアミdeワールド329回目の放送、日曜夜10時にありました。5日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。シゲティの3番が大変素晴らしいので、今日はこの映像のみ上げておきます。これを見て、バッハの無伴奏ヴァイオリンやバルトークとのベートーヴェンのクロイツェルソナタの謹厳実直なイメージが崩壊しました。もっとシゲティを聞かねばと思いました。2本目が番組でかけたピアノ伴奏版です。

ハンガリー音楽の10回目になります。前回19~20世紀初頭のハンガリーのクラシック音楽のヴァイオリニストのイェネー・フバイの音楽を取り上げまして、ジプシー楽団もよく演奏している「バラトン湖の波の上で」が5曲目に入っている「Scenes de la Csarda(酒場の情景)」から、自作自演の歴史的録音を2曲かけましたが、その後「Hubay, J.: Violin Music」と言うMusic & Artsの2枚組音源がストリーミングに見つかりまして、とても面白い曲が多かったので、今回はこちらからご紹介したいと思います。2005年にリリースされているようですが、CDは現在入手困難なようです。

フランス語のScenes de la Csardaと言うタイトルですが、しばしば『チャールダーシュの情景』と訳されているのを見かけますが、チャールダーシュの最後のsがなく、チャールダ本来の意味は「酒場」あるいは「居酒屋」ですので、「酒場の情景」と取る方が自然だと思います。もちろん音楽的には、ゆったりしたラッサンと急速なフリスカから成る、チャールダーシュ的な作品と見て良いと思います。

フバイは門下生にヨーゼフ・シゲティ、ヨハンナ・マルツィ、後に指揮者になったユージン・オーマンディなど、20世紀の偉大なヴァイオリニストが並び、クラシックの近代ヴァイオリン奏法の開祖ともいえる存在ですが、ルーツはハンガリーのジプシー音楽だったということを証明している曲集だと思います。

14曲目まではあることが、この音源から分かりますが、まずは最初に入っている8曲目をおかけします。冒頭を飾るにふさわしく、とても華やかな曲です。

<Charles Castleman, Mendi Rohan & Eastman Chamber Orchestra / Scenes de la Csarda No. 8, Op. 60, "Azt mondjak" (So they say) [arr. for violin and orchestra] 9分59秒>

3番ではサラサーテのツィゴイネルワイゼンで聞ける奏法やフレーズ、そして中間部にそっくりの旋律も出て来ます。ツィゴイネルワイゼンが1878年、Scène de la csárda No. 3が1882-3年の作曲と言うことですので、フバイはサラサーテの曲を聞いていたのかも知れませんし、フバイのこの曲集は1879年に1番が書かれていますので、最初から影響があったのかも知れません。最後の14番が書かれたのは1920年ですから、何と21歳から62歳まで41年間の長きにわたって書き続けられたことになります。喩えて言えばツィゴイネルワイゼンが14曲あるようなもので、いずれも技術的に高度なため、余り知られてなかったのではと思います。3番は他の曲と同じくオーケストラ伴奏でCharles Castlemanの演奏もありますが、2枚目にフバイの弟子のヨゼフ・シゲティの演奏が入っていますので、こちらでおかけします。

Joseph Szigeti - HUBAY Czardas No. 3

<ヨゼフ・シゲティ & アンドール・フォルデス / Scenes de la Csarda No. 3, Op. 18, "Maros vize folyik csendesen" (Maros is flowing peacefully) 6分48秒>
Scenes de la Csarda, No. 3, Op. 18, "Maros vize"

一番有名な5番の「バラトン湖の波の上で」は、前回フバイ自身の演奏でかけましたので、それ以外の13曲からですが、いずれも5~7分前後以上と結構長くて、この後1曲しかかけられません。2枚目に2番が入っていますが、この曲の冒頭は明らかにツィゴイネルワイゼン中間部の「ジプシーの月」あるいはCsak egy szép lány van a világonの旋律です。後半は一転して非常に難度の高そうな展開になります。
ハンガリーの国民的英雄になっている独立運動の指導者コッシュートをテーマにした7番も気になりますが、楽譜も出版されていて、おそらく「バラトン湖の波の上で」と並んで最もポピュラーな一曲と思われる、明るく朗らかな4番のヘイレ・カティを聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Charles Castleman, Mendi Rohan & Eastman Chamber Orchestra / Scenes de la Csarda No. 4, Op. 32, "Hejre Kati" (Hey Katie) 5分58秒>

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2022年9月30日 (金)

Scenes de la Csarda(酒場の情景)の5番「バラトン湖の波の上で」と12番

フバイのScenes de la Csarda(酒場の情景)ですが、来週の放送では8,3,4番を取り上げましたが、今週は5番「バラトン湖の波の上で」と12番でしたから、この2曲の他の映像を当たってみました。シャーンドル・デキ・ラカトシュの映像は、1968年と出ているものもありましたが、80年代位でしょうか、こちらのカラーの方を上げておきました。ビハリ・ヤーノシュ直系の子孫と言われるロビー・ラカトシュとの関係は不明ですが、ロビーの叔父のシャーンドル・ラカトシュと並んで、80年代から音源を多く見かけたように思います。先日のジェルジ・ラカトシュについては不明のままですが、現在62歳位のジプシー・ヴァイオリニストがいるので、おそらくは同一人物で、もしかしたらロビー・ラカトシュの兄か親戚に当たるのでしょうか? フンガロトンのGyörgy Lakatos and His Gipsy Band / Souvenir from the Hortobágyを扱ったのは、90年代だったと思います。ハンガリー東部の国立公園で世界遺産にもなった牧草地ホルトバージで覚えていました。
クラシック演奏では、ヨーゼフ・シゲティの5番の音源もありますが、3番で素晴らしい生演奏も入れる予定ですので、5番の方は気になるヴァイオリニストMischa Weisbord (1907-1991) Jewish-Russian violinistの音源で入れておきます。12番"Pici tubiczam" (My Little Pigeon 「私の小鳩」)の方は、今週の番組でかけたイェネー・フバイの自作自演の音源です。おそらく晩年の録音だと思いますが、全くそう思えない素晴らしい演奏です。

Hubay: Scenes de la Csarda No.5 Hullámzó Balaton

Mischa Weisbord : Scènes de la Csárda, "Hullámzó Balaton"

Scenes de la Csarda No. 12, Op. 83, "Pici tubiczam" (My Little Pigeon)

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2022年9月28日 (水)

「バラトン湖の波の上で」の装飾技巧

フバイの「バラトン湖の波の上で」の映像を見ていて、クラシック演奏以外で特に感銘を受けたのは今日の1本目です。こう言うジプシー風な装飾技巧こそ命だと思います。映像に出てくるジプシー・フィドラーのヴァイオリン譜は、私も持っていますが、「バラトン湖の波の上で」も旋律そのものが書かれているだけです。それをそのまま弾いても、哀愁味溢れる美しい旋律があるだけですが、そこへポルタメント(音程のすり上げ、すり下げ)や細かい装飾音が付いてこそ、この曲は生きて来ると思います。
この旋律はフバイの書いたオリジナルのメロディか、他のチャールダーシュやハンガリー舞曲と同様に、ジプシーの原曲があるのかが、気になるところです。ブラームスと違ってフバイの場合は、おそらくハンガリー語で当たらない限り資料が見当たらないのではと思います。Scenes de la Csarda(酒場の情景)は、この曲を含め14曲もありますし。329回目の放送でも言っていますが、しばしば『チャールダーシュの情景』と訳されているのを見かけますが、チャールダーシュの最後のsがなく、チャールダ本来の意味は「酒場」あるいは「居酒屋」ですので、「酒場の情景」と取る方が自然だと思います。
ハンガリー西部に位置するバラトン湖ですが、「ハンガリーの海」とも呼ばれる大きな湖で、面積は595 km2ですから琵琶湖(670.4 km²)よりは少し小さいことが今回調べて分かりました。2本目にこの美しい湖の観光映像を入れておきます。

On the wawes of lake Balaton

Day trip to Lake Balaton Hungary in 4K!

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