スーダン

2009年10月 2日 (金)

女性歌手ハナーンとアーフィア

今日で一応スーダン・シリーズを終えようと思いますが、最後にまた女性歌手の映像を見てみます。二人目のアーフィア・ハッサンでスーダンに入りましたが、今日は未紹介の2本を。やはり素晴らしい節回しと美声の持ち主ですねぇ。一方一本目の歌手は、無理やりカタカナにするとハナーン・アルサゲーラとなりましょうか。アーフィアよりもっと黒人比率の高そうな人ですが、この人もアラブの血は多少入っているのかも。客席を見ていると、色々な割合でアラブと黒人が混血しているんだなと痛感させられます。彼女の歌は、やはり日本の民謡に似た音階ですが、拍子はこの辺に多い3拍子系(または8分の6拍子)が目立つところが日本民謡とは全く異なります。打楽器のリズムやウードとヴァイオリンの使用など、アラブ音楽の影響も色濃く感じさせる何とも不思議で魅力的な歌謡(民謡?)です。
結局ヌビア・ポップスとスーダン・ポップスの差はよく分からずじまいですが、もしかしたら言葉の違いだけに近いのでしょうか。前者はヌビア語(セム・ハム系ではなく黒人のグループのナイル・サハラ系との説があります)、後者はアラビア語になるのでしょう。アーフィアの歌は、おそらくアラビア語だと思います。ハナーンの歌がどちらになるのか、また別なナイル・サハラの言葉か、興味深い所です。(今の時点ではアラビア語には聞こえませんが) またいつか解明できたらと思います。

Hanan alsa`3era

Ana Lai Zaman Banadi - 3afia 7asan

Afia - Ya Nojoom El-leel

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2009年10月 1日 (木)

再度ヌバへ

東アフリカに伝承される竪琴から聖書の音楽に飛躍しましたが、ここでまたスーダンのヌバに戻ってみます。何本か興味深い映像が残っていましたので。一本目では、ヌバの人々は「裸の野蛮人」ではなく、古代エジプトやヌビアの美術や踊りなど、「古代オリエント」の文化に繋がる部分があることを指摘しています。現代人の目から見ると、彼らは確かにプリミティヴな姿に映り勝ちですが、ヌバの裸のレスリングが古代ギリシアに遡るのではという説など、彼らの文化のあらゆる所に古代オリエントの痕跡が見え隠れしているのかも知れません。
しかし、リーフェンシュタールがスーダンに入った頃とは、少なくとも見た目には大分変ってきているようです。かなり洋風な装いやポップミュージックも見られるようになってきているように思いました。レマ・レマのジャケットにもなったあの筋骨逞しいレスラーが、もしいなくなってしまうのだとしたら、寂しいことですね。

The Nuba People

The Nuba people not to be confused with the Nubians. The Nuba people are a group of Africans who inhabit the Nuba Mountains, in Kordofan province, Sudan, Africa. Currently, the Nuba people are being depicted by white supremacists on YouTube as "naked savages" who bath in "cow urine". That is such a false and misleading depictions of the Nuba people; in fact, little people know that the Nuba people are culturally connected with the ancient civilizations along the Nile valley.Many of their culture can be trace to ancient nubia and ancient egypt. This video will clear up some of the misconceptions about the Nuba people. Narrated by Basil Davidson he gives evidences that linked the Nuba with the ancient civilizations along the Nile River.

Culturas Perdidas (Cultures Lost) Los Nubas de Niyaro

Images and video from the formal Village of Niyaro, Sudan
El viaje de el familia Valls/Cores en la Sudan Años 1976 -1979

Leni Riefenstahl (The mother of modern film.) Pt.1

レニ・リーフェンシュタールの1965年のインタビュー映像。強烈なパーソナリティーがこうした映像からも伝わってきます。

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2009年9月25日 (金)

ダヴィデの竪琴系 スーダン編

スーダンのみならず東アフリカ一帯に広く見られる竪琴は、前に書いたように旧約聖書に出てくる「ダヴィデの竪琴」の流れを引いていると言われています。昨日出てきたようにヌバ族にも同種の弦楽器がありました。名前はラバーバのようでしたが、一般に多く使われているのは「リラ」という名称が多いように思います。タンザニア辺りのリトゥング(確かこういう名でした)なども同種の楽器で、サバンナらしい音色を発する素晴らしい楽器でした。共通するのは涼しげな音色を持っていることで、その点で西アフリカのコラと似ています。
と言うわけで、今日はスーダンのリラ系楽器を見てみます。

Sideeg Ahmed - Ana Ba3shigak - Tanboor

イスラム服を着ていることからも、中部以北の音楽家(ヌビア人?)では。この辺は十分に仏Institut du monde arabeの音源などにも出てきそうです。一方、手拍子のポリ・リズムとペンタトニックはいかにもアフリカ的。

Tanbour From Southern Sudan

南スーダンの演奏家。ヌバ族かどうか、また楽器名も不明。やはり日本人にもどこか懐かしげに聞こえる5音音階。

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2009年9月24日 (木)

ヌバの昔と今

ヌバ族の住む中部スーダンのヌバ山地と、紛争の中心地スーダン西部のダルフールは、何百キロか離れているようですが、何の罪もないヌバもしっかり紛争に巻き込まれていたようです。今日の1、2本目など見ると痛々しい限りですが、現在は少しは平穏を取り戻しているのでは(3本目は最近の映像でしょう)。
ナショナル・ジオグラフィックのページに以下のような興味深い記述がありました。(~ヌバ族が古代ヌビア人レスラーの子孫だとみている。~古代ギリシャのレスリングとヌバ族のレスリングは類似している~云々)
そもそもヌビアとヌバは関係があるのでしょうか? ヌビア語というのはセム・ハム系だと長らく思っていましたが、どうやらナイル・サハラ語族に入るようです。それにヌバ(アラブ・アンダルシア音楽)との関係も気になります。Nuba Moroとビデオにあるのを見て、同音異義語と思っていたものが俄かに怪しく思えてきました(笑) 「スーダン」というのは本来サハラ南縁のサヘル一帯を指す言葉で、現在のスーダンは東スーダンであることもありますから、サハラの西と東は意外に繋がっていて、どんでん返しのような事実が隠されているのかも知れません。
3,4本目は混乱に陥った祖国を離れアメリカに移民したと思しきヌバ族の青年による伝統楽器の演奏。クリスチャンになっているようなので、歌詞の内容はキリスト教的なものかも知れません。例の竪琴系の楽器なのに、名前がアラブ世界の擦弦に多いラバーバとなっているのも興味深いところ。

以下は例の86年出た新潮文庫の「ヌバ―遠い星の人びと」のアマゾンでの紹介文の引用。大分値段がつりあがっていますが、手に入らないことはないようです。この本は、拙宅の書棚のどこかに眠っているはず(笑)
内容(「BOOK」データベースより)
スーダン中部で、文明から隔絶された昔ながらの暮らしをいまもつづける、“ヌバ”と呼ばれる人びと。白人女性として初めて彼らのもとを訪れた世界的映像作家レニ・リーフェンシュタールは、その魅力の虜となり、ヌバたちと寝起きをともにした。文明の波に押し流され、滅び去ろうとするヌバの文化と日常のすべてを限りない愛情をもって記録した、感動のフォト・ルポルタージュ。

Nuba Suffering - Sudan

The Nuba of Central Sudan. Oxford Interactive Media

Nuba Moro Music and Dancing

Nuba Moro traditional songs with the African Harp and Tamborine

Yohanna and Yaunis Nuba Music 1

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2009年9月23日 (水)

ヌバ

さて、いよいよアラブ、ヌビアから離れて、スーダンのヌバ族(おそらく例のナイル・サハラ語族に入るのでは)の映像を見てみたいと思います。この部族が有名になったのは、前に書いたようにレニ・リーフェンシュタールの写真によるのでは、と思います。「民族の祭典」などの記録映画を撮った、元祖「女性映画監督」ですが、ナチス協力者の烙印が消えず戦後は不遇でした。
そんな彼女が1960年代に出会ったのが、スーダンの一部族、ヌバの人々でした。彼女のカメラが捉えた大地に躍動するヌバの人々の美しさに感嘆した人は多かったはず。80年代には4ADのレマ・レマのジャケットにヌバのレスラーの写真が使われ、私はそれで知った次第(笑)
youtubeも何本か出てきましたので、まずはリーフェンシュタールの写真(80年代に文庫でも出ていました)を思い出させる音楽と踊りの映像から。

Nuba Harvest Celebration

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2009年9月22日 (火)

エジプト現代美術/タール/フレットレスギター

いつもIEとモジラを併用してブログ・アップしていましたが、今日は新しくインストールしたグーグル・クローム(Google Chrome)からアップしてみます。Sleipnirに似た感じの、軽くて使いやすいブラウザという印象で、私的にはお薦めです。
ハムザ・エル・ディン・シリーズは、今日で一応終わりにしようと思いますが、他の特徴的な映像を3本ほど上げておきます。

Museum of Modern Art Egypt & Hamza El-Din

アラブ音楽らしい中立音程が気持ちよく響くハムザの歌をバックに、エジプトの現代美術が紹介されています。イスラームでは偶像崇拝禁止なので、本来はこういう人間を象った絵や彫刻はご法度のはずですが、現代は大分そういうタブーがゆるくなってきているのか、それとも少数民族のコプト教徒(こちらが先住民)の作品なのか、どちらかになるのでしょうか? それにしても、面白い作品が多いです。

Hamza El Din - Hamayala

こちらは枠太鼓、タールの演奏。彼のタール演奏はほとんど初登場です。20年ほど前の来日でクロノスSQのバックで叩いていたのもこんなリズムだったような気がします。エジプトにもある楽器ですが、歌共々ストレートにヌビアも感じさせるように思います。

Ancient Egyptian Arabic Improvisation on Fretless Guitar

このビデオの出品者の演奏だと思いますが、フレットレス・ギターによる即興?  ハムザの音楽にインスパイアされて弾いているようです。

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2009年9月21日 (月)

ミスル×ヌビア

ハムザ・エル・ディンのクリップは意外に少なめですが、彼の音楽性を一通り色々聞けるようには思います。もう少し生映像とヌビア的な曲があれば良かったと思いましたが。今日はエジプト(「エジプト」の名はギリシア語起源で、アラビア語では「ミスル」)対ヌビアで、それぞれの曲がどちらに傾いているか、またブレンド具合などを、独断に基づき判定してみました(笑)

Hamza El Din Sunset

ウードを持って海辺を歩く写真の映像が何点かあります。いずれも比較的音も良いです。「日没」と題するこの曲は、典型的エジプトのアラブ音楽ですね。

Hamza El Din A Wish

ダイゴを思い出してしまうタイトルですが(笑)、これはヌビア20%、残りはアラブといった所でしょうか。

Hamza El Din Greetings

これはもう少しヌビア性が感じられます。乾いた歌声はB.フォンテーヌの相方のアレスキーを少し思い出してしまいました。

Hamza El Din Griffin 2

これはほとんどアラブで、しかもチュニジア音楽にも似て聞こえます。アラブ歌謡の編曲ものでしょうか?

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2009年9月20日 (日)

ハムザのヌビアン・ナンバー

ハムザ・エル・ディンのヌビア的な音楽、早速見つかりました。昨日のようなアラブ的な演奏に対して、音頭とか日本の民謡に似た雰囲気を持った曲だと思いますが(特に1本目)、いかがでしょうか。

Hamza El Din - La Salam

Hamza el Din - Ollin Arageed

これは魅力的な曲ですが、アラブでもヌビアでもなく、トゥアレグのようなノマド的な印象を覚えます。メロディは少しアンダルス的にも聞こえます。From the album Eclipse (1978).

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2009年9月19日 (土)

ハムザ・エル・ディン

さて、いよいよスーダンのヌビア出身の大御所の音楽に行ってみたいと思います。ハムザ・エル・ディンほど民族音楽のアーティストとして日本で親しまれた人は少ないでしょう。北インドのラヴィ・シャンカル、イラクのムニール・バシール、トルコのクドゥシ・エルグネルなどと並ぶ程の影響力を持った大きな存在だと思います。私は80年代の終わり位だったか、クロノスSQと一緒に来日した際のステージを見ました。弦楽四重奏のバックでタール(フレームドラムの方)を叩いていた姿が、今でも鮮明に記憶に残っています。
昨日のスーフィーの歌は、青ナイルで検索して出てきた映像でした。ヌビア人はナイル川沿いに住んでいるようですから、服装などから見てヌビア人だったのかも知れません。ペンタトニックの音階もそう思わせるものでした。しかし、一応ヌビア人の居住エリアは、南エジプト~スーダン北部~首都ハルツーム位までということなので、少し南に下っています。
スーフィーの歌もそうですが、これまで見てきたようなヌビアの音楽には、音頭風あるいは日本の東北辺りの民謡に酷似した面が確かにありました。では、同じヌビア人ですからハムザ・エル・ディンの音楽にも、そういった面が見出されるはずですが、意外にこれがなかなか見つかりません(笑) やはりアラブ古典音楽の演奏家ですから、民謡的なレパートリーは弾かないのかも知れません。彼の音楽には、エジプト系の古典演奏から、更にはアンダルス系のレパートリー(ムワッシャハ)も多く見られるようです。今日はそう言ったオーソドックスなアラブ音楽系をアップしておきます。彼のヌビア的(音頭風)な演奏が見つかったら、また後日アップする予定です。

Hamza El Din - Mwasha

このムワッシャハは、あの有名なラマ・バダ・ヤタサナです。この曲については、これまでに度々取り上げてきましたが、我々が初めて聞いたのは、彼の演奏だったのかも知れません。ビクターJVCのシリーズでは表記がムワシャー(VICG-60327)となっていました。

Hamza el-Din- Taqsim Oud

彼のウードのタクシーム(即興演奏)。いかにもエジプト的な演奏に聞こえます。The late Hamza el-din was a Nubian-Egyptian musician who had performed with the likes of The Grateful Dead and Bob Dylan. He is considered to be the father of contemporary Nubian music. This clip shows him playing a taqsim on one of THE most BEAUTIFUL Nahhat ouds I've seen. You can see pictures of it on his website www.hamzaeldin.com.

Hamza el Din - Ud

これは若い頃の映像でしょうか。弾き語りになると、ヌビアらしさが少し見え隠れしているように思います。

madeeh 8

復習として、昨日のジクルのシリーズの一本を上げておきます。服装はハムザとそっくりですが、歌ってる音階はまるで違います。日本でも古典的な江戸浄瑠璃は都節が多く、民謡は田舎節と、はっきり分かれますから、それと似たような現象かも。

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2009年9月18日 (金)

追分似のジクル

昨日は特徴的なリズム面についてでしたので、今日はメロディの方を。アクセスが少なく、星も付いてない映像ですが、実に素晴らしいです。スーダンのスーフィーのジクル(イスラーム版の勤行のような儀礼歌)になるようですが、節回しが日本の民謡、特に追分に似ているように思います(madeeh 15の方が特に)。いかにアフリカにペンタトニックが多いとは言っても、これほど似てるのは他にはモンゴルのオルティンドー位しか知りません。途中から出てくるダフ?(フレーム・ドラム)のアンサンブルも面白いし、音がクリアで良いです。madeehというシリーズの続き物ですので、ご興味のある方は是非他のクリップも見てみて下さい。

madeeh 15

madeeh 11

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