古楽

2016年1月20日 (水)

カタリ派の音楽

昨日のリンクからはConsolamentという曲をアンサンブル名にしたグループや、カタリ派の聖歌、更にはカタリ派やボゴミル派のルーツに当るペルシア起源のマニ教などのグノーシス主義との関係にも触れているのではと思われるドキュメンタリーなど、夥しい数の映像が見つかり、正直びっくりしました。13世紀のローマ教皇の呼びかけによるアルビジョア十字軍の弾圧により壊滅したと言われるカタリ派ですが、細々と現代に引き継がれていたということでしょうか。あるいは、一種の復興運動でしょうか。

The Best Music of Cathars songs - Consolament Ens.

Hymn of the Cathars - Le Bouvier (432hz)

Gnosis - Gnostics Cathars, the True Christians | Documentary

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2016年1月19日 (火)

カタリ派の悲劇

オクシタンと言えば、実は最も気になるのは、中世の異端カタリ派の文化が、どんなところに残っているのか、あるいは影響を与えているのかという点なのですが、昨日は余りの寒さにブログは書けずでした。カタリ派はフランス語でcatharesと綴りますから、試しにmusiqueと合わせて検索してみると結構色々と出てきました。ヴィオラ・ダ・ガンバの名手として知られるスペイン古楽界の大御所ジョルディ・サヴァールの、La tragédie Cathare(カタリ派の悲劇)と題する演奏がまず目に留まりました。アルバムの収録曲が興味深く、ブルガリアのタクシームから始まり、アルメニアのドゥドゥクが見えたり、ユダヤ神秘主義のカバラが出てきたり、東方の様々な音楽を経巡っているように見えます。これはやはりカタリ派が、グノーシス派の流れを汲むブルガリアのボゴミル派の影響を強く受けていることを踏まえてのことなのでしょう。Consolamentという曲は、Cathar prayer(カタリ派の祈り)と題する、正にピンポイントの一曲。

Le Royaume Oublié - La tragédie Cathare - Jordi Savall - CD 1.

1. Musique Bulgare - Taksim & Dance 0:00
2. Veri dulcis in tempore - Anonymous, Codex of 1010 5:09
3. Plainte Instrumentale I (Drums & Duduk) 9:07
4. Les Trois Principes, alef, mem, shin (Cabbalistic text from the Book of Creation) 10:23
5. Reis glorios Instrumental (Drums, Bells, Medieval harp) 17:18
6. Paire sant - Text recited in Occitan 18:30
7. En to stavro pares tosa -Anonymous Byzantine chant 18:54
8. Fanfare de Croisade (Instr.) 22:05
9. Taksim & Andalusi Dance Mawachah Chamoulo - Anonymous 24:16
10. Instrumental lament II (Duduk & Kaval) 29:04
11. Pos de chantar, Cançon- Guilhem de Peitieu 30:53
12. A chantar m'er de so - Countess (Beatritz) of Dia 36:56
13. Letter from Eberwin of Steinfeld to Bernard of Clairvaux - Recited text 43:51
14. Mentem meam ledit dolor - Anonymous 46:09
15. Ave generosa (Inst.) - Hildegarde von Bingen 53:09
16. Consolament (Cathar prayer) - Recited and sung text 57:00
17. Funeral march (Drums) 57:50
18. Heu miser (Instr.) 58:47
19. A per pauc de chantar - Peire Vidal 59:09
20. Innocent III is Pope (1198-1216). Bells / "Publicains" are burned at Troyes. Drums 1:03:22
21. Chant de la Sybille Occitaine "Ell jorn del judizi" - Anonymous 1:04:24

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2015年11月30日 (月)

パヴァーヌとガイヤルド

アルマンドに似た舞曲として、パヴァーヌの名前が上がっていました。パヴァーヌと言えば、ルネサンスの舞曲よりも、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」や、フォーレのパヴァーヌの方が広く知られているでしょうか。アルマンドについては、「16世紀のフランスでは、地面に足をつけた中庸の遅さ、の2拍子のダンスで、組になった男女が列を作って進みながら踊るダンスであった。パヴァーヌに似ているが、それよりは若干速いとされる。」とウィキペディアにあります。パヴァーヌは16世紀のヨーロッパに普及した行列舞踏で、宮廷舞踏としてはアルマンドに追い落とされた後も、フォーレやラヴェルの時代を越えて、現代までもその影響は生き続けているようです。16世紀イングランドの女王エリザベス1世は、ガイヤルドと並んでパヴァーヌを偏愛したそうで、荘重なパヴァーヌと急速な3拍子の跳ね踊りのガイヤルドはしばしば組み合わせて演じられたとのこと。その組み合わせのyoutubeもありました。

Pavane - Galliard

Ravel "Pavane pour une infante défunte" 1922 piano roll

モーリス・ラヴェル自身のピアノ演奏のピアノ・ロール録音。甘美な旋律は余りに有名です。

Faure Pavane Op 50 - Die 12 Cellisten der Berliner Philharmonker

ベルリン・フィルの12人のチェロ奏者による、フォーレのパヴァーヌ。フォーレらしい絶美の名旋律。確か時代劇「御家人斬九郎」に使われていました。

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2015年2月20日 (金)

ヴィオラ・ポンポーサ

ヴァルティナの色々な歌を聞いていると、ヴォルガ中流域のフィン・ウゴル系民族の歌と並べてみたくなる曲もありましたが、捜索に時間がかかりそうなので、今日はその前のトピックだったヴィオラ・ポンポーサという楽器についてです。youtubeには、アルペジーナという名で知られる不思議な形の弦楽器が、ヴィオラ・ポンポーサとして出てきます。J.S.バッハから現代音楽、トルコの古典演奏まで、色々な映像がありました。最後に、巨匠シギスヴァルト・クイケンによるヴィオロンチェロ・ダ・スパッラでの無伴奏1番のプレリュード。J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲は、第6組曲などでの演奏困難さから、現在のチェロではなく、このどちらかの楽器のために書かれたという説が有力になっています。

Bach Suite 1 Prelude - Rudolf Haken, 5-string viola

Balkan Tuysuz playing Rivinus viola pomposa

Sigiswald Kuijken - Suite nr 1 BWV 1007 prelude

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2015年2月 9日 (月)

ニッケルハルパとスコットランド・ハープのジーグ

J.S.バッハなどバロック期の作曲家の組曲によく出てくる舞曲の一つに、ジーグ(あるいはジグ)があります。大体フィナーレを飾るこのダンス曲は、8分の6拍子または8分の9拍子の舞曲で、イギリスやアイルランドの民俗的な踊りと言われています。実際アイリッシュのトラッドで頻繁にジーグの名を目にしますが、今日の一本目でスコットランドのハープとスウェーデンのニッケルハルパで演奏している曲も上記のリズムに入るように聞こえます。スコットランドも同じくケルトの地。アイルランドやウェールズと兄弟と言って良い様な、スコットランドのケルト音楽と、ニッケルハルパが何とぴったり合っていることでしょうか。
J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲第4番の終曲のジーグを、ニッケルハルパで演奏している映像がありましたので、二本目に上げておきます。チェロだと、それなりに難しい曲ですが、いとも簡単に演奏しています。(鍵盤なので音程の外れはないのでしょう)

3. Olov Johansson & Catriona McKay, Nyckelharpa & Scottish harp, 'Harppolska' composed by Olov Johansson

Bach on Nyckelharpa, Gigue

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2012年12月10日 (月)

牛を見張れの主題と変奏

一人有名なビウエラ曲の作曲家を忘れていました。それはルイス・デ・ナルバエスですが、特に「牛を見張れの主題と変奏」はプホールによってギターにも編曲されて有名です。例のナルシソ・イエペスのLPにも入っていました。スペイン・ルネサンス音楽らしく古雅でありながら、スペインの赤茶けた大地と乾いた空気感がイメージされるような曲です。ビウエラ、リュート、ギター、それぞれの独奏でどうぞ。
スペインと中南米の古今の音楽を行きつ戻りつ、と言っても少々飛躍しすぎかも知れませんが、共通する「スペインらしさ」のようなものが見えてくると良いなと思っています。

Diferencias sobre "Guardame las Vacas" de Luys de Narvaez-Jean-Jacques

Luys de Narvaez - Guardame las Vacas - Lute

牛を見張れによる変奏曲 ナルバエス Narvaez 石田 忠 Tadashi Ishida

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2012年12月 6日 (木)

マリアッチと古楽のビウエラ

今日はマリアッチと古楽のビウエラの聞き比べ、見比べということで。 ここまで書いて寒さの余りフリーズしていました(笑) 只今の気温は3度。今からこれでは、真冬は一体どうなるのでしょうか?
古雅なスペイン古楽と、相当にハイ・テクニックに見えるマリアッチの掻き鳴らしの、間を繋ぐ奏法はないかと思って探していますが、あるとすれば、バロック以降のビウエラを用いた曲になるのではと思っています。しかし、ムダーラやディエゴ・オルティスなども良いですが、スペイン・ルネサンス音楽の華、ルイス・ミランの曲は特に美しいです。

Solo de guitarron y vihuela de el cascabel

Cascabel Vihuela Solo MOT

Fantasias I a la VI de Luis Milan

Luys Milán - Fantasia XI - Vihuela

Conde Claros, Alonso Mudarra (1546) vihuela

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2012年10月 2日 (火)

ペルーのパサカージェ アラウホのティエント

このブログは当初から中東~東欧・ロシア中心で来ましたが、ひょんなことからスペイン語圏に入って早数ヶ月、まだまだ続きそうなので、カテゴリーを増やしてなかったことを少し後悔しています(笑)
パサカージェのルーツについて探っていましたが、色々なカーニバルの映像が1万件を超えて出てきて、少々途方にくれているような状態です。先日のペルー東部アマゾン上流のパサカージェも、ブラジルのカーニバルとの比較で、かなり興味深かったです。パサカーイェという風に発音されることが多そうなこのジャンル、当地では非常にポピュラーな伝統なのでしょう。ウィキペディアではスペイン語版にのみ、古楽のパッサカリアについてだけでなく、ペルーにおいてuna danza que proviene de las celebraciones popularesであると、記述がありました。
いくつか面白そうなカルナヴァル映像と、先日ちょっと名前が出てきたフランシスコ・コレア・デ・アラウホのオルガン曲を一緒に上げておきます。彼の作品にパサカージェはなさそうですが、ティエントという特徴的な楽曲を数十曲残していて、これがまたスペイン古楽の粋のような鄙びた趣きで、実に素晴らしいです。
月曜はまた早めの爆睡から目が覚めず、アップできませんでした。m(_ _)m 更にはHPに書いております通り、明日3日から7日か8日までブログの方もお休み致します。m(_ _)m

Pasacalle de gigantes en las Fiestas de Primavera de Hospitalet de LLobregat 2012

UNICACHI 2012 PASACALLE BODAS DE PERLA - MORENADA PROYECCION REBELDES

Francisco Correa de Arauxo - Segundo Tiento de Quarto Tono

Francisco Correa de Arauxo - Todo el mundo en general

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2012年9月27日 (木)

スペイン古楽のパサカージェ、フォリア

そして、いよいよパッサカリアのルーツがあると言われるスペインの古楽を少し見てみましょう。語尾の-gliaというつづり(読みはグリアではなくリア)はいかにもイタリア語的で、スペイン語ならパサカージェとなります。イスパボックスのスペイン古楽集成に収録されていたスペイン・バロックの作曲家、ホアン・カバニージェスのパサカージェ(オルガン曲)がありました。この鄙びたイベリアの響きが本来のパッサカリアなのでしょう。

やはりスペイン起源の舞曲にフォリアがありますが、こちらも3拍子系で変奏曲形式になっている点でも少し似ています。フォリアでは、何と言ってもコレッリのラ・フォリアが有名です。ヴァイオリンの初学者は必ずと言って良いほど弾く曲で、私も昔やったことがありました。

20年ほど前にペルーの古楽のCDが色々出ていて、これらスペイン伝来のパサカージェやフォリアも聞けたのではと思いますが、現在手元にありませんでした。そして、フォルクローレで演奏される現在のパサカージェと、スペイン古楽曲との関係性が今回の焦点ということになります。

PASACALLES IV, de cuarto tono - Joan Cabanilles (1644 - 1712)

Juan Cabanilles - Passacalles de Primer Tono - High Quality Stereo Audio

Jordi Savall - Folías de España



巨匠ジョルディ・サヴァールの演奏。タイトルに「スペインのフォリア」とありますが、メロディはイタリア・バロックの作曲家コレッリのラ・フォリアと同じです。

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2012年9月26日 (水)

クープランのパッサカリア

一人大事な人を忘れておりました。フランス・バロックの大作曲家、フランソワ・クープランのパッサカリアがありました。ポーランド往年の名女流チェンバロ奏者、ワンダ・ランドフスカの演奏です。
クープランのチェンバロ(フランス語ではクラヴサン)曲と言えば、数年前に「神秘な障壁」(「神秘的なバリケード」とも)中心にアップしました。重厚なパッサカリアという形式においても、同じくフランス的な洒落た響きの曲になっていると思います。あのモーリス・ラヴェルがオマージュ曲「クープランの墓」を書いた程、フランス鍵盤音楽の中心にいる大きな存在です。
昨日多かったので、今日は一本だけにしておきます。

F Couperin, Passacaglia in B Minor Landowska


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