インスブルックよ、さらば
ゼアミdeワールド516回目の放送、日曜夜10時にありました。3日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。まず「インスブルックよ、さらば」からです。いつも後ろ髪を引かれる思いで次に行きますが、今回も同じで、曲名共々ラストに相応しい曲になりました。レーゲンスブルク大聖堂少年合唱団の歌唱、同じ音源がありました。収録していて気が付きましたが、おそらくモノラル録音の頃のいい感じの演奏でした。
オーストリアの音楽の20回目です。予告通り今回をオーストリアシリーズの締めにしたいと思います。最後に再度民謡音源を探してみました。
選んだのはシュタイアーマルク州とケルンテン州の民謡集で、どちらもSo Klingt's Bei Uns(これが私たちの奏でる音)、Echte Volksmusik(本格的なフォークミュージック=民謡)というタイトルが入っています。オーストリア南東部に位置するこの2つの州を選んだ理由は、何よりもこの辺りがヨーデルの故郷(ふるさと)だからというのがあります。ここから西のチロルやスイスのドイツ語圏に広まっていったとされています。いずれもサブスク音源で現物が手元にある訳ではありませんので、選曲の際に参考にしたのは、アマゾンドイツでの曲ごとの評価で、おそらく評価が高い曲がドイツ語圏で人気があると判断したためです。
それでは早速シュタイアーマルクの方からおかけします。この州は前に解説を入れました通りヨーデルの名曲「ヨハン大公のヨーデル」が生まれた所です。1、3、9、19曲目の4曲を続けておかけします。9曲目はヨーデルのデュエットのようです。3曲目も少しヨーデル風です。
So Klingt's Bei Uns - Echte Volksmusik Aus Der Steiermark
<1 D'Ausseer Bradlmusi / Steirischer mit Strassner Pascher 3分13秒>
<3 Mörderbrugger Dreigesang / Wenn I au d' Alma geh' アルプスの牧草地へ行くとき 3分10秒>
<9 Ausseer Stub'nmusi Dreigesang / Langenwanger 1分4秒>
<19 Ebenseer Viergesang / Mags denn nit Fruahjahr wern 春は来ないのだろうか? 2分8秒>
アルプスが近く風光明媚な所なのが窺えるジャケットのケルンテンの音源からは、3、7、15曲目の3曲を続けておかけしますが、時間が少し余りそうなので、「Chrysanthemenwalzer 菊のワルツ」という曲をその後に入れておきます。菊というのが気になりました。Gradtaktiger Landlerは、ストレートペース・レントラーと訳文が出てきましたが、それがどういう意味なのかは解説がないので不明でした。何よりもケルンテンのレントラーというのが一番のポイントです。
So Klingt's Bei Uns - Echte Volksmusik Aus Kärnten, Folge 1
<3 Zitherquartett Manfred Schuler / Hüttenberger Reiftanz ヒュッテンベルガー・ライフタンツ 2分50秒>
<7 Zitherquartett Manfred Schuler / Drum Leich I's Neama Her だから私はここに魂を捧げる 2分16秒>
<15 Zitherquartett Manfred Schuler / Gradtaktiger Landler ストレートペース・レントラー 1分28秒>
<19 Klagenfurter Volksmusik / Chrysanthemenwalzer 菊のワルツ 2分49秒>
その他にチェックしていた音源にWaakirchner Sänger、Greilinger Sänger、Die HessenspatzenなどのGlocken klingen, Sonntag istsというコンピレーション、SimoniのSo wias uns gfreid (Ziach Harfen Duo)、Die ZwanzgerのTondokumente zur Volksmusik in Österreich, Vol 3, Steiermarkなどがありましたが、南ドイツのバイエルン側の演奏家もいるようですし、長くなりますので、いずれも外しました。
では最後にルネサンス期のフランドル楽派の巨匠ハインリヒ・イザークが15世紀末に作曲した有名な歌「インスブルックよ、さらば Innsbruck, ich muss Dich lassen」をレーゲンスブルク大聖堂少年合唱団の歌唱で入れておきます。神聖ローマ帝国のマクシミリアン1世に仕えたイザークが、愛する都インスブルックを離れなければならない自身の寂しさと深い愛情を美しいポリフォニー(多声音楽)で表現していますが、旋律そのものはイザークの創作ではなく、民謡の編曲かもしれないそうです。この旋律は後にルター派のコラール《おお世よ、われ汝より離れざるを得ず O Welt, ich muß dich lassen 》に流用され、バッハやブラームスのオルガン曲の基礎になっています。J.S.バッハのカンタータ第97番『わがなす、すべての業に』、カンタータ第135番『ああ主よ、いかほどにわが心は』などのコラールに引用されています。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週
<Innsbruck, ich muss Dich lassen 3分5秒>


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