セファルディー

2021年6月 4日 (金)

La Sirena再び

Voice of the Turtle / Music of the Spanish Jewsの第3集、ブルガリアとユーゴスラヴィア編では、Durme durmeとかChichi bunichiのように他のセファルディ音楽の盤でもよく聞く曲がありますが、前者は旋律違いだと思いますし、やはり個人的に一曲選ぶとすればLa Sirenaです。IneditのLoretta《Dora》Gerassiなどの名唱も多いので、聞き比べるのも一興です。(以下放送原稿を再度)

トルコの音楽巡りの際に、Voice of the Turtle / Music of the Spanish Jews of Turkeyと言うタイタニックのセファルディ音楽の盤を取り上げましたが、このシリーズには「ブルガリアとユーゴスラヴィア編」もありまして、バルカン巡りのどこかに入れてようと思っていました。コソヴォの後に少し余りましたので、今回入れておきます。
15世紀のレコンキスタで、スペインのユダヤ教徒はイスラム教徒と共に追放され、北アフリカやバルカン半島など多くは旧オスマン帝国内に離散しました。スペイン系ユダヤ人は、セファルディとも呼ばれます。
211回目の放送でもかけた曲ですが、Voice of the Turtleの第3集ブルガリアと旧ユーゴスラヴィアのバルカン編から、La Sirenaという曲をおかけします。バルカンのセファルディーの間に広まったよく知られている叙情歌です。
211回目でも解説を入れましたが、セイレーンとは「サイレン」の語源ですが、ギリシア神話では、海の航路上の岩礁から美しい歌声で航行中の人を惑わし、遭難や難破に遭わせる、上半身が人間の美しい女性で、下半身は鳥の姿の海の怪物を指しますが、Voice of the Turtleの対訳歌詞では「もし海がミルクで出来ていて、私が漁師だったら、私は愛の言葉で不幸を釣るだろう」と匂わせる所で終わっています。この歌のルーツはボスニアのサライェヴォにあるそうです。

<14 La Sirena 4分34秒>

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2020年11月27日 (金)

ナニ・ナニ

ナニ・ナニもサヴィナ・ヤナトゥの生映像がありました。セファルディの歌の哀切さと、オスマン的な微細な音の動きが重なって聞き取れます。エキゾチックなヒジャーズ旋法はユダヤの歌にもぴったり。伴奏しているカーヌーンのような楽器は、ギリシアのカノナキだと思います。残った一曲、モレニカのライブ映像はなさそうです。(以下放送原稿を再度)

オスマン帝国に住んでいたセファルディの子守歌で、エキゾチックなヒジャーズ旋法の曲です。妻が子供を寝かしつけながら、愛人のところから帰ってきた夫をなじっている部分があるとのことです。

Savina Yannatou - Nani Nani

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2020年11月26日 (木)

サヴィナ・ヤナトゥ&サロニカの春のライブ映像

今日はサヴィナ・ヤナトゥ&サロニカの春の生映像を3本、Los Bilbilicos、Tres Hermanicas Eran、Una Matica de Rudaの順です。放送での解説文を再度添えておきます。今回調べていてロス・ビルビリコスがペルシアのBolbolから来ていたというのが、個人的には一番の収穫でした。うかつにも今まで気付いてなかったので。この曲のイメージが変わりました。

Savina Yannatou - Los Bilbilicos

ロス・ビルビリコスという曲は、ペルシア語のBolbolに似た綴りにピンとくる人もいらっしゃるのではと思いますが、ナイチンゲール(小夜鳴鳥)のことで、Global Villageから2枚セファルディの歌のCDを出していたジュディ・フランケルの解説では、この歌をギリシアのロードス島出身のセファルディの婦人の歌で聞いたとありました。一聴で忘れられない印象を覚えるセファルディらしい歌です。

Savina Yannatou - Tres Hermanicas Eran

セファルディの歌の名盤であるホアキン・ディアスやジュディ・フランケルのCDにも入っていたトレ・ゼルマニカス・エラン(三姉妹、あるいは3人の妹)という曲は、ジュディ・フランケルはスペインで聞いたそうですが、やはり歌詞の中にギリシアのロードス島が出て来ます。これも非常に美しい曲ですが、ジュディ・フランケルの方と旋律が異なっていますので、二人の音源を続けてかけてみます。歌詞はどちらもイサーク・レヴィの「ユダヤ・スペインの歌」から取られています。

Savina Yannatou - UNA MATICA DE RUDA (Sephardi song - 12th c. Spain)

ウナ・マティカ・デ・ルーダ(ヘンルーダの一株)は、有名な婚礼のロマンセで、ロマンセというのは、セファルディの歌では物語り歌を指し、叙事詩、バラッドなどの四行詩を同じ旋律を繰り返しながら歌うジャンルです。ヘンルーダとは芸香(うんこう)のことで、セファルディの言い伝えでは新婚夫婦に吉をもたらすものとされています。

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2020年11月25日 (水)

2つのTres Hermanicas

トレ・ゼルマニカス・エランですが、2つの旋律を聞いたことがあります。サヴィナ・ヤナトゥとホアキン・ディアスは同じ、ジュディ・フランケルは違うメロディです。どちらも美しい曲ですが、なぜ二つあるのでしょうか。他のセファルディの歌にもこういう例があったと思います。下の方にジュディ・フランケルのライナーにあった英訳を入れました。一人の娘が道に迷うと、何故父はロードスに送ったのでしょうか。ロードスがどういう所だったのかが気になります。2本目はジュディ・フランケル、3本目はホアキン・ディアスの演奏です。(以下放送原稿を再度)

セファルディの歌の名盤であるホアキン・ディアスやジュディ・フランケルのCDにも入っていたトレ・ゼルマニカス・エラン(三姉妹、あるいは3人の妹)という曲は、ジュディ・フランケルはスペインで聞いたそうですが、やはり歌詞の中にギリシアのロードス島が出て来ます。これも非常に美しい曲ですが、ジュディ・フランケルの方と旋律が異なっていますので、二人の音源を続けてかけてみます。歌詞はどちらもイサーク・レヴィの「ユダヤ・スペインの歌」から取られています。

<5 Savina Yannatou / Primavera En Salonico ~Tres Hermanicas Eran 3分42秒>
Σαβίνα Γιαννάτου - Tres Hermanicas Eran Τρείς αδελ | Official Audio Release

<2 Judy Frankel / Sephardic Songs of Love and Hope ~Tres Hermanicas 4分50秒>
Tres Hermanicas

Tres hermanicas eran

There were three little sisters.
Whites of pink, Ay, branches of rose.
There were three little sisters, there are three little sisters.
Two of them were married, one of them went astray.
Her father, with shame, sent her to Rhodes.
In the middle of the way, he built her a castle with small stones and with little pebbles all around it.
A man found out and he went to sea.
Swimming and sailing he reached the castle.
Let down your tresses so I can climb up.
She let down her tresses and he climbed up.
She brought out food for him and he asked her for water.
There was no water in the house. She went out to the fountain.
In the middle of the road the girl fell asleep.
The nobleman passed that way. He gave her three kisses.
One on each cheek and one on her heart.
If may beloved finds out, I deserve to die.
Don`t destroy yourself, may darling, for I am your beloved.

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2020年11月23日 (月)

サヴィナ・ヤナトゥと「サロニカの春」

ゼアミdeワールド235回目の放送、日曜夜10時にありました。25日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日の動画はロス・ビルビリコスのみにしておきます。

ギリシアの16回目になります。前回サロニカ(テッサロニキ)のセファルディの歌のDavid Saltielの盤を取り上げて、重要なセファルディの音源を思い出しまして、ここで取り上げないとこの後は良い機会がないと思いましたので、もう一回ギリシアのセファルディ音源をご紹介します。
前にハジダキスの曲をかけた女性歌手サヴィナ・ヤナトゥの「サロニカの春」Ανοιξη στη Σαλονίκη ( Anixi Sti Salonici 1995年)というギリシアLyraの盤で、テッサロニキ(サロニカ)で歌われていたセファルディムの伝承曲を研究していたテッサロニキ大学のクセノフォン・ココリス教授の委嘱により、セファルディ音楽の復元プロジェクトに取り組み、1995年にリリース。この時のレコーディングメンバーによりプリマヴェーラ・エン・サルニコ(サロニカの春) Primavera En Salonico が結成されています。後にサヴィナ・ヤナトゥとサロニカの春で、ユダヤの音楽に限らず、主に東地中海各地の歌を集めた素晴らしい注目作が何枚も続けてリリースされました。
サヴィナ・ヤナトゥ自身はスペイン系ユダヤ人(セファルディ)ではないと思いますが、セファルディの歌の非常に美しい旋律と節回しを、リリカルな歌声で見事に表現しています。セファルディの歌が特に注目を浴び始めたのは、1492年のスペインからの追放から500周年に当たる1992年前後だったと思います。この頃セファルディの歌のCDリリースが相次ぎ、サヴィナ・ヤナトゥの盤もそれから間もない時期でした。1996年のゼアミ開店当時かなり売れていた盤で、まだカタログ販売のみでHPを作っていない頃でしたので、その後入荷が不安定になったこの盤はHPには載せていませんでした。
セファルディの歌の中でも特に有名な曲が5曲程ありますので、間に短く解説を入れながら続けておかけします。

3曲目のロス・ビルビリコスという曲は、ペルシア語のBolbolに似た綴りにピンとくる人もいらっしゃるのではと思いますが、ナイチンゲール(小夜鳴鳥)のことで、Global Villageから2枚セファルディの歌のCDを出していたジュディ・フランケルの解説では、この歌をギリシアのロードス島出身のセファルディの婦人の歌で聞いたとありました。一聴で忘れられない印象を覚えるセファルディらしい歌です。

<3 Savina Yannatou / Primavera En Salonico ~Los Bilbilicos 4分11秒>
Σαβίνα Γιαννάτου - Los Bilbilicos - Τα Aηδονάκια | Official Audio Release

前回時間が余ればかけようと思っていたLa llamada de la morenaという曲は、一般にMorenicaというタイトルで良く知られているセファルディ民謡で、サヴィナ・ヤナトゥの盤にも入っていますので、おかけしておきます。モレニカとはDark Beautyの意味だそうです。

<4 Savina Yannatou / Primavera En Salonico ~Morenica 3分>

セファルディの歌の名盤であるホアキン・ディアスやジュディ・フランケルのCDにも入っていたトレ・ゼルマニカス・エラン(三姉妹、あるいは3人の妹)という曲は、ジュディ・フランケルはスペインで聞いたそうですが、やはり歌詞の中にギリシアのロードス島が出て来ます。これも非常に美しい曲ですが、ジュディ・フランケルの方と旋律が異なっていますので、二人の音源を続けてかけてみます。歌詞はどちらもイサーク・レヴィの「ユダヤ・スペインの歌」から取られています。

<5 Savina Yannatou / Primavera En Salonico ~Tres Hermanicas Eran 3分42秒>
<2 Judy Frankel / Sephardic Songs of Love and Hope ~Tres Hermanicas 4分50秒>

ウナ・マティカ・デ・ルーダ(ヘンルーダの一株)は、有名な婚礼のロマンセで、ロマンセというのは、セファルディの歌では物語り歌を指し、叙事詩、バラッドなどの四行詩を同じ旋律を繰り返しながら歌うジャンルです。ヘンルーダとは芸香(うんこう)のことで、セファルディの言い伝えでは新婚夫婦に吉をもたらすものとされています。

<8 Savina Yannatou / Primavera En Salonico ~Una Matica de Ruda 2分52秒>

オスマン帝国に住んでいたセファルディの子守歌で、エキゾチックなヒジャーズ旋法の曲です。妻が子供を寝かしつけながら、愛人のところから帰ってきた夫をなじっている部分があるとのことです。
もし時間が余りましたら、テッサロニキに伝わる古いセファルディの歌、ジャコも聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<11 Savina Yannatou / Primavera En Salonico ~Nani Nani 4分31秒>

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2020年11月20日 (金)

サロニカ(テッサロニキ)のセファルディとセイレーン

David Saltielについては、オリエンテ・ムジーク盤の英文ライナーを丹念に読むしかないのでしょうが、余りに字が小さいもので追いついていません(笑) この人の歌唱とバックの演奏は、とてもオスマン音楽色を強く感じます。なお、放送では「6月頃にビエンベニーダ・ベルタ・アグアド他の歌唱でかけた曲」と言ってしまいましたが、正しくはInedit盤のもう一人の女性歌手Loretta《Dora》Gerassiでした。低音で唸る声が、何ともこの曲にピッタリでした。この曲はジュディ・フランケルの盤ではEn la Mar (海の中で)となっていました。これもしっくりくるタイトルです。今日の2本目はそのLoretta《Dora》Gerassiの歌唱で、左の大柄な女性がロレッタさんです。(以下放送原稿を再度)

ギリシア北東部のサロニカ(テッサロニキ)のセファルディの歌ですが、ドイツのOriente MusikからDavid Saltielの盤が98年に出ていますので、こちらからLa serenaをおかけします。6月頃にビエンベニーダ・ベルタ・アグアド(正しくはLoretta《Dora》Gerassi)とVoice of the Turtleの歌唱でかけた曲です。
アテネが古代ギリシアを象徴する街なのに対して、中世の東ローマ帝国時代のギリシアを象徴する街で、初期キリスト教とビザンチン様式の建造物が点在するテッサロニキは、首都アテネに次いでギリシアで2番目に大きな都市です。使徒パウロが書いたとされる、新約聖書の「テサロニケの信徒への手紙」にその名が見えるように、キリスト教の拡大の中心として重要で、古くからユダヤ人のコミュニティーがありました。テッサロニキは近世以降セファルディ系ユダヤ人の最大の中心となり、「バルカンのエルサレム」と言う愛称が町に付けられていた程だそうです。
La serena(セイレーン)とは「サイレン」の語源ですが、ホメロスのオデュッセイアやギリシア神話では、海の航路上の岩礁から美しい歌声で航行中の人を惑わし、遭難や難破に遭わせる、上半身が人間の美しい女性で、下半身は鳥の姿の海の怪物を指しますが、Voice of the Turtleの対訳歌詞では「もし海がミルクで出来ていて、私が漁師だったら、私は愛の言葉で不幸を釣るだろう」と、匂わせる所で終わっていました。この歌のルーツはボスニアのサライェヴォにあるそうですが、ここではギリシアのセファルディがセイレーンを歌ったと言うことで、最もルーツの地に近いということになるでしょうか。他の歌唱では短調でしたが、ここでは部分的に長調の旋律になっていて、オスマン風な伴奏が付いています。

<2 David Saltiel / Canciones Judeo Espanoles de Tesalonica ~La serena 7分11秒>
David Saltiel - La Serena

La serena..wmv

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2020年11月19日 (木)

Aurora Morenoの歌声

アウロラ・モレーノのアイナダマールを初めて見たのは、1990年に白夜書房から出た「エスニック・ディスク・ガイド ぱお600」でした。その前にヨーロピアン・トラディショナル・コレクションの1枚としてキングレコードから出て、その盤が手元にあります。原盤はスペインのTecnosagaから出ていて、98年にスペインのSeveralから再発され、この盤はゼアミでも入れたことがあります。何しろ出たのが30年も前ですから期待していませんでしたが、当時の動画もありました。最近も活動されているかどうかと、プロフィールについてもなかなか分からないのが残念です。ヤ・ファティンのギリシア歌謡っぽいという形容は上記のキング盤の解説で読んだコメントで、30年間ずっと記憶に残っていました。個人的にはこの盤で一番好きな曲です。動画の方は1989年の生映像です。(以下放送原稿を再度)

ギリシアのセファルディ(スペイン系ユダヤ人)の歌ですが、ギリシア北東部のサロニカ(テッサロニキ)のセファルディの音源がありますが、その前にスペイン(あるいはモロッコのセファルディ)の女性歌手ですが、アウロラ・モレーノが1990年にリリースしたセファルディ・アルバムにギリシアっぽい曲がありますので、ここでかけておきたいと思います。ヤ・ファティン(若者)という曲で、後半のナツメロのような部分は、往年のギリシア歌謡を聞くような感じがあります。

<6 Aurora Moreno / Aynadamar ~Ya Fatin 3分55秒>
Ya Fatin

Aurora Moreno - Live at Folkfestival Bonn 1989

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2020年6月12日 (金)

Bienvenida《Berta》Aguadoと Loretta《Dora》Gerassi

今回のセファルディ・シリーズの締めは、やはりイネディ盤のお二人、ビエンベニーダ・ベルタ・アグアドとロレッタ・ドーラ・ゲラッスィです。イネディ盤に写真が一枚ありましたが、小柄なお祖母ちゃんのアグアドさんのリリカルな歌声と、いかにもアルトの低い声が出そうな大柄なゲラッスィさんのエモーショナルな歌唱。とても対照的なお二人です。先日取り上げたセイレーンの歌は番組ではフェイドアウトしましたので、最初に持ってきました。アグアドさんのプンチャ・プンチャは見当たらないので、ライブ映像を代わりに上げておきました。オスマン音楽の微細な節が感じられます。(以下放送原稿を再度)

セファルディーの歌と言えば、まず筆頭に出てくる名盤で、「東地中海のスペイン系ユダヤ人の歌」というフランスIneditの盤から、Bienvenida《Berta》Aguadoと Loretta《Dora》Gerassiの独唱を少し聞きたいと思いますが、この盤について、2002年の音楽之友社「世界の民族音楽ディスクガイド」に書いた拙稿を読み上げます。

イスラエル在住のスファラディー系2婦人による東方に伝わっていたセファルディー(スペイン系ユダヤ)民謡集で、それぞれの出身地(トルコとブルガリア)に伝承されていた曲が選ばれている。この様な無伴奏の詠唱は他ではスペインのSaga盤位でしか聞けない。磨きあげられた二人の歌の節には、それぞれにトルコ古典声楽のデリケートな節回しとバルカン風旋律が現れている。細かい節回しの妙味は絶大で、よくある古楽からのアプローチの演奏には余りない「土の香り」が強烈に感じられる素晴らしい歌唱。特にゲラッスィの男声のような低い声で歌われるバルカン的な節は、マケドニアのジプシー女性歌手エスマに唸った人にも是非聞いて欲しい。

La serena(セイレーン)とは「サイレン」の語源ですが、ギリシア神話では、海の航路上の岩礁から美しい歌声で航行中の人を惑わし、遭難や難破に遭わせる、上半身が人間の美しい女性で、下半身は鳥の姿の海の怪物を指しますが、Voice of the Turtleの対訳歌詞では「もし海がミルクで出来ていて、私が漁師だったら、私は愛の言葉で不幸を釣るだろう」と、匂わせる所で終わっています。この歌のルーツはボスニアのサライェヴォにあるそうです。

<14 Loretta《Dora》Gerassi / La serena 2分44秒>

La serena..wmv


Loretta《Dora》Gerassiの低い美声をたっぷり堪能できる3曲目のタイトルを訳すと「呪われた兄弟」となるようです。

<3 Loretta《Dora》Gerassi / El Hermano Maldito 2分48秒>

El hermano maldito


Bienvenida《Berta》Aguadoの方は、El Punchon y la Rosaをおかけしますが、この曲は一般にプンチャ・プンチャと言う曲名で知られています。「チク、チク、薔薇は香り、恋はひどく苦しめる」と歌いだされるロマンセ(四行詩の物語り歌)です。

<16 Bienvenida《Berta》Aguado / El Punchon y la Rosa 2分7秒>

Romancero Sefardi -Coleccion Susana Weich-Shahak- BIENVENIDA AGUADO

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2020年6月11日 (木)

ホアキン・ディアスのセファルディの歌

40年前にスペイン語講座で聞いたホアキン・ディアスの曲が何だったか、よく覚えていませんが、講師は東谷穎人さんでした。マドゥルガーダと言う詩の朗読もホアキン・ディアスだったかも。「フリオ・ヌエボ、カンタ・ウン・ガージョ~」と言う最初の詩句をまだ覚えていました。彼の動画を調べてみると、1986年のテクノサガ盤は丸々上がっています。2本目の1974年の方では、セファルディの歌で特に有名な「クアンド・エル・レイ・ニムロド(ニムロデ王の頃)」も演奏しています。3本目は嬉しいライブ映像。前にも出ましたが、ドゥルメ・ドゥルメも有名なセファルディの歌です。随分若い頃からセファルディの歌も歌われていたようです。(以下放送原稿を再度)

ホアキン・ディアスによるギター弾き語りですが、この人はスペイン民謡の大御所として知られ、私が最初に見たのは1980年頃のTVスペイン語講座での演奏でした。素朴で古雅な趣きの歌をギターで弾き語る人ですが、スペイン音楽のルーツの一つとしてセファルディーの歌を捉えてリリースされたと思しき2枚組がスペインのTecnosagaから出ています。多くのセファルディー音源と同じく、トルコ出身でユダヤ系のラジオ・ディレクター兼歌手のイサーク・レヴィが採譜・出版した「ユダヤ・スペインの歌」の楽譜に則っての歌唱ですが、スペイン人のホアキン・ディアスがラディーノ語をどの位理解しながら歌っているのかが気になるところです。

1枚目の最初の2曲ですが、Las Tres Hermanicasと、一般にはアディオ・ケリーダ(さようなら、愛しい人)の曲名で知られるCuando Tu Madre Te Parioの2曲を続けてどうぞ。1曲目が「三姉妹」、2曲目は「あなたのお母さんがあなたを産んだ時」と訳せると思います。
<1 Joaquín Díaz / Kantes Djudeo-Espanyoles ~Las Tres Hermanicas 2分33秒>
<2 Joaquín Díaz / Kantes Djudeo-Espanyoles ~Cuando Tu Madre Te Pario 2分41秒>

Joaquín Díaz 1986 - Kantes Djudeo Espanyoles


Joaquín Díaz 1974 - En Este Mundo, temas sefardíes 2


Durme, durme

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2020年6月10日 (水)

セファルディの歌でのセイレーン Hélène Engelのその後

3人の歌手で聞き比べたLa Sirena(セイレーン)は、魔女あるいはファム・ファタールの類でしょうが、セファルディのあの名旋律が「男を誘惑し破滅させる悪女」の魅惑と危険性をよく表していたと思います。それを女性が歌うというのは不思議な気もしますが、そう言えばヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「宿命の女 (Femme Fatale)」も、女性のニコが歌っていたなと思い出しました(笑) 
ギリシア神話のセイレーンが、ボスニアのセファルディの歌に入った経緯と言うのが、とても気になるところです。この歌の4行詩と哀愁のメロディのブレンドの妙を強く感じます。

この曲をアルバムのトップに持って来たHélène Engelでyoutube検索したら、最近の映像が色々出てきました。CDが出たのは91年ですから、大分お年をめされた感じですが、最近はギター弾き語りされているようです。ヘレーネ・エンゲル(フランス語式ではエレーヌ・ウンゲル?)の名からは、セファルディと言うよりアシュケナジー(東欧系ユダヤ)の人のように見えます。その通りイディッシュの歌を歌っている映像もありました。残念ながらLa Sirenaはないようですので、ユダヤの8本の燭台(ハヌカーに用いられる8枝のハヌキヤー)を歌ったオチョ・カンデリーカを上げておきます。これはよく知られたセファルディの歌の一つです。2本目はお馴染みのクレズマー曲から始まり、途中フランス語で歌っている部分などありますが、バイ・ミール・ビスト・ドゥ・シェーンなど、イディッシュ・ソングが目立ちます。

Ocho Candelicas


Hélène Engel: A Jewish Musical Medley Montage

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