セファルディー

2019年12月27日 (金)

Ladino Music: Voice Of The Turtle

セファルディー音楽のグループ、Voice of the Turtleのハヌカー・コンサートのCDを聞いたのは、もう30年ほど前になります。メンバーはもうかなりいい歳になっていることでしょう。この30分ほどの動画も6年前ですから、今では更に経っていますし。このグループ名の邦訳は、確か「山鳩の声」でした。最初に聞いたセファルディー音楽で、とても強く印象に残っています。CDはアメリカのTitanicから確か5枚出ていて、トルコ、モロッコ、ブルガリアとユーゴ編などがありました。いずれも旧オスマン帝国内です。このシリーズは、おそらく現在は入手不可です。セファルディーの言葉、ラディノ語(ユダヤ・スペイン語)は、本当にスペイン語にそっくり。時折ヘブライ語の語彙が入ってきて、ユダヤの言葉と分かります。2本目が放送でかけたハヌカーです。

Ladino Music: Voice Of The Turtle

Hanuka (Live)

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2019年12月26日 (木)

Maftirim Judeo-Sufi Connection トルコのセファルディー音楽

マフティリームは、そのまま上がっていました。Hag Amakabimは、一番最後の曲です。マフティリームで検索して出てきた他の盤で、I Maftirîm e le opere degli ebrei sefarditi nella musica classica ottomana (The Maftirîm and the Works of Sephardic Jews in Ottoman Classical Music)というイタリア盤にはクドゥシ・エルグネルが参加していて、大変に素晴らしい内容でした。また来年に放送でかける予定です。ユダヤとスーフィー(イスラム神秘主義)という組み合わせは、最初意外に思いましたが、歌舞音曲を表向き忌避するイスラムの中でも、音楽によって神に近づくスーフィーの世界は、元から音楽に溢れたユダヤの宗教音楽とよく合うのかも知れません。中でもカバラーの影響のあるセファルディーの音楽や、東欧系になりますがハシディズムなどのユダヤ神秘主義系統なら尚更でしょう。トルコでの場合は、何よりもトルコ古典音楽が両者に共通しているので、強力な繋ぎになると思います。(以下放送原稿を再度上げておきます)

Kalan Muzik Yapimから2001年に出ているMaftirim Judeo-Sufi Connectionという盤は、トルコ音楽のスタイルでユダヤ教神秘主義詩を聞かせる内容です。演奏はHazan Aaron Kohen Yasakとマフティリーム合唱団で、器楽伴奏はネイとタンブールを中心に打楽器のベンディール、クデュムという編成です。トルコには15世紀のスペインからの離散のグループとは別に、古代パレスティナから古くは紀元前4世紀頃から流入した古い集団もあるようです。この盤の演奏者がどちらになるのかは不明ですが、ハヌカーの曲を演奏しているということは、セファルディーだろうと思います。では、そのHag Amakabimという曲をどうぞ。

<19 Maftirim Judeo-Sufi Connection ~Hag Amakabim 5分14秒>

Maftirim Judeo-Sufi Connectionには、ユダヤ教の安息日(シャバト)の歌が多数入っていますので、3曲目のイスマー・アル・ツィヨンと言う曲を、時間まで聞きながら今回はお別れです。キリスト教の安息日は日曜ですが、ユダヤ教では土曜になります。

<3 Maftirim Judeo-Sufi Connection ~Yismah Ar Tsiyon 2分36秒>

Maftirim: Unutulan Yahudi-Sufi Geleneği

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2013年12月 6日 (金)

アスランの歌うセファルディー

チーデム・アスランは苗字から見てユダヤ系ではという説もあるようです。確かにセファルディー(スペイン系ユダヤ)の歌手として有名なフランソワーズ・アトランとも少し苗字が似ています。TとSの違いくらいで、これは些細な違いでしょう。
youtubeを見ていると、セファルディーの曲もありました。旧オスマン帝国内には多くのセファルディーがスペインから離散してきていたので、彼女がやはりクルドであったとしても、耳にする機会はあったのでしょう。そして伴奏はやはりShe'Koyokh(シコヨフ)でした。(ヘブライ文字の綴りが気になるところ)東欧系ユダヤのクレズマーとスペイン系ユダヤのセファルディーの曲を同時に演奏するグループも数多いので、特に驚くことでもありませんが、やはりラディノ語でも歌っているアスランのポリグロットと豊かな表現力に驚かされます。

She'Koyokh performs 'Los Bilbilicos' at the Purcell Room , London

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2009年9月29日 (火)

エステル・ラマンディエの竪琴

古代パレスティナの周辺諸国に広まった竪琴(キノール)は現在のユダヤ人の間では使われなくなったと数日前に書きましたが、これは周知の通り紀元後70年のエルサレム第二神殿の崩壊後、都の消滅を悼んでシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)ではショファル(雄羊の角笛)以外の楽器の使用が禁じられたためとされています。ユダヤ人がディアスポラ(離散)する前の古代イスラエルの神殿時代に、シナゴーグの典礼でキノールが使われていたことは詩篇など旧約聖書の方々に記述が残っています。興味深いことに、現代ではキノールはヴァイオリンを指す言葉にもなっているようです。
竪琴で思い出す歌手が、1984年頃に来日したフランスの女性歌手エステル・ラマンディエです。もっとも彼女の弾く楽器はハープ系で、キノールとは少し系統が違うのかも知れませんが。彼女は、まずセファルディー(スペイン系ユダヤ人)の民謡集のLPで登場したこと、聖書にも出てくるユダヤ人女性に多い「エステル」という名前、どこか東方的でエキゾチックな容姿などから、ユダヤ人説が有力なようです。私も長らくそのように想像していましたが、その後彼女がリリースする録音を見ると、古いキリスト教の伝統を色濃く残すシリア教会やアラム語(ヘブライ語の後に広まり、イエス・キリストも話していたと推測されるセム系の言語)の聖歌を歌ったり、セファルディーの歌との関係も深い聖母マリアのカンティガを歌ったりと、ユダヤ音楽の枠に捕らわれない活動を繰り広げていました。その録音は彼女の母国フランスのAlienorなどから数点CDでも出ましたが、今ではいずれもほとんど廃盤状態で入手困難になって久しくなっています。TVで憂いに満ちたセファルディーの歌を弾き語るこの佳人の姿を見たのも、もう25年程前のことになりました。彼女が弾いていた竪琴、自身では「ダヴィデの竪琴」を意識していたのかどうか、可能ならば聞いてみたいものですが、最近は名前を聞くことすら皆無に近くなっています。

Esther Lamandier La Rosa enflorece circa 1492



おそらく彼女のセファルディーの歌の歌唱の中で一番有名な曲でしょう。増2度音程が入るところがユダヤ的に聞こえます。84年頃NHKでこの歌唱が放送されていたのをはっきり覚えています。邦訳すれば「バラの花開く」で、1492年後にスペインからイスタンブールかブルガリアのソフィアに離散したセファルディーが伝承したロマンセ(恋歌)。数多くのヴァージョンがあるそうですが、このメロディはソフィア説が有力なようです。

Esther Lamandier Noches buenas



ここで弾いているのはオルガンですが、竪琴を構えた図が良いので。歌はセファルディーの民謡です。

Cantiga de Santa Maria



これは中世スペインの「聖母マリアのカンティガ」集から。

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