セファルディー

2024年11月15日 (金)

ヤナ・レヴィトヴァーとヴラディーミル・メルタのセファルディ

ヤナ・レヴィトヴァーとヴラディーミル・メルタのコンビですが、ハシディック音楽の復興を行っているミシュパハー・アンサンブルとの仕事で、映画監督でもあるメルタとヴォーカルのレヴィトヴァーが出会ってからだそうです。このコンビで割とよく知られているのが、セファルディ音楽の盤で、20年ほど前に何枚かチェコArta盤で出ています。彼らがユダヤ系でないとすれば、古楽の演奏家として、そのルーツの一つとしてセファルディの音楽に目を向けたということではないかと思いますが、その中でスロヴァキアの音楽に取り組んだ「さかしまの世界とバラード~スロヴァキアの牧場から」は、異色作と言えるのかも知れません。チェコ人がスロヴァキアの音楽をどんな風に見ているのか、その辺りが焦点のように思います。スロヴァキアには、西欧化していない古い(あるいは、不可思議なとか、さかしまなとか)西スラヴの文化が残っていると取っているのではと推測しますが。動画は幾つかありましたが、いずれもセファルディの歌でした。「さかしまの世界」の方は、やはりレアなようで見当たりません。

Vladimír Merta a Jana Lewitová 2

Jana Lewitová, Vladimír Merta 2 141001

Jana Lewitová, Vladimír Merta 1 141001

| | コメント (0)

2023年9月22日 (金)

ザハヴァ・ズィーヴァルトのその後

ザハヴァ・ズィーヴァルトのその後の活動を追ってみると、2003年のラディカル・ジューイッシュ・カルチャー盤から、ちょうど10年後の2013年(ストリーミングではそう表示されていますが)にリリースされたFrom My Mother`s Houseでは、このタイトル通り内容的にはセファルディ関連のはずですが、音的にはアシュケナジームはもちろんセファルディからも離れて、コンセプチュアルなコンテンポラリーミュージックに近づいているように聞こえました。その中からNiemand (Psalm)=詩篇と題する曲と、1999年にリリースされていてCDを入れられてなかったイディッシュの盤の2枚目からも一曲In Kamf、3本目Hamisha Asarは昨日のセファルディ関係のライブ映像のようですが、出てくる楽器が両方不明で、特に奇妙奇天烈な管楽器に目が行きます。クルムホルンの一種でしょうか? おそらく4コース8弦の弦楽器は、キテラでしょうか? 終わりまで見ると、弦楽器はリュート、管楽器はSerpent(蛇の意味)と出て来ました。セルペント(サーペント)と言うのは聞いたことがありましたが、この弦楽器がリュートと言うのは少々納得が行きません(笑)

Antiphona / Niemand (Psalm)

Zahava Seewald & Psamim — In Kamf

Hamisha Asar by Zahava Seewald, Michaël Grébil & Christophe Morisset

| | コメント (0)

2023年9月21日 (木)

ザハヴァ・ズィーヴァルトのセファルディ

やはりツァディクのZahava Seewald & Psamim / Kovedの方はYouTubeでは見当たりませんので、今日は彼女の動画を貼っておきます。1本目はSong based on a text from Samuel Hanagid. Melody by John Zornとありますので、ジョン・ゾーン関連です。2本目はセファルディ(スペイン系ユダヤ)関係ですが、1本目はどちらでしょうか。リズムはオリエンタルな感じですし、2本目のようにセファルディ関係では伴奏にウードが入ることが多いので、その方向性の作品ではと思います。2本目で弾かれているのは、一見ウードのように見えますが、リュートに似た細い音でフレットがあるのでラウートでしょうか。

Zahava Seewald & Zohara I would lay down

A la Puerta del Rio by Zahava Seewald & Michaël Grébil

| | コメント (0)

2021年6月 4日 (金)

La Sirena再び

Voice of the Turtle / Music of the Spanish Jewsの第3集、ブルガリアとユーゴスラヴィア編では、Durme durmeとかChichi bunichiのように他のセファルディ音楽の盤でもよく聞く曲がありますが、前者は旋律違いだと思いますし、やはり個人的に一曲選ぶとすればLa Sirenaです。IneditのLoretta《Dora》Gerassiなどの名唱も多いので、聞き比べるのも一興です。(以下放送原稿を再度)

トルコの音楽巡りの際に、Voice of the Turtle / Music of the Spanish Jews of Turkeyと言うタイタニックのセファルディ音楽の盤を取り上げましたが、このシリーズには「ブルガリアとユーゴスラヴィア編」もありまして、バルカン巡りのどこかに入れてようと思っていました。コソヴォの後に少し余りましたので、今回入れておきます。
15世紀のレコンキスタで、スペインのユダヤ教徒はイスラム教徒と共に追放され、北アフリカやバルカン半島など多くは旧オスマン帝国内に離散しました。スペイン系ユダヤ人は、セファルディとも呼ばれます。
211回目の放送でもかけた曲ですが、Voice of the Turtleの第3集ブルガリアと旧ユーゴスラヴィアのバルカン編から、La Sirenaという曲をおかけします。バルカンのセファルディーの間に広まったよく知られている叙情歌です。
211回目でも解説を入れましたが、セイレーンとは「サイレン」の語源ですが、ギリシア神話では、海の航路上の岩礁から美しい歌声で航行中の人を惑わし、遭難や難破に遭わせる、上半身が人間の美しい女性で、下半身は鳥の姿の海の怪物を指しますが、Voice of the Turtleの対訳歌詞では「もし海がミルクで出来ていて、私が漁師だったら、私は愛の言葉で不幸を釣るだろう」と匂わせる所で終わっています。この歌のルーツはボスニアのサライェヴォにあるそうです。

<14 La Sirena 4分34秒>

| | コメント (0)

2020年11月27日 (金)

ナニ・ナニ

ナニ・ナニもサヴィナ・ヤナトゥの生映像がありました。セファルディの歌の哀切さと、オスマン的な微細な音の動きが重なって聞き取れます。エキゾチックなヒジャーズ旋法はユダヤの歌にもぴったり。伴奏しているカーヌーンのような楽器は、ギリシアのカノナキだと思います。残った一曲、モレニカのライブ映像はなさそうです。(以下放送原稿を再度)

オスマン帝国に住んでいたセファルディの子守歌で、エキゾチックなヒジャーズ旋法の曲です。妻が子供を寝かしつけながら、愛人のところから帰ってきた夫をなじっている部分があるとのことです。

Savina Yannatou - Nani Nani

| | コメント (0)

2020年11月26日 (木)

サヴィナ・ヤナトゥ&サロニカの春のライブ映像

今日はサヴィナ・ヤナトゥ&サロニカの春の生映像を3本、Los Bilbilicos、Tres Hermanicas Eran、Una Matica de Rudaの順です。放送での解説文を再度添えておきます。今回調べていてロス・ビルビリコスがペルシアのBolbolから来ていたというのが、個人的には一番の収穫でした。うかつにも今まで気付いてなかったので。この曲のイメージが変わりました。

Savina Yannatou - Los Bilbilicos

ロス・ビルビリコスという曲は、ペルシア語のBolbolに似た綴りにピンとくる人もいらっしゃるのではと思いますが、ナイチンゲール(小夜鳴鳥)のことで、Global Villageから2枚セファルディの歌のCDを出していたジュディ・フランケルの解説では、この歌をギリシアのロードス島出身のセファルディの婦人の歌で聞いたとありました。一聴で忘れられない印象を覚えるセファルディらしい歌です。

Savina Yannatou - Tres Hermanicas Eran

セファルディの歌の名盤であるホアキン・ディアスやジュディ・フランケルのCDにも入っていたトレ・ゼルマニカス・エラン(三姉妹、あるいは3人の妹)という曲は、ジュディ・フランケルはスペインで聞いたそうですが、やはり歌詞の中にギリシアのロードス島が出て来ます。これも非常に美しい曲ですが、ジュディ・フランケルの方と旋律が異なっていますので、二人の音源を続けてかけてみます。歌詞はどちらもイサーク・レヴィの「ユダヤ・スペインの歌」から取られています。

Savina Yannatou - UNA MATICA DE RUDA (Sephardi song - 12th c. Spain)

ウナ・マティカ・デ・ルーダ(ヘンルーダの一株)は、有名な婚礼のロマンセで、ロマンセというのは、セファルディの歌では物語り歌を指し、叙事詩、バラッドなどの四行詩を同じ旋律を繰り返しながら歌うジャンルです。ヘンルーダとは芸香(うんこう)のことで、セファルディの言い伝えでは新婚夫婦に吉をもたらすものとされています。

| | コメント (0)

2020年11月25日 (水)

2つのTres Hermanicas

トレ・ゼルマニカス・エランですが、2つの旋律を聞いたことがあります。サヴィナ・ヤナトゥとホアキン・ディアスは同じ、ジュディ・フランケルは違うメロディです。どちらも美しい曲ですが、なぜ二つあるのでしょうか。他のセファルディの歌にもこういう例があったと思います。下の方にジュディ・フランケルのライナーにあった英訳を入れました。一人の娘が道に迷うと、何故父はロードスに送ったのでしょうか。ロードスがどういう所だったのかが気になります。2本目はジュディ・フランケル、3本目はホアキン・ディアスの演奏です。(以下放送原稿を再度)

セファルディの歌の名盤であるホアキン・ディアスやジュディ・フランケルのCDにも入っていたトレ・ゼルマニカス・エラン(三姉妹、あるいは3人の妹)という曲は、ジュディ・フランケルはスペインで聞いたそうですが、やはり歌詞の中にギリシアのロードス島が出て来ます。これも非常に美しい曲ですが、ジュディ・フランケルの方と旋律が異なっていますので、二人の音源を続けてかけてみます。歌詞はどちらもイサーク・レヴィの「ユダヤ・スペインの歌」から取られています。

<5 Savina Yannatou / Primavera En Salonico ~Tres Hermanicas Eran 3分42秒>
Σαβίνα Γιαννάτου - Tres Hermanicas Eran Τρείς αδελ | Official Audio Release

<2 Judy Frankel / Sephardic Songs of Love and Hope ~Tres Hermanicas 4分50秒>
Tres Hermanicas

Tres hermanicas eran

There were three little sisters.
Whites of pink, Ay, branches of rose.
There were three little sisters, there are three little sisters.
Two of them were married, one of them went astray.
Her father, with shame, sent her to Rhodes.
In the middle of the way, he built her a castle with small stones and with little pebbles all around it.
A man found out and he went to sea.
Swimming and sailing he reached the castle.
Let down your tresses so I can climb up.
She let down her tresses and he climbed up.
She brought out food for him and he asked her for water.
There was no water in the house. She went out to the fountain.
In the middle of the road the girl fell asleep.
The nobleman passed that way. He gave her three kisses.
One on each cheek and one on her heart.
If may beloved finds out, I deserve to die.
Don`t destroy yourself, may darling, for I am your beloved.

| | コメント (0)

2020年11月23日 (月)

サヴィナ・ヤナトゥと「サロニカの春」

ゼアミdeワールド235回目の放送、日曜夜10時にありました。25日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日の動画はロス・ビルビリコスのみにしておきます。

ギリシアの16回目になります。前回サロニカ(テッサロニキ)のセファルディの歌のDavid Saltielの盤を取り上げて、重要なセファルディの音源を思い出しまして、ここで取り上げないとこの後は良い機会がないと思いましたので、もう一回ギリシアのセファルディ音源をご紹介します。
前にハジダキスの曲をかけた女性歌手サヴィナ・ヤナトゥの「サロニカの春」Ανοιξη στη Σαλονίκη ( Anixi Sti Salonici 1995年)というギリシアLyraの盤で、テッサロニキ(サロニカ)で歌われていたセファルディムの伝承曲を研究していたテッサロニキ大学のクセノフォン・ココリス教授の委嘱により、セファルディ音楽の復元プロジェクトに取り組み、1995年にリリース。この時のレコーディングメンバーによりプリマヴェーラ・エン・サルニコ(サロニカの春) Primavera En Salonico が結成されています。後にサヴィナ・ヤナトゥとサロニカの春で、ユダヤの音楽に限らず、主に東地中海各地の歌を集めた素晴らしい注目作が何枚も続けてリリースされました。
サヴィナ・ヤナトゥ自身はスペイン系ユダヤ人(セファルディ)ではないと思いますが、セファルディの歌の非常に美しい旋律と節回しを、リリカルな歌声で見事に表現しています。セファルディの歌が特に注目を浴び始めたのは、1492年のスペインからの追放から500周年に当たる1992年前後だったと思います。この頃セファルディの歌のCDリリースが相次ぎ、サヴィナ・ヤナトゥの盤もそれから間もない時期でした。1996年のゼアミ開店当時かなり売れていた盤で、まだカタログ販売のみでHPを作っていない頃でしたので、その後入荷が不安定になったこの盤はHPには載せていませんでした。
セファルディの歌の中でも特に有名な曲が5曲程ありますので、間に短く解説を入れながら続けておかけします。

3曲目のロス・ビルビリコスという曲は、ペルシア語のBolbolに似た綴りにピンとくる人もいらっしゃるのではと思いますが、ナイチンゲール(小夜鳴鳥)のことで、Global Villageから2枚セファルディの歌のCDを出していたジュディ・フランケルの解説では、この歌をギリシアのロードス島出身のセファルディの婦人の歌で聞いたとありました。一聴で忘れられない印象を覚えるセファルディらしい歌です。

<3 Savina Yannatou / Primavera En Salonico ~Los Bilbilicos 4分11秒>
Σαβίνα Γιαννάτου - Los Bilbilicos - Τα Aηδονάκια | Official Audio Release

前回時間が余ればかけようと思っていたLa llamada de la morenaという曲は、一般にMorenicaというタイトルで良く知られているセファルディ民謡で、サヴィナ・ヤナトゥの盤にも入っていますので、おかけしておきます。モレニカとはDark Beautyの意味だそうです。

<4 Savina Yannatou / Primavera En Salonico ~Morenica 3分>

セファルディの歌の名盤であるホアキン・ディアスやジュディ・フランケルのCDにも入っていたトレ・ゼルマニカス・エラン(三姉妹、あるいは3人の妹)という曲は、ジュディ・フランケルはスペインで聞いたそうですが、やはり歌詞の中にギリシアのロードス島が出て来ます。これも非常に美しい曲ですが、ジュディ・フランケルの方と旋律が異なっていますので、二人の音源を続けてかけてみます。歌詞はどちらもイサーク・レヴィの「ユダヤ・スペインの歌」から取られています。

<5 Savina Yannatou / Primavera En Salonico ~Tres Hermanicas Eran 3分42秒>
<2 Judy Frankel / Sephardic Songs of Love and Hope ~Tres Hermanicas 4分50秒>

ウナ・マティカ・デ・ルーダ(ヘンルーダの一株)は、有名な婚礼のロマンセで、ロマンセというのは、セファルディの歌では物語り歌を指し、叙事詩、バラッドなどの四行詩を同じ旋律を繰り返しながら歌うジャンルです。ヘンルーダとは芸香(うんこう)のことで、セファルディの言い伝えでは新婚夫婦に吉をもたらすものとされています。

<8 Savina Yannatou / Primavera En Salonico ~Una Matica de Ruda 2分52秒>

オスマン帝国に住んでいたセファルディの子守歌で、エキゾチックなヒジャーズ旋法の曲です。妻が子供を寝かしつけながら、愛人のところから帰ってきた夫をなじっている部分があるとのことです。
もし時間が余りましたら、テッサロニキに伝わる古いセファルディの歌、ジャコも聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<11 Savina Yannatou / Primavera En Salonico ~Nani Nani 4分31秒>

| | コメント (0)

2020年11月20日 (金)

サロニカ(テッサロニキ)のセファルディとセイレーン

David Saltielについては、オリエンテ・ムジーク盤の英文ライナーを丹念に読むしかないのでしょうが、余りに字が小さいもので追いついていません(笑) この人の歌唱とバックの演奏は、とてもオスマン音楽色を強く感じます。なお、放送では「6月頃にビエンベニーダ・ベルタ・アグアド他の歌唱でかけた曲」と言ってしまいましたが、正しくはInedit盤のもう一人の女性歌手Loretta《Dora》Gerassiでした。低音で唸る声が、何ともこの曲にピッタリでした。この曲はジュディ・フランケルの盤ではEn la Mar (海の中で)となっていました。これもしっくりくるタイトルです。今日の2本目はそのLoretta《Dora》Gerassiの歌唱で、左の大柄な女性がロレッタさんです。(以下放送原稿を再度)

ギリシア北東部のサロニカ(テッサロニキ)のセファルディの歌ですが、ドイツのOriente MusikからDavid Saltielの盤が98年に出ていますので、こちらからLa serenaをおかけします。6月頃にビエンベニーダ・ベルタ・アグアド(正しくはLoretta《Dora》Gerassi)とVoice of the Turtleの歌唱でかけた曲です。
アテネが古代ギリシアを象徴する街なのに対して、中世の東ローマ帝国時代のギリシアを象徴する街で、初期キリスト教とビザンチン様式の建造物が点在するテッサロニキは、首都アテネに次いでギリシアで2番目に大きな都市です。使徒パウロが書いたとされる、新約聖書の「テサロニケの信徒への手紙」にその名が見えるように、キリスト教の拡大の中心として重要で、古くからユダヤ人のコミュニティーがありました。テッサロニキは近世以降セファルディ系ユダヤ人の最大の中心となり、「バルカンのエルサレム」と言う愛称が町に付けられていた程だそうです。
La serena(セイレーン)とは「サイレン」の語源ですが、ホメロスのオデュッセイアやギリシア神話では、海の航路上の岩礁から美しい歌声で航行中の人を惑わし、遭難や難破に遭わせる、上半身が人間の美しい女性で、下半身は鳥の姿の海の怪物を指しますが、Voice of the Turtleの対訳歌詞では「もし海がミルクで出来ていて、私が漁師だったら、私は愛の言葉で不幸を釣るだろう」と、匂わせる所で終わっていました。この歌のルーツはボスニアのサライェヴォにあるそうですが、ここではギリシアのセファルディがセイレーンを歌ったと言うことで、最もルーツの地に近いということになるでしょうか。他の歌唱では短調でしたが、ここでは部分的に長調の旋律になっていて、オスマン風な伴奏が付いています。

<2 David Saltiel / Canciones Judeo Espanoles de Tesalonica ~La serena 7分11秒>
David Saltiel - La Serena

La serena..wmv

| | コメント (0)

2020年11月19日 (木)

Aurora Morenoの歌声

アウロラ・モレーノのアイナダマールを初めて見たのは、1990年に白夜書房から出た「エスニック・ディスク・ガイド ぱお600」でした。その前にヨーロピアン・トラディショナル・コレクションの1枚としてキングレコードから出て、その盤が手元にあります。原盤はスペインのTecnosagaから出ていて、98年にスペインのSeveralから再発され、この盤はゼアミでも入れたことがあります。何しろ出たのが30年も前ですから期待していませんでしたが、当時の動画もありました。最近も活動されているかどうかと、プロフィールについてもなかなか分からないのが残念です。ヤ・ファティンのギリシア歌謡っぽいという形容は上記のキング盤の解説で読んだコメントで、30年間ずっと記憶に残っていました。個人的にはこの盤で一番好きな曲です。動画の方は1989年の生映像です。(以下放送原稿を再度)

ギリシアのセファルディ(スペイン系ユダヤ人)の歌ですが、ギリシア北東部のサロニカ(テッサロニキ)のセファルディの音源がありますが、その前にスペイン(あるいはモロッコのセファルディ)の女性歌手ですが、アウロラ・モレーノが1990年にリリースしたセファルディ・アルバムにギリシアっぽい曲がありますので、ここでかけておきたいと思います。ヤ・ファティン(若者)という曲で、後半のナツメロのような部分は、往年のギリシア歌謡を聞くような感じがあります。

<6 Aurora Moreno / Aynadamar ~Ya Fatin 3分55秒>
Ya Fatin

Aurora Moreno - Live at Folkfestival Bonn 1989

| | コメント (0)

その他のカテゴリー

J.S.バッハ New Wave-Indies アイヌ アメリカ アラブ アラブ・マグレブ アルゼンチン イギリス イスラエル イスラム教 イタリア イディッシュ イラン地方音楽 インディアン、インディオ インド インドネシア インド音楽 ウイグル ウラル・アルタイ エジプト エチオピア オペラ オーストラリア オーストリア キリスト教 ギリシア クルド クレズマー ケルト コンサート情報 コーカサス (カフカス) サハラ シベリア シャンソン ジャズ スイス スペイン スポーツ スーダン セファルディー ゼアミdeワールド チェロ チベット トルコ音楽 ドイツ ナイル・サハラ ナツメロ ニュース ハシディック ハンガリー バルカン バルト語派 バロック パキスタン ビザンツ音楽 フランス フランス近代 ブラジル ペルシア音楽 ペルシア音楽 トンバク ユダヤ ユダヤ音楽 ライブ情報 ルーマニア レビュー ロシア ロシア・マイナー ロマン派 ヴァイオリン 中南米 中国 中央アジア 仏教 仏教音楽 北アジア 北コーカサス(カフカス) 北欧 南アジア 南インド古典音楽 古楽 地中海 室内楽 弦楽合奏 弦楽四重奏 後期ロマン派 文化・芸術 文学 新ウィーン楽派 旅行・地域 日記・コラム・つぶやき 映画・テレビ 東アフリカ 東南アジア 東方教会 東欧 歌謡曲・演歌 民謡 沖縄 独墺 猫・犬 現代音楽 童謡、わらべうた 筝曲 純邦楽 西アフリカ 西スラヴ 韓国