今日は無いと思ったユダヤのサバソフカ・ポルカがありましたので、何本か貼っておきます。タイトルがポーランド綴りで気付きませんでしたが、「サバトのポルカ」と言う意味で、シンプルに「シャバト(安息日)のポルカ」と訳せるようです。番組でかけたVDE-Gallo音源のサバソフカ・ポルカは、ポーランド化しているということでしょうか、ほとんどユダヤ音楽の痕跡が分からないようにも思いましたが、今日上げた何本かは、クレズマー風な演奏です。3本とも同じ曲のようでサバソフカ・ポルカは、この曲の固有名詞でしょうか。VDE-Gallo音源のLoskot Stanislaw & Stefan Nowaczekの演奏では、ヴァイオリン2本とコントラバス?だけのようなので明確に短調に聞こえませんが、よく聞くと同じ曲のようです。長短はっきり分からないのは、どこの古いスタイルの演奏も同じと言えば同じですが。Loskot Stanislaw & Stefan Nowaczekで色々出て来ましたので、また明日取り上げます。
東欧系ユダヤ音楽の60回目になります。まだまだアシュケナジーム関係は山のように音源はありますが、いよいよ東欧系ユダヤは今回で終える予定です。今回も駆け足で色々な音源をかけますが、まず最初に「泣き笑いのクレズマー音楽」の笑いの方をクローズアップするミッキー・カッツのSimcha Timeと言う盤から、フレンチ・カン・カンを取り入れたCan Can Kazotskiと言う曲をおかけしておきます。歌とクラリネットの両方で、最高の芸達者ぶりを聞かせています。1909生まれ1985年没と言うことですから、かなり昔の人で、卑近な例になりますが私の祖父とほぼ同年齢です。同じくアメリカのコメディアンで、冗談音楽の王様と呼ばれた、スパイク・ジョーンズの楽団に在籍したこともありました。
<13 Mickey Katz and His Orchestra / Simcha Time ~Can Can Kazotski 1分57秒>
次に戦後間もない頃のクレズマー世代ながら、メンバーが長寿で晩年まで現役だったため90年代の録音も残っているエプスタイン・ブラザース・オルケストラのWergoからの2枚組Pattern Of Jewish Lifeの音源から、Chassidic Nigunimをおかけしておきます。ジャッキー・ジュスホルツで前にかけた曲(Tzave)らしき旋律も聞こえます。
<7 Pattern Of Jewish Life, Part 1 ~The Epstein Brothers / Chassidic Nigunim 5分34秒>
次は往年のユダヤ系の大ヴァイオリニスト、ヤッシャ・ハイフェッツが得意にしていたアクロンのヘブライ・メロディと言う曲をおかけします。この曲はアクロンが子供の頃にワルシャワのシナゴーグで聞いた旋律を元に作曲されていて、後半はユダヤ旋法の非常に速く細かい音型のカデンツァに移っていきます。イツァーク・パールマンも「In the Fiddler`s House」のビデオでこの曲を弾いていました。
<7 Shalom: Music Of The Jewish People ~Jascha Heifetz Hebrew Melody 4分55秒>
先程の盤は1965年リリースのようですが、1958年リリースのSings Jewish Folk Songsからは、ユダヤ音階が特徴的なシャ・シュティルと、フライエ・ホルテ・アルカロンドやペーター・ローラントが歌っていたAchtsik Er Un Zibetski ZiとDi Mame Iz Gegangenの3曲を続けます。後の2曲は、セオドア・ビケルの歌唱がやはりオリジナルで、後続の歌い手はこれを模倣したのだろうと思います。イディッシュ名曲のMargaritkelechやLomir Zich Iberbeten、Tumbalalaykaなどもありますが、時間の都合で今回は省きます。
<3 Theodore Bikel Sings Jewish Folk Songs ~Sha Shtil 1分41秒>
<8 Theodore Bikel Sings Jewish Folk Songs ~Achtsik Er Un Zibetski Zi 4分16秒から1分>
<9 Theodore Bikel Sings Jewish Folk Songs ~Di Mame Iz Gegangen 1分6秒>
最後にロシア語とヘブライ語の歌も1曲ずつかけておきます。いずれも私の個人的な愛好曲ですが。ロシア語の方は1960年リリースのSongs of Russia Old & New / Russian Gypsyから、大変に美しい19世紀のロシアのロマンスGari Gari Maya Zvyezda (Twinkle, Twinkle, My Star)、ヘブライ語の方は1958年リリースのSings Songs of IsraelからShech Abrekです。Shech Abrekは、イスラエルの有名なフォーク・デュオDudaimの70年代に出ていた国内盤LPの冒頭を飾っていた曲です。時間が余りましたら、ロシア語の方ですが、Katiushaをおかけします。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週
<5 Theodore Bikel Songs of Russia Old & New / Russian Gypsy ~Gari Gari Maya Zvyezda 2分11秒>
<8 Theodore Bikel Sings Songs of Israel ~Shech Abrek 2分29秒>
Shalom Comrade! Yiddish Music in the Soviet Union 1928-1961の音源は、ナフテュール・ブランドヴァインやデイヴ・タラスなど、帝政時代のロシアからアメリカに移住した名演奏家が抜けた後の、旧ロシア帝国(ソ連)のイディッシュ音楽とクレズマーと言う事になります。クレズマー音楽で一般によく知られているのは、アメリカ移住組ですから、「スターリンによって社会主義体制下のソ連邦に懐柔しようとして、体制向きのユダヤ音楽の展開を図った」後、どういう音楽が奏でられていたか知ることのできる貴重音源であることは間違いないでしょう。月曜の2曲は分かり易い例だと思いますが、クレズマーの場合、どういう部分が体制向きなのかが気になるところです。今日の3曲は、クレズマー曲になります。(以下放送原稿を再度)
クレズマティクスなどが演奏していたガスン・ニグンに似たタイトルのA gas nignと言う曲が13曲目に入っていまして、1937年の録音と言う事で、当時の演奏スタイルを知ることが出来る貴重な録音だと思います。
<13 State Ensemble of Jewish Folk Musicians of the Ukrainian SSR / A gas nign 2分45秒>
1曲目に戻りまして、オーソドックスなクレズマーのフレイレフが入っています。State Ensemble of Jewish Folk Musicians of the Ukrainian SSR & Moscow State Yiddish Theater Orchestraによる演奏で、1937年の録音です。
<1 State Ensemble of Jewish Folk Musicians of the Ukrainian SSR & Moscow State Yiddish Theater Orchestra / Freylekhs 2分30秒>
東欧系ユダヤ音楽の51回目になります。今回から後数回はイディッシュ音楽に戻って、60回前後で東欧系ユダヤ音楽のシリーズを終える予定です。去年の夏にジョン・ゾーン・マサダからクレズマーの方に移りましたが、イディッシュは途中だったので、まだ音源がありました。今回取り上げるのは、2005年に独Wergoから出ていた「Shalom Comrade! Yiddish Music in the Soviet Union 1928-1961」(こんにちわ、同志よ。 1928-1961年のソヴィエトのイディッシュ音楽)と言う盤です。コムラードと聞くと、フランスの音楽家パスカル・コムラードを思い出してしまいますが、ここでは元の「同志」(ロシア語ではタヴァーリッシ)の意味です。
まずこの盤についてのゼアミHPに上げた解説を読み上げます。「スターリンは社会主義体制下のソ連邦に懐柔しようとして、体制向きのユダヤ音楽の展開を図り、国立歌舞団を創立したり、オペラ歌手の育成に取り組んだが、そのモスクワ公認のユダヤ音楽(SP音源)を集成したのがこの記録。ウクライナ、ベラルーシ、バルト3国などでの録音の他に、1928年にシベリアのハバロフスクの西に作られたユダヤ自治区(首都ビロビジャン)での音源も含まれている模様。リタ・オッテンスとブレイヴ・オールド・ワールドの初代クラリネット奏者のジョエル・ルービンの編集。」
1928-1961年ですから、正にスターリン、フルシチョフの時代の音源と言うことになります。時代の雰囲気を感じさせる曲が多く、本物の凄さを痛感する貴重な音源です。私が特に興味を持ったのは合唱曲で、ハシディック・ソングをベースにしながらも、どこか日本の「うたごえ運動」にも通じるように聞こえる曲からおかけしたいと思います。その3曲目を聞いて思い出したのは、1970前後にTVで放送されていた毎日新聞のCMでした。7,8歳頃の記憶ですが、後で思い返すと労働歌のような音楽が聞こえてきたことはよく覚えています。そのDorozhnaia(道の歌)と言う曲は、イディッシュ演劇Hreblyesのために書かれていてMoscow State Yiddish Theatre Orchestraの演奏、1937年の録音です。ユダヤ音楽としてはフレイレフになっているようです。この曲の作曲者でヴァイオリニストのLev Pulverは、クレズマーの家系出身で、ボリショイ歌劇場管弦楽団の首席ヴァイオリニストでしたが、レーニン弦楽四重奏団でチェロのグレゴール・ピアティゴルスキーとも活動していたようです。
<3 Moscow State Yiddish Theatre Orchestra / Dorozhnaia 2分50秒>
クレズマティクスなどが演奏していたガスン・ニグンに似たタイトルのA gas nignと言う曲が13曲目に入っていまして、1937年の録音と言う事で、当時の演奏スタイルを知ることが出来る貴重な録音だと思います。
<13 State Ensemble of Jewish Folk Musicians of the Ukrainian SSR / A gas nign 2分45秒>
1曲目に戻りまして、オーソドックスなクレズマーのフレイレフが入っています。State Ensemble of Jewish Folk Musicians of the Ukrainian SSR & Moscow State Yiddish Theater Orchestraによる演奏で、1937年の録音です。
<1 State Ensemble of Jewish Folk Musicians of the Ukrainian SSR & Moscow State Yiddish Theater Orchestra / Freylekhs 2分30秒>
現代クレズマーの父(と言って良いと思います)デイヴ・タラスは19世紀末の生まれですが、90歳を越えて長生きしたので、晩年にリヴァイヴァル・クレズマーのムーヴメントにも立ち会うことになり、アンディ・スタットマンなど70、80年代のムーヴメントの中心人物も指導しています。そして、1978年の生映像もありました。この時は83歳前後だと思いますが、テクニックの衰えは全く感じさせず、矍鑠と言う表現が正にぴったりの舞台姿です。クレズマー演奏に入る前の序奏的な扱いで、随所にルーマニア周辺の有名曲も出て来ます。20分頃にはアコーディオン・ソロで「モンティのチャールダーシュ」が出て来ますが、この頃はまだ一般に広く知られる前だったのでは。ベンチャーズの「10番街の殺人」のドーナツ盤を思い出させる、バスドラ、スネア、シンバルだけの簡素なドラムセットも目を引きます(笑)
The Dave Tarras Trio features Dave Tarras (clarinet), Samuel Beckerman (accordion), and Max Goldberg (drums and voice)
Dave Tarras Trio, Klezmer Music- Dave Tarras Tribute Concert 1978
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