地中海

2012年11月 8日 (木)

「アラン・ドロンのゾロ」 アサド兄弟

早速ラテン・アメリカのギターのデュオやトリオを探してみました。まず思い出したのは、ブラジルのアサド兄弟でした。ヨーヨー・マのピアソラ・アルバムのバックでの演奏などが記憶にある方も多いかと思います。映画「アラン・ドロンのゾロ」のデュオ?もありましたが、スパニッシュかメキシカンかと思ったら、音楽はGuido & Maurizio De Angelis グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス、とありましたので、名前から察するにイタリア系のようです。しかし、この音楽は明らかにメキシコかアメリカのイスパニックをイメージしているものでしょう。私は一本目のラテン的なギター曲が大好きで大昔に真似をした記憶があります(笑) そして、偶然ですが、本日11月8日は、何とアラン・ドロンの誕生日でした。「太陽がいっぱい」やゾロ、ボルサリーノ・シリーズ、ヴィスコンティ監督の山猫など、私の世代では広く親しまれていました。
いくつか聞いてみて、やはりフォルクローレ・ギターの弾き方は独特だなと改めて思います。アサド兄弟は、クラシック~同国の巨匠ヴィラ=ロボスの影響が、やはり感じられます。しかし3本目冒頭のD.スカルラッティ、素晴らしいです。

ALAIN DELON in ZORRO(1974) - To You Mi Chica

「アラン・ドロンのゾロ」 から 《ゾロのテーマ》

WCIU Channel 26 - "Assad Brothers - Classical Guitar" (1980)

Menino - Assad Brothers with Yo-Yo Ma

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2010年4月30日 (金)

風光明媚なサルディニア

今回はギリシア正教の合唱との類似性を追っての地中海合唱の旅でしたので、この辺で中東の方に戻りたいと思います。その前にサルディニアとはこんな所ということで、数本アップしておきます。地中海合唱と言えば、コルシカの男声合唱に似たコーラスがイタリアのジェノヴァやニースにありますが、この辺りまではyoutubeもなかなか見つかりません。何度か書きましたが、多声部だからと言って安易に「ポリフォニー」と呼んでしまう傾向は、どうかなと前々から思っていました。西洋音楽の対位法的な音楽が真のポリフォニーだろうと思っているからですが、これは少々厳格すぎる考えなのでしょうか。
そんな話はさて置いて、、、一まずアイスランドの噴火も落ち着いたようで、我々のような輸入関係は一安心でしょう。今週は好天のGWになりそうです。

Why Sardinia, Italy

No Reservations - Sardinia Part 1 of 5

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2010年4月29日 (木)

Elena LeddaとGesuino Deiana

サルディニアのトラッドの方に目を向けてみると、女性歌手ではエレーナ・レッダがよく知られていると思います。90年頃に出たキングのユーロポップのシリーズに入っていた歌手と言えば、思い当たる人もいらっしゃるのでは。地中海の歌姫という形容がぴったりの歌手です。
一方、ギタリストのジェスイノ・デイアナ(おそらくこんな表記が近いのでは)は、ラウネッダや男声合唱(テノーレス)などの特徴を自らのギター・ソロに反映させて演奏するユニークな音楽家。97年頃に出たRealWorld盤は印象的な一枚でした。サルディニアの音源情報はこちら テノーレス関係の入荷が最近ないのは残念です。

Elena Ledda - Is arrosas (1984)

このエレーナ・レッダの伴奏のギターもGesuino Deianaに似ていますが、どうなのでしょうか。この歌唱などは、イタリアと言うより、ギリシアのクレタ島辺りの音楽に似た雰囲気です。

WOMADAdelaidE 1996 OnE

Gesuino Deianaのギターソロ。本当にテノーレスやラウネッダスの音を髣髴とさせるプレイです。

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2010年4月28日 (水)

ラウネッダ

サルディニアのラウネッダですが、もっとよく見える映像を探してみました。若手名人の記録と思しきこの2本をよく見ると、確かに息継ぎをせずに循環呼吸(鼻から息を吸って口から吐くのを継続)で吹いているのが分ります。ラウネッダは3本組で、音が動くのは上の2本が中心、低い音の一本はドローンのように見えます。継ぎ目のない音はバグパイプと似ていますが、低音が豊かなバグパイプに比べて、ラウネッダは音が高いと思います。バグパイプは皮袋に息を吹き込んで、それを手で押さえて笛を鳴らすので、ブレスも自由に出来るのだろうと思いますが、ラウネッダは純粋に循環呼吸で演奏していて、見ているこちらも苦しくなってきそうです(笑)。しかし、苦しさを乗り越えて発音されるそのトランシーなまでの明るい高音は、地中海音楽の華の一つと言えるのでは。このタイプの息継ぎしない組笛ですが、他にはラジャスタン(西インド)のランガの笛が比較的知られていると思います。余談ですが一本目の演奏風景を見て、ディジー・ガレスピーを思い出しました(笑)

Giancarlo Seu - Fiuda bagadia

Giancarlo Seu sonat is launeddas a fiuda bagadia. Giancarlo Seu plays the launeddas in a "fiuda bagadia"

Sonada a cuncordia

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2010年4月27日 (火)

サルディニアの踊りとラウネッダ

サルディニアの踊りもちょっと見ておこうかと思います。映像のように、男女入り混じった輪舞で踊られることが多いのでしょうか。テノーレスの歌に合わせた細かいステップが面白いです。どうやらテノーレスの歌はラウネッダの模倣のようですが、コルシカの合唱がポリフォニー色が強いのに対し(各パートの独立性が高い)、サルディニアはホモフォニー寄りと見て良いのかも知れません。つぶやくような独唱とドローンのように動く他のパートは、一応主従の関係になっていますが、面白いのは従の方が目立つ点。平行5度音程でしょうか。これが強烈な印象の元だと思います。確かにラウネッダに似ています。

Orgosolo: Ballo Sardo SARDINIEN

Balli Sardi

バッロとかバッリというのはイタリア語で伝統舞踊のこと。アコーディオンと一緒に口琴が大活躍。

Launeddas

組笛ラウネッダの三重奏。この音がサルディニアらしさの元なのでは。

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2010年4月26日 (月)

サルディニアのTenores di Bitti

イタリアの西に戻りまして、コルシカの南に位置するサルディニア島(サルジニア、サルデーニャとも)の伝統音楽では、男声合唱や循環呼吸で吹くラウネッダがまずよく知られています。4人で驚異的な歌声を聞かせるコーラスは凄まじいものがあります。最初は何なんだこのコード進行は!と本当に驚いたものです。数あるグループの中でも、何枚かの欧米盤(Real WorldやNew Tone)が出ていたTenores di Bitti(テノーレス・ディ・ビッティ)は、特に有名なグループ。確か故フランク・ザッパも絶賛していたというコメントを見かけたことがあります。彼も同じイタリア系ですから(シーク・ヤブーティなどではアラブのベドウィンと見間違いましたが(笑))、よりストレートにびしびし来るものがあったのでしょう。コルシカのポリフォニーとの違いと類似点など、興味深い探りどころが色々ありそうです。4つのパートは、上からボーゲ、メサ・ボーゲ、コントラ、バッスと名付けられています。

Tenores di Bitti "Mialinu Pira" in Beograd Serbia with Bilja

Tenores di Bitti "Mialinu Pira" in San Paolo (Brazil) 1

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2010年4月22日 (木)

I Muvrini

次は80年代から活躍していて、CDもかなり出ているイ・ムヴリニです。コルシカのポリフォニーの代表グループです。一本目のテッラ(おそらく「大地」の意味)の歌唱は特に素晴らしいです。彼らは3本目にあるように、トニ・ガトリフ監督の映画に出ていたようですが、これは今回初めて知りました。ルーマニアのタラフ・ドゥ・ハイドゥークス初め、ジプシー(ロマ)の文化を広く知らしめたガトリフが、コルシカ音楽も撮っていたとは。更にはスティング(元ポリスのヴォーカル)との共演ビデオもありました。

I Muvrini - Terra

I Muvrini - Requiem

レクイエム(死者のためのミサ曲)と言えば、モーツァルトなどの悲しい曲調を思い浮かべ勝ちですが、ここで聞く限りコルシカのレクイエムは明るく朗らか。フォーレのレクイエムにも天国的な明るい曲(終曲のアニュス・デイあたり)がありましたが、もしかしたらこれもアニュス・デイでしょうか。

I Muvrini 'Terra Corsa' (Tony Gatlif, 2002)

トニ・ガトリフの「コルシカの地」と題する映画?の一こまのようです。

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2010年4月21日 (水)

Barbara Furtuna

昨日の3本目では余りの凄惨さに衝撃を受けました。キリストの受難に関する音楽と言えば、スペインのサエタも思い出しますが、その遥か上を行く生々しさ。コルシカの歌がその重さに吊り合っているのかどうかは不明です。「パッション」はまだ見てなかったので、何とか勇気を振り絞って今度見てみようかと思います。
さて今日は現在のコルシカで最も評価が高いと思われるグループ、バルバラ・フルトゥナの演奏です。前にバルバラ・フォルトゥナと書きましたが、フルトゥナが正しそうです。オーソドックスなコルシカのポリフォニーと、広く地中海世界の音楽を視野に入れた演奏など、興味深い映像が色々あります。仏Buda盤の解説には「若手の4人組によるコルシカの宗教的ポリフォニー。壮麗で古風な面も保ちながら、地中海の明朗な歌謡性を持った魅力的なコーラスを聴かせます。愛の歌はギター伴奏付き独唱。」と書きました。確かにその通りと思います。

BARBARA FURTUNA

これはコルシカの教会音楽でしょう。美しいですねぇ。FESTIVAL UNIKALO belin beliet, le 9 juillet 2009 barbara fortunaと解説にある通り、去年の演奏。サイズが大きいものしかないので、少し右がはみ出してしまいます。

barbara furtuna

これは仏Harmonia Mundi盤などで昔からお馴染の、最もオーソドックスなコルシカ・ポリフォニーのイメージ。

Constantinople/Barbara Furtuna : lettera a mamma

何とイランのセタール(左から2番目)とトンバク(右端)との共演。更にヴィオラ・ダ・ガンバ(左端)も入っています。この3人はカナダのエスニック・グループ、コンスタンティノープルのメンバーのようです。名前から判断するとアルメニア系、ギリシア系、フランス系の混成グループでしょうか。

Constantinople / Barbara Furtuna : Sottu a lu Ponte

Constantinople/Barbara Furtuna
Live in Montreal- November 3 2008
Salle Pierre-Mercure
www.constantinople.ca
www.barbara-furtuna.fr

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2010年4月20日 (火)

Le Cantu in paghjella profane et liturgique de Corse de tradition orale

ここ数日コルシカの合唱を中心に見ていますが、今日は長いフランス語のタイトルになっています。これは一本目のタイトルそのままで、コルシカ語も入っていますが、和訳するなら「コルシカの世俗歌と宗教歌の口承伝統パグジェッラの歌唱」となるでしょうか。paghjella(パジェッラとも聞こえます)というのは、16日にはグループ名で出てきましたが、本来はコルシカの伝統的な男声合唱自体を指しているようです。30分を越える長いユネスコのドキュメンタリー映像で、素晴らしい合唱シーンが前半に出てきます。フランス語ですが、その背景を知るには格好のビデオのようです。

Le Cantu in paghjella profane et liturgique de Corse de tradition orale

http://www.unesco.org/culture/ich/USL/00315

Le chant polyphonique géorgien

リンクに上がっていたので、コルシカの合唱が影響を受けたと言われるグルジアの合唱の映像を一本入れておきます。グルジア音楽についてはコーカサス枠で以前取り上げましたので、併せてどうぞ。

a filetta u lamentu di ghjesu corsica

3日連続ですが、「キリストの受難のうた」のコルシカ男声合唱版です。キーは違いますが、確かに一昨日の女声合唱版、昨日のサヴィナ・ヤナトゥ版と同じ歌です。キリストの受難の映像は、MEL GIBSONの映画"la passion du Christ"(直訳は「キリストの受難」 邦題は「パッション」)から。物議を醸した映画の目を背けたくなるような凄惨な映像には言葉を無くします。コルシカの歌にここまで悲痛な内容が秘められているのかどうかは不明ですが。
"U lamentu di Ghjesù"
. groupe A FILETTA
album : A'u visu di tanti. 1989
studio RICORDU
parole: Casalonga T.
musique: Marcotorchini / Acquaviva N / Mambrini R

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2010年4月18日 (日)

TAVAGNAとDonninsulana Polyphonic Voice

一昨日のPaghjellaがとても素晴らしかったので、コルシカのポリフォニーをもう少し追ってみたいと思います。今日は男声のタヴァーニャと女声のDonninsulana Polyphonic Voice。前者はオムニバス含め何点かCDも出ていたグループだと思います。カトリックのミサ曲の範疇に入る曲が多そうですが、威厳のある立派な合唱を聞かせてくれます。いつも思うことですが、フレーズ毎の終止の和音に、一番コルシカ合唱の特徴が出ているように思います。
一転して女声合唱のDonninsulana Polyphonic Voiceは、92年のフェスティヴァル・コンダ・ロータ(カンバセーション)に出ていた時の映像のようです。エクトル・ザズーがプロデュース、坂本龍一がピアノで参加したことでも話題になった91年のLes Nouvelles Polyphonies Corses(「コルシカの新しいポリフォニー」 Philips France)のリリースから間もない頃で、その勢いで来日となったのでしょうか。当時このアルバムは本当に飛ぶように売れていたのを思い出します。ここでは独唱中心で、ghjesu(イエス)の受難を歌っているようです。

TAVAGNA en concert - Lamentu di una minnana

Concert en l'église de Talasani, le 28 juillet 2008

TAVAGNA en concert - Kyrie Eleison

グレゴリオ聖歌以来、カトリックのミサ曲やレクイエム(死者のためのミサ曲)のほとんどに出てくる、キリエ・エレイソンのコルシカ版。

Donninsulana Polyphonic Voice / Lamentu a ghjesu / キリスト受難のうた

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