マケドニアのジプシー・ブラス・バンド、コチャニ・オルケスタルと共演したカロリーナについては、2001年の2回目の来日公演で聞けましたが、この曲について来日前にリリースされたBand of Gypsiesには詳細が書かれてなかったので、どういう曲かは不明です。ブルガリアのクラリネット奏者フィリプ・シメオノフ、トルコのダルブッカ奏者タリク・トゥイスゾウルが入っていて、オリエンタル情緒がこの上なく横溢していますし、曲調から考えてマケドニアのジプシー音楽にタラフ・ドゥ・ハイドゥークスが合わせたと見るのが自然でしょう。とにかく派手で目立つ曲です。ライヴ会場は狂乱状態だったのを覚えています。金管と打楽器の音でかき消されて弦楽器の音が聞こえないので、タラフ・ドゥ・ハイドゥークスだけで演奏しているのがあれば見てみたいものですが、やはりなさそうです。
3月から続いた旧ユーゴ諸国の音楽巡りは、泣いても笑っても今日で終わり。次週からルーマニアですが、おそらく番組20回はかけると思います。その後はハンガリー、これも20回は行くでしょう。と言うことは両国終えてチェコ、モラヴィア、スロヴァキアに入るのは、早くて8か月後です。ルーマニアとハンガリー関連のユダヤ音源をどこで入れるかもありますので、入れていった場合、1年後になるかも知れません。
セルビアのラストは、放送の最後にかけたSveti SavaのSplet Igara Iz Centralne I Zapadne Srbijeで、セルビアの中部と西部の音楽のようですが、この曲もルーマニア音楽に似て聞こえる部分があるように思いました。ワラキア西部のオルテニアは、すぐ近くですから似てくるのでしょうか。2本目は舞踊のライブ映像の中では、一番ARC盤に似た演奏に聞こえました。
<Taraf de Haïdouks / Honourable Brigands, Magic Horses & The Evil Eye ~Brîu 2分4秒>
セルビア東部のヴラフ人の葬儀の音源に、Padura, Sora Paduraと言うバラードがありまして、2回前にかけましたが、この曲は「森、姉妹の森」のような意味でした。埋葬後に故人の家で歌われるということでしたが、そっくりなタイトルの曲がタラフ・ドゥ・ハイドゥークスにもありまして、こちらはラヴソングと言う解説になっています。曲名はPadure Verde, Padureで、やはり「緑の森、森」のような意味です。タラフ・ドゥ・ハイドゥークスの2000年頃の来日の際は、長老の一人だったカクリカがツィンバロム弾き語りでエモーショナルな歌声を聞かせています。彼は88年にオコラから出ていた「ワラキアのジプシー音楽」でニコラエ・ネアクシュやイオン・マノレと一緒に名を連ねています。3人とも故人になってしまいました。長いので、途中までおかけします。
<Taraf de Haïdouks / Dumbala Dumba ~Padure Verde, Padure 7分1秒>
では最後にセルビアの民族音楽グループ、スヴェティ・サヴァの演奏でSplet Igara Iz Centralne I Zapadne Srbijeという曲を時間まで聞きながらお別れです。セルビアの中部と西部の音楽のようですが、この曲もルーマニア音楽に似て聞こえる部分があるように思いました。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週
<Sveti Sava / Splet Igara Iz Centralne I Zapadne Srbije 6分27秒>
結婚式のブラスバンド、Cintec Alu Nasu Lunitaを探していましたが、「ヴラフのバグパイプ」と言う興味深い映像がありましたので、こちらを1本目に入れておきます。Cintec Alu Nasu Lunitaは、何故かこの曲だけ「楽園の蝋燭」の単独ファイルがありましたので、2本目に。
ヴラフ人ですが、広義に取ればルーマニア人もアルーマニア人も入れるようです。アルーマニア人はギリシアやアルバニアにも多いことが地図で分かります。現代のルーマニア人を古代のダキアのルーマニア人と言う意味でダコ=ルーマニア人と呼び、その他にアルーマニア人、モルラク人(Morlachs)、メグレノ=ルーマニア人(Megleno-Romanians)、イストロ=ルーマニア人(Istro-Romanians)などが含まれ、ヴラフ人とは自民族の国としてルーマニアを持つルーマニア人を除いた人々を指すことが多い、とされています。イストロ=ルーマニア人(Istro-Romanians)と言うのが、前にクロアチアで出てきたイタリアの近くのイストリア半島のルーマニア人のことです。話者はわずか1000人ほどだそうです。
Vlach bagpipe ballads (Timoc and Epir regions)
Radujevac ( Wallachs of eastern serbia ) - Cintec Alu Nasu Lunita
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