バルカン

2022年6月24日 (金)

エスマとファンファーレ・チョカリーア

残るはマケドニアのジプシー・クイーン、エスマ・レジェポヴァと共演したNakelavisheです。放送では結成20周年のベスト盤的なコンピレーションと思われる2016年の「20」と言う盤からかけましたが、この曲の初出は2007年の『クイーンズ&キングス〜ワイルドで行こう』 - Queens and Kingsでした。2006年に亡くなった中心メンバーのイォアン・イヴァンチャ (クラリネット)への追悼盤で、イオンと彼の妻の写真がジャケットになっています。一方エスマが亡くなったのは、2016年。「20」が出た年ですが、彼女への追悼の意も込められていたのでしょうか。エスマがジェレム・ジェレムを歌っている2007年のファンファーレ・チョカリアとの共演映像がありましたので、2本目に貼っておきます。

Nakelavishe

Esma Redžepova, Fanfare Ciocărlia & the band of Time of Gypsies - Madrid 26/11/2007

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2022年2月10日 (木)

カロリーナ

マケドニアのジプシー・ブラス・バンド、コチャニ・オルケスタルと共演したカロリーナについては、2001年の2回目の来日公演で聞けましたが、この曲について来日前にリリースされたBand of Gypsiesには詳細が書かれてなかったので、どういう曲かは不明です。ブルガリアのクラリネット奏者フィリプ・シメオノフ、トルコのダルブッカ奏者タリク・トゥイスゾウルが入っていて、オリエンタル情緒がこの上なく横溢していますし、曲調から考えてマケドニアのジプシー音楽にタラフ・ドゥ・ハイドゥークスが合わせたと見るのが自然でしょう。とにかく派手で目立つ曲です。ライヴ会場は狂乱状態だったのを覚えています。金管と打楽器の音でかき消されて弦楽器の音が聞こえないので、タラフ・ドゥ・ハイドゥークスだけで演奏しているのがあれば見てみたいものですが、やはりなさそうです。

<9 カロリーナ 5分27秒>
Taraf de Haïdouks - Carolina

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2021年12月10日 (金)

アルーマニアとサラカツァニ

ARMANAMEと言うタイトルが1本目に付いていたので、アルーマニアを連想させましたが、映像に写っているのはギリシア北部ピンドゥス山脈の少数民族サラカツァニの伝統衣装を纏った少女でした。サラカツァニは言語や遊牧の伝統から見て、ギリシア語に同化したヴラフ人の末裔と言う説もあったり、ルーマニア人とアルーマニア人の学者たちは、サラカツァニとアルーマニア人の共通の起源について解き明かそうと努めてきたそうですが、ヴラフ人 は通常ギリシア語とアルマーニ語の両方を話すのに対し、サラカツァニの人々の間ではギリシア語のみを話し、お互いをはっきり区別しているそうです。サラカツァニの話すギリシア語には、現代ギリシア語には残っていない古代ギリシア語の要素が多く含まれているのもあってでしょうか、ドーリア人など古代ギリシアの先住民の末裔ではないかと言う説も出ていたようです。
このように、遊牧と衣装の類似もあるのでしょうか、混同されることも多かったようですが、音楽も似ているとすれば、ますます区別が難しいように思いました。2本目はマケドニアのアルーマニア(ヴラフ)の歌で、これはまた沁みる歌です。

ARMANAME-Hei_hei_pi_munti

Vlach Song From Macedonia

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2021年12月 9日 (木)

Aromanian Vlach Music アルバニアのアルーマニア人

アルーマニアの綴りは様々で、arumãni, armãni, Aromâni , Makedonji-armãnji などから、中世の東ローマ帝国時代には「ヴラフ人」(Vlachs)と称していたため、英語でVallachians,Wallachians, Wlachs などの表記も見られます。YouTubでの検索もなかなか見分けが大変ですが、その中で出てきた民族衣装を着けた古いモノクロ写真のバックにかかっているのは、ほとんどが昨日のようなポップスのスタイルです。今の所一本だけですが、シャン・デュ・モンド盤に似た演奏がありました。最初のクラリネットが活躍する曲はギリシア北部エピルスの音楽に似ています。
最も人口が多いと考えられるギリシアではアルーマニア人は少数民族と見なされず、ギリシア人であるとされているため、正確な統計は分からないようです。アルーマニア人はギリシア独立戦争においても重要な役割を果たし、アルーマニア系のギリシア人としては初期の首相イオアニス・コレティス、バルカン戦争中の国防大臣のエヴァンジェロス・アヴァロフなどがいます。
2本目は「アルバニアのアルーマニア人」と言うルーマニアのドキュメンタリー番組です。同じラテン系民族ですから、同朋意識があるのでしょうか。上記のような古いモノクロ写真が豊富に出てきます。

Aromanian Vlach Music

Aromânii din Albania. O comunitate unită în Biserică (29 04 2017)

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2021年12月 8日 (水)

アルーマニアの歴史

放送でかけたかけたシャン・デュ・モンド盤だけでなく、アルーマニアの音源はYouTube上にはほとんど見当たりませんが、彼らのポップスらしき映像がありました。ポップスでもポリフォニーの時と声と歌唱スタイルが似ているように思います。その前にアルーマニアの歴史に付いて、簡潔に日本語でまとめられた一本がありましたので、こちらを1本目に入れておきます。ギリシアのサラカツァニとの関係について調べていましたが、店が忙しくなって中断しましたので、また明日か明後日に。

アルーマニア人

Stelu Enache - Di-una eta him armanji

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2021年12月 3日 (金)

Splet igara iz Srbije

3月から続いた旧ユーゴ諸国の音楽巡りは、泣いても笑っても今日で終わり。次週からルーマニアですが、おそらく番組20回はかけると思います。その後はハンガリー、これも20回は行くでしょう。と言うことは両国終えてチェコ、モラヴィア、スロヴァキアに入るのは、早くて8か月後です。ルーマニアとハンガリー関連のユダヤ音源をどこで入れるかもありますので、入れていった場合、1年後になるかも知れません。
セルビアのラストは、放送の最後にかけたSveti SavaのSplet Igara Iz Centralne I Zapadne Srbijeで、セルビアの中部と西部の音楽のようですが、この曲もルーマニア音楽に似て聞こえる部分があるように思いました。ワラキア西部のオルテニアは、すぐ近くですから似てくるのでしょうか。2本目は舞踊のライブ映像の中では、一番ARC盤に似た演奏に聞こえました。

Splet Igara Iz Centralne I Zapadne Srbije

Splet igara iz Srbije

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2021年12月 1日 (水)

タラフのBrîu(ブルウ)=オルテニア地方の踊り

タラフ・ドゥ・ハイドゥークスのゲオルゲ・ファルカルが縦笛で吹いていたBrîu(ブルウ)と言う曲は、ゲオルゲ・ザンフィルのパンパイプ演奏では「オルテニア地方の踊り」となっていました。ザンフィルの演奏をLPで聞いたのは1977年、ゲオルゲ・ファルカルの演奏をライブで見たのは確か2000年でした。ザンフィルのLPのオープニングを飾っていた快活なこの曲は強く印象に残っていて、まさか同じ曲がタラフのステージで飛び出すとは思ってなかったので、驚きました。ファルカルは2016年に62歳の若さで亡くなっています。もう聞けないかと思うと寂しい限りです。タラフのCDでは、クラムドのHonourable Brigands, Magic Horsesに入っていました。彼の吹いている縦笛は、fluteとしか書かれていませんが、おそらくセルビアのフルーラと同系統なのではと思います。
1本目がタラフ・ドゥ・ハイドゥークスのBrîu(ブルウ)、2本目がゲオルゲ・ザンフィルの「オルテニア地方の踊り」、3本目は似た感じのセルビアの曲として番組でかけたFolk Dance Ensemble VilaのVisocko koloです。

TARAF DE HAIDOUKS Live at Union Chapel (Briu)

Gheorghe Zamfir - Briul Oltenesc.

Visocko kolo

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2021年11月29日 (月)

セルビアの9回目とルーマニアの1回目

ゼアミdeワールド287回目の放送、日曜夜10時にありました。12月1日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日は2曲目まで動画を入れました。

今回はセルビアの9回目とルーマニアの1回目にしたいと思います。ヴラフ関連という事でアルーマニアの音源の話もしていましたが、この盤はルーマニア南東部ドブロジャ地方での録音ですので、次回取り上げる予定です。

セルビアの音楽のラスト9回目とルーマニアの1回目にしようと思ったのは、前回かけたSveti Savaの演奏は、曲によってタラフ・ドゥ・ハイドゥークスなどルーマニア南部ワラキア地方のジプシー音楽に似ていると思ったからです。と言う訳で、3月から続いていた旧ユーゴ諸国の音楽巡りは、今回で最後になります。

セルビアとルーマニアの伝統音楽で明確に違うのは、セルビアでは変拍子と合唱がある点だと思います。ルーマニアでは変拍子はない代わりに、東欧一と言われるほどの高速で演奏されることも多いです。タラフのライヴで「ひばり」を聞いた方は納得されると思います。タラフ・ドゥ・ハイドゥークスのようなワラキアのジプシー音楽は地理的な近さからか、似ている部分が色々見つかるように思います。

バルカン・ブラスの影に隠れて日本では知られてないように思いますが、ブラス以外のセルビアの民族音楽グループの演奏力も相当なものだと思います。まずはスヴェティ・サヴァの演奏から、Vesele Sopske Igreという曲をおかけします。

<Sveti Sava / Vesele Sopske Igre 4分45秒>

次にタラフ・ドゥ・ハイドゥークスの「魔法の馬の帰還」と言う曲をおかけしますが、私がタラフを聞いていて特にワクワクする曲の一つです。

<Taraf De Haidouks / Band of Gypsies  ~The Return Of Magic Horse 5分2秒>

もう一枚のARC盤のFolk Dance Ensemble Vilaの演奏にはVisocko koloと言う曲がありまして、これもルーマニアの音楽に似た一面が聞こえました。

<Folk Dance Ensemble Vila / Visocko kolo 2分43秒>

縦笛フルーラと思われる笛の諧謔味を帯びた演奏でしたが、タラフ・ドゥ・ハイドゥークスの演奏ならゲオルゲ・ファルカルが縦笛を吹いているBrîu(ブルウ)と言う曲がそっくりで、この曲はゲオルゲ・ザンフィルのパンパイプ演奏では「オルテニアの踊り」と紹介されていました。

<Taraf de Haïdouks / Honourable Brigands, Magic Horses & The Evil Eye ~Brîu 2分4秒>

セルビア東部のヴラフ人の葬儀の音源に、Padura, Sora Paduraと言うバラードがありまして、2回前にかけましたが、この曲は「森、姉妹の森」のような意味でした。埋葬後に故人の家で歌われるということでしたが、そっくりなタイトルの曲がタラフ・ドゥ・ハイドゥークスにもありまして、こちらはラヴソングと言う解説になっています。曲名はPadure Verde, Padureで、やはり「緑の森、森」のような意味です。タラフ・ドゥ・ハイドゥークスの2000年頃の来日の際は、長老の一人だったカクリカがツィンバロム弾き語りでエモーショナルな歌声を聞かせています。彼は88年にオコラから出ていた「ワラキアのジプシー音楽」でニコラエ・ネアクシュやイオン・マノレと一緒に名を連ねています。3人とも故人になってしまいました。長いので、途中までおかけします。

<Taraf de Haïdouks / Dumbala Dumba ~Padure Verde, Padure 7分1秒>

では最後にセルビアの民族音楽グループ、スヴェティ・サヴァの演奏でSplet Igara Iz Centralne I Zapadne Srbijeという曲を時間まで聞きながらお別れです。セルビアの中部と西部の音楽のようですが、この曲もルーマニア音楽に似て聞こえる部分があるように思いました。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Sveti Sava / Splet Igara Iz Centralne I Zapadne Srbije 6分27秒>

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2021年11月26日 (金)

ヴラフ人のバグパイプ

結婚式のブラスバンド、Cintec Alu Nasu Lunitaを探していましたが、「ヴラフのバグパイプ」と言う興味深い映像がありましたので、こちらを1本目に入れておきます。Cintec Alu Nasu Lunitaは、何故かこの曲だけ「楽園の蝋燭」の単独ファイルがありましたので、2本目に。
ヴラフ人ですが、広義に取ればルーマニア人もアルーマニア人も入れるようです。アルーマニア人はギリシアやアルバニアにも多いことが地図で分かります。現代のルーマニア人を古代のダキアのルーマニア人と言う意味でダコ=ルーマニア人と呼び、その他にアルーマニア人、モルラク人(Morlachs)、メグレノ=ルーマニア人(Megleno-Romanians)、イストロ=ルーマニア人(Istro-Romanians)などが含まれ、ヴラフ人とは自民族の国としてルーマニアを持つルーマニア人を除いた人々を指すことが多い、とされています。イストロ=ルーマニア人(Istro-Romanians)と言うのが、前にクロアチアで出てきたイタリアの近くのイストリア半島のルーマニア人のことです。話者はわずか1000人ほどだそうです。

Vlach bagpipe ballads (Timoc and Epir regions)

Radujevac ( Wallachs of eastern serbia ) - Cintec Alu Nasu Lunita

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2021年11月25日 (木)

ヴラフの装飾技巧 ウングレアンカ他

細かくトリルをかけているのだろうと思いますが、ウングレアンカのフィドリングは独特です。トリルと言うより、コブシのようになって旋律に一体化している感じです。演奏している動画があれば見たいものですが、なさそうです。この曲は東セルビアのヴラフとルーマニアに共通するのか、またルーマニアに回ったらそちらの音源で探してみようかと思いますが、すぐに出てきた2本目は全く違うタイプの曲でした。
今回放送でかけた「楽園の蝋燭」前半の音源7曲で、他に特に気になるのはDor, Dorituleです。やはり細かい揺れのような装飾技巧が耳に残ります。4本目はAuvidis Ethnicの音源のようですが、こちらはバグパイプでの演奏。よく聞くと同じ曲かなと思いました。(以下放送原稿を再度)

ヴラフ人に伝わるダンス音楽は非常に豊富で、編成もフィドル、フルーラ、バグパイプ、ブラスバンドなどのいずれかがフィーチャーされた演奏が多いようです。まずは前回オープニングに少しだけ流したフィドルのUngureancaからおかけします。独特なしゃがれたような音色には、トランシルヴァニアのフィドルに近い印象を持ちます。

<1 Ungureanca 2分35秒>
Ungureanca / Dance from Timok area

Ungureanca

牧畜生活の部では、フルーラの独奏とバグパイプが入っていますが、フリーリズムで装飾豊かに演奏されるフルーラ独奏の方をおかけします。「吸血鬼を追い払う曲」と並べてじっくり装飾技巧を聞き比べてみたい演奏です。

<7 Dor, Doritule 1分56秒>
Dor, doriţule - Lexa Fluieraşul (satul Osnicea)

Dor, Doritule

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