バルカン

2021年1月22日 (金)

プリトュリ・セ・プラニナタ(母の愛は何にもまして強い)

「ブルガリアン・ポリフォニー1」の2曲目に入っていたプリトュリ・セ・プラニナタ(山が散りばめられた?)は、独唱やモダンなアレンジを施した歌唱など、色々ありました。この曲と次のピレンツェ・ペエがこの盤のベストだと思いますが、少し見た限りではほとんどが伝統的な女性合唱のみだったピレンツェ・ペエとはその点違っているようです。「憂鬱な時があっても、ほんの小さな幸せを見逃さないようにと小鳥が教えてくれた」と歌うピレンツェ・ペエと、「母の愛は何にもまして強い」と歌うトラキア地方のプリトュリ・セ・プラニナタ。どちらも心に沁み入る歌と言う点では同じですが、前者が複雑なバルカン的楽曲なのに対し、後者は編曲しやすい旋律ということでしょうか。

この曲についてロシア語のみウィキペディアがありました。要約すると、「ステフカ・サボティノワの歌唱の後、20世紀半ばに人気を博したブルガリアの民謡で、彼女は西部トラキアの祖母からこの歌を学びましたが、彼女自身は幼少期を平野で過ごし、以前は山を見たことがありませんでした。曲はフィリップ・クーテフがアレンジ。スイスのプロデューサー、マルセル・セリエは、ステフカ・サボティノワの歌に満足し、ブルガリアの民謡を収録したアルバムをリリースすることを決定。1975年に彼はジャック・アノアによる現代的なアレンジのプリトゥリ・セ・プラニナタを含むアルバム「ブルガリアの声の神秘」をリリース。これにより、この曲とStefkaSabotinovaは世界的に有名になりました。」とありました。1本目はStefka Sabotinovaのオリジナル歌唱にリズムを被せているのでしょうか。

Stefka Sabotinova - Prituri se planinata (HD) + lyrics / текст

Prituri Se Planinata by Stellamara (original)

Ку-Ку Бенд - Притури са планината / Ku-Ku band - Prituri sa planinata

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2021年1月21日 (木)

ピレンツェ・ペエ

ブルガリアン・ヴォイスの名曲としてしばしば言及されるのが、ピレンツェ・ペエとトドラでしょう。トドラは次回かける予定ですので、今日はピレンツェ・ペエを幾つかの歌唱で聞き比べしてみます。Sheet Musicに楽譜もありましたので、こちらを一本目に。最初の方にブルガリア語の歌詞のローマ字表記と英訳もありました。ピレンツェ・ペエの意味は「ナイチンゲールが歌う」と言うことで、ペルシアなど中東の詩との繋がりを感じさせ、poleやzelenaのように語彙にはロシア語から類推の効く単語も散見されます。音楽面では、9拍子と4拍子が入れ替わる複雑なリズムであることが分かり、これはバルカン音楽の典型と言えるでしょう。高音パートの細かい節回しは、ペルシアのタハリール唱法に少し似ているようにも思います。このようにスラヴと中東の要素が重層的に重なっていることが、音楽と歌詞からはっきり分かります。

Pilentze Pee (Sheet Music)

THE GREAT VOICES OF BULGARIA - Pilence Pee

Bulgarian State Women's Chorus -- Pilentze Pee

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2021年1月20日 (水)

ブルガリア女声合唱のライブ映像

1988年の来日公演は見てないのと、80年代初めに芸能山城組のブルガリアの合唱を先にLPで聞いたので、4ADの『神秘の声(Le Mystère des Voix Bulgares)』を聞いてそれほど大きな驚きはなかったのですが、ライブ映像をこうして簡単に見れるようになった現在、ますます他のロシアなどのスラヴ世界の地声合唱と共通する部分があるなと実感します。80年代当時はロシア民謡の紋切り型のイメージばかりで、スラヴ世界の地声合唱はほとんど知られてなかったと言って良いのでは。ブルガリアの場合、変拍子や不協和音が目立つのは、他のバルカン各地の民族音楽やバルトークのブルガリア音楽を題材にしたピアノ曲と共通しています。
それよりもブルガリアと聞いて個人的に最も気になるのは、中央アジア~ウラル地方にいたテュルク系のブルガール人(人種はモンゴロイド)の一派がブルガリアまで流れてきて、国名の由来にもなっているという点です。ブルガリアが属する南スラヴをベースに、どこかに今もテュルクの要素が残存しているのか、その上で長く支配を受けていた同じテュルク系のオスマンの影響がどういう所にあるのか、少しでも明らかに出来たらと思います。2本目は最近の傾向でしょうか、ソフィアのオーケストラとの非常に美しい演奏です。

Le Mystere des Voix Bulgares - Full Performance (Live on KEXP)

Cosmic Voices from Bulgaria & Sofia Philharmonic Orchestra - Zaspalo e Chelebiiche

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2014年2月21日 (金)

クロアチア民族舞踊団 LADO

昨日は招待券を頂いていたクロアチア国立ラド民族音楽舞踊団の高松公演に行っていたので、ブログはお休みしましたm(_ _)m 高松のフォークダンス・サークルの方々がお客さんのほとんどだったようですが、非常に楽しいコンサートでした。全く予備知識なしで行きましたが、その演奏の達者なことと、歌声の見事さ(チベット聲明のような低音もあり)、カラフルな衣装の舞踊とステージも目を見張るものがありました。
ホラ、ホロ、オロ(国によって呼び方は様々)に代表されるバルカン系フォークダンスの楽しさは勿論ですが、特に周辺国の音楽の影響?が色々と垣間見えたのが興味深かったです。ハンガリーの民謡、ブルガリアン・ヴォイス、ダルマチアのクラパ歌謡(少しイタリア~地 中海的)、クレタ島のリラ、ギリシアのブズーキなどに似た音楽が紙芝居のように次々聞こえてきました。スラヴらしい深淵を覗かせる無伴奏の合唱も絶品でした。(クロアチア語はスラヴ系なので、ロシア語から類推のきく語彙が結構あります) クロアチアが音楽文化の十字路でもあるから色々な要素が元々入っているのか、ラドの皆さんがクロアチア各地の多様な音楽を演奏できるからなのか、どちらなのでしょうか。
クロアチアの音源と言えば、心当たりのあるのはイギリスのARCからの何枚かで、このレーベルは現地盤のライセンス・リリースが多いのですが、どうやらラドの音源は出ていないようです。会場ではクロアチア盤のCDとDVDが並んでいたので、すかさずゲットして帰りました。
一本目は、昨日のプログラムと同じ1曲目、2曲目の順に出てきます。2曲目は何とも摩訶不思議なダブルリードのデュオでした。

LADO Ensemble - Croatian Folk Dance at 62nd Dubrovnik Festival

Ansambl Lado,narodni plesovi i pjesme Hrvatske, I

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2011年11月20日 (日)

Caci Vorba

ぐっと戻りまして、今日はポーランド。カシューブ~グダニスク(ダンツィヒ)やシュワジェベチカなどの話で終わっていましたが、最近注目のグループが幾つかありますので、2,3取り上げてみます。まずは、チャチー・ヴォルバから。
ドイツのレーベルOriente Musikからの2枚は、かなり興味深く聞きました。ポーランドだけでなく、広く東欧~バルカンのジプシー音楽を取り上げているという印象ですが、若手らしからぬ?筋金入りの内容に驚きました。東欧からはまだまだ注目のアーティストが出てくるなという印象を強くしました。Oriente Musikは、これまでにもルーマニアのマリア・タナセを数枚、クレタ音楽、クレズマー関係など、注目作を色々出してきた個性的なレーベルです。

Caci Vorba

Caci Vorba - Batuta

CACI VORBA koncert Wrocław klub ŁYKEND 20110224

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2010年12月26日 (日)

Makám és Kolinda

クリスマスは終わりましたが、例のコリンダというバンドについても少し見ておきます。こちらのコリンダは、マカーム・エーシュ・コリンダとも呼ばれます。ハンガリー等のトラッドな楽器を使っていますが、プログレッシブロックを思わせる音楽性で、民族音楽の要素はフラグメント的に使われている位の曲も多いように思います。ハンガリーだけでなくバルカン~東地中海音楽を指向しているような曲もよく耳にします。
コリンダは、80年代に一部トラッドファンの間で話題になっていて、民族音楽雑誌パオ(Pao)で記事を見かけたような記憶が薄っすらとあります。グループ名にアラブの旋法をストレートに連想させる「マカーム」という言葉が入っている所が興味深いと思っていましたが、関係はあるのでしょうか。ハンガリー語での同音異義語でしょうか。

Kolinda - Tételek: Ha folyóvíz volnék - Altató - Én vacogok már

Kolinda - Bolgár kitérő

Makám és Kolinda - Úton 2

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2010年12月19日 (日)

Kekec チルドレン・ソング

今日はスロヴェニアの後追い情報になりますが、面白い映像を見つけたので、そちらを上げておきます。Kekecというのはこちらによると、スロヴェニアの国民的英雄で、実はゲイで等々とありますが、パロディサイトですから誇張(あるいは歪曲)されているでしょう(笑) ドイツ風な音楽とスラヴ語の言葉の響き、ディナルとアルプスが交差する土地特有の絶景、ノッポさんのような(あるいはスナフキン)少年の服装など、不思議この上ないです。スロヴェニア版トム・ソーヤのような存在でしょうか。

KEKEC - Kekčeva pesem

KEKEC - Dobra volja je najbolja

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2010年12月17日 (金)

南と西のスラヴ

今日で一応スロヴェニア・シリーズを終えようと思います。3ヶ月近く続いた旧ユーゴの音楽巡りもひとまずピリオドです。最後にふさわしい爽やかなスロヴェニアの音楽で。しかし、オリエンタルなマケドニアの音楽とは全く異なりますね(笑) 一つの国だったとは信じられません。
次回からはハンガリーへ。このブログの始まりもハンガリーでしたから、2巡目になります。今度はもっとディテールにこだわって行きたいと思います。

Die Jungen Original Oberkrainer - Slavko Avsenik Medley



やっぱりチロルに近い印象を覚えます。アコーディオンがメインですが、左のギターに注目。こんなギターの使い方もあるんですね。

Beautiful Slovenia

Na Planincah, and Polster Tanc (slovenian folk songs)

Czech folk song



いずれ廻りますが、西スラヴの代表チェコの民族音楽を一本比較で上げておきます。スロヴェニアからはオーストリアを挟んで北に位置します。アルペンな感じのスロヴェニアの音楽とはまるで趣が違います。ドイツ語圏の影響が強いスロヴェニアに対して、哀愁に満ちたあのモルダウを書いたスメタナを生んだ国ということを思い起こさせます。

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2010年12月16日 (木)

レジアの踊りとフィドル

寒波到来です。伊予でも現在気温が1度。ストーブの真ん前にいても暖まらず、寒すぎて腰掛けたいくらいです(笑) 今日もレジアの映像ですが、フォークダンスとフィドル奏法について少し分かるものがありました。言葉や歌はスラヴ的ですが、踊りや基本的な楽器については、やはりイタリア寄りかな、と思います。
余りに寒いし、時間もないので、本日は短文にて失礼します。

Folklorna skupina Emona - Rezija (35 obletnica 2002)

Etno Histria '08 - Little Promo Concert @ Škocjan, Aug 6

Resian folk song 5

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2010年12月15日 (水)

レジア渓谷の音楽

イタリア内スラヴの地、レジア渓谷の音楽、色々見つかりました。イタリア北東部のフリウリ・ジュリア地方になるのだろうと思いますが、レジア渓谷にはスラヴ系のスロヴェニア人が住んでいて、豊かな民族文化を残していました。女性の叫ぶような交唱、チティラ(ヴァイオリン)とブンクラ(3弦のチェロ)の組み合わせ(例のジョン・ゾーンのレーベル、DIWからの「レジア・ヴァレイ・ミュージック~スマルナミーザ」にも入っていました)など、驚きの映像の連続です。イタリアの地域別音源と言えば、アメリカの民族音楽学者アラン・ローマックスのシリーズが余りに有名で、フリウリ・ジュリアもあったと思いますので、よく探すとレジアの音楽も入っていたかも。場所的にはアルプスに近いのですが、レジアはやはり直でスラヴに繋がる部分を強く感じます。

Slovenski Ljudski Plesi, Rezija (part one), RTV Ljubljana 1988



ナレーションはスロヴェニア語だと思います。ロシア語に似ています。1988年に出たビデオからの映像とのこと。

Slovenski Ljudski Plesi, Rezija (part two), RTV Ljubljana 1988

Resian folk song 1



-rezijanska svatbena pesem-
very very ancient and very hard to get; Resian wedding song, from resia valley old original recording. on the extreme western border of the slavic world high in the julian alps, in opposite to other places of the alps where slovenes live, resia valley has been cut from the outter world for centuries thats why it maintains its orthodox authentic slavic character.

if the Resians are Slovenians is left to the debate we certinly got same ancestors, but today our cultures are very diffrent. Officialy they are recognized as slovenian minority in italy but few of them fell Slovenian, they rather advocate Resia being a separate slavic micronation on its own.

Resian folk song 2



アニメも独特

Resian folk song 3



景色だけでなく、町並みや建物も美しいです。

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