エスマのSo maki sum se rodilaは余りの絶唱で、スタジオで聞いていて涙腺決壊したのは初めてのことです。すぐに続けられず、数分待って収録を再開しました。エスマの旦那さんのスティーヴォが亡くなったのが1997年という事で、この盤(ジプシー・カーペット)は10年後のリリースですが、この歌には何か亡き夫への思いが投影したのではと思います。名曲名旋律ですから、色々なアレンジがありました。涙腺を刺激する曲と言えば、クラシックならマタイ受難曲の終曲とか、無伴奏チェロ組曲5番の後半とか、イゾルデの愛の死とか、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲13番の5楽章とか、個人的に色々ありますが、民族系では「アルフォンシーナと海」などと並ぶのではと思います。1989年にミュージックトゥデイで「ジプシーのとき」を知ってサントラを聞いて以来、エデルレジもそうでしょうか。ペルシア音楽なら、シャヒーディーのウード弾き語りDar Madh e Aliとか。5本目は放送の最後にかけた音源です。
Esma Redzepova - So maki sum se rodila
So maki sum se rodila. Macedonian song
Klapa Cesarice - So maki sum se rodila / Со маки сум се родила - HGZ 9.3.2010
Pere Jovanov - So Maki Sum Se Rodila /Macedonian Folk Song/
So maki sum se rodila (I was Born in Sadness) (arr. L. Dimkaroski)
マケドニアの音楽の3回目になります。今回はスウェーデンのCapriceから出ていたMusic from Macedoniaの2枚シリーズからピックアップしてご紹介します。CDは売り切ってなかったので、アップルミュージックからの音出しになります。ロマ(ジプシー)音楽が非常に多い中にあって、ジプシー音楽以外のマケドニア伝統音楽の音源も多く含むシリーズです。ギリシア、トルコ、ロマ(ジプシー)、スラヴ、アルバニアなどの音楽文化が重なって、曲によって色々なグラデーションで感じられます。
まずは1枚目の1曲目を飾っているSnoshti edobra - Mitro le Mitroと言う曲からおかけします。演奏はStefche Stojkovski and the National Instruments Ensembleです。
<1-1 Snoshti edobra - Mitro le Mitro 4分24秒>
Snoshti edobra - Mitro le Mitro
エスマと言えば、この曲は忘れられない圧倒的な歌唱です。確か独Network Medienの「ジプシー・クイーン~Flammes du Coeurs」(2CD)に入っていたように思いますが、売り切れてもう20年くらい見てないもので。2001年の来日公演に行けば、聞けたのでしょうか。流浪の民の悲しみを感じさせる絶唱で、Žarko Jovanovićが1949年に書いたこのジェレム・ジェレムは、しばしば「ロマのアンセム」と言われます。「ロマのアンセム」と言えば、映画「ジプシーのとき」に出てきたバルカン・ロマの民謡「エデルレジ」も、そう呼ばれていたように思います。どちらも大好きな曲で、甲乙つけられません。これからの旧ユーゴ音楽巡りで何度か登場すると思います。
Esma Redzepova - Dzelem,Dzelem (The most beautiful song of world) - Macedonia
Ederlezi: Time of the Gypsies - Goran Bregović, Emir Kusturica
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