ゼアミdeワールド217回目の放送、日曜夜10時にありました。22日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日の動画は、ハッカリの1枚目と木遣りのみにしておきます。
クルドの音楽の6回目です。今回はハッカリとクルドのスーフィーの音源をご紹介したいと思います。クルドは少し延びまして一応後3回の予定です。まずは土Kalan Muzik Yapimから出ている"EYHOK"Traditional Music of Hakkariですが、この盤についてのゼアミHPの紹介文を読み上げます。
トルコ南東部ヴァン湖の南の高地に位置するハッカリ地方は、クルド系遊牧民が多く住む所。この地の民謡フィールド・レコーディング2枚組で04年リリース盤。日本の東北辺りの民謡に似て聞こえる歌があったり、他には意外に似ているのがイエメン系ユダヤ人の宗教詩ディワン。つまり、故オフラ・ハザの歌のルーツとどこかイメージがダブってくるから不思議。古代のイラン系メディア王国の末裔とも言われる高地クルドの逞しく凛とした歌声は実に素晴らしいです。歌詞にはシリア系文字も見えますが、これはアッシリア由来のネストリウス派キリスト教の伝統も入っているからでしょう。
この盤から何曲か続けておかけします。よく売れるもので、現物が手元に残ってないので、アップルミュージックからの音出しになります。解説を参照できないので曲の詳細は不明ですが、1枚目の最初の方に入っている男性の掛け合いの歌は、日本の民謡の中でもとりわけ、火消しなどで鳶職が歌った仕事歌の「江戸木遣り」にも似ているように思います。3,6曲目を続けておかけします。
<1-3 Serşo 2 2分26秒>
Piyanisili Erkekler - Serşo 2 [ Eyhok © 2004 Kalan Müzik ]
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<1-6 Narink 3 1分20秒>
Piyanisili Erkekler - Narink 3 [ Eyhok © 2004 Kalan Müzik ]
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少し飛んで20曲目も、どう聞いても日本の民謡にそっくりです。
<1-20 Zeynel Beg/Bedirxan Beg 2分47秒>
Abdülkerim Kaçar - Zeynel Beg & Bedirxan Beg [ Eyhok © 2004 Kalan Müzik ]
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2枚目の1曲目でも、追分か馬子唄のような細かいコブシを聞かせていますが、この曲はエチオピアの民謡にも似ているように思いました。
<2-1 Rave 52秒>
前回「長い歌」系のラウクをかけましたが、同じラウクに当たる曲が2枚目4曲目に入っています。これも日本の民謡に瓜二つに聞こえます。
<2-4 Lawkê Tuxûbî 3分8秒>
引き合いに出したイエメン系ユダヤ人の伝承歌謡ディワンも、ユネスコ・コレクションの音源からかけておきます。2曲目のTsur Menati(神は我が居場所)は、オフラ・ハザも歌っていた曲で、これが原曲になります。
<2 The Yemenite Jews Tsadoq Tsubeiri / Tsur Menati 3分46秒>
ハッカリの1枚目で引き合いに出した江戸木遣りも一曲おかけしておきます。曲は、真鶴・手古です。ハッカリのクルドの歌が、ユダヤコミュニティーの中でも特に古い伝承を残すと言われるイエメン系ユダヤの歌や、日本の木遣りや追分にも似ているという興味深い例をご紹介しました。ナーゼリーさんの曲にも、タンブールの音使いが津軽三味線にそっくりな曲もあったのを思い出しました。
<1-1 真鶴 手古 4分33秒>
木遣り、真鶴/手古
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最後に1994年にフランスのOcoraから出ていたクルドのスーフィー儀礼音楽の2枚組から、唱念儀礼ジクルを聞きながら今回はお別れです。イラン西部クルディスタンにあるコルデスターン州の州都サナンダージの神秘主義教団、カーディリー教団の儀礼の93年現地録音で、枠太鼓のダフを叩きながら唱えられます。2枚組に120分以上入ったディープな世界の中から、極々一部ですが、多少は雰囲気が感じられると思います。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週
<2-1 Zikr-E Allâh Et Percussions 9分38秒>
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