仏教音楽

2024年8月14日 (水)

亀田千巖と祖父江省念の節談説教

「お盆と正月」の間はブログアップも飛び飛びになると思いますが、何と亀田千巖師の節談説教がありましたので上げておきます。今週はこれがラストかと思います。ハナシがいつしかフシに、フシがハナシに変わる語り芸の凄さを、これほど感じた節談はありません。亀田千巖師の音源は「日本の放浪芸(7CD)~小沢昭一が訪ねた道の芸・街の芸」の3枚目に少しだけ入っていました。国書刊行会から2015年にこの5枚組CDブックが出ていたようで、ゲットできず残念この上なしです。2本目は「また又日本の放浪芸=節談説教(6CD)~小沢昭一が訪ねた旅僧たちの説法」のジャケットに出ていた祖父江省念師の説教です。この人の声を聴くと「節談説教は話芸の源流で、講談、落語、浪曲などの母体」と言うのがリアルに感じられます。YouTubeを見ると若手の節談が続々と出て来ているようですが、このお二人の古老のような味わいが出るのはまだまだ先ではと思いました。

亀田千巖説教集 第4巻第1席 堕ちるところがない

祖父江省念 節談説教「報恩の行」ダイジェスト

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2024年8月12日 (月)

能登の節談説教

ゼアミdeワールド423回目の放送、日曜夜10時にありました。14日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。CDと同じYouTubeは無さそうですので、広陵兼純師の映像を2本貼っておきます。

予告しました通り、これから8月と1月は、ほぼ丸一か月純邦楽を取り上げる予定です。今後の大体の予測ですが、東欧系ユダヤが終わって、この後ヨーロッパ巡りを終えてスペインから出るまで2,3年、北アフリカからアラビア半島が1年、インド周辺に2年、東南アジアと東北アジアに2年、南北アメリカに3年、ブラック・アフリカに1,2年、オセアニアに半年とすると、その後日本の音楽に入る頃は15年後くらいになると思います。大分先になってしまいますので、せめて「盆と正月」は日本に帰ろうという考えでおります。
これまで正月は「春の海」の色々な演奏やお能の祝言の謡い、お盆時には、阿波踊り、青森のねぶた・ねぷた、岐阜県・郡上八幡の盆踊り、越中おわら風の盆などを取り上げてきましたが、今年は能登の復興を願って、また能登にはこんな古い文化が残っていたことを知って頂きたいのもありまして、「小沢昭一が訪ねた能登の節談説教」をおかけしたいと思います。小沢昭一の、放浪芸や大道芸、節談説教の膨大なシリーズの続編です。浄土真宗の僧侶である茂利宗玄と広陵兼純、両氏の音源が入っていますが、今回は広陵兼純の方を時間までおかけします。
浄土真宗興隆の地である能登の仏教講話自体が大変面白いのですが、ハナシがいつしかフシに、フシはたちまちハナシに変わる語り芸の凄さをじっくり味わってみてください。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<5 小沢昭一が訪ねた能登の節談説教 ~広陵兼純 / 説教「弥陀の誓願不思議に助けられ」 39分5秒>

節談説教

節談説教「如来ひとり共なりき」(廣陵兼純師、真宗大谷派満覚寺住職)

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2013年7月19日 (金)

キャンディのペラヘラ祭

16日にも上げましたキャンディのペラヘラ祭は、スリランカのシンハラ仏教徒の何日にもわたる盛大な祭で、今日の3本はその臨場感溢れる映像です。探していたパーリ語の声明も、2本目の最初に出てくる独唱がそうではないかと思われます。この祭では様々な踊りや音楽が繰り広げられ、言われなければ仏教儀礼と分らないかも知れません。ほとんどカーニバルと見紛うような盛り上がりです。仏歯を納めた舎利容器を背に乗せて装飾した象を先頭に、街中を歩いてパレードするのがペラヘラの由来とのこと。太鼓も声明も象のパレードも全て含まれている華やかな今日の映像で、今回のシリーズを締めることにしましょう。

Kandy Esala Perahera Srilanka 2012 (Part 1)

Esala Maha Perahera Kandy Srilanka ( Part 2)

Esala Maha Perahera Kandy Srilanka(Part 3)

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2013年7月18日 (木)

Drums: Buddhist Temple in Sri Lanka

スリランカのパーリ語声明を聞きたいと思って探しているのですが、なかなか見当たらず。キャンディの仏教儀礼の太鼓が、もっとはっきり確認できる映像がありましたので、そちらを上げておきましょう。両面太鼓と二連の太鼓、それにシャーナイかナーダスワラムに似たダブル・リードの管楽器が入るのが典型的なスタイルですが、この甲高い笛の音が入ると、南インドのナーダスワラムを使ったヒンドゥー教音楽そっくりに聞こえてきます。

Drums: Buddhist Temple in Sri Lanka

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2013年7月17日 (水)

クメールの仏教音楽

スリランカ仏教の太鼓だけでなく、声明や読経のような映像はないかなと探していたら、クメール(カンボジア)の仏教儀礼の映像が出てきました。同じ小乗仏教系になると思いますので、今日はこちらを上げておきましょう。カナダのオタワでのカンボジア人コミュニティーでの映像のようですが、ポルポト政権下の大虐殺を逃れてカナダに逃れた人達でしょうか。
仏典の言葉として知られるインドのサンスクリットと、スリランカなどのパーリ語は、どちらもインド・ヨーロッパ語族に入りますが、このビデオのコメントに、Khmer Pali is a little different as with all Pali. Pali is a religious langauge written in the native language of that particular country correlating to the oral Buddhist tradition, Buddhist texts did not appear until way after the Buddha's passing. Khmer Pali are often chanted in Pali then translated into Khmer. という興味深い書き込みが見えます。

KHMER BUDDHIST TEMPLE OF OTTAWA - Paritta Chanting f

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2013年7月16日 (火)

スリランカの仏教音楽

両面太鼓というキーワードに導かれる形で、今日はヴェッダ~オーストラロイド・ラインから離れて、スリランカの仏教音楽や儀礼について少し見てみましょうか。上座部仏教あるいは小乗仏教とも呼ばれてきた仏教が盛んなスリランカでは、国民の7割を仏教徒が占め、ヒンドゥー教徒のタミル人と仏教徒のシンハラ人の対立はよく知られています。少数派のタミルと多数派のシンハラという構図ですが、数回前に書きました通り、ヴェッダはシンハラに同化する傾向が強くなっているようです。
戒律の厳しさで知られる小乗仏教ですが、太鼓音楽の見事さ、華やかさは、幾つかの録音を通して民族音楽ファンの間では結構知られていると思います。今日のyoutubeのような、古都キャンディでの録音がフランスのArionなどから出ていました。チベット、中国、韓国、日本の大乗仏教系とは明らかに異なる、南方風な大らかさとエネルギーに溢れている映像です。インドの原始仏教に近い儀礼形態を残しているのは、やはりこちらなのでは。ケララの古い舞踊劇にも少し似ていますが、ほとんどカーニヴァルと見紛うような部分もあります。

Kandy Esala Perahera 2013

Perahera-Fest, Kandy, Sri Lanka, Zahn des Buddha

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2013年4月29日 (月)

シッキムのチベット仏教

ダージリンの北隣のシッキムと言えば、ブータンとネパールの間の小さな王国だったイメージが強く、インドの州の一つになっていることを今回はっきり確認しました。ゴアの次に小さい州だそうです。多数派のネパール系の宗教はヒンドゥー教なのだろうと思いますが、2割ほどのチベット系住民の信仰しているのはチベット仏教がほとんどのようです。ダライ・ラマが訪問した時の映像がありましたので、一本目に。二本目は金曜のDARJEELING & SIKKIMシリーズの一本目で、途中におそらくチベット仏教音楽とは異なる伝承のシーンが見えます。例のレプチャの映像でしょうか? 日本語の起源はレプチャ語であるとする安田徳太郎の『万葉集の謎』がベストセラーになり一時話題になったことがありました。

His Holiness Visits Ravangla in South Sikkim

DARJEELING & SIKKIM PART 1 OF 5

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2013年1月 9日 (水)

節談説教

昨日はまた眠気に負けてアップできずでしたm(_ _)m 年のせいか睡魔の訪れが早いので(笑)、今年こそはなるべく早めの時間にアップするようにしたいと思います。
小沢昭一氏の「日本の放浪芸」(シリーズ一巻目)は、昭和46年度日本レコード大賞企画賞を受賞した名品ですが、往年の万歳、語り芸、香具師の物売り、流しなどと一緒に節談説教(浄土真宗の法話)が収められていまして、小沢さんの話にもありましたが、亀田千巌氏の録音には特に特に驚かされました。語りにいつの間にか節が付き、節がまた語りに戻りと、燻し銀のようなダミ声と、名古屋弁の滑らかで温かい語り口には心底びっくりしたものです。同シリーズ三巻目は、節談説教特集で、その後も単品が出てきましたが、亀田千巌氏ほどの驚きはなかったように思いました。
節談説教は中世から存在していて、そこから派生したのが、琵琶弾き語りの平曲や、説教浄瑠璃(説教節)と言われています。平曲以降に生まれた義太夫などの浄瑠璃や、浪曲、落語、現代の演歌まで、それらの日本の「節の素(ルーツ)」が、節談説教の中に聞こえます。(現在は余り聞きませんが落語にも節付きはあったのでしょう) 節談説教は、浄土系の宗派にのみあるらしい点も見逃せないポイントです。節談は常に会衆の「南無阿弥陀仏」の声と共にあるようです。
youtubeにもいくつか節談がありました。2本目に出てくる祖父江省念氏の録音は、上記の三巻目にありました。この映像では残念ながら節は出てきませんが、これが正に節談の声です。3本目途中からの広陵兼純師も、同三巻目と「能登の節談説教」に収録がありました。こちらでは節談がはっきり聞き取れます。こういう節談では、倍音成分が豊かに聞こえるように思います。

節談説教『加典兄妹』 3-1(於:浄信寺報恩講 羽塚孝和)

祖父江省念 節談説教「報恩の行」ダイジェスト

築地本願寺・念佛ノ源流

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2011年5月26日 (木)

ブリヤートのチベット仏教

ブリヤートでは最も古くからのシャーマニズムも盛んなようですが、モンゴル系と言えばすぐに連想するチベット仏教(ラマ教)が盛んなことでも知られていると思います。しかし、ブリヤートはバイカル湖周辺のロシア連邦内の国。シベリアでチベット仏教というのは、いささか一般的なイメージから離れているかも知れません。(隣のトゥヴァにも多いことを知ってる方は不思議には思わないでしょうが) youtubeが幾つかありましたので、アップしておきます。
昨日の「ブリヤートは日本人のルーツと深い繋がりがあったのでは、という記事が散見される」という点ですが、ウィキペディアのブリヤート人の記事には以下のように出ていました。「北米先住民(ネイティブ・アメリカン)や縄文人の遺伝子に近い特徴を持つといわれ、日本人のルーツの一つとして近年注目を集めている。」
追分のような節回しだけでなく、歌の背後にある詫び寂びのような感性は、日本人の感覚にぴったり来るものだろうと思います。それらも遺伝子の近さから来ているのでしょうか。昨日の一本目Gorgeous Buryatia
でのブリヤート・フォーク・グループBadma HandaのAba Ezhiin Zakhyaという歌も、実に詫び寂び感たっぷりでした。

New year at Buddhist temple In Buryatia

Medvedev visits Buddhist temple in Buryatia - NTV 082409

Buddhist temple Ivolginsky Datsan in Buryatia


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