ドイツ

2024年7月17日 (水)

Die Moorsoldaten - Hannes Wader

Die Moorsoldatenについては、Phewが85年に活動再開した頃に歌っていて知った云々を大分前にも書いたかも知れません。85年頃は全く曲について何も知らなかったのですが、ドイツ語で歌われるこの曲の悲愴美には強く惹かれました。この曲を歌った歌手はエルンスト・ブッシュ、ペーター・ローランド、ハイン・アンド・オス・クレーハー、ポール・ロブソン、ピート・シーガー、ペリー・フリードマン、ザ・ダブリナーズ、ハネス・ヴァーダーなどとドイツ語版ウィキペディアにありました。ペーター・ローランド、ハイン・アンド・オス・クレーハー、ピート・シーガー辺りは、大変気になりますが、今日はドイツの歌手ハネス・ヴァーダーの動画を貼っておきます。彼はドイツのシンガーソングライターで、1970年代からドイツの左翼界で重要な人物であり、ヨーロッパやラテンアメリカ等の抑圧に対する社会主義や共産主義の抵抗などのテーマの曲をカバーしています。そう言えばドイツの大衆歌謡と言うのは、ジャーマン・ロックは別にして、ほとんどいつまでも「リリー・マルレーン」止まりで、日本ではほとんど知られてないように思いますが、何故でしょうか。私も聞いたことがあるのはヒルデガルト・クネフくらいでしょうか。ハネス・ヴァーダーは今回初めて知りました。一つ思い出しましたが、大ヒット曲「ジンギスカン」はドイツ発でした(笑) (以下放送原稿を再度)

「アレクサンドル・クリシェヴィチ / 地獄の底から生まれた歌」の9曲目のヒムと題されている曲ですが、これはよく知られたメロディで、日本の女性歌手Phewも歌っていたDie Moorsoldaten(ディー・モールゾルダーテン)と同じ旋律です。「泥濘(ぬかるみ)の兵士」と訳せるこの曲は、ベルガーモール強制収容所の囚人によって 1933年に書かれた歌で、作曲家ハンス・アイスラーをして「この歌こそ国際労働者階級の運動の中で最も美しい革命歌だと思う」と言わしめたそうです。収容所間の囚人の移送にともなって各地に広まり、ドイツ国内での反ファシズム抵抗運動を証すものとして欧米中に歌いつがれた歌で、日本では竹田賢一が最初に歌ったのではと思います。竹田賢一のグループ、A-Musikとの共演があったフューは、竹田さんから教わったのではと推測されます。余談ですが、モールゾルダーテンをモールではなくムーアと発音すると全く意味が違ってしまいます。

Die Moorsoldaten

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2023年6月 8日 (木)

Schtil, Di Nacht is Ojsgeschternt ツプフガイゲンハンゼルの昔と今

番組でもかけましたが、ZupfgeigenhanselのJiddische Liederの中で、特に好きな曲の一つSchtil, Di Nacht is Ojsgeschterntの1984年のライブ映像がありました。この詩も、昨日のSog Nischt Kejnmolと同じHirsch Glikの作と分かりました。意外に他のイディッシュの音源では聞かない曲です。Jiddische Liederの他の曲は、明日全曲入れようと思っていますので、ドイツ民謡を歌っている82年の映像を2本目に入れます。ハシディックなノリが強く感じられるLomir Sich Iberbetnも個別に上げようかと思いましたが、他のグループの演奏も多い曲ですので、外しました。ワンダーフォーゲル活動などで歌われるドイツ民謡の方が彼らのレパートリーの中心ですから、ドイツに回って来たら取り上げる予定ですが、アルバムとしては1枚だけのイディッシュ民謡は相当評価が高かったようで、私のようにイディッシュ専門のグループと思っていた人も日本にはいるのではと思います。
3本目は2022年の映像ですが、もうすっかりお爺ちゃんになっていて、分かってはいたことですが、少々ショックを受けました。

Zupfgeigenhansel - Schtil, di nacht is ojsgeschternt (Live 1984 - Volksbühne Berlin)

Zupfgeigenhansel - Bürgerlied (Live bei "Nacht der Lieder" 1982 - 2/6)

50 Jahre Zupfgeigenhansel: Das große Comeback 2022 (Interview von RegioTV)

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2021年10月 1日 (金)

独墺のツィター

ツィターについてもスロヴェニアのYouTubeは見当たらないので、オーストリアか南ドイツの映像だと思いますが、数本上げておきます。今回初めて楽器の実物を間近で見るように思います。ギターの棹状のフレットが手前にあり、奥がベース音の開放弦多数と言う風に見えます。大正琴を弾くように左手でフレットを押さえて、右手親指で旋律を弾き、右手の他の4指で和音とベース音を鳴らしているようです。フレットはギターよりも深いようで、かなりヴィブラートがかかっています。1本目は、この楽器を一躍有名にした映画「第三の男」のテーマ曲で、4本目がそのツィター奏者アントン・カラスの演奏と映画のワンシーン。

Zither "Der Dritte Mann" virtuos! / The Harry Lime Theme at it's best.

VALSE LENTO * Langsamer Walzer (F. Mühlhölzl) Klaus Waldburg * Konzert-Zither

Droadkastn-Landler von Hans Berger (Zither)

Anton Karas - Der Dritte Mann (The Third Man) (HQ Audio)

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2016年2月26日 (金)

Chant des Marais = Die Moorsoldaten

今日のChant des Marais(泥濘の歌)と言う曲を初めてCDで聞いたのは、90年前後にAuvidisから出ていた「フランスのボーイスカウトの歌集」でしたが、この旋律は80年代中頃の日本のインディーズの歌手Phewが、当時Die Moorsoldaten(ディー・ムアゾルダーテン)という曲名でよくライブで歌っていました。ヨーロッパの代表的なプロテスト・ソングの一つなのですが、Phewのファンであったのと同時に、こういう深い悲しみを含んだ曲調が昔も今も個人的に好きなもので、フランスに回ってきた機会にChant des Maraisで検索したら、夥しい数のyoutubeがありました。ドイツのニーダーザクセン州の泥炭地にあったナチスの強制収容所で囚人によって作曲されたそうです。原題がDie Moorsoldatenで、フランスに伝わってChant des Maraisとなったようです。英語ではPeat Bog Soldiersと言うそうです。

Devoir de mémoire: Chant des Marais( hymne européen de la déportation)

Hannes Wader - Die Moorsoldaten

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2014年8月 8日 (金)

スラバヤ・ジョニー  ジャワの原子爆弾

中部ジャワのガムラン音楽の細部に分け入ってみようという試みでしたが、見ている内に更に分らなくなってきました(笑) 一つ分ったことと言えば、「クラトン」はスラカルタでの固有名詞のように使われることもあったように思いましたが、単に王宮の意味でも使われるようで、「ジョクジャカルタのクラトン」と言う場合はその意味になります。
そろそろ中部ジャワを離れて他に目を向けたいと思っています。今日はちょっと寄り道です。ジャワの東の方に目を向けるとスラバヤという町があります。スラバヤと聞くと、ほとんど反射的に思い出すのが、クルト・ワイル&ベルトルト・ブレヒト・コンビの「スラバヤ・ジョニー」。ジャワとどう関係があるのか、劇自体を聞いてないので何とも言えませんが、何か東洋への憧れの反映なのかも知れません。この曲、フランスではボリス・ヴィアンがフランス語の歌詞を付け、カトリーヌ・ソヴァージュが歌っていますが、ボリス・ヴィアンと言えば「原子爆弾のジャワ」(あるいは「ジャワの原子爆弾」?)という歌も歌っていたのを思い出しました。遠い異国への憧憬(か何か)を思わせる2曲です。
クルト・ワイルの妻ロッテ・レーニャと、ボリス・ヴィアン自身の歌唱で。

Lotte Lenya - Surabaya Johnny

Boris Vian - La java des bombes atomiques

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2012年1月 5日 (木)

色々なシチリアーナ

フォーレのシシリエンヌに続いて、今日は色々な作曲家のシチリアーナを拾ってみました。お聞き覚えのある曲も多いはず。ぱっと思い出した作曲家の国籍は、本家のイタリア、フランス、ドイツが中心でした。他の国にはシチリアーノを書いた作曲家は、ほとんどいなかったかも知れません。(今日は特にJ.S.バッハの作品が多くなりました)

シチリアーナはバロック時代に大流行した舞曲で、その後ほぼ忘れ去られていたのを、フォーレが独自の感覚で復活させました。しかし、19世紀に復活した曲は、シチリアと言うより、パリの町並みが似合うような音楽かも知れません。

現在のシチリア島にシチリアーノは残っているのか、というのが気になります。何かあったらまた取り上げます。

Siciliana - Ancient Airs and Dances No. 3 - Respighi



このレスピーギのシチリアーナは、古今の作品で最も有名な曲の一つでしょう。

JS Bach / Edith Picht-Axenfeld, 1968: Goldberg Variations, BWV 988 - Variations 7, 8, 9



グレン・グールドのピアノで一般に広く知られるようになったゴールドベルク変奏曲の中のシチリアーノ(第7変奏)と第8,9変奏。エディト・ピヒト・アクセンフェルトの素晴らしいチェンバロ演奏で。最近はドイツ語に忠実に「ゴルトベルク」と表記されることが多いようです。

バッハ シチリアーノ フルート演奏 Bach Siciliano Flute



このフルート・ソナタ中のシチリアーノは、昔クリープか何かのTVCMに使われていたことがありました。テニスコートで雨宿りするカップルが映っていたような・・。 美しい一曲です。

BWV 1001 III.- Siciliano



この曲は無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ1番のシチリアーノのギター編曲版。

13.シチリアーノ/パラディス(siciliano/Paradis)



パラディスのシチリアーノは、チェロでもよく演奏されます。

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2011年10月18日 (火)

Siebenbürgen - Erdély

トランシルヴァニアのことをハンガリーではエルデーイと呼びますが、その中でドイツ系住民のいる地域をザクセン人達はズィーベンビュルゲンと呼ぶようです。今日はブラスバンドや、ミュンヘンのオクトーバーフェストにエントリーしているトランシルヴァニアのダンス・チームの演奏などを。ドイツ系ということで、忘れてしまいそうですが、トランシルヴァニアと言えば吸血鬼伝説の本場ですからVampir関係も少しあります。でも恐いので止めておきましょう(笑) 息を呑むような絶景の映像も。トランシルヴァニアはこんな美しい場所でもあります。

Transylvania Club Dance Group - Oktoberfest 2008

Blasorchester Siebenbürgen-Drabenderhöhe 2010

Siebenbürgen, Rumänien

Siebenbürgen - Erdély

Einst süße Heimat - Siebenbürgen Part1


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2011年10月17日 (月)

Siebenbürger Sachsen

トランシルヴァニアのザクセンを意味するSiebenbürger Sachsenのズィーベンビュルガーというのは、直訳すれば「七人の市民」だと思いますが、それとトランシルヴァニアはどういう関係があるのでしょうか? しかし、ずっと謎めいた存在で、よく分からなかったザクセン人についてもyoutubeのお陰で少し分かってきました。今日は教会建築とその中で?鳴り響くオルガン、民族舞踊など。

例のルーマニアElectrecordsの「ルーマニア・トランシルヴァニアのドイツ系音楽」が出てきました。最も有名なのは、コントラバス協奏曲で有名な、モーツァルトの頃のウィーンの作曲家ディッタースドルフで、彼はトランシルヴァニアに赴任していたようです。ハンガリーのグロースヴァルダイン(現ルーマニア、オラデア)の司教の楽長を務めたそうです。トランシルヴァニア的な曲では、レーベンスドルフという作曲家のトランシルヴァニア舞曲という曲などがありあます。(残念ながらyoutubeは無しでした)

Birthälm in Siebenbürgen Biertan in Transylvania

Kirchenburgen der Sachsen in Siebenburgen

Saxon dance in Sibiu (Hermannstadt)

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2011年10月16日 (日)

トランシルヴァニアのザクセン人

スイスのロマンシュからイタリアに移動するのも一つですが、何故かロマンシュ関係の動画にルーマニアのものがありまして(3本目)、それで思い出しました。前に予定していました、ルーマニアのドイツ系少数民族、ザクセン人の方に目を向けることにしましょう。

ドイツ人によるトランシルヴァニア植民は12世紀に始まり、ハンガリー王国の南東部国境地帯の防衛が主目的でした。植民者は神聖ローマ帝国西部出身者がほとんどで、全般的にフランケン方言(アーヘン、ケルン、トリアー周辺で話された)を話していたけれども、彼らは集団名をザクセン人として呼ばれていた、とのこと。トランシルヴァニア・ザクセン人は、第二次世界大戦後に減少、更に1989年の東欧革命後に激減し、多くはドイツへ移住していったようです。しかし現在もハンガリーやルーマニアにとどまったザクセン人は少数民族として知られています。

考えてみれば、ドラキュラに登場した町、ビストリツァなどもドイツ名の地名でした。フォークミュージックにおいては、おそらく現代のドイツでは忘れられた、中世ドイツ以来の音楽を受け継いでいる部分もあるのではと思います。素朴で端整なドイツ風音楽は、本国ドイツでは余り聞かれなくなっているかも知れません。クラシックの作曲家も出ていて、確かルーマニアのエレクトからCDがありました。それらの作品にはトランシルヴァニアの伝統音楽の影響が少しあったように思いますが、民謡においては驚くほどトランシルヴァニアの音楽の影響を受けてないように聞こえます。Siebenbürger Sachsenとは、トランシルヴァニア・ザクセンのことです。

Siebenbürgen / Siebenbürgisch-sächsische Volkslieder in der Heimatstube Schnaitheim /

Anthem of Siebenbürger Sachsen (Romania)

Romansh Switzerland: culm piz - vegl chanzun pastur - bel

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2011年9月27日 (火)

マーラーのタイタンにもレントラー

後で気付きましたが、マーラーの第1交響曲「巨人(タイタン)」にもレントラーがありました。おそらくマーラーのレントラーの例では一番有名でしょう。このレントラーは、民族舞踊の楽しさをほぼそのまま感じさせます。3楽章ではAre you sleeping?として広く知られるフランス民謡(童謡)「フレール・ジャック」が短調で物憂く演奏され、これも非常に印象的です。私の場合、30年余り前に巨人を聞いてまず最初に耳に止まった楽章でした。
併せて、弦楽中心で女声の入るレントラーと、比較でアルプス系のポルカを上げておきました。大体同じ地域だと思いますが、何でこんなに、という程異なっていて、それぞれ個性的です。SchleinigeとGeburtstagspolkaというのがよく分からないのが、もどかしいところ。

Symphony No.1 in D Major "Titan" II.Ländler

Florianer Tanzlgeiga - Bruckner Landler und Schleinige



ブルックナーで検索して出てきたレントラーですが、作曲家のブルックナーとは関係なしでしょう。

Die Hoameligen - Geburtstagspolka


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