カザルス・トリオのメントリ
ゼアミdeワールド485回目の放送、日曜夜10時にありました。29日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日はメントリで、4楽章までの全曲です。
ドイツの12回目になります。前回はマルシュナーのオペラ「吸血鬼」で始めて、メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲1番2楽章などで終えました。マルシュナーの曲については、何と中身がファリャの曲だったということについては、ゼアミブログの方で指摘しておきました。今回もメンデルスゾーンで始めて、彼が復活演奏したバッハのマタイ受難曲の数曲に移ります。メンデルスゾーンの有名なヴァイオリン協奏曲については、時間の都合で割愛します。
これまでおかけした曲でお気づきかと思いますが、学生時代は大学のオーケストラに在籍してヴァイオリンを弾いていましたが、交響曲や管弦楽曲よりも、個人的に室内楽や器楽をずっと40年以上好んで来ました。今回もメンデルスゾーンの室内楽曲ですが、ピアノ・トリオ1番の第1楽章をおかけします。哀愁のある甘美な旋律で広く知られていて、愛好家の間では「メントリ」の愛称で呼ばれることも多いです。大学の頃には腕に自信のある先輩方が団内演奏でたまに披露していました。編成はヴァイオリン、チェロ、ピアノです。
ジャック・ティボーのヴァイオリン, アルフレッド・コルトーのピアノ、 パブロ・カザルスのチェロによる、いわゆるカザルス・トリオの歴史的名演でおかけします。
Mendelssohn Piano Trio No.1 in D minor,Op.49(Casals,Thibaud,Cortot 1927)
バッハのマタイ受難曲ですが、バッハの最高傑作と現在では言われていますが、1750年のバッハの死後は長く忘れられていました。1829年にわずか20歳のメンデルスゾーンによって歴史的な復活上演がなされ、バッハの再評価に繋がっています。新約聖書「マタイによる福音書」の26、27章のキリストの受難を題材にした受難曲で、CD3枚組の長さがある大曲です。とても全曲はかけられませんので、3曲だけ選びました。冒頭と最後のコラールと、47番のアルトのアリア「憐れみ給え、わが神よ」を考えていましたが、時間の都合で冒頭のコラールを半分ほどかけてから47番のアリアをおかけして、その後に終わりのコラールをかけますが、8分近くありますので途中までになります。
47番のアリアですが、タルコフスキーが最後に製作した映画「サクリファイス」の中で、このアルトによるアリアを使用しています。メンゲルベルク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウのこの第二次世界大戦前夜の演奏は、迫りくる人類の悲劇を予感したかのように、この独奏ヴァイオリンのメロディにのって歌われるアリアの歌唱では、会場のあちらこちらから啜り泣きが聞こえることで有名でした。80年頃にミュンヒンガーで初めて聞いた後、カール・リヒターの名演の方に惹かれていた40年ほど前は、このテンポを揺らす演奏が少し苦手でしたが、最近になってこの演奏の「時代の証言」としての重要性と素晴らしさを再確認するようになりました。
では冒頭のコラールを少しだけかけた後で、アルトのアリアは全曲おかけします。
<St. Matthew Passion, BWV 244 - Pt. One: No. 1 Chorus I/II: "Kommt, ihr Töchter, helft mir klagen" 10分54秒~5分10秒>
<St. Matthew Passion, BWV 244 - Pt. Two: No. 39 Aria (Alto): "Erbarme dich" 8分27秒>
実は私も聞いていてどうにも涙がこらえられない曲で、90年代にヴィンシャーマン指揮ドイツ・バッハ・ゾリステンの抜粋演奏をサントリーホールで聞いた時も、47番のアリア辺りから始まって、終わりのコラールを聞いた後は、どうやって会場から出ようかと困ったほどです(笑)感動の坩堝に入ってしまうことは、日本のお能でも何度かありましたが、西洋音楽では他にはワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」くらいです。それではマタイ受難曲終わりのコラールを時間まで聞きながら今回はお別れです。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週
<St. Matthew Passion, BWV 244 - Pt. Two: No. 68 Chorus I/II: "Wir setzen uns mit Tränen nieder" 7分52秒>


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