筝曲

2018年1月 8日 (月)

今年も「春の海」から

ゼアミdeワールド90回目の放送、日曜夕方に終りました。10日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。今回の放送はFMでは無事流れましたが、サイマルラジオとTuneinのネットラジオ環境では、ネットワークトラブルのため流れませんでした。時々こういうことがありますが、新年の一回目がネットで流れなかったのは残念です。原因を聞いておきます。黒柳さんの父と天満さんのヴァイオリン版は、さすがにyoutubeにはないと思いますので、去年も上げましたが、ルネ・シュメーのヴァイオリンに宮城道雄の自作自演の定番演奏を上げておきます。

宮城道雄:春の海 シュメー Chemet


明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。と新年のご挨拶をしましたが、ラヂオバリバリが30日から5日までお正月休みですので、実は12月27日に収録しております。選曲のために一足早いお正月気分を味わっておりました(笑) 放送されるのは本放送が7日と言うことで、辛うじて松の内です。

お正月と言えば、宮城道雄の「春の海」を思い出す方が多いのでは、と去年も始めましたが、去年かけてない音源を選んでご紹介します。1930年の宮中歌会始の勅題として公示されていた「海辺巌(かいへんのいわお)」に因んで、前年の暮れに作曲した筝と尺八の二重奏曲で、宮城道雄の父の出身地である広島県の鞆の浦を訪れた際の、瀬戸内海の印象を三部形式に乗せて標題音楽風に作曲したこの曲は、今では彼の代表作として親しまれています。正月中はどこに行っても耳にする曲ですが、この曲だけの色々な編成の録音を集めた「春の海 大響演」という2枚組が出ておりまして、その盤からのご紹介です。

まず宮城道雄の自作自演ですが、尺八は広門伶風(ひろかどれいふう)という人で、宮城道雄の肉声と、奈良岡朋子による宮城道雄の随筆からの朗読、更に露木茂の解説が入ります。尺八の広門伶風は、この曲の初演を勤めた吉田晴風の弟子とのことです。

<2-6 春の海(朗読入り) 9分14秒>

宮城道雄の筝とヴァイオリンでの演奏は、喝采を博したルネ・シュメーとの録音の他に、黒柳徹子の父である黒柳守綱との演奏も入っておりまして、この方はN響などでコンサートマスターを勤めた人です。ルネ・シュメーのような時代がかった派手さはないですが、堅実な演奏をされる方です。

<1-5 春の海(箏とヴァイオリンによる) 6分53秒>

変り種として、南米のフォルクローレに使われる縦笛ケーナと琴による演奏も入っております。アルゼンチンのケーナの名手ウニャ・ラモスが1978年に来日した際の録音で、琴は当時宮城合奏団のプリマ奏者だった砂崎知子です。少しフォルクローレ風になっている部分もありますが、元々この曲とフォルクローレの音階は結構近いと思います。

<2-1 春の海(箏とケーナによる) 4分13秒>
春の海 ケーナ演奏 Haru No Umi (The Sea In Spring)

やはりウニャ・ラモスでは無いので、他のケーナ奏者の演奏ですが。

ここで、少し宣伝を入れたいと思います。
2月4日に今治中央公民館で第11回今治総合芸能祭がありまして、今年はヴァイオリンで出ます。時間は1時からで3番目です。琴と尺八の葉風会とヴァイオリン、ダンスのコラボで、編成は似ていますが、「春の海」が邦楽の枠内だったのに対して、森岡章作曲の「月に寄する三章」という曲は、昭和40年代の雰囲気が色濃く感じられるナツメロのような、昔のラジオドラマの音楽のような曲調です。2曲目はペルシアの舞曲レングに似た感じにも聞こえます。宜しければ是非お越し下さい。

では、最後にポルンベスクのバラーダ(「望郷のバラード」のタイトルで日本では知られます)の名演で知られる天満敦子のヴァイオリンと、砂崎知子門下の遠藤千晶の2011年10月のライブ録音を聞きながら今回はお別れです。天満さんの1993年発売のアルバム『望郷のバラード』は、クラシックとしては異例の5万枚を超える大ヒットとなり、東欧革命前夜のルーマニアを舞台に、この曲をめぐる謎とヴァイオリニストの恋愛を描いた高樹のぶ子の小説『百年の預言』のヒロインは、天満さんをモデルとしています。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<2-4 春の海(箏とヴァイオリンによる) 7分38秒>

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2017年1月11日 (水)

春の海 (箏とヴァイオリンによる)

9日にはオリジナルの筝とヴァイオリン版がすぐに見当たりませんでしたが、ありました。フランスの女流ヴァイオリニスト、ルネ・シュメーと宮城道雄のこの1932年の共演から、「春の海」が広く知られるようになりました。会場で聞いていた小説家の川端康成が、初演の感動の光景を記したと言う小説「化粧と口笛」も非常に気になりますが、文庫には入っていないようです。シュメーのヴァイオリンの音は、今ではオールドスタイルのようにも思いますが、それが返ってこの曲にはあっているようにも思います。ヴァイオリンでは広く弾かれている曲で、実は手元に楽譜がありまして、去年はこの曲でヴァイオリンの弾き初めをしました。筝曲関連にしては、音階が地唄と違って民謡的なところ、それなのに泥臭くはならず、雅びさが溢れている点がユニークな曲だと思います。

宮城道雄:春の海 シュメー Chemet

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2017年1月 9日 (月)

春の海 自作自演

ゼアミdeワールド39回目の放送、日曜夕方に終りました。11日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。

明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。と新年のご挨拶をしましたが、ラヂオバリバリが元旦から5日までお正月休みですので、実は12月28日に収録しております。選曲のために一足早いお正月気分を味わっておりました(笑)

お正月と言えば、宮城道雄の「春の海」を思い出す方が多いのではと思います。正月中はどこに行っても耳にする曲ですが、この曲だけの色々な編成の録音を集めた「春の海 大響演」という2枚組が出ておりますので、こちらからご紹介して行きます。筝と尺八のオリジナルに始まり、筝とヴァイオリン、筝とフルート、筝と南米のケーナ、筝と二胡、スコットランド人とのハーフの往年の名テノール歌手藤原義江のオーケストラ伴奏など、様々な演奏が入っております。

まず宮城道雄の自作自演でどうぞ。尺八は初演を勤めた吉田晴風です。
<春の海(オリジナル) 6分30秒>
春の海 宮城道雄自作自演


宮城道雄の父の出身地である広島県福山市鞆の浦を訪れた際の、瀬戸内海の印象を三部形式に乗せて標題音楽風に作曲したこの曲は、今では彼の代表作として親しまれていますが、吉田晴風との1930年の初演の評判は芳しくなかったそうです。
この曲が一躍有名になったのは、1932年に演奏旅行で来日していたフランスの女流ヴァイオリニスト、ルネ・シュメーと共演してからと言われています。日本音楽に触れるために宮城道雄を訪ねた彼女が一番感動したのが、この「春の海」で、早速尺八パートをヴァイオリン用に編曲して宮城道雄とコンサートで演奏したら、大喝采を受けたそうです。会場で聞いていた小説家の川端康成が、その感動の光景を小説「化粧と口笛」に記しています。その宮城道雄とルネ・シュメーの演奏を次にどうぞ。

<春の海(箏とヴァイオリンによる) 6分13秒>

宮城道雄の筝とヴァイオリンでの演奏は、他に黒柳徹子の父である黒柳守綱などとの演奏も入っておりまして、この方はN響などでコンサートマスターを勤めた人です。一曲が6分余りずつありますので、余りかけられませんが、次にフルートのガッゼローニと三代目宗家の宮城数江の1972年録音をかけてみましょう。1956年の宮城道雄の没後では、最初のこの曲の録音です。ガッゼローニと言えば、ジャズの鬼才エリック・ドルフィーのフルートの師匠としても知られ、ドルフィーのアルバムOut to LunchにGazzelloniと言うオマージュ曲が入っていました。

<春の海(箏とフルートによる) 7分1秒>

ここで、少し宣伝を入れたいと思います。
2月5日に今治中央公民館で第10回今治総合芸能祭がありまして、私もチェロで出ます。時間は1時からですが、開演前のウェルカム演奏を私が担当することになりました。緞帳前でのウェルカム演奏が12時半からで、1演目目が1時過ぎからの予定です。1演目目の「序の舞」にもチェロで出ます。お能の橙黄会、未来演劇Kプロジェクトジュニア、山田逸朗さんの写真に、私のチェロのコラボです。宜しければ是非お越し下さい。ウェルカムでハイドンの皇帝第2楽章のチェロパート、エルネスト・ブロッホの祈り、J.S.バッハ無伴奏チェロ組曲3番サラバンド、5番ジーグ、「序の舞」では、春をイメージさせる序の舞の能管をベースに、J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲1番からサラバンド、アルマンド、プレリュードをこの順に弾く予定です。

では、最後に宮城道雄の演奏で、筝の代表的名曲として有名な六段を聞きながら、今回はお別れです。この侘び寂感溢れる美しい曲を書いたのは、江戸時代前期の近世筝曲の祖、八橋検校とされています。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。また来週

<宮城道雄 / 六段 5分52秒 抜粋>

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2017年1月 6日 (金)

三味線での六段

地唄筝曲の三味線による六段もありました。三味線独奏と、三味線二重奏と尺八の2種類ありますが、筝の奏法を模しているような部分もかいまみえます。2本目の尺八は当店でCDの扱いがある善養寺惠介さんです。14年ほど前にトッパンホールでの独奏を聞きに伺ったことがあります。虚無僧尺八の枯淡の世界でした。
三曲の合奏になるのでしょうか、筝、三味線、尺八の合奏もありましたが、元の筝曲の深い味わいが薄まるようにも思いました。

地唄箏曲美緒野会 - 六段の調  MIONOKAI - Rokudan-no-Shirabe

地唄箏曲美緒野会 - 六段の調  Mionokai - Rokudan no Shirabe 2016/04/10

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2017年1月 5日 (木)

尺八での六段

「春の海」なら、編成は筝と尺八と分っていますが、六段でも結構尺八との二重奏があって、更には尺八だけでの六段というスタイルもyoutubeがかなり上がっています。名人山口五郎の二重奏や、山口籟盟の独奏、何とロシア人の演奏などもありました。尺八ですから、雅びさは控えめで、侘び寂感が前面に出るようにも聞こえます。

Goro Yamaguchi et al - Rokudan

六段(Rokudan)山口籟盟

сякухати , shakuhachi , 尺八 Рокудан 六段 ( Rokudan ) in Moskow

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2017年1月 4日 (水)

六段

明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。ゼアミdeワールドの初放送は8日で、辛うじて松の内なので(15日まで取る場合もあるようですので)、あの曲を取り上げています。非常にベタなので、これだけですぐにお分かりかと思います(笑) 正月に因んだ曲ではないですが、最も有名な筝曲ということで、八橋検校作曲とされている六段の宮城道雄の演奏を最後にかけました。去年も確か松の内邦楽として取り上げましたので、違う演奏で上げておきます。優しく美しく優雅な演奏です。

この和の美しさの極致のように聞こえる名曲が、江戸時代初期の17世紀にキリシタン音楽との出会いによって生まれたと言う説があり、箏曲『六段』とグレゴリオ聖歌『クレド』という盤が出て、結構話題になりました。真偽がどちらか気にはなりますが、そんなことは忘れてしまうような、日本人の心に直に響く、侘び寂の美をよく味わいたい曲です。

筝曲「六段の調」Atsuko Yoshida 2012.1.3

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