ゼアミdeワールド

2017年8月16日 (水)

Mela Raga Malika Part2

ゼアミdeワールド70回目の放送、水曜夜に終りました。今回はこの再放送枠のみです。お盆休みも16日で終わり、店の片付けやチェロの合わせ練習もあったり等で結構ばたばたしました。今日の収録では、チェチェンの歌姫マッカ・サガイーポヴァを大特集しました。放送は20日と23日です。

まず最初に催しのお知らせです。以下の催しに、チェロとヴァイオリンで出ることになりました。宜しければ是非お越し下さい。

<チェロ伴奏で3つ>
やさしさを伝える 絵本&朗読コンサート
8月19日 13時~  ひよこ園  今治市石井町4丁目3-53 (雨天決行)
8月23日 17時~  城慶寺   今治市湊町2丁目1-45 (雨天中止)
宮沢賢治がモチーフの一つになっているようです。曲名は伏せておきますが、朗読内容のイメージで選びました。

ダンススタジオ108 内子座公演
  (コンテンポラリーダンス、能楽、篠笛または能管、チェロのコラボ)
8月26日 14時~   チケット 1000円
「竜の河」の5回目になりますが、内子の内子座では2回目です。これまでと同じでJ.S.バッハの無伴奏チェロ組曲3番のサラバンドとジーグ、5番のジーグの3曲を組み合わせて弾きます。

<ヴァイオリンで一つ>
HIRAOピアノ教室 サマーコンサート @今治中央公民館4階大ホール
8月27日 13時~
2部の「ブルタバお楽しみコーナー」で、スメタナのブルタバ(モルダウ)のファースト・ヴァイオリンで出る予定です。これは発表会の合間のチョイ役のようです。

では本題に入ります。
前回6日の本放送は、今治の夏祭り「おんまく」の特番があるので、お休みになりますとお知らせしておりましたが、台風5号の影響で花火だけ13日に順延になりまして6日の放送がありました。代わりに13日の本放送はお休みになりまして、16日の再放送枠のみになります。
前回かけましたスブラクシュミのメーラ・ラーガ・マーリカーの後半をかけたいと思います。南インド古典声楽界の至宝と言われた女性歌手、M.S.スブラクシュミのメーラ・ラーガ・マーリカーでは、カルナティック音楽の72のラーガ全てを1から順に少しずつ演奏するという技法を用いて書かれていることについては前回も少しお話しました。ラーガマーリカーとは「ラーガの花輪」を意味し、各ラーガは2行の歌詞と2行の階名からなり、インドの階名のサリガマで歌う部分の途中から次のラーガに変ります。歌詞にはラーガ名が上手く読み込まれているので、歌詞を聞いているとラーガ名も分かるようになっております。
では後半のプラティ・マディヤマ・メーラを時間まで聞いて行きたいと思います。前回かけた前半部分との違いが解り難いかも知れませんが、その一つの理由としては、導入に出てくるシュリー旋法の部分が共通している点が上げられると思います。個人的にはキルワーニーやダルバリと並んで好きなラーガの一つで、いずれも夕方から夜のラーガです。このシュリーの部分が4行の歌詞に続いて、2行のサリガマ唱と2行のリズム口承で歌われ、この部分が曲の最初と最後に出てきて、その後にメーラ・ラーガ・マーリカーが始まります。前回かけたシュッダ・マディヤマ・メーラと今回のプラティ・マディヤマ・メーラの違いは、インドの階名のサリガマパダニサの4つ目のマの音がナチュラルかシャープかによっていて、前者がマ1、後者はマ2と分類されて、それぞれシュッダとプラティと名付けられています。マの音の違いを意識して、前回の歌唱を思い出しながら聞いて頂けたら、南インド古典音楽の知的で数学的な面が浮き彫りになってくるかと思います。
では終わりの辺りでもう一度出てきます。

<M.S.Subbulakshmi / Mela Raga Malika  Part2 28分20秒 抜粋>
R Vedavalli 3 72 Melaragamalika Mahavaidyanatha Sivan

今回もスブラクシュミではなく、ヴェーダヴァッリというヴェテラン女性歌手です。右手に南インドの代表的弦楽器ヴィーナも入った演奏です。

いかがでしたでしょうか。前半と同じく伴奏にはサポート・ヴォーカルと両面太鼓のムリダンガム、所々ヴァイオリンも入っています。
時間までこの曲を聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

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2017年8月 7日 (月)

M.S.Subbulakshmi / Mela Raga Malika

ゼアミdeワールド69回目の放送、日曜夕方に終りました。おんまく花火が13日に延期になったために特番がなくなり、本放送枠でも放送されました。9日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。13日は入れ替わりで本放送はお休みで、16日の再放送枠のみになります。以下矛盾しますが、放送で話したままアップします。

コーカサス音楽巡りの途中ですが、今回の6日の本放送は、今治の夏祭り「おんまく」の特番があるので、お休みになりました。9日の再放送枠のみですので、一回コーカサスをお休みしまして、少し前のインド音楽小特集の際にかけられなかった長尺の音源をかけてみたいと思います。

南インド古典声楽界の至宝と言われた女性歌手、M.S.スブラクシュミのメーラ・ラーガ・マーリカーを時間までお楽しみ下さい。LP時代の音源のために、28分余りの録音2トラックになっている、トータル1時間弱の曲です。カルナティック音楽の全てのラーガは、72メーラカルターと呼ばれる基本音階に基づいて分類されていますが、この72のラーガ全てを1から順に少しずつ演奏するという技法を用いて書かれています。ラーガマーリカーとは「ラーガの花輪」を意味します。各ラーガは2行の歌詞と2行の階名からなり、階名をサリガマで歌う部分の途中から次のラーガに変ります。歌詞にはラーガ名が上手く読み込まれているので、歌詞を聞いているとラーガ名も分かるという、いかにも南インド音楽の知的で数学的な側面を感じさせる曲です。この曲を歌えるのは、スブラクシュミだけかも知れないとも言われているほどの難曲ですので、とても貴重な音源です。では前半のシュッダ・マディヤマメーラを時間までどうぞ。終わりの辺りでもう一度出てきます。

<M.S.Subbulakshmi / Mela Raga Malika Part1 28分26秒 抜粋>
MS Subbulakshmi-Mela-Ragamalika-Chakra--Gayakapriya-to-Varunapriya-

これは放送でかけたのとは別音源です。ライブでしょうか?

いかがでしたでしょうか。伴奏にはサポート・ヴォーカルがついて、他は両面太鼓のムリダンガムが中心で、所々ヴァイオリンも入っています。
時間までこの曲を聞きながら今回はお別れです。次回はコーカサスに戻る予定です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

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2017年7月31日 (月)

ヨルダンとトルコのチェルケス音楽

ゼアミdeワールド68回目の放送、日曜夕方に終りました。2日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。動画はyoutubeにあった音源のみです。

コーカサスの4回目です。長くなりそうですので、この辺で今後の北コーカサス関係の予定をお知らせしておきます。今回ヨルダンとトルコのチェルケス移民の音源をかけて、その次はカバルダやオセチアなどの他の北コーカサス、その後はダゲスタンで一回、間でチェチェンとダゲスタンのポップスを予定しております。
今回はロシアでの迫害を逃れ19世紀に旧オスマン帝国領内のトルコやヨルダンに移住したのチェルケス人の音源です。まずはフランスのAd Vitam Recordsから出ている「ヨルダンのチェルケス人のサーカシア音楽」と言う盤で、何よりもハチャトゥリアンのレズギンカでお馴染みのあの8分の6拍子のリズムが、中東のヨルダンから聞こえる不思議を感じました。イスラメイやカーファなどの伝統的な舞曲のリズムがアコーディオンや打楽器などによって演奏されています。ZeAmiブログで取り上げました弦楽器のポンデルもアコーディオンの影に隠れていますが、入っています。

まず前回もかけましたイスラメイとカーファの音源からかけてみます。本国から遠く離れたヨルダンの地で19世紀のままの状態で保存されたような伝統音楽ですから、現在のアディゲ本国よりもオーソドックスなスタイルが保持されているようにも思います。

<Jordanie / Circassia Musique Tcherkesse Eslameh 2分48秒>
Ensemble Circassien de Jordanie - Eslameh


<Jordanie / Circassia Musique Tcherkesse Qafa 3分24秒>

youtubeでよく聞く、おそらく正調と思われるカーファの演奏も2曲入っておりましたので、続けてかけてみたいと思います。2曲目のPasareh Qafaは、10年前にゼアミブログで北コーカサスを取り上げた際に見たyoutubeでは、ウオルク・カーファ(古いカーファ)と紹介されていたように記憶しています。正に白鳥を連想させる白装束の女性の踊りの優美さも特筆ものでした。

<Jordanie / Circassia Musique Tcherkesse Solo Qafa 2分16秒>

<Jordanie / Circassia Musique Tcherkesse Pasareh Qafa 3分6秒>

続いてトルコのチェルケス系移民の音源ですが、私の知る限りではトルコのレーベルKalan Muzik から2枚出ています。マレム・ゴクハン・シェンと言う人の「チェルケスの旋律」と題する2枚で、やはり驚くほどサーカシア(北コーカサス北西部のアディゲ、チェルケス、カバルダ)の音楽スタイルをそのまま保っていますが、従来のアコーディオン(プシャーシェ)とカフカス・ドラム(ドール)などの伝統楽器に、Vol.2の方ではチェロやヴァイオリンを加えることで、音楽的に厚みが増し、聞き応え満点の力作になっています。北コーカサス音楽特有の「孤高の哀愁美」に溢れた2枚ですが、トルコの音楽界の洗練ぶりを感じさせる凝った音作りになっています。

古い音源の引用から始まる2011年リリースの1枚目のBerkuk's Makameという曲からどうぞ。

<Marem Gokhan Sen / Cerkes Ezgileri 1  Berkuk's Makame 5分4秒>
Xexec - Berkuk's Mekame


2014年リリースの2枚目には素晴らしい曲が多く、時間の都合で色々かけられないのが残念ですが、Yinerikuey Kafeという曲をかけてみます。やはり冒頭に大昔の音源が引用されています。

<Marem Gokhan Sen / Cerkes Ezgileri 2 Yinerikuey Kafe 6分5秒 抜粋>
Marem Gökhan Şen - Yinerıkuey Kafe



既に4回お知らせしましたが、ここで加藤吉樹さんのウード・ソロのライブ情報を入れたいと思います。本放送は30日ですので告知として間に合いますが、再放送はちょうど2日のライブの最中になります。
限定30席、PAなしで、アラブやトルコの代表的な弦楽器ウードの生音と妙技を聞けるまたとない機会です。26日現在、残席がかなり減ってきておりますので、ご予約をお勧めします。
加藤さんは、2015年4月9日の浄土寺(ウード、ヴァイオリン、ダラブッカのトリオとベリーダンス)、同年10月11日のバリパサールでのウード・ソロに続いて3回目の今治でのライブになります。

日時 2017年8月2日 水曜日  6時開場 7時開演

場所 トーク&トーク (カフェ&ZeAmi実店舗) 
   今治市北高下町2-1-7 (ハイツ近藤2の1階)
   駐車場5台のため、できるだけ徒歩でのご来場をお願いします。

チャージ 2000円 (1アイスコーヒー付き)

ご予約・ご連絡先 
090-8044-8535
VYG06251@nifty.ne.jp

以上ライブ情報でした。宜しければ是非お越し下さい。


では、最後にマレム・ゴクハン・シェンの「チェルケスの旋律」2の方から、Abidetという曲を聞きながら今回はお別れです。10年前にZeAmiブログでもyoutubeで取り上げたように思いますが、10年経っても忘れられない美しい旋律です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Marem Gokhan Sen / Cerkes Ezgileri 2 Abidet 5分31秒 抜粋>
Marem Gökhan Şen - Abidet

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2017年7月24日 (月)

イスラメイ~アディゲ(あるいはチェルケス)の音楽

ゼアミdeワールド67回目の放送、日曜夕方に終りました。26日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。今日はイスラメイ中心に3本だけにして、また他の曲は後日探してみます。

コーカサスの3回目です。前回は英Topic Recordsの「反抗の歌:チェチェンと北コーカサス諸国の音楽」(英題はSONGS OF DEFIANCE: Music of Chechnya and the North Caucasus)収録のチェチェンとアディゲの音源をかけました。今回はこの盤と露Melodiyaの「サーカシアの伝統音楽アンソロジー」を中心に、アディゲ(あるいはチェルケス)の音楽を聞いてみたいと思います。

アディゲ~チェルケスと言えば、まず出てくるのがイスラメイという舞曲で、ロシア五人組のバラキレフのピアノ曲で一般に広く知られている曲名です。超絶技巧の難曲として知られています。まずは、メロディアの「サーカシアの伝統音楽アンソロジー」収録のオーソドックスなイスラメイの1965年の録音からかけてみたいと思います。レズギンカと類似の8分の6拍子のリズムがついていることもありますが、イスラメイ特有のノーブルなメロディラインが確かにあります。よくレズギンカで男性の踊りが鷲、女性の踊りが白鳥に喩えられますが、正にコーカサスの高い山を舞い降りてくる鷲のような雄々しく颯爽としたイメージの曲です。

<Ислъамый (Исламей) 3分16秒>
Нальмэс - Исламей (2016)

アディゲの国立民族舞踊団ナルメスの最近の美しい舞台映像です。大体の伝統音楽はどこの国でも昔の方が良いのが常ですが、イスラメイに関してはメロディア盤の1976年録音よりも、最近の演奏の方が良いように思います。

次に、この曲からインスピレーションを受けて書かれたバラキレフ作曲のピアノ曲「イスラメイ」を聴いてみましょう。ボリス・ベレゾフスキーの演奏です。16分の12拍子という拍子ですから、やはり8分の6拍子の系統であることが分かります。

<バラキレフ / イスラメイ ボリス・ベレゾフスキー(P) 7分58秒>
Berezovsky plays Islamey


この曲について、ウィキペディアに以下のような解説がありました。とても参考になるので引用しました。

好戦的な民族主義者であったバラキレフは、ロシアの伝統音楽に影響された作風を採っていたが、カフカス地方に旅行した後で着想されたのが本作である。これについてバラキレフは私信の中で次のように触れている。 「…そこの豊かに繁った自然の荘厳なまでの美しさ、そしてそれと調和した住民たちの美しさ ―― これら全てが一つとなって私に強い印象を与えたのです。……私は土地の声楽に興味をもって以からというもの、チェルケス公と親しくなりました。殿下はしばしば私のところにやって来て、持っている楽器(どこかヴァイオリンに似た楽器です)で民俗音楽を演奏したのです。その中の一つに“イスラメイ”と呼ばれる舞曲がありました。これに私ははなはだしい喜びを覚え、構想中の“タマーラ”を主題とする作品にするつもりで、その旋律をピアノのために編曲し始めたのです。第2主題の旋律は、モスクワでクリミア出身のアルメニア人の俳優から教わりました。こちらの旋律は、彼が断言したところによると、クリミア・タタール人にはよく知られているとの由。」(Reishへの手紙 1892年)

また、以下のようにも解説がありました。

近年の音楽学研究によって、バラキレフが本作に残した旋律が、今なお旧ソ連の民謡に健在であることが明らかとなった。たとえば第1主題は、カバルディノ・バルカル自治共和国の「レズギンカ」の一種である。ただし、バラキレフの作品とは拍子が食い違っている。第2主題は、バラキレフが受けた説明のように、起源はタタール人の恋歌であった。

前回、英Topic Recordsの「チェチェンと北コーカサス諸国の音楽」から、アディゲで一曲だけかけましたTimur Losanovの弾くコーカサス・アコーディオンの、「アディゲの踊り」という曲は、youtubeなどでよく聞く重要な旋律ですので、もう一度聞いておきたいと思います。やはりレズギンカ型の8分の6拍子が聞き取れます。

<Timur Losanov / Adighian Dance 2分2秒>

前回同じ盤からかけられなかったカーファという曲ですが、この曲は代表的なアディゲの舞踊の一つです。長く白い衣装と白い帽子を被った女性が優美に踊っている印象の強い曲です。ソロ歌手のCherim Nakhushevと言う人は男性のようですが、声は女性のように聞こえるほど高い声です。手拍子と一緒に叩かれる短冊のような打楽器がアディゲに特徴的な音です。

<Cherim Nakhushev / Kafa 3分46秒>


既に3回お知らせしましたが、ここで加藤吉樹さんのウード・ソロのライブ情報を入れたいと思います。 カフェ&ZeAmi実店舗のトーク・トークで初のライブを行うことになりました。
限定30席、PAなしで、アラブやトルコの代表的な弦楽器ウードの生音と妙技を聞けるまたとない機会です。19日現在、残席が段々減ってきております。
加藤さんは、2015年4月9日の浄土寺(ウード、ヴァイオリン、ダラブッカのトリオとベリーダンス)、同年10月11日のバリパサールでのウード・ソロに続いて3回目の今治でのライブになります。

加藤吉樹 ウード・ソロ

日時 2017年8月2日 水曜日  6時開場 7時開演

場所 トーク&トーク (カフェ&ZeAmi実店舗) 
   今治市北高下町2-1-7 (ハイツ近藤2の1階)
   駐車場5台のため、できるだけ徒歩でのご来場をお願いします。

チャージ 2000円 (1アイスコーヒー付き)

ご予約・ご連絡先 
VYG06251@nifty.ne.jp

以上ライブ情報でした。宜しければ是非お越し下さい。


では最後にKiaperishという英Topic Records盤のアディゲ・アンサンブルの演奏を聞きながら今回はお別れです。2006年のモスクワ録音ですが、トルコのアディゲ移民の間でのみ生き残っていた曲が、北コーカサスのアディゲに逆輸入された形で入ってきて、「トルコ系アディゲの音楽」として知られているタイプの舞踊曲です。この類の例は、ロシアでの迫害を逃れ移住した旧オスマン帝国のトルコやヨルダンのチェルケス人の音源に残っていますので、また追々ご紹介する予定です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Adigh Ensemble / Kiaperish 2分23秒>
Adigh Ensemble - Kiaperish

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2017年7月17日 (月)

チェチェンとアディゲの音楽

ゼアミdeワールド66回目の放送、日曜夕方に終りました。19日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。アズナシはトピック盤の音源がyoutubeには見当たらず、アリオン盤は一部出ていますが、そちらとパーソネルが同じと思われるライブ映像を2本上げておきました。どちらも大変素晴らしいですが、若手中心に見えるトピック盤とは歌手が違うようです。(若手も素晴らしいのですが、謎です)

コーカサスの2回目です。今回も北コーカサス各地の音楽を聞いてみたいと思います。前回少し説明しましたが、北西コーカサス諸語をサーカシアまたはチェルケスあるいはアディゲ、チェチェンとイングーシはヴァイナフ、ダゲスタンはダゲスタン諸語と、大きく3つに分かれます。ヴァイナフとダゲスタンは、合わせて北東コーカサス諸語とも言われます。
北西コーカサスの総称に3つの名前があるのは、1500年ごろに成立し、コーカサス戦争や1864年のロシア・チェルケス戦争で滅んだ国、チェルケシアを英語でサーカシア、ロシア語でチェルケス、アディゲ語でアディゲと呼んだことに由来しています。冬期オリンピックが開かれたソチは、チェルケシアの首都でした。
ヴァイナフのグループに属するチェチェンの歌姫マッカ・サガイーポヴァの歌を前回一曲かけました。今回は英Topic Recordsの「反抗の歌:チェチェンと北コーカサス諸国の音楽」(英題はSONGS OF DEFIANCE: Music of Chechnya and the North Caucasus)を中心に聞いて行きたいと思います。

ツイッターなどで予告していましたので、仏Arionの録音でも知られるチェチェンの女性ヴォーカルグループのアズナシの英Topic Records盤の歌声から聞いてみたいと思います。「星は空から落ちてしまった」という曲には、「人生の短さを歌った哲学的な民謡」というコメントが付いていますが、そこにはチェチェンらしい諦念がうかがえて、この一枚を象徴するような悲しくも美しい一曲です。アズナシは、歌い手のカラーに合わせてでしょうか、ソロ歌手が民謡によって変わっていて、それがそれぞれの歌をより引き立てています。アズナシは、戦火の絶えない祖国を離れ、グルジアで活動しているようです。この曲もグルジアの首都トビリシでの2006年録音です。

<Aznach Ensemble / Stiglara 4分43秒>

次にこの盤の一曲目に戻りまして、Nokhtchiin Gimnという曲です。チェチェン語でチェチェンをノフチーと言いますので、訳せば「チェチェンの聖歌」となります。19世紀半ばのロシアとの闘いの中で生まれた歌です。同じくグルジアの首都トビリシでの2006年録音です。

<Aznach Ensemble / Nokhtchiin Gimn 3分12秒>
Ensemble Aznash (Duisi, Pankisi Valley, Georgia)

1分過ぎからNokhtchiin Gimnが出てきます。グルジアの合唱と共通する素晴らしさを一番実感できる歌唱と映像。

Aznash Ensemble


次もチェチェンの民謡で、男性歌手サハブ・メジドフのバラライカ弾き語りを2曲かけてみます。チェチェン特有の弦楽器パンダル(あるいはポンダル)の代わりに、よくバラライカも演奏されますが、おそらく同じ三絃で調弦が似ているのだろうと思います。同じコーカサス系であるグルジアの弦楽器パンドゥリやチョングリなどと共通する独特な奏法が、特に二曲目で聞けます。一曲目はダイモクという曲で、これは祖国の意味になりまして、望郷の思いを歌っています。二曲目は翻訳では「私は彼女を見つけられない、でも彼女を愛している」という内容で、中東の悲恋物語「ライラとマジュヌーン」を連想させる歌です。

<Sahab Mezhidov / Daimohk 2分7秒>
<Sahab Mezhidov / Ya Yish Ekush Dagna Yaznarg 2分35秒>

再びアンサンブル・アズナシの歌で、チェチェン民謡のAs Khastamboと言う曲です。和訳するなら「私は運命に感謝する」となりまして、やはり諦念の滲む歌です。リード・ヴォーカルのタムタ・ハンゴシヴィリのハリのある歌声がとても素晴らしいと思います。この曲ではアコーディオンに代わってバラライカ伴奏になっています。

<Aznach Ensemble / As Khastambo 3分5秒>

チェチェンの歌が続きましたので、同じ盤からアディゲの曲も今回かけておきます。Timur Losanovの弾くコーカサス・アコーディオンで、「アディゲの踊り」という曲です。レズギンカ型の8分の6拍子が聞き取れます。こちらも現地ではなく2006年ロンドンでの録音です。

<Timur Losanov / Adighian Dance 2分2秒>
Концерт Тимура Лосана в Майкопе - 2 часть

なかなかCDのような伝統的なままのyoutubeは見当たらないので、とりあえずアディゲの首都マイコプでのティムール・ロサノフのコンサート映像Vol.2を貼っておきます。色々なアディゲの舞踊が出てきます。


前回もお知らせしましたが、ここで加藤吉樹さんのウード・ソロのライブ情報を入れたいと思います。
カフェ&ZeAmi実店舗のトーク・トークで初のライブを行うことになりました。チラシが出来ましたので、現在配布中です。
限定30席、PAなしで、アラブやトルコの代表的な弦楽器ウードの生音と妙技を聞けるまたとない機会です。
加藤さんは、2015年4月9日の浄土寺(ウード、ヴァイオリン、ダラブッカのトリオとベリーダンス)、同年10月11日のバリパサールでのウード・ソロに続いて3回目の今治でのライブになります。

加藤吉樹 ウード・ソロ

日時 2017年8月2日 水曜日  6時開場 7時開演

場所 トーク&トーク (カフェ&ZeAmi実店舗) 
   今治市北高下町2-1-7 (ハイツ近藤2の1階)
   駐車場5台のため、できるだけ徒歩でのご来場をお願いします。

チャージ 2000円 (1アイスコーヒー付き)

ご予約・ご連絡先 
VYG06251@nifty.ne.jp

以上ライブ情報でした。宜しければ是非お越し下さい。


では最後にチェチェンのラヴ・ソングBiezamuoを聞きながら今回はお別れです。録音当時20歳くらいと思われるタムタ・ハンゴシヴィリのハリと緊迫感のある歌声がとにかく素晴らしいです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Aznach Ensemble / Biezamuo 2分57秒>

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2017年7月10日 (月)

コーカサスの音楽 まずはハチャトゥリアンから

ゼアミdeワールド65回目の放送、日曜夕方に終りました。12日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。

今回から旧ソ連各地の音楽巡りに戻りたいと思います。ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、バルト三国と来て、次は黒海とカスピ海の間に位置するコーカサスです。コーカサスと言うと、グルジア、アルメニア、アゼルバイジャンをすぐに思い浮かべる人が多いと思いますが、まず最初にこれから回るのは、ロシア連邦側の北コーカサスです。コーカサスはロシア語ではカフカスと言いますが、グルジア、アルメニア、アゼルバイジャンの3か国は、ザカフカスとも呼ばれます。これはロシア語では「ザ」は英語の定冠詞「ザ」ではなくて、「向こう側」の意味なので、ロシアから見てカフカス山脈の向こう側(南側)の意味になります。
北コーカサスの中では、ソ連崩壊後に戦火の続いたチェチェンが一番有名だろうと思いますが、どうしても政情不安定な場所のイメージが強いと思います。チェチェンは民族の系統で見ると、印欧語とは異なるコーカサス諸語の民族の一つですが、他にもトルコ系の民族や、古代のスキタイとも繋がるような印欧語系のイラン系民族が入り混じって住んでいる所です。
政情不安故に録音はかなり少ないですが、ソ連崩壊前のメロディア盤の録音を初めとして、亡命先のグルジアなどでの録音もいくつかありますので、順にご紹介したいと思います。まずは、グルジア出身のアルメニア人作曲家として有名なハチャトゥリアンの、あまりに有名な「剣の舞」からかけてみたいと思います。躍動感溢れるハチャトゥリアンの自作自演です。

<ハチャトゥリアン/剣の舞 2分23秒>
Sabre Dance - Aram Khachaturian


次にコーカサス一帯に見られる剣を持った踊りのyoutube音源をかけてみます。CDでは見当たりませんが、現地のyoutube映像には沢山あります。おそらくこういうタイプの舞踊を見て、ハチャトゥリアンは「剣の舞」を書いたのだろうと思われます。クルド人が剣を持って戦いの踊りを踊るイメージで書かれたそうですが、音楽的にはグルジアなどの伝統舞曲レズギンカのカラーが強いように思います。これからかけますのは、チェチェンの山岳部の剣を持った踊りです。タイトルにはТанец с кинжаламиとありまして、キンジャラミと言うのはダガー(短剣)を指すのに対して、「剣の舞」の原題のТанец с саблямиのサブリャミというのは、サーベルを指します。

<ЧЕЧЕНСКИЙ ТАНЕЦ С КИНЖАЛАМИ ГОРЦЫ  3分41秒>


もう一本「古いレズギンカの短剣を持った踊り」と題する古い映像がありましたので、こちらもかけてみましょう。лезгинский(レズギンスキー)とは、ダゲスタン共和国南部やアゼルバイジャン北部に居住するレズギ人の方を指すかも知れません。レズギンカの名前のルーツとも言われている民族です。とにかく音楽がとても素晴らしいです。

<Старинный лезгинский танец с кинжалами 2分15秒>


次に同じバレエ音楽ガイーヌ(あるいはガヤネー)の中で、「剣の舞」に次いで有名なレズギンカをかけてみましょう。やはり躍動感の漲るレズギンカは場所によってイスラメイとも呼ばれていて、非常に速い8分の6拍子が特徴的です。4拍子のように聞こえても、よく聞くと一拍が「タンタ、タタタ」と6ビートになっています。偶然ですが、非常に速い8分の6拍子という点では、前々回にご紹介しました南イタリアのタランテラと共通しています。これからかけます音源は、やはりハチャトゥリアンの自作自演で、普通のオーケストラではスネアドラムで代用するところを、本場の民族打楽器カフカス・ドラムが華々しく使われていて、その音色が特筆すべき素晴らしさです。

<ハチャトゥリアン/レズギンカ 2分31秒>
Aram Khachaturian - Lezginka from Gayane


レズギンカの躍動感溢れるリズムは現代のポップスにも脈々と生き続けていて、そのサンプルとしてチェチェン・ポップスの歌姫マッカ・サガイーポヴァのカフカスという曲をかけてみましょう。チェチェン美人のマッカ・サガイーポヴァのCD入手は困難ですが、youtubeは色々ありますので、またZeAmiブログの方で上げたいと思います。この曲は旋律も日本人の心にストレートに訴えかける憂い節になっていて、それがレズギンカの躍動感の中で歌われて、何とも言えない魅力を醸し出しています。

<Makka Sagaipova / Kavkaz 3分47秒>
Makka Sagaipova - Ревнивый Кавказ


北コーカサスですが、ロシア連邦に属する幾つかの共和国がありまして、東から順に言いますと、ダゲスタン、チェチェン、イングーシ、北オセチア、カバルダ・バルカル、カラチャイ・チェルケス、アディゲとなっていて、この中でアディゲ、チェルケス、カバルダの3つの北西コーカサス語族を総称してサーカシアと呼んだり、個別の国名と同じで紛らわしいですが、チェルケスまたはアディゲと呼ばれる場合もあります。オセチアだけがイラン系で、コーカサス系と抱き合わせで国を成しているバルカルとカラチャイはトルコ系民族ですが、ダゲスタンの中にもコーカサス系に混じってトルコ系少数民族が沢山住んでいます。コーカサス系民族には、ザカフカスのグルジアやアブハジアも入ります。このように民族のモザイクと言うのがぴったりな地域です。


前回もお知らせしましたが、ここでライブ情報を入れたいと思います。
カフェ&ZeAmi実店舗のトーク・トークで初のライブを行うことになりました。チラシが出来ましたので、現在配布中です。
限定30席、PAなしで、アラブやトルコの代表的な弦楽器ウードの生音と妙技を聞けるまたとない機会です。
加藤さんは、2015年4月9日の浄土寺(ウード、ヴァイオリン、ダラブッカのトリオとベリーダンス)、同年10月11日のバリパサールでのウード・ソロに続いて3回目の今治でのライブになります。

加藤吉樹 ウード・ソロ

日時 2017年8月2日 水曜日  6時開場 7時開演

場所 トーク&トーク (カフェ&ZeAmi実店舗)
     今治市北高下町2-1-7 (ハイツ近藤2の1階)
   駐車場5台のため、できるだけ徒歩でのご来場をお願いします。

チャージ 2000円 (1アイスコーヒー付き)

ご予約・ご連絡先
  VYG06251@nifty.ne.jp

以上ライブ情報でした。宜しければ是非お越し下さい。


では最後にハチャトゥリアンの仮面舞踏会のワルツを聞きながら今回はお別れです。フィギュア・スケートの浅田真央選手が演目で使ってから一般に有名になりました。こちらもハチャトゥリアンの自作自演です。因みに冬期オリンピックが開かれたソチは、かつてチェルケス人の首都でした。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<ハチャトゥリアン/仮面舞踏会 ~ワルツ 4分3秒>
Khachaturian - Masquerade Suite - Waltz

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2017年7月 3日 (月)

タブラ聞き比べ クマール・ボース、スワパン、ヌスラット

ゼアミdeワールド64回目の放送、日曜夕方に終りました。5日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。ライブ情報のテキストを用意し忘れて、直前にiPhoneのメモに入れて臨みましたが、またもや収録中に誤って削除してしまいまして(左下に削除ボタンがあるのでタッチミスし勝ち)、何度か取り直しして、結果つぎはぎになっていたのが放送でよく分かりました。お聞き苦しくなりまして申し訳ございませんm(__)m

旧ソ連各地の音楽巡りの途中で寄り道したのも、5月21日の今治でのインド音楽ライブがきっかけでしたので、最初のトピックに戻りまして、北インドのタブラを今回一回聞いて次回からコーカサスの方に移りたいと思います。インド音楽はまた2年後くらいにたっぷりやりたいと思います。
92年の宇崎竜童司会のBS放送でラヴィ・シャンカルとクマール・ボースの演奏が放映され、それがタブラ入門のきっかけになったことを前に言いましたが、そのサウスポーの名手クマール・ボースのタブラ・ソロ・アルバムのDynamicから、一番ベーシックな16ビートのターラ、ティーンタールのソロをしばらくかけてみます。2枚組に及ぶタブラ・ソロ・アルバムで、全てティーンタールで演奏されています。リズム周期(ターラ)を分かりやすくするために伴奏している擦弦楽器サーランギの演奏はイクラム・カーンです。

<Kumar Bose / Dynamic ~Tabla Solo   Tintaal Part 1から抜粋 7分位>
Divine Tabla | Pandit Kumar Bose | Music of India


次に前にも名の出ましたカルカッタのタブラ名人スワパン・チョードリーのタブラ・ソロ・アルバムから、やはりティーンタールの演奏を聞き比べということでかけてみます。二人ともカルカッタ生まれですが、流派(ガラナ)は、クマール・ボースがベナレス・ガラナなのに対し、スワパン・チョードリーはラクナウ・ガラナで、CDで聞いても音質、音色などからして違いがよく分かるかと思います。サーランギ伴奏はラメーシュ・ミシュラです。

<Swapan Chaudhuri / Majestic Tabla of Swapan Chaudhuri Teental Slow 7分位>
Pandit Swapan Chaudhuri Legendary Tabla Player


ここでライブ情報を入れたいと思います。
カフェ&ZeAmi実店舗のトーク・トークで初のライブを行うことになりました。チラシが出来ましたらまたアップしますが、取り急ぎお知らせ致します。
限定30席、PAなしで、アラブやトルコの代表的な弦楽器ウードの生音と妙技を聞けるまたとない機会です。
加藤さんは、2015年4月9日の浄土寺(ウード、ヴァイオリン、ダラブッカのトリオとベリーダンス)、同年10月11日のバリパサールでのウード・ソロに続いて3回目の今治でのライブ。

タイトル  加藤吉樹 ウード・ソロ

日時 2017年8月2日 水曜日  6時開場 7時開演

場所 トーク&トーク (カフェ&ZeAmi実店舗)
     今治市北高下町2-1-7 (ハイツ近藤2の1階)
   駐車場5台のため、徒歩でのご来場をお願いします。

チャージ 2000円 (1アイスコーヒー付き)

ご予約・ご連絡先 
VYG06251@nifty.ne.jp

加藤吉樹 ウードの奥の音
http://yoshikioud.blog115.fc2.com/

Alf Leyla Wa Leyla~アラブ音楽とベリーダンス~
https://www.youtube.com/watch?v=Ac4h0bCDZtY

以上ライブ情報でした。宜しければ是非お越し下さい。

北インド古典音楽でのタブラ演奏を2曲かけましたが、次にインド・イスラームのスーフィー歌謡として有名なカッワーリーでのタブラ演奏を聞いてみましょう。カッワーリーは80年代からのワールドミュージックブームを牽引したジャンルとして知られています。北インド古典音楽とカッワーリーは、共に13世紀のアミール・フスローが創始したことと、彼がパカワジからタブラを考案したことは前に言いましたが、どうやらシタールも彼の考案した楽器の一つらしいです。
これからかけますのは、カッワーリーの帝王と言われながら97年に急逝したヌスラット・ファテ・アリ・ハーンの1987年東京でのビクターJVCの録音です。このYadan Vicchri Sajan Diyanという曲は、87年に来日した際の映像がNHKで放映されまして、民族音楽研究の大家の明治大学教授、故・江波戸昭氏が解説されていました。私はこの放送で初めてヌスラットを知ったので、非常に感動とインパクトを覚えた思い出深い一曲です。ビクター盤の和訳は「別れた恋人を想うと、雨のように涙が目から流れ落ちる」となっていて、スーフィーの詩らしく、恋人とはこの世の女性とも神とも取れます。タブラの叩き方は、北インド古典音楽に比べるとかなりストレートでシンプルですが、とても情熱的でパワフルな演奏になっております。
パキスタンやインドのカッワーリーも多分2年後くらいになると思いますが、またたっぷり取り上げたいと思います。今回はこの曲を聞きながらお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<ヌスラット・ファテ・アリ・ハーン / 法悦のカッワーリー1 ~Yadan Vicchri Sajan Diyan 16分24秒抜粋>
Yadan Vichre Sajjan Diyan Ayaan

85年のイギリスでのライブ。87年の来日より前の素晴らしい演奏の全曲です。会場のホットな様子も映っています。

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2017年6月26日 (月)

世界のフレームドラム タンブレッロ、レク、パンデイロ、ダフ他

ゼアミdeワールド63回目の放送、日曜夕方に終りました。28日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。今回はCD音源が余りない場合が多いので、youtube音源も色々ご紹介しました。番組でかけたyoutubeが多いので(ブラジルの最初の2本は番組では未紹介)、CD音源の南イタリアとチュニジアは、水曜以降に探してみます。

リスナーでZeAmi実店舗カフェのトーク・トークにも来て頂いたことのあるHさんからフレームドラムをリクエスト頂きまして、前回は南インドのフレームドラムであるカンジーラを中心に聞きましたが、この類の太鼓は世界中にありますので、他の国の楽器を少し聞いてみたいと思います。タンバリンなどのフレームドラム(枠太鼓)の起源を遡ると古代エジプトに行き着くようですが、そのヘブライ語名はトフと言いまして、これは中東で現在も使われるダフと名前でも直接繋がっています。まずは南イタリアの舞曲タランテラに使われるタンバリンから聞いてみたいと思います。ジルジオ・ディ・レッチェのArakne Mediterranea(アラクネ・メディテラネア)、副題「サレントのタランテラ」からピッツィカという曲です。

<Arakne Mediterranea / Giorgio Di Lecce - Pizzica 4分13秒>

タランテッラは、イタリア南部の「長靴のかかと」辺りの舞曲で、タランタ、ピッツィカ、シェルマの3つのタイプがありまして、先ほどの盤では分けて演奏しています。イタリアの対岸のチュニジアやアラブ諸国には、リク(あるいはレク、タール)がありますので、元々アラブの楽器だったものが、イタリアに渡ったのだろうと思います。他にも南イタリアで超絶技巧で低音豊かな演奏の入った盤もありましたが、大分前に売り切れましたので、お聞かせできなくて残念です。レーベルは確かAl Surでしたが、youtubeにそのCARLO RIZZOの演奏を含む、ADEL SHAMS EL DINのアラブのリク、RAVI PRASADの南インドのカンジーラ、PAUL MINDYのブラジルのパンデイロの共演映像がありましたので、その音源をかけてみます。

<TRANS(E)TAMBOURINS CARLO RIZZO PAUL MINDY RAVI PRASAD ADEL SHAMS EL DIN 1分33秒>


カルロ・リッツォのタンブレッロのソロもありましたので、次にどうぞ。

<Tamburello by Carlo Rizzo 1分30秒>


次にアラブのリク(あるいはレク、タール)も少し聞いてみたいと思います。チュニジアのアンサンブル・スラーフ・マナーの演奏で、スラーフ・エッディン・マナーのナイ、ジャメル・アビッドのカーヌーン、リダ・シェマクのウード、ナビル・ザミートのヴァイオリン、ズバイル・メッサイのタールという編成で、タールと言うのが、紛らわしいのですがマグレブの方では弦楽器ではなくて、トルコ起源のタンブリン系枠太鼓の呼称になっています。まずエジプトの音楽を取り上げた際にもかけましたが、リヤド・アル・スンバティ作曲の不朽の名曲「ルンガ・ファラハファザ」をかけてみたいと思います。

<アンサンブル・スラーフ・マナー / ヴァリエテ・ミュージック・アラブ ルンガ・ファラハファザ 3分28秒>

この曲の中で軽快にリズムを刻んでいたタールのソロを次にどうぞ。アラブのリズム体系をイーカーと言いますが、ここではサマイ・サキール(10/8)、マクスーム(4/4)、マスムーディ(8/4)などとイーカーを変えて演奏しています。

<アンサンブル・スラーフ・マナー / ヴァリエテ・ミュージック・アラブ タール・ソロ 2分23秒>

Frame drumと言うのは、楽器の中でも世界最古と言われる片面太鼓の総称ですが、世界中にどんな楽器があるか少し並べてみますと、イランのDayereh、アラブのBendir、イランやアラブのDaf、モーリシャスのRavanne、アイルランドのBodhran、ウクライナやロシアのBuben、ウズベキスタンのDoyra、ブラジルのPandeiroなどが特に知られています。今回は一度に取り上げられませんが、またそれぞれの国の音楽に廻ってきたら気にかけてみたいと思います。
今回はブラジルのパンデイロをメインにこの後聞いてみようと思います。

去年の8月にブラジル特集をやりましたが、その際に日本のサンバ歌手ゲーリー杉田さんの音源をかけました。彼が今治でライブをされた時に、パンデイロの妙技を披露されて、低音がすごく豊かなことに驚きました。サンバチームの中にはソロで入っている楽器ですが、余り拡大して聞く機会もなく、ゲーリーさんのCDにもそれだけでは入ってなかったので、youtubeから音源を拾ってみました。それらを少し聞いてみましょう。

<Pandeiro Popular Brasileiro - Video Aula>


<pandeiro solo 1分30秒>


<pandeiro demonstration 2分45秒>


アイルランドのトラッドに使われるボドランのソロもyoutubeにはありました。バチを柔軟に使って色々な音を出しています。

<Bodhran Demonstration 1分>


イランやクルドなどで叩かれるダフのソロを聞きながら今回はお別れです。ダフは大きな枠太鼓で、シンプルな構造ながら、迫力のある低音に富んでいて、実に多彩な音色を聞かせる楽器です。
今回はCD音源が余りない場合が多いので、youtube音源も色々ご紹介しました。ZeAmiブログでは、これらのyoutubeも見れるようになっておりますので、是非併せてご覧下さい。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Iranian woman daf solo 1分30秒>

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2017年6月19日 (月)

南インドの打楽器

ゼアミdeワールド62回目の放送、日曜夕方に終りました。21日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。オコラ盤と同じ音源はおそらくないと思いますので、類似の映像を上げておきます。

今回からコーカサスの予定でしたが、リスナーでZeAmiのお客様でもあるHさんからリクエストがありましたので、後2,3回インド関連の音楽で続けたいと思います。前回のインドの打楽器編が面白かったと伺いました。タブラに関しては既にかなりポピュラーな楽器ですので、その他の打楽器をとのご希望で、特に枠太鼓(フレームドラム、タンバリンの類)に最近強い関心があるそうですので、その辺りの音源を捜してみました。
まずインドでは、南インドでよくトリオで演奏される楽器の一つカンジーラです。先週かけました両面太鼓のムリダンガムと素焼き壷のガタムとのトリオになりますが、その小ささからは信じられないような低音と、多彩な表現が可能な太鼓です。大型の枠太鼓なら、中東一帯で叩かれるダフも有名ですが、小さな膜面なのに低音が出る楽器と言う事になりますと、カンジーラの他にアラブのレクや、南イタリアのタンバリンやブラジルのパンデイロがあります。まずはオコラの南インド古典音楽アンソロジー4枚組からカンジーラのソロをどうぞ。演奏はナガラージャンという人です。

<Anthology of South Indian Classical Music - Kanjira with Solkattu / V.Nagarajan 4分40秒>

Remo + Selvaganesh: Kanjira Basics

カンジーラと言えば、セルヴァガネーシュが今一番有名だと思います。

続いて、同じようにリズムパターンを唱えてからのソロですが、素焼き壷の打楽器ガタムの独奏をどうぞ。演奏はガタムの名手ヴィナヤクラムです。

<Anthology of South Indian Classical Music - Ghatam with Solkattu / T.H.Vinayakram 5分34秒>

Amazing Indian Percussion-1(Solo ghatam) watch the ending!


南インド古典音楽アンソロジー4枚組には、南インドの口琴モールシンの演奏も入っておりますので、併せてかけてみます。モールシン名人のスバシュチャンドランによる短いソロ2曲です。

<Anthology of South Indian Classical Music - Moorsing with Solkattu & Solo of Moorsing / T.H.Subashchandran 1分12秒、1分4秒>

PALANI K.V.ARUMUGAM-MORSING SOLO


続いてこれらの南インドの打楽器が合わさって合奏が行われておりまして、14分近い全曲を次におかけします。両面太鼓のムリダンガムが中心になっております。演奏はGuruvayoor Doraiのムリダンガムと、ナガラージャンのカンジーラ、ヴィナヤクラムのガタム、スバシュチャンドランのコンナコル(リズムの口唱)で、この順にまずソロのリレーで出てきます。

<Anthology of South Indian Classical Music - Tala Vadyam 13分40秒 抜粋>

Karaikudi Mani and Harishankar 1/2

ガタムは入っていませんが、カライクディ・マニのムリダンガムと、キングのWORLD ROOTS MUSIC LIBRARY「超絶のリズム」(現在のシリーズでは「インド古典パーカッション」)での演奏でも知られるハリシャンカルのカンジーラの超絶のデュオで。

今回はこの曲で締めたいと思います。次回は、南イタリア(長靴のかかとに当たる地方)やアラブのフレームドラムなども取り上げる予定です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

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2017年6月12日 (月)

南北インドの打楽器 タブラ、パカワジ、ムリダンガム

ゼアミdeワールド61回目の放送、日曜夕方に終りました。14日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。<>内がかけた音源です。

先週は南北インド音楽を横笛中心に少し聞きましたので、今回は同じく南北インド古典音楽の太鼓を少し聴き比べてみたいと思います。まず北インドのタブラの方からです。タブラと言えば、日本ではU-zhaanさんが最近大きなスポットを浴びていますが、上の世代なら吉見征樹さんや逆瀬川健治さんが特に有名です。吉見さんの師匠のザキール・フセインと彼の父のアラ・ラカがインドで最も有名なタブラ奏者だと思いますが、逆瀬川さんの師匠のマハプルシュ・ミシュラもカルカッタの名手として有名で、アラ・ラカがシタール奏者のラヴィ・シャンカルとよくコンビを組んでいたように、マハプルシュ・ミシュラはサロッド奏者のアリ・アクバル・カーンやシタール奏者のニキル・バネルジーとよく演奏していました。2013/06/28のZeAmiブログに少し記事を書いておりましたので、読み上げます。
「逆瀬川さんは、やはり20年ほど前にライヴで一度拝見しました。雲の上の名人のようなイメージのマハプルシュ・ミシュラの弟子、というのが強烈に記憶に残っていました。師譲りの切れ味鋭いテクニックと、芳醇な味わい深いタブラです。」
では、そのマハプルシュ・ミシュラの独奏で、最も代表的なターラ(リズム周期)のティーンタール(4+4+4+4の16拍子)の演奏をどうぞ。アリ・アクバル・カーンがこのターラが分かり易くなるようにサロッドでメロディを添えています。ゆったり始まって、どんどん速くなる超絶技巧を披露しています。

<Mahapurush Misra, Ali Akbar Khan / North Indian Drums - Slow Tin-Tal 9分25秒>
mahapurush-misra-tablaclip.avi


MAHAPURUSH MISRA CD RYTHMES DE L,INDE

番組でかけたのと同じ音源がありました。今は入手困難(不可?)の一枚です。

次にタブラが生まれる前からあった両面太鼓パカワジのソロです。タブラが主に使われる北インド古典音楽(ヒンドゥスターニー音楽)は、カヤールやトゥムリー、ガザルですが、パカワジはもっと古いドゥルパッドという古典音楽に使われる太鼓です。タブラより重々しい音が出る楽器です。13世紀の音楽家アミール・フスローが、パカワジを基にタブラを考案したとされています。彼は北インド古典音楽の創始者であると共に、インド・イスラーム神秘主義の宗教歌謡であるカッワーリーの創始者でもあるようです。パカワジもタブラと同じように、リズムパターンを口で唱えてから独奏されています。

<Masters of Tala - Pakhawaj Solo / Raja Chatrapati Singh - Ganesh Paran/Lakshmital  22分15秒 抜粋>
GREAT RHYTHMS-mridangacharya raja chatrapati singh-krishna tal


次に南インド古典音楽に使われる両面太鼓ムリダンガムの独奏です。南インド古典音楽はカルナティック音楽と呼ばれますが、打楽器ではムリダンガムの他に、素焼き壷のガタム、見た目は小型タンバリンのようでありながら非常に低音も豊かで多彩な音が出るカンジーラがありまして、そのトリオ編成で演奏されることが多いです。ムリダンガムは、タブラに負けず劣らず、と言うか、更に数学的で複雑なカルナティック音楽のリズムを司っている太鼓です。カルナティックの代表的なターラである、アーディ・ターラ(8拍子)のソロです。

<Trichy Sankaran / South Indian Drumming -Mrdangam solo in Adi Tala 12分4秒 抜粋>
Mridangam Maestro Dr.Trichy Sankaran


では最後にMahapurush MisraとAli Akbar Khanが先ほどのタブラ・ソロと同じコニサー・ソサエティに残した名盤の「悪の華」の一節を聞きながら今回はお別れです。フランスの詩人ボードレールの詩集「悪の華」をテーマに北インド古典音楽で伴奏した異色の一枚で、女優のイヴェット・ミミューがボードレールの詩の英訳を朗読しています。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Mahapurush Misra & Ali Akbar Khan / 悪の華 -あほうどり 5分20秒 抜粋>
YVETTE MIMIEUX & USTAD ALI AKBAR KHAN - Baudelaire's Flowers Of Evil (1968)

この盤も現在おそらく入手不可ですから、まるまま上がっていました。

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