ゼアミdeワールド

2020年10月19日 (月)

クセノフォントス修道院

ゼアミdeワールド230回目の放送、日曜夜10時にありました。21日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。
ギリシアの11回目になります。先週に続いてギリシア正教の聖地アトス山の音源を入れたいと思います。もう一度ディスク情報を繰り返しますが、ギリシア正教の音源はフランスのオコラなどからありますが、女人禁制のアトス山の音源は、私が知っている限りではドイツArchivのレコードくらいで、国内盤LPは出ていたようですが、CDは輸入盤のみで国内盤は出なかったように思います。アトス山の修道士によるイースターの音源は、A面、B面共に26分前後ありますので、2週に亘ってノーカットでおかけしております。解説は、ゼアミブログの方で入れる予定です。今回はB面を続けておかけします。ドイツArchiv盤が80年代から手元にありまして、その音源をデジタル化してiPhoneから流しております。

<Easter on Mount Athos-B 26分27秒>

このLPの演奏団体名を入れておりませんでした。アトス山に20ほどある修道院の内の、クセノフォントス修道院長アレクシオスと修道士達です。今日の動画は、そのXenophontos monasteryの映像です。クリスマスですが、シマンドラと鐘が出てきます。キリストの生誕や復活を祝うこれらの楽器は、必ず教会の外で奏されるそうです。

B面の曲名は、以下の通りです。
5. 復活祭のスティキロンを持つ賛課の詩篇
6.復活祭の説教(偽クリュソストモス作)
7.鐘の音とシマンドラ

Christmas at Xenophontos Monastery

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2020年10月12日 (月)

ギリシア正教の聖地 アトス山

ゼアミdeワールド229回目の放送、日曜夜10時にありました。14日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。アルヒーフと同じ音源は今の所見当たらないので、音楽のみの長尺の一本とドキュメンタリーを上げておきます。次回のB面は抜粋にしようかとも思いましたが、昨晩改めてラジオから流れる素晴らしい修道士の合唱を聞いて、一瞬にして気持ちが固まりました。やはり全てノーカットでかけます。

ギリシアの10回目になります。中世と古代の音楽と、エーゲ海の島ごとの音楽に行く前に、2回ほどギリシア正教の聖地アトス山の音源を入れたいと思います。ギリシア正教の音源はフランスのオコラなどからありますが、女人禁制のアトス山の音源は、私が知っている限りではドイツArchivのレコードくらいで、国内盤LPは出ていたようですが、CDは輸入盤のみで国内盤のCD化はされてなかったように思います。アトス山の修道士によるイースターの音源は、A面、B面共に26分前後ありますので、2週に亘ってノーカットでおかけしたいと思います。解説は、ゼアミブログの方で入れる予定です。今回はA面を続けておかけします。

<Easter on Mount Athos-A 25分38秒>

Beautiful Orthodox songs from the Mount Athos- Greece


A Visit To The Holy Mountain ATHOS, Greece


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2020年10月 5日 (月)

Anna Vissi / Re!

ゼアミdeワールド228回目の放送、日曜夜10時にありました。7日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。Triada Ke Valeは、ライブ映像もありました。ノンサッチ・エクスプローラーの方は、また水曜以降に。

ギリシアの9回目になります。前回これまでにかけてなかったレベティカ関連の音源と予告していましたので、レベティカ風な曲を2枚の音源からピックアップしてみました。

まずは、トゥンダスのガルソナを取り上げた際に、キプロス生まれの現代ギリシアのポップクイーン、アンナ・ヴィッシのYouTubeをゼアミブログでご紹介しましたが、おそらくこの曲は彼女のアルバムには入ってないので、代わりにレベティカ風な曲と言うことで、手持ちの94年のアルバム「レー!」から2曲選びました。Triada Ke ValeとMelagholiesという曲で、他の曲もそうですが彼女の元夫でプロデューサーのニコス・カルヴェラスの作曲です。ジャンル的にはContemporary Laikaになるようです。この盤のヒット曲は他にありますが、一番伝統寄りに聞こえた2曲です。2曲続けてどうぞ。

<2 Anna Vissi / Re! ~Triada Ke Vale 5分19秒>

ΑΝΝΑ ΒΙΣΣΗ 30 ΚΑΙ ΒΑΛΕ


Anna Vissi - Triada Ke Vale, Mercedes Rex (1994) [fannatics.gr]


<7 Anna Vissi / Re! ~Melagholies [Album Version] 4分11秒>

Anna Vissi - Melagholies (Official Audio Release) [fannatics.gr]


妖艶なイメージの強いアンナ・ヴィッシですが、16歳から20歳前後の頃の録音を集成したアルバム「Ta Kalitera Mou Tragoudia」を最近アップルミュージックで聞きまして、清楚かつ爽やかな印象な上に伝統的な曲が多くて非常に驚きました。その中からも1曲おかけします。

<1 Anna Vissi / Ta Kalitera Mou Tragoudia ~Na 'Mouna Sta Heria Sou Karavi 2分16秒>

Na 'Mouna Sta Heria Sou Karavi


今日ご紹介したいもう一枚は、アメリカのノンサッチ・エクスプローラー50の世界の民族音楽シリーズの一枚で、「《ギリシア》ブズーキの魅力」というタイトルでワーナーパイオニアから出ています。演奏者はヨルダニス・ツォミディス他ですが、60年代後半の録音らしいこと以外、演奏者のプロフィールなどは不明です。

一番興味深く聞いたのが、4曲目のハサピコ「水夫の踊り」で、原盤ではKasaposerbiko Me Taximとなっている通り、セルビア風のハサピコとなるでしょうか。元はコンスタンティノープルの肉屋の踊りでしたが、江波戸先生の解説によると、起源はマケドニア地方の羊飼いの踊りで、マケドニア出身のアレクサンダー大王の兵士たちが好んで踊ったところから広く各地に伝えられ、ホラやホロ、あるいはオロと呼ばれバルカン各地に共通して見られるようになった輪舞に繋がって行きます。

<4 Iordanis Tsomidis / Bouzoukee - The Music Of Greece ~Kasaposerbiko Me Taxim 6分41秒>

もう一曲この盤から、同じくハサピコですが、「ピレウスの浜辺で」を聞きながら今回はお別れです。非常によく聞く旋律です。
時間が余りましたら、1曲目の「ワインを飲むとき」というチフテテリを時間までおかけします。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<7 Iordanis Tsomidis / Bouzoukee - The Music Of Greece ~Sto Limani Tou Pirea 2分56秒>

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2020年9月28日 (月)

レベティコのディアスポラ

ゼアミdeワールド227回目の放送、日曜夜10時にありました。30日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日の動画は放送の1,2曲目のみ上げておきます。

ギリシアの8回目になります。これから2回ほどは、これまでにかけてなかったレベティカ関連の音源を組み合わせてご紹介しようと思います。その後は、エーゲ海の島ごとの音楽を含むギリシア各地の民族音楽の方に移る予定で、ギリシア正教の聖地アトス山や、古代ギリシアの音源も控えています。
ギリシアの大衆音楽は、もちろんレベティカやライカだけではないのですが、伝統色が残っていない各国の西洋化したポップスや安易なミクスチャー音楽には、私自身全く関心がないので(笑)、外しております。

今回はドイツのNetwork Medienから2004年に出ていた「レベティコのディアスポラ(2CD)」の音源になります。この盤についてゼアミHPに書いたコメントをまず読み上げておきます。

レベティカは、ブルースなどとも比較されることの多い、いかにもギリシア的な哀愁に溢れる歌謡。レベティカ自体とその周辺の関連音楽も含め徹底編集したネットワークらしいこだわりの豪華盤で、新旧のレベティカ系歌手やグループの新旧世代とその「現在形」までを追う。トルコ側の音源でトルコの歌手が歌っている録音にも、レベティカ・ソングとして知られている曲があったりして、これには驚き。そして何とギリシア出身のアヴァンギャルド・ヴォーカリスト、ディアマンダ・ガラスまで登場。往年のヤニス・パパイオアヌの曲を編曲してピアノ伴奏で歌っています。オペラの大歌手マリア・カラス、プログレッシブロックや前衛音楽の歌手デメトリオ・ストラトスと並んでギリシアの生んだ傑出した歌手ともみなされている模様。

まずは、1枚目の1曲目を飾っているスタヴロス・クサルハコスのPrologos , Mana Mou Ellasという曲からおかけしますが、オープニングを飾るに相応しいレベティカのエッセンスを凝縮したような曲です。

<1-1 Stavros Xarchakos / Prologos , Mana Mou Ellas 7分8秒>

01 - Stavros Xarchakos - Prologos-Mana Mou Ellas


クレズマーやジプシー音楽で有名なフランスのブラッチや、クレタに移住したアイルランド系のロス・ダリ率いるラビリンスなど、注目のアーティストの音源もありますが、またの機会にしまして、1枚目のラスト15曲目に入っているレベティカらしさ溢れるグリゴリス・ビティコツィスとMikis TheodorakisのSta Pervoliaという曲をどうぞ。

<1-15 Grigoris Bithikotsis, Mikis Theodorakis / Sta Pervolia 4分26秒>

15 - Grigoris Bithikotsis, Mikis Theodorakis - Sta Pervolia


次は変わり種の音源ですが、先ほど解説に出てきたギリシア出身のアヴァンギャルド・ヴォーカリスト、ディアマンダ・ガラスの歌唱です。往年のヤニス・パパイオアヌの曲を編曲してピアノ伴奏で歌っています。

<2-4 Dimamanda Galas / Anoixe 2分39秒>

次はこのコンピレーションの注目音源の一つで、マルコス・ヴァンヴァカーリスの息子ステリオス・ヴァンヴァカーリスと、アメリカのブルース・ギタリストLouisiana Redのデュオで、I Fantasia Stin Exousiaという曲です。ルイジアナ・レッドがコンサートでギリシアを訪れた際に、リハ無しで4時間も共演したという逸話があり、後にスタジオで一発録りで出来た「ブルースがレベティカに出会う」という伝説的なアルバムからの音源のようです。

<2-11 Stelios Vamvakaris&Louisiana Red / I Fantasia Stin Exousia 4分15秒>

次はトルコの有名なオスマン古典声楽の女性歌手メリハット・ギュルセスが、99年にレベティカ・ソングのアルバムを出していて、その中にBarba Yannakakisがありまして、このコンピレーションに収録されています。言うまでもなく、ハリス・アレクシーウの名盤タ・ツィリカの1枚目でオープニングを飾っていた曲です。

<2-15 Melihat Gulses / Barba Yannakakis [Kurban] 3分46秒>

では最後に、この「レベティコのディアスポラ」のジャケットを飾っているSalto OrientaleのDiki Mou Ine I Ellasを時間まで聞きながら今回はお別れです。この曲もハリス・アレクシーウが歌っていた曲です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<2-6 Salto Orientale / Diki Mou Ine I Ellas 4分28秒>

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2020年9月21日 (月)

カフェ・アマンの歌

ゼアミdeワールド226回目の放送、日曜夜10時にありました。23日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。エスケナージは別枠で出したいので、今日の動画はマギコだけにしておきます。

ギリシアの7回目になります。今回は「レベティカ・ソングのパノラマ」の第5集、「カフェ・アマンの歌」からご紹介します。「レベティカ・ソングのパノラマ」の3枚組シリーズは、2003年にギリシアFMから12セット出まして、いずれも元はミノスレコードの音源のようです。第5集だけ資料として残していましたが、他の11セットは全て売り切れで現在手元にはありません。因みに第1集からタイトルを列記しますと、アメリカのレベティカ、難民とレベティカ、女性たちとレベティカ、良き時代と気高き精神、カフェ・アマンの歌、レベティカとアウトローたち、過激派の歌、愛とレベティカ・ソング、レベティカの顔、富者と貧民、別れの歌、Learning about your countryとなっております。ギリシア語の表記のみで解説無しの簡素な作りですが、内容は凄い音源がこれでもかと集められています。確か同じ頃に独Trikontから、「レムベティカ~ギリシアのアンダーグラウンドの歌(2CD)【歴史的録音】」が出ましたが、内容的にはやはり現地盤には遠く及ばない感じでした。

まず、1枚目4曲目のマギコからおかけします。前にハリス・アレクシーウの歌唱でかけた曲ですが、この盤に入っているのは、リタ・アバツィの1930年代のおそらくオリジナル録音です。

<1-4 Ριτα Αμπατζη/Μαγκικο 3分11秒>

ΤΟ ΜΑΓΚΙΚΟ, 1938, ΡΙΤΑ ΑΜΠΑΤΖΗ


続く5曲目はローザ・エスケナージによるオリエンタルムード満点の曲です。彼女の曲は前々回に一曲かけただけですので、もう一度その解説を振り返り、その後3曲続けたいと思います。

YouTubeでハリス・アレクシーウと握手している写真を見たことがありまして、エスケナージは1890年生まれですが1980年までご存命だったので、アレクシーウが若い頃、直接のやりとりがあったようです。新旧のレベティカのディーヴァのツーショットは、とても感動的だと思いました。エスケナージの歌うレベティカは、曲によってトルコ的、そのままギリシア的、あるいはどこか微妙にユダヤ風だったり等々、色々な側面が垣間見えるように思います。エスケナージという名前からはアシュケナジー(東欧系ユダヤ)を連想しますが、イスタンブール生まれですから、やはりセファルディ(スペイン系ユダヤ)のようです。
1枚目だけでローザ・エスケナージの歌唱は5曲ありますが、まずは5曲目のスティン・ポリ・スト・メヴラ・ハーネと言う曲をどうぞ。

<1-5 Ροζα Εσκεναζη/Στην Πολη Στο Μεβλα Χανε 3分6秒>

もう一曲ローザ・エスケナージで10曲目のウードで華やかに始まるト・カナリニという曲ですが、彼女が歌うとどこかユダヤ風に聞こえる部分があるように思います。

<1-10 Ροζα Εσκεναζη/Το Καναρινι 3分14秒>

2枚目にもローザ・エスケナージの歌唱は6曲入っていますが、3曲目のディミトルーラという曲は、アレクシーウも歌っていて、よく知られた曲だと思います。

<2-3 Ροζα Εσκεναζη/Δημητρουλα 3分20秒>

2枚目4曲目には、ヴァシリス・ツィツァーニスのブズーキ伴奏で、彼と同時代に活躍した女性歌手ソティーリア・ベールが歌っています。オタン・ピニス・スティン・タヴェルナという曲で、訳すと「酒場で飲むとき」となると思います。

<2-4 Βασιλησ Τσιτσανησ-Σωτηρια Μπελλου/Οταν Πινεισ Στην Ταβερνα 3分15秒>

前回の放送とゼアミブログで、カフェやタヴェルナは主にスミルナ派の活動場所だったと解説を入れましたが、特にカフェ・アマンは、その中心的な場所として有名です。この「カフェ・アマンの歌」の3枚組には、スミルナ派に交じって、ヴァンヴァカーリスの音源もあります。よく見ると、1枚目が「カフェ・アマンの歌」、2枚目は「歌とアルコール」、3枚目は「アマネデスとタクシーミア」とありまして、ヴァンヴァカーリスの音源は3枚目に入っていました。Taqsim ZeibekoとArapという曲がありますので、2曲続けておかけします。ピレウス派のヴァンヴァカーリスでも、ブズーキのタクシームはカフェ・アマンで披露することがあった、と言うことでしょうか?  3枚目では歌、器楽共に、トルコ音楽色が強く、技巧をたっぷり披露する演奏になっています。

<3-6 Taqsim Zeibeko (Markos Vamvakaris) 3分9秒>

<3-11 Arap (Markos Vamvakaris) 3分19秒>

では、最後にローザ・エスケナージの歌唱でArapi Gazeli Usakを時間まで聞きながら今回はお別れです。トルコ音楽のウッシャーク旋法を踏襲したガゼルで、歌詞はギリシア語かと思いますが、これはほとんど完全にトルコ音楽の範囲に聞こえます。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<3-2 Arapi Gazeli Usak (Rosa Eskanazi) 3分27秒>

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2020年9月14日 (月)

ヴァンヴァカーリスとツィツァーニス

ゼアミdeワールド225回目の放送、日曜夜10時にありました。16日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日の動画はFrankosyrianiのみにしておきます。ヴァンヴァカーリスは「レベティカの総主教」と言われるほどの巨匠ですが、彼の家族はローマカトリック共同体「フランコシリア人」に属していたことから、この曲が生まれたのではと思います。一般的なラブソングなのかどうかは歌詞の吟味が必要です。フランコシリアの名は、ギリシア語で西欧人を総称して「フランク」と呼ばれていたことから由来しています。序に総主教とは、東方正教会の最高位聖職者で、カトリックなら教皇に当たります。

ギリシアの6回目になります。今回は戦前と戦後の男性の重要なレベティカ歌手二人を取り上げたいと思います。
戦前の1930年代初頭に、パナヨティス・トゥンダスなどに先駆けてSP盤を出して注目を浴びたのが、マルコス・ヴァンヴァカーリスです。1886年生まれのトゥンダスより19歳も若いヴァンヴァカーリスは1905年生まれで、1942年にまだ50代の若さで亡くなったトゥンダスよりかなり年数が経って、1972年に亡くなっています。トゥンダスはトルコ西部のスミルナ(トルコ語ではイズミール)生まれなのでスミルナ派と呼ばれましたが、ヴァンヴァカーリスは「日曜はダメよ」にも出てきたアテネ近郊の港町ピレウスが拠点なので、ピレウス派と呼ばれるレベティカの音楽家です。20世紀初めからあったピレウスのアンダーグラウンド・シーンから、ヴァンヴァカーリスはレコード発売によって表舞台に躍り出て、その影響も受けたトゥンダスは1930年代後半に綺羅星のような名曲を書きましたが、その頃には既に人生の終わり近くなっていたということになります。
ヴァンヴァカーリスは「だみ声」で泥臭く、ブズーキ弾き語りで実に味のある節回しを聞かせます。多くの音楽家が音楽の素養があって、カフェやタヴェルナが主な活動場所だったスミルナ派に対して、ヴァンヴァカーリスのような、いわゆるマンガス系レベティカ歌手は、下層労働者や貧民窟出身者も多く、阿片窟やハシシ喫煙施設「テケス」を拠点として演奏していたそうです。レベティカの原点のアンダーグラウンドのイメージから来た「ギリシアのブルース」という形容は、ヴァンヴァカーリスなどピレウス派の方が近いように思います。スミルナ派ではトルコ音楽色が色濃く残っていますが、ピレウス派では音楽的により純ギリシア風とも言えるようです。ビザンツの要素も残っているらしいという点が、個人的にかなり気になっています。
現代ギリシア音楽界の大御所中の大御所、あのミキス・テオドラキスが、「私たちは皆、木の枝にすぎず、マルコスがその木である。」と称賛する程の存在になっています。
彼のCDは全て売り切れで手元になかったのですが、アップルミュージックにはかなり音源が上がっていますので、Oloi Oi Rempetes Tou Ntounia (1935-1939), Vol. 2という編集盤からおかけします。1932年に最初のレベティカのレコードNa'rchósouna re magka mou (Να 'ρχόσουνα ρε μάγκα μου) を録音しますが、その頃のラヴ・ソングに "Frankosyriani" (Φραγκοσυριανή)という曲がありまして、どのコンピレーションにも入っている彼の有名曲ですので、こちらからおかけします。

<3 Markos Vamvakaris / Frangosyriani 3分11秒>

Markos Vamvakaris - FRAGOSYRIANI original 1935


2曲戻りまして、アルバムタイトル曲の一曲目、Oloi Oi Rembetes Tou Ntouniaをどうぞ。これも後のギリシア・ポップスを彷彿とさせる曲です。

<1 Markos Vamvakaris / Oloi Oi Rembetes Tou Ntounia 3分11秒>

2曲目も哀感と共に人懐っこい旋律で素晴らしいので、続けます。そのままハジダキスの音楽に繋がって行きそうな感じです。このコンピレーションは全28曲入っておりまして、どれも甲乙つけがたい味わい深さがあります。変な喩えですが新宿のゴールデン街で飲み歩いているかのような錯覚も覚えます(笑) 一つ言えるのは、アレクシーウのような現代の歌い手は、ヴァンヴァカーリスなどマンガス系の曲は、おそらくほとんど歌っていないように思えますが、例外はあるのでしょうか。

<2 Markos Vamvakaris / Tha 'Rtho Na Se Xypniso (feat. Elli Petridou) 3分3秒>

戦後の1950年代になると、大戦前からレベティカ・シーンに出てきていたヴァシリス・ツィツァーニスが中心になって、スミルナ派とピレウス派の要素をミックスし、初期レベティカのアンダーグラウンドな暗部も取り去って、開かれた大衆歌謡としてライカが生まれました。
ツィツァーニスの録音はフランスのオコラなどから出ていまして、オコラ盤の「ツィツァーニス讃」が手元にありますので、この中から3曲お届けします。ツィツァーニスと言えば、この曲!と言うくらい有名なSynnefismeni Kyriaki(曇りの日曜日)と、美しい短調の曲「San Apokliros Gyrizo(完全なものとして戻る?)」、ブズーキのタクシームの3曲を続けておかけします。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<8 Vassilis Tsitsanis / Synnefismeni Kyriaki 3分17秒>
<4 Vassilis Tsitsanis / San Apokliros Gyrizo 6分4秒> 
<1 Vassilis Tsitsanis / Taqsim 1 3分9秒>

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2020年9月 7日 (月)

ガルソナ、アンゲロプロス、ミシルルーなど

ゼアミdeワールド224回目の放送、日曜夜10時にありました。9日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日の動画はアレクシーウのガルソナの1976年のライブのみにしておきます。やっぱりこれが最高!

ギリシアの5回目になります。ギリシアの歌姫ハリス・アレクシーウの歌を何度かご紹介しましたが、デビューから数年の彼女を76年頃一躍有名にした曲にガルソナという曲があります。今日はこの曲から始めます。個人的には30分間ずっとかけたい位好きな曲ですので(笑)、また後で解説を入れます。ではミノスレコードからの「ハリス・アレクシーウ2」から、ガルソナです。

<4 Haris Alexiou / Haris Alexiou 2 ~Η γκαρσόνα 3分52秒>

HARIS ALEXIOU - GARSONA / ΧΑΡΙΣ ΑΛΕΞΙΟΥ - ΓΚΑΡΣΟΝΑ (1976)


前にゼアミブログにも書いたことがありますが、このガルソナと言う曲も、レベティカの大御所パナヨティス・トゥンダスの作曲でした。つくづく凄いメロディメーカーだなと思います。
私が最初に聞いたのはキプロス生まれのポップ・クイーン、アンナ・ヴィッシの映像でしたが、この曲、リズム的にはハサピコになるのでしょうか? メロディは典型的なハサピコに聞こえます。ハサピコは元々東ローマ帝国のコンスタンチノープル(現在のイスタンプール)の肉屋たちの踊りだったそうです。当時はトルコの場所が「トルコ化」する前で、セルジュク朝を起こしたテュルク人が中央アジアから今のトルコの場所に来たのが11世紀ですから、それより前の古い古い踊りと言うことになります。ハサピコは、ギリシアの踊りで最も有名なシルタキに繋がって行くようですが、ハサピコのエキゾチックなメロディ・ラインは、東欧系ユダヤの祭礼音楽の一種、クレズマーにもそっくりに聞こえます。と言うか、ハサピコの楽士がクレズマーを真似たとは思えないので、ハサピコが本家本元なのでしょうか? 
という話を大分前にもゼアミブログに書きました。この謎はまだ解明できてないままです。この曲は、何度か出てきたRita Abatziの古い録音がよく知られているので、彼女が最初に歌ったのではと思います。

次に、オルターポップのベスト盤から、ギリシアの映画監督テオ・アンゲロプロスの91年の「こうのとり、たちずさんで」に使われた「恋が満ちる時」をおかけしておきます。アンゲロプロスらしい仄暗い雰囲気の美しい曲で、この監督の映画音楽を多く手掛けたエレニ・カラインドルーの作曲です。ギリシアではミノスから、欧米ではドイツのECMからサントラがリリースされました。

<1 ベスト・オブ・ハリス・アレクシーウ ~恋が満ちる時 4分23秒>

ベスト盤から、もう一曲「夜明けの歌」と言う切々とした美しい曲をおかけします。ブズーキをマンドリンのようにトレモロでも奏でています。「23の歌謡」というアルバムからで、原題はTo Minore Tis Avgisです。

<14 ベスト・オブ・ハリス・アレクシーウ ~夜明けの歌 3分56秒>

もう一曲、アレクシーウのミノス時代の「23の歌謡」の一曲目ですが、大分前にトルコの時にもかけましたが、マンタレーナと言う曲を再度おかけします。オスマン古典音楽の巨匠タンブーリ・ジェミル・ベイが弾くゼイベクと、ハリス・アレクシーウのこのΜαntalio (Mantalena)が、全く同じ旋律だった話をその際にしました。
マンタレーナと言うのがどういう曲なのか、まだはっきり分かっていませんが、Μανταλένα (Σαμοθράκη)という映像を見ると、このギリシア語は「マンタレーナ(サモトラキ島)」と訳せますので、エーゲ海北東部に位置するサモトラキ島の民族舞踊のようです。ゼイベクに特徴的な2+2+2+3の9拍子が聞き取れます。明るくはつらつとしたアレクシーウの歌と、タンブールの渋い音色のイメージを重ねて聞いてみて下さい。

<1 Haris Alexiou / 23 Τragoudia ~Μαntalio (Mantalena) 3分>

ハリス・アレクシーウの大先輩に当たる往年のレベティカのユダヤ系名女性歌手ローザ・エスケナージの録音をご紹介したいと思っていましたが、全て売り切れて手元にコンピレーションが一つあるだけですので、アップルミュージックで出てきた中から一曲おかけします。
YouTubeでハリス・アレクシーウと握手している写真を見たことがありまして、エスケナージは1890年生まれですが1980年までご存命だったので、アレクシーウが若い頃、直接のやりとりがあったようです。新旧のレベティカのディーヴァのツーショットは、とても感動的だと思いました。エスケナージの歌うレベティカは、曲によってトルコ的、そのままギリシア的、あるいはどこか微妙にユダヤ風だったり等々、色々な側面が垣間見えるように思います。エスケナージという名前からはアシュケナジー(東欧系ユダヤ)を連想しますが、イスタンブール生まれですから、やはりセファルディ(スペイン系ユダヤ)のようです。
Faces of Rebetikoというコンピレーションから、ローザ・エスケナージの歌唱でThe Washer's Woes (Ta Vasana Tis Plistras)という曲ですが、オスマン音楽風な面、ユダヤの宗教歌を思わせる部分が合わさって聞こえるように思います。

<8 Rosa Eskenazi / The Washer's Woes (Ta Vasana Tis Plistras) 3分17秒>

では最後にFaces of Rebetikoというコンピレーションから、レベティコ、ベリーダンス、ユダヤのクレツマー、更にはビーチボーイズのサーフ・ロックまで、共通のレパートリーとして知られるエキゾチックな「エジプト娘」を描いたミシルルー(英語ではミザルー)を時間まで聞きながら今回はお別れです。Mikes Patrinosの歌唱です。ギリシア語読みから来ている「エジプト」のアラビア語での呼称「ミスル」に由来するこの歌は、レベティコの様式で、トルコあるいはギリシアのテンポのゆったりしたダンスであるチフテテッリの舞踊のための歌として作曲され、レベティコ勃興と共に生まれた曲と考えられているようです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<54 Mikes Patrinos / Mousourlou 4分12秒>

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2020年8月31日 (月)

レベティカの作曲家シリーズ28=パナヨティス・トゥンダスVol.5を中心に

ゼアミdeワールド223回目の放送、日曜夜10時にありました。2日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日の動画はTilegrafima Stin Karmenの1938年のオリジナル録音のみにしておきます。画面に現代ギリシア語の歌詞が出てきます! 是非一緒にご唱和下さい(^^)

ギリシアの4回目になります。ギリシアの歌姫ハリス・アレクシーウが往年のレベティカやライカの名曲を歌った1983年のTa Tsilikaから、前回かけたくてかけられなかった数曲と、100年近く前のレベティカの古い音源からご紹介します。今年でアレクシーウも古希ということで、引退報道がつい先日ありました。返す返すも94年の来日公演を聞けなかったのが残念です。

まずは前回かけた「リリはスキャンダルメーカー」と共にオルターポップのベスト・オブ・ハリス・アレクシーウに入っていたタ・ツィリカからの2曲のもう一曲、カモマトゥもかけておきます。タ・ツィリカ1枚目の2曲目に入っています。あだっぽい女性への恋心を歌ったこの曲は、ヤニス・ドラガツィスの1932年の作曲で、9拍子のカルシラマースのリズムで書かれています。

<1-2 Haris Alexiou / Ta Tsilika ~Kamomatou 2分56秒>

Ta Tsilikaの2枚目の5曲目に入っているMagikoという曲ですが、カリピスの作曲とあります。とても親しみやすい旋律だと思います。

<2-5 Haris Alexiou / Ta Tsilika ~Magiko 2分27秒>

次にTa Tsilikaの2枚目のラストを飾っているパラドシアコ作曲のO Magasです。パラドシアコは1枚目の最初のBarbagiannakakisも書いていた人です。アップテンポでラストに相応しい曲です。

<2-13 Haris Alexiou / Ta Tsilika ~O Magas 2分26秒>

次にTa Tsilika2枚目で前回かけられなかったスミルナ派の重鎮作曲家パナヨティス・トゥンダスの曲です。10曲目のNaziara Mouという曲をおかけします。

<2-10 Haris Alexiou / Ta Tsilika ~Naziara Mou 3分15秒>

同じNaziara Mouを1937年のRita AbatziとStellakis Perpiniadisの歌唱でおかけします。この後は希Minosから出ていたレベティカの作曲家シリーズ28=パナヨティス・トゥーンダスVol.5から続けます。

<5 Sinthetes Tou Rebetikou[Vol. 5] ~Naziara Mou 3分25秒>

前回「特に個人的に好きなのが1枚目の最後12曲目を飾っているTilegrafima Stin Karmenという曲で、哀愁の先にカタルシスを感じる名旋律だと思います。」とアレクシーウの歌唱をご紹介したTilegrafima Stin Karmenですが、パナヨティス・トゥーンダスVol.5には、Stratos PagioumtzisとStellakis Perpiniadisの歌唱で1938年の録音が入っておりますので、こちらをどうぞ。

<4 Sinthetes Tou Rebetikou[Vol. 5] ~Tilegrafima Stin Karmen 3分22秒>

ΤΗΛΕΓΡΑΦΗΜΑ ΣΤΗΝ ΚΑΡΜΕΝ, 1939, Στράτος Παγιουμτζής, Στελλάκης Περπινιάδης


やはり前回「7曲目のAman, Katerina Mouもyoutubeでタベルナでの名演を見れる曲です。演歌的な感じが少しあります。この曲はクルド系のトルコの女性歌手チーデム・アスランが、バルカン音楽やクレズマー音楽などを歌ってきた後で辿り着いたアルバム、Mortissaで冒頭で取り上げていました。」とご紹介しましたAman, Katerina Mouは、Stellakis Perpiniadisの歌唱で1937年の録音が入っております。

<7 Sinthetes Tou Rebetikou[Vol. 5] ~Aman, Katerina Mou 3分18秒>

では最後にパナヨティス・トゥーンダスの第6集の冒頭に入っているTo Minore Tis Tavernasを時間まで聞きながら今回はお別れです。レベティカが生まれた頃の陋巷の臭いが感じられるような、とてもレベティカらしい雰囲気の曲です。歌唱はStratos PagioumtzisとNota Kalleliです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1 Sinthetes Tou Rebetikou[Vol. 6] ~To Minore Tis Tavernas 3分14秒>

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2020年8月24日 (月)

ハリス・アレクシーウのTa Tsilika

ゼアミdeワールド222回目の放送、日曜夜10時にありました。26日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日の動画はBarbagiannakakisのみにしておきます。タベルナと思しき場所での30代のアレクシーウは美しく歌唱も最高。バックの演奏も最高です。この一連の動画、当ブログでは13年間に3回はアップしていると思いますが、一日一本ずつ味わいたいと思います(笑)

ギリシアの3回目になります。前回「本丸的な」と予告しましたハリス・アレクシーウのTa Tsilikaを取り上げます。この盤は六本木の某店にいた94年前後に盛んにかけていて、かなり売った記憶があります。確かこの年にアレクシーウが来日していて、それを後で知って非常に悔しい思いをしました。それから15年近く経って、ゼアミブログで取り上げる頃には、80年代のアレクシーウの素晴らしい歌声とタベルナと思しき場所で歌っている姿をYouTubeでも見られるようになっていました。

Ta Tsilikaという2枚組ですが、この盤について2002年の音楽之友社「世界の民族音楽ディスクガイド」に書いた拙稿をまず読み上げます。

ギリシアを代表する女性歌手アレクシーウが83年にリリースしたオーソドックスなレベティカとライカの名曲集2枚組。1900~45年の著名な大衆歌謡作家の曲からのセレクション。トゥーンダス、ドラガツィス、パラドシアコなどの名曲がオーソドックスな編成の新しい録音で聞けるのはとても有り難い。いかにもレベティカらしい哀愁の名旋律も数多く、この世界が好きな人は愛聴盤になりうるのでは。トルコ風なエキゾチシズムと変拍子も目立つが、シルトスの快活なリズムの内にも宿る、地中海的明るさと背中合わせの哀しさがこよなく美しい。ギリシア盤で原語解説のみだが、一緒に唱和してしまうような親しみやすい、また彼女の魅力満開の充実作。

レベティカとは、1920年代にギリシアとトルコの住民交換で旧オスマントルコ領内からギリシアへ移住させられたギリシア人たちによって始まり、1960年代の民主化の時代に再興があったとされるギリシアの大衆歌謡で、再興後はライカと呼ばれるようです。ギリシアの港町の下層階級の間で、19世紀末から20世紀へ変わる頃成立したと言われ、「ギリシアのブルース」とも形容されます。音楽的にはオスマン時代以来のエキゾチックな側面も豊富に見られます。

この2枚組に入っている曲ですが、ほぼ100年前のスミルナ派レベティカの古い録音にもありますので、また後日取り上げる予定です。私がTa Tsilikaを初めて聞いた94年頃からとても惹かれてきたレベティカの作曲家は、パナヨティス・トゥンダスですが、今でもレベティカ最大のメロディーメーカーの一人のように思います。という訳で、トゥンダスの曲を中心に取り上げたいと思いますが、まず1曲目はYouTubeでも素晴らしい歌唱を聞けたパラドシアコのBarbagiannakakisという曲からおかけします。

<1-1 Haris Alexiou / Ta Tsilika ~Barbagiannakakis 3分47秒>

ΜΠΑΡΜΠΑΓΙΑΝΝΑΚΑΚΗΣ - ΧΑΡΙΣ ΑΛΕΞΙΟΥ


これから後はトゥンダスの曲が続きます。特に個人的に好きなのが1枚目の最後12曲目を飾っているTilegrafima Stin Karmenという曲で、こちらから先におかけします。哀愁の先にカタルシスを感じる名旋律だと思います。

<1-12 Haris Alexiou / Ta Tsilika ~Tilegrafima Stin Karmen 3分>

戻りまして、7曲目のAman, Katerina Mouもyoutubeでタベルナでの名演を見れる曲です。演歌的な感じが少しあります。この曲はクルド系のトルコの女性歌手チーデム・アスランが、バルカン音楽やクレズマー音楽などを歌ってきた後で辿り着いたアルバム、Mortissaで冒頭で取り上げていました。

<1-7 Haris Alexiou / Ta Tsilika ~Aman, Katerina Mou 3分24秒>

10曲目のLili I Skadaliaraは、オルターポップから出ていたベスト・オブ・ハリス・アレクシーウにも入っていた曲で、「リリはスキャンダルメーカー」と邦訳されていました。この盤はタ・ツィリカ初め、アレクシーウの1970、80年代のミノス・レコードの音源からのコンピレーションでした。

<1-10 Haris Alexiou / Ta Tsilika ~Lili I Skadaliara 3分36秒>

戻りまして1枚目3曲目のAeroplano Tha Paroもトゥンダスの歌で、男性歌手アガトナス・ラコヴィディスとのデュオです。

<1-3 Haris Alexiou / Ta Tsilika ~Aeroplano Tha Paro 3分19秒>

2枚目の終わりから2曲目のPagratiotissaも、トゥンダスらしい、やや演歌的なやるせない感じの旋律ですが、途中オスマン音楽風な音の動きと転調が入って、おっ!と思う曲です。この曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<2-12 Haris Alexiou / Ta Tsilika ~Pagratiotissa 2分51秒>

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2020年8月17日 (月)

ハジダキス特集 日曜はダメよ~スウィートムービー

ゼアミdeワールド221回目の放送、日曜夜10時にありました。19日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日の動画は「日曜はダメよ」の映画全編と、ホロス・ゼイベキコスが出てくる箇所です。スウィートムービーはまた後日。

ギリシアの2回目になります。今回は本丸的なハリス・アレクシーウの音源をかけようかと思っていましたが、お盆明けにラヂバリスタジオが再開されるようですので、今回は録音が古い音源を取り上げておきます。

前回1960年のギリシア映画「日曜はダメよ」のマノス・ハジダキス作曲の主題歌を、主演女優のメリナ・メルクーリの歌唱でかけましたが、そのサントラ盤は大変に魅力的な音楽で溢れていますので、このギリシア盤を中心に今回はハジダキスの音楽特集にします。
余りに有名な主題曲のインスト演奏から始まりますが、ブズーキア、ホロス・ゼイベキコス、荒野、月の上を散歩しましょう、と5曲抜粋しておかけします。前にトルコの時に出てきたゼイベキコが出て来ますが、その前にバルカン半島一体に見られる舞踊曲の名前、ホロが付いています。バルカン各地のホロやルーマニアのホラのルーツはギリシアにあり、本家のギリシアでは輪舞全般を指すようです。ハジダキスの曲には、他にもハサピコなど、ギリシアの伝統音楽が散りばめられています。
ハジダキスの曲は、いかにも地中海的な底抜けに明るい面と、それとは対照的な翳りを含んだ幾分演歌的に聞こえる部分もあって、日本人にも大変受けが良いのではと思います。荒野という曲は、ギリシアの映画監督テオ・アンゲロプロスの映画を思い出させるものがあるように思いました。

Nunca aos domingos -- Filme completo (Never on Sunday)


<1 Ta Paidia Tou Peiraia 3分23秒>

<3 Bouzoukia 3分2秒>

<4 Horos Zeibekikos 2分>

Pote tin Kyriaki aka Never on Sunday (1960)



<5 Wilderness 2分6秒>

<7 Let's Take A Walk On The Moon 2分30秒>

最後にかけましたLet's Take A Walk On The Moonという曲を、サヴィナ・ヤナトゥというギリシアの女性歌手が歌っていますので、併せておかけしておきます。彼女は90年代に希LyraのPrimavera en Salonico(サロニカの春)でのセファルディの歌で話題になった人ですが、その後主に東地中海各地の音楽において、儚げでリリカルな絶品の歌声を披露してきた歌姫です。1998年リリースの「マノス・ハジダキスの'62年」という盤の1曲目で、絶美の歌声を披露しています。

<1 Pame Mia Volta Sto Feggari 4分33秒>

セルビア出身のドゥシャン・マカヴェイエフ監督の1974年の映画「スウィート・ムーヴィー」の音楽もハジダキスが担当していますので、その甘美で痛々しい主題歌をおかけします。サヴィナ・ヤナトゥも歌っていますが、これからかけますのはサントラ盤のオリジナル音源です。

<9 Ta Paidia Kato Ston Kampo 3分37秒>

70年代的な音楽はとても魅力的ですが、放送では内容を説明できないような(笑)カルト映画として昔から好事家の間で有名な「スウィート・ムーヴィー」ですので、やはり音楽も一風変わった面もありまして、全ての曲をギリシア音楽として紹介するのは難しいのですが、ラストを飾っていた主題歌だけはおかけしておきたいと思います。マカヴェイエフ監督の前作の『WR:オルガニズムの神秘』を見たハジダキスは拍手喝采し、喜んで作曲を引き受けたそうです。児童の合唱が、先ほどの女性独唱とは違う味わいを添えて、この映画を締めくくっています。この名曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<13 Ta Paidia Kato Ston Kampo (Chorus) 2分31秒>

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