ゼアミdeワールド

2018年7月16日 (月)

dombra du kazakhstan (仏Buda)

ゼアミdeワールド117回目の放送、日曜夕方に終りました。18日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。仏Budaの音源はアップルミュージックにはありますが、youtubeは見当たりませんので、今日は取りあえず「ドンブラのアック」を2種類上げておきました。

カザフスタンの音楽の6回目になります。カザフの伝統音楽の欧米盤6点の内、今回は仏Budaの2枚からご紹介したいと思いますが、まず前回のラストに10秒ほどしかかけられなかったドンブラでのアック(白鳥)からおかけします。これは是非ともかけておきたい音源ですので。クルマンガズィのアップテンポの名曲アダイをブログで上げました女性ドンブラ奏者Roza Zhangabylの演奏です。コビュズの名曲アックをドンブラで弾いているようです。

キングWRML盤の森田稔氏の解説を、再度引用しておきます。
アックというのは「白鳥」の意味。このキュイには興味深い伝説がある。二人の若者が一人の娘に恋をする。娘はどちらかを選ぶことができず、条件を決める。娘と結婚するためには、若者は湖で泳いでいる白鳥を射たねばならない。二人の弓が一羽の白鳥の心臓に当り、その場で殺してしまう。しかし彼らが一緒に白鳥に近づくと、娘が殺されて横たわっていた。そこで、娘を哀悼して、このキュイが作られた。

<Roza Zhangabyl / А??у к?й? 2分49秒>
Аққу күйі


Айтолқын Тоқтағанова - Нұрғиса Т. "Аққу" күй /Aytolqin Toqtaganova -Aqqu kuy /


次にこの同じアックという曲が、ブダ盤の「カザフスタンのドンブラ」の第1集にも入っていますので、比較でかけてみます。ブダから第2集まで出ております。盤の解説は、後で入れます。まず演奏をお聞き下さい。

<15 カザフスタンのドンブラ第1集 カラタウのシェルトペ Aqqu 4分16秒>

この盤につけたゼアミのサイトでのコメントを読み上げてみます。
カザフスタン南部カラタウ地方のドンブラ即興。器楽曲キュイの中でもシェルトペというスタイルは即興色豊か。演奏はベクセイイト・トゥルスィンベコフ、アリムカーン・ズスバエフ、ボランクル・コシュマガムベトフ、サイアン・アクモルダ、サルセンガリ・ズズバエフで、ベテランから若手まで5人それぞれの独奏。即興に置いても、カザフらしい叙事詩を語り聞かせるような感じがあります。

Roza Zhangabylの演奏では、右手のストロークの多彩さに驚かされますが、ブダ盤では落ち着いた感じに聞こえます。コビュズの演奏と3つ並べると、本当に同じ曲だろうかと思う程ですが、コビュズの原曲を元に色々なヴァリエーションが生まれているということでしょうか。

この盤には、前にブログでも「哲学的キュイ」として取り上げたコヌィルやコスバサルが何曲かあります。コスバサルの解説は以下のようにキング盤にありました。
「カザフでは62という数には意味がある。人間には62の静脈があるので、音楽家は62のコスバサルを弾いて、全ての静脈に生命を吹き込むのである。」  では、まずコスバサルからどうぞ。

<21 カザフスタンのドンブラ第1集 カラタウのシェルトペ Qosbasar 4分18秒>

一方「コヌィル」というのは、柔らかい、ベルベットのような、思慮深い、瞑想的な、哲学的な、といった意味でした。

<5 カザフスタンのドンブラ第1集 カラタウのシェルトペ Qonyr 4分28秒>

ここでライブ情報を入れます。
昨年8月2日に加藤吉樹さんのウードソロライブを催しましたが、今年も全く同じ日に加藤さんがいらっしゃってライブを行うことになりました。詳細が決まりましたので、お知らせ致します。 宜しければ是非お越し下さい。

アラブ音楽ライブ ~ウードソロ~

8月2日(木)
開場 19時00分   開演 19時30分
会場 Cafeトーク・トーク 今治市北高下町2-1-7ハイツ近藤2の1階

*駐車場は限定5台ですので、出来るだけ公共交通機関等をご利用下さい。
定員:30名限定 (要予約)   珈琲か紅茶のワンドリンク付き 2000円
演奏:加藤吉樹(ウード)

ご予約:VYG06251@nifty.ne.jp

以上、ライブ情報でした。


ブダの「カザフスタンのドンブラ第2集」は、クルマンガズィと並ぶ帝政ロシア時代の国民的音楽家タッティンベトの曲が出てきます。
この盤につけたゼアミのサイトでのコメントを読み上げてみます。
カザフの国民的弦楽器ドンブラによる伝統音楽を体系化し、自ら作曲家としても多くの作品を残したタッティンベト(1817-1860)の遺産を伝える20世紀の名手の歴史的演奏と、今日の若い後継者たちの演奏をおさめた26トラックCD。現役のタッティンベト派の代表的継承者、タサスベック・アセムクロフのインタヴューと演奏を収めたDVD付き。
現物が手元にないので詳細が分かりませんが、最も録音の古そうな1曲目のKokeikestiという曲からどうぞ。演奏はAbiken Khasenovです。

<1 カザフスタンのドンブラ第2集 タッティンベトの遺産 Kokeikesti 2分36秒>

この盤にもコスバサルという曲が4曲ありまして、いずれも「62のコスバサル」に入るのだろうと思います。現役のタッティンベト派の代表的継承者、タサスベック・アセムクロフのドンブラ独奏によるQyrmyzy Qosbasarです。

<11 カザフスタンのドンブラ第2集 タッティンベトの遺産 Qyrmyzy Qosbasar 1分35秒>

個人的には、ブダ盤第1集の最後を飾っているサルタナートという曲がとても沁みる曲で、曲名共々気になりましたが、現物が手元にないので詳細不明なのが残念です。
この曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<22 カザフスタンのドンブラ第1集 カラタウのシェルトペ Saltanat 3分56秒>

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年7月 9日 (月)

ドンブラ演奏のテクニック

この度の西日本豪雨は、とてつもない大災害になりました。被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。今治もかなりな大雨で、川とダムが心配でしたが、何とか持ち堪えたようです。日曜は松山に196号線で行きましたが、海沿いでも土砂崩れの跡を3,4箇所は見かけました。特に関東方面からの物流の心配が当面ありますが、こんな時に船が動いていればと思ったりもします。2007年に書き始めた当ブログは、七夕の数日前に記事数が2700を越えましたが、七夕気分も完全に吹き飛んでしまう事態になりました。

今日の一本のタイトルを和訳すれば、「レッスン2 ドンブラ演奏のテクニック」となります。何本もこの同じ女性奏者がロシア語で解説していて、とても解り易く、演奏も優れていて、良いシリーズだと思います。中間部分に一瞬クルマンガズィのアダイがデモ演奏されています。現代のドンブラの弦は、ガットではなくナイロンだそうです。この柔らかい音色も納得です。加えて、深い低音もよく確認できます。

Урок 2. Техника игры на домбре


併せて、ゼアミdeワールド116回目の放送、日曜夕方に終りましたので、放送原稿を上げておきます。11日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。youtube音源以外の動画は容易には見つからないと思いますので、前と重複しますが、今日はyoutube音源の3本だけ再度上げておきます。

カザフスタンの音楽の5回目になります。カザフの伝統音楽の欧米盤は、他に少なくとも仏Budaから2枚、露Melodiya、英Topic Records、仏Inedit、仏Ocoraから計6枚は出ておりまして、いずれも売り切れで手元に残ってはいませんが、アップルミュージックでは探せると思いますので、また次回以降にします。今回は前にトルクメンの時にご紹介しました「シルクロード音楽の旅~天山からカフカースへ」という新世界レコードのコンピレーション盤からおかけしたいと思います。この盤は90年前後にフランスのシャンデュモンドから出ていた確か6枚組の「ソ連の音楽への旅」の音源からの抜粋で、その元は10枚のアナログ盤ですが、音源はソ連時代のメロディアのものです。古めの録音ですので、現在とは少しスタイルの異なる演奏があるかも知れません。

カザフは3曲入っておりまして、最初はアクサン・クランという曲で、ドンブラによる英雄を讃える曲とのことです。

<9 シルクロード音楽の旅 アクサン・クラン 3分19秒>

カザフの2曲目はアラタウ山という曲で、牧童の手にする3種の楽器、すなわち口琴のシャンコビーズ、牧笛のタスタウィカ、鈴のコンヴィアウによるのどかな響きの一曲です。

<10 シルクロード音楽の旅 アラタウ山 1分42秒>

3曲目は、カンバル・バティル物語という曲で、中国の元朝秘史などにも繋がる英雄譚の一節で、ドンブラの弾き語りです。

<11 シルクロード音楽の旅 カンバル・バティル物語 1分18秒>

ここで前回VDE盤でかけられなかった音源をかけておきます。若手女性ドンブラ弾き語りで、伸びやかな美声を聞かせる南部出身のSawle Zanpeyisovaは1966年生まれということなので、生徒か教師のどちらでしょうか? 19世紀のAqtan Kreyuliの作った曲ですが、Termeという西カザフで盛んな詩の形式(あるいはジャンル)で書かれているようです。前回かけましたElmiyra ZanabergenovaのTalim (Advice)もテルメでした。

<11 Sawle Zanpeyisova / Terme by Aqtan Kreyuli 3分>

もう一曲、前々回にコビュズ奏者Raushan Orazbaevaの伊Felmay盤から、Aral Munyという曲をかけまして、時間切れで途中までになりましたが、とてもいい曲なので、今回全曲おかけしておこうと思います。こちらはアラル海を連想させる曲名で云々と言っておりましたが、youtubeのあるコメントにlament of lake Aral と英訳がありました。やはり思った通りのようです。

<14 Raushan Orazbaeva / Aral Muny 3分40秒>

~~~~~~~~~~~~~~~

ここでライブ情報を入れます。
先日6月22日の当店での終活カフェと、まなか瑠音さんのライブは、大盛況の内に滞りなく終了しました。お越し頂いたお客様、有難うございました。
昨年8月2日に加藤吉樹さんのウードソロライブを催しましたが、今年も全く同じ日に加藤さんがいらっしゃってライブを行うことになりました。詳細が決まりましたので、お知らせ致します。 宜しければ是非お越し下さい。

アラブ音楽ライブ ~ウードソロ~

8月2日(木)

開場 19時00分    開演 19時30分

会場 Cafeトーク・トーク 今治市北高下町2-1-7ハイツ近藤2の1階

*駐車場は限定5台ですので、出来るだけ公共交通機関等をご利用下さい。
定員:30名限定 (要予約) 
     珈琲か紅茶のワンドリンク付き 2000円
演奏:加藤吉樹(ウード)

ご予約:VYG06251@nifty.ne.jp

~~~~~~~~~~~~~~~

youtubeには特にドンブラの素晴らしい演奏が結構ありますので、その中から幾つかご紹介します。いずれもゼアミブログで取り上げた映像です。ブログの方も是非併せてご覧いただければと思います。ブログ名で検索するとすぐ見つかります。

カザフの女性のドンブラ弾き語りには、キルギスの歌とも通じる叙情的で美しいメロディの曲がありまして、これからかけます2曲共そういう感じの演奏です。京都のバンド、アフター・ディナーが80年代によく演奏していたキルギス民謡が忘れられず、90年台に入ってキングのシリーズが出た頃に探しましたが、他のレーベル含め未だに同じ曲には巡り会っていません。2曲共イメージ的には近いものがあります。タイトルは、1曲目が「ファシュクタル・バル」とありまして、2曲目は「カザフ~アナラとディナラ」とあります。youtubeですので、演奏者と曲名については詳細不明なのが残念です。

<Ғашықтар бар.... 2分24秒>


<Kazakh Anara & Dinara 2分28秒>


youtubeからもう一曲、ブログで「ドンブラでアック(白鳥)」というタイトルで上げた演奏ですが、クルマンガズィのアップテンポの名曲アダイをブログで上げました女性ドンブラ奏者Roza Zhangabylの演奏です。コビュズの名曲アックをドンブラで弾いているようです。カザフ語でА??у к?й?(アック キュイ)と書かれていますので、間違いないと思いますが、コビュズとはかなり違う感じに聞こえます。これはドンブラの特徴か、彼女のアレンジか。そのどちらもありでしょうか。低音がとても心地良く響いています。 (放送では10秒ほどしかかけられませんでした)

この曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Аққу күйі 2分49秒>

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年7月 2日 (月)

VDE-Gallo アルマトゥイのカザフ音楽

ゼアミdeワールド115回目の放送、日曜夕方に終りました。4日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。最初の2曲の男性の動画は見当たらずでした。AKKUについては、何回か上げましたので、以前の動画をご覧下さい。

カザフスタンの音楽の4回目になります。今回はスイスのVDE-Galloから96年に出た「カザフスタン アルマトゥイの音楽」からご紹介したいと思います。カザフスタンの首都は、1997年に南東部のアルマトイから北部のアスタナに遷都されていますが、リリース当時はまだ首都でした。アルマトゥイは国内唯一の百万都市で、遷都後の現在でも商工業・文化の中心です。ソ連時代のロシア語での呼称アルマ・アタは「リンゴの父」の意味になります。
この盤の演奏者は必ずしもアルマトゥイ出身ではないようですが、この町はキルギスタンと中国に近く、音楽も幾分風合いが違っているようにも思います。楽器ではドンブラとコビュズを使うところは共通していますが、歌唱においては、倍音が目立つように思いました。その例として、1曲目のコビュズ弾き語りで歌われる叙事詩語りをお聞き下さい。演奏はBekbolat Tilewkhanovという人です。倍音が混じっているのもありますが、歌全体としてはウイグルのムカームやウズベキスタンのシャシュマコーム、あるいは遠くパキスタンのガザルやカッワーリーなどにも少し似て聞こえました。

<1 Bekbolat Tilewkhanov / Batir Bayan, epic scene 7分4秒>

5曲目に飛びまして、北西部の出身のドンブラ名人Qarsimbay Akhmedzarovが、間にカザフ語で解説を入れながら3部構成の見事な器楽曲キュイを演奏しています。

<5 Qarsimbay Akhmedzarov / Kuy cycle in three parts 4分59秒>

6曲目にはキング盤にも入っていたアイトジャン・トクタガーノフのドンブラ独奏もありますが、今回は飛びまして、若手女性歌手の瑞々しいドンブラ弾き語りも入っていますので、2曲続けておかけします。この94年録音の盤は、アルマトゥイのクルマンガズィ音楽大学の先生と上級の生徒の演奏が収録されているとのことですので、次におかけする1970年生まれのElmiyra Zanabergenovaは生徒の一人でしょうか? かすかに倍音が混じる10曲目のTalim (Advice)という曲をどうぞ。

<10 Elmiyra Zanabergenova / Talim (Advice) 3分15秒>
Talim (Kazakh Folk Song)

弾き語りは見当たらないですが、楽団をバックに歌っている一本がありました。歌は熟練度が上がっている感じです。

Saulem ai (Kazakh folk song)

他の曲ですが、Elmiyra Zanabergenovaのドンブラ弾き語りがありました。手元では切れている英Topic Recordsの2枚組音源のようです。

13曲目には、このVDE-Gallo盤のジャケットを飾っているAygul Qosanovaのドンブラ弾き語りです。三角の羽根付き帽子が印象的で、録音当時20歳前後ですが、見事な弾き語りを聞かせています。この人はカスピ海東岸Aqtaw出身のようです。曲名はAmirkhanです。

<13 Aygul Qosanova / Amirkhan 3分25秒>
Айгуль Косанова кеші

この人はその後ビッグネームになったようで、夥しい数の動画がありました。「アイグル・コサノヴァの夕べ」という長尺の一本を上げておきます。16分辺りで彼女の弾き語りも出てきます。

この盤には前回おかけしましたRaushan OrazbaevaのAkkuも入っておりますので、おかけしておきます。彼女のソロアルバムのFelmay盤より古い録音ではと思います。録音当時21歳ですから、まだ学生時代でしょうか。瀕死の白鳥をリアルに模写するコビュズの独奏曲アックは、痛々しいという印象ですが、カザフでは特別な曲のようです。

この曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<16 Raushan Orazbaeva / Akku 4分5秒>

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年6月25日 (月)

カザフのコビュズ ラウシャン・オラズバエヴァ

ゼアミdeワールド114回目の放送、日曜夕方に終りました。27日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日はラウシャン・オラズバエヴァの2曲だけにしておきます。アックはさすが堂々たる名演。Aral munyについては、あるコメントにlament of lake Aral と訳がありました。やはり思った通りのようです。

カザフスタンの音楽の3回目になります。今回はカザフのもう一つの代表的な楽器である擦弦楽器のコビュズを特集します。この楽器の女性名人に、ラウシャン・オラズバエヴァという人がいまして、イタリアのFelmayからAkkuというCDが出ていました。この人は1973年カザフスタン南西部生まれで、母方の祖母はバフシーだったそうです。バフシーと言えば、つい最近トルクメンの時に出てきた吟遊詩人のことで、東カスピのシャーマン繋がりということでしょうか? コビュズは、シャーマンが操ってきた楽器らしく、玄妙な響きを持っていますが、若手奏者の手に掛かると不思議に親しみやすくも感じられます。
CDは現在では廃盤で入手困難ですが、アップルミュージックにデータがありましたので、今回はそちらからおかけします。まずはタイトル曲の「白鳥」を意味するアックというカザフ民謡からどうぞ。

<10 Raushan Orazbaeva / Akku 5分1秒>
AKKU


前々回時間が余ったら二曲おかけしようと思っておりましたキング盤1枚目のスマグル・ウンベトバーエフの演奏ですが、こちらにも同じアックという曲がありますので、併せて比較でかけてみたいと思います。オラズバエヴァの方は解説が参照できないので詳細不明で残念ですが、キング盤の方には森田稔氏の解説が載っておりますので、引用しておきます。
アックというのは「白鳥」の意味。このキュイには興味深い伝説がある。二人の若者が一人の娘に恋をする。娘はどちらかを選ぶことができず、条件を決める。娘と結婚するためには、若者は湖で泳いでいる白鳥を射たねばならない。二人の弓が一羽の白鳥の心臓に当り、その場で殺してしまう。しかし彼らが一緒に白鳥に近づくと、娘が殺されて横たわっていた。そこで、娘を哀悼して、このキュイが作られた。

<15 スマグル・ウンベトバーエフ / Akku 4分12秒>

スマグル・ウンベトバーエフの演奏で、もう一曲ジョルドィ・コヌィルという曲もおかけしておきます。こちらはイフラスという19世紀末のシャーマンの作曲です。度々出てきていますが、タイトルのコヌィルと言うのは、瞑想の意味で、ウクライナで出てきたドゥーマのような、音楽家の内面的な瞑想を表現しているジャンルとのことです。

<10 カザフの音楽 遊牧の叙事詩~ジョルドィ・コヌィル 4分15秒>

ラウシャン・オラズバエヴァに戻りまして、彼女の演奏にもコヌィルという曲がありましたので、比較でかけておきましょう。

<15 Raushan Orazbaeva / Konyr 3分35秒>

この二人のコビュズ奏者の演奏には、アックと並んでイフラス作曲のカザンという曲も揃って入っていますので、続けてかけてみたいと思います。キング盤には以下のような解説がありました。
カザンは町の名前。このキュイの物語は、面白い伝説と関係がある。カザンの町から来た武装集団がカザフ人に平和を与えなかった。カザフの草原に住む勇士ショラは、大きな軍団を集めて、カザンと戦争をしようとしている。しかし老人達は天気が良くなるまで少し待つように忠告する。ショラは彼らの言う事を聞かず、軍団を連れてカザンの町へ出かける。途中でひどい嵐が来てショラの軍団も、ショラ自身も死んでしまう。このキュイは、この事件を歌っている。
カザンと聞くと、現在のタタールスタンの首都のカザンを真っ先に連想しますが、同じかどうかは不明です。因みに、カザフ語と同じテュルク系のタタール語でカザンとは、文字どおりには「ボイラー」「大鍋」という意味になるようです。タタール語はテュルク諸語のキプチャク語群に属し、バシキール語やカザフ語などに近いとされています。 では、まずRaushan Orazbaevaの演奏を、後でスマグル・ウンベトバーエフの演奏をおかけします。

<2 Raushan Orazbaeva / Kazan 3分30秒>

<12 スマグル・ウンベトバーエフ / Kazan 3分59秒>

Raushan Orazbaevaの盤には、Aral Munyという曲がありまして、こちらはアラル海を連想させる曲名で、これまたタイトルが気になりましたので、選んでみました。現在はかなり干上がって形が変わってしまったアラル海は、カザフ南西部とウズベキスタン西部のカラカルパクスタンにまたがる大きな湖でした。倍音に裏返る部分が高揚感を演出しています。
この曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<14 Raushan Orazbaeva / Aral Muny 3分40秒>
Raushan Orazbaeva, "Aral Muny" (A.Raymkulova)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年6月18日 (月)

カザフの哲学的キュイ

ゼアミdeワールド113回目の放送、日曜夕方に終りました。20日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。アブィルとコスバサルが見つかりましたので、今日はこの2本を上げて、他はまた後日探してみます。と言っても、今週は22日のライブの準備でブログアップが難しい日があると思います。しかし、草原を吹き渡る風の音を聞くような、カザフのドンブラの音は、本当に素晴らしいです!

カザフスタンの音楽の2回目になります。キングのシリーズの2枚目では、2弦のドンブラの器楽曲キュイと、後半はドンブラ弾き語りのカザフ民謡を聞けますが、その中から特徴的な曲を抜粋してご紹介したいと思います。1枚目と同様に、森田稔氏の解説を参照しております。前回、遊牧民の「草原の孤独」を表現したかのような哀愁に溢れる旋律、と形容しましたが、これは全く私の個人的な印象でしたが、曲の背景や歌詞の内容を見て行くと、やはりカザフの音楽には内省的な面が元々あるように思いました。それと、キルギスの場合と同じように、音階に短音階が多いのは、ロシアの影響があるのでしょうか? この点も前から非常に気になっている所です。
まず7曲目のアブィルという曲ですが、19世紀の作曲家アブィルは、この曲の中で、この世の人生の儚さについて、哲学的な思索を巡らしている、と解説にありました。言葉のない器楽曲にそういう思いを込めた、私のイメージしている通りのカザフの曲と言えそうです。演奏はアイトジャン・トクタガーノフの独奏がしばらく続きます。

<7 カザフの音楽2 風響のドンブラ~アブィル 3分55秒>
"Абыл" исп.М.Амзе


続く8曲目のコスバサルという伝統的なキュイについては、以下のように解説がありました。この伝説的なキュイには、次のような美しい伝説がある。皆の尊敬を集めているある人物が、跡継ぎである5歳の一人息子に死なれた。彼もまたこの世を去る決心をする。どんな説得も聞き入れないので、人々はドンブラ弾きを呼び、62曲のコスバサル全曲を弾いてもらった。カザフでは62という数には意味がある。人間には62の静脈があるので、音楽家は62のコスバサルを弾いて、全ての静脈に生命を吹き込むのである。彼はもっとも悲劇的なものから始めて、だんだん明るいものに移っていき、遂には生命力に溢れたコスバサルに到達する。その意味は明白で、どんなに死が魅力的に見えても、結局は人生の方が大切であり、生きていくことをやめてはならないのである。この老人も音楽の力と率直さに負けて、人生へ帰ってくる。

<8 カザフの音楽2 風響のドンブラ~コスバサル 4分22秒>
KAZAKH DOMBYRA KUİ - KOSBASAR


11曲目はアビカン・ハセーノフ作曲のコヌィルという曲ですが、何度か出てきている「コヌィル」の意味は、柔らかい、ベルベットのような、思慮深い、瞑想的な、哲学的な、といったものである。この曲では、希望と絶望、喜びと悲しみ、生と死について、哲学的な思索が巡らされている。と解説にありました。

<11 カザフの音楽2 風響のドンブラ~コヌィル 3分53秒>

ここまで、深遠で哲学的な3曲を並べてみましたが、ドンブラ独奏の最後に5曲目のセキルトペという曲をおかけします。この曲は対照的な一曲で、曲名は「遊び」を意味し、この小品ではコケットな娘の姿を描いているそうです。

<5 カザフの音楽2 風響のドンブラ~セキルトペ 1分57秒>

ここでライブのお知らせをしたいと思います。
6月22日に私の店トーク・トークで「まかな瑠音ライアーコンサート」をすることになりました。
開場 午後5時45分 開演 午後6時30分~ 約70分
会場Cafeトーク・トーク
今治市北高下町2-1-7ハイツ近藤2の1階
*駐車場は限定5台ですので、出来るだけ公共交通機関等をご利用下さい。
定員:30名限定(要予約)  ワンソフトドリンク付き1,500円
演奏:まかな瑠音(ライアー、歌)  共演:Nalu(歌他)
ご予約:VYG06251@nifty.ne.jp
※22日は、3時半~5時半まで、前座のような形で終活カウンセラーの黒石さとみさん主催で毎偶数月開催の終活カフェをやっておりまして、その4回目になります。定員は7人前後までで、要予約ですが、宜しければ併せてお越し下さい。5時からは、当店マスターの近藤(ヴァイオリンとチェロ担当)が代表を務める今治市民弦楽合奏団の演奏が30分程あります。2014年4月に桜井の翠松苑でのライアーコンサートにて、チェロでゲスト出演させて頂きました。4年の月日を経て、遂にまかなさんの当店でのライブが実現します。静謐な美しさ溢れるライアーの音色を、PA無しで聞ける嬉しい機会です。

以上、ライブのお知らせでした。宜しければ是非お越しください。

キング盤2枚目の後半には1枚目と同じく女性歌手カバシ・クルィシェヴァのドンブラ弾き語りのカザフ民謡が7曲ほど入っておりますので、その中から2曲おかけします。15曲目のシムィルという曲では以下のように解説にありました。人が人生でどんな障害に出会おうとも、気落ちしてはならず、反対に、気持ちを取り直して、高揚した気分になれる力を持たなくてはならない。

<15 カザフの音楽2 風響のドンブラ~シムィル 2分16秒>

続く16曲目のドゥニェ・アウという哀感溢れる曲は、キルギスの歌に近い印象を覚えました。解説には以下のようにありました。この世は悲しみと偽りに満ち、人々は欲望を求めるばかりだ。幸せはここにあるかと思えば、すぐにあちらに移ってしまう、といったこの世の儚さを歌っている。

この曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<16 カザフの音楽2 風響のドンブラ~ドゥニェ・アウ 4分5秒>

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年6月11日 (月)

カザフのドンブラ

ゼアミdeワールド112回目の放送、日曜夕方に終りました。13日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。キング盤と同じ曲の動画は、また探してみますが、なかなか見つからないのではと思いますので、サンプルとして、有名なUlytau(冒頭のトリオの曲)などを弾いている一本を上げておきます。

KAZAKH MUSIC: DOMBRA


今回から中央アジア最大の国、カザフスタンの音楽を聞いて行きたいと思います。楽器としては、周辺国のドタールと同じく2弦のドンブラと、イスラム化以前からのシャーマンが占術に用いていた擦弦楽器のコビュズが特に有名です。特筆すべきは、やはりドンブラのガット弦の柔らかい響きと、あたかも遊牧民の「草原の孤独」を表現したかのような哀愁に溢れる旋律で、それは日本人の心にもストレートに訴えかけて来ると思います。その点では隣のキルギスの弦楽器コムズの音楽と似ています。
音源はトルクメンと同じく、キングWRML(ワールドルーツミュージックライブラリー)盤が一般によく知られ、素晴らしい曲が多いので、まず第一集からご紹介して行きます。このシリーズは、私の手持ちの92年リリース盤では2枚の別売りですが、2008年のリニューアルからは2枚組に変わっております。プロデュースは、トルクメンの2枚組と同じく、故・星川京児さんです。
1曲目のコシタスという曲は、19世紀後半から20世紀にかけて活躍した民謡歌手で、ドンブラの即興演奏家だったエスタイの作曲です。ドンブラ弾き語りは女性歌手のカバシ・クルィシェヴァです。

<1 カザフの音楽 遊牧の叙事詩~コシタス 5分19秒>

2曲目のパンコイレクという曲は、「誇り高い娘」の意味で、18世紀の民謡歌手兼ドンブラ即興演奏家のムヒトの作曲です。誇り高く毅然としたカザフの娘を賞賛する曲とのことです。同じくドンブラ弾き語りはカバシ・クルィシェヴァです。

<2 カザフの音楽 遊牧の叙事詩~パンコイレク 2分31秒>

女性歌手のカバシ・クルィシェヴァの歌声は、私がイメージするカザフの歌そのものなので、続けて彼女のドンブラ弾き語りをおかけしたいと思います。3曲目のブルブルィムという曲は、カザフ民謡でよく歌われる「夜鶯」(ナイチンゲール=サヨナキドリ)について歌っています。鶯を歌に詠みこむテーマは、イランを初め中東一帯によく見られます。

<3 カザフの音楽 遊牧の叙事詩~ブルブルィム 3分1秒>

4曲目からは男性歌手カイラト・バイボスキノフのドンブラ弾き語りに変わります。トルクィンという曲は、1860年生まれの民謡歌手兼ドンブラ即興演奏家のイブライの作曲で、曲名は「波」の意味です。この明朗な曲で、若い演奏家たちに、歌というものの多様さ、豊かな名人芸の可能性、限りない美しさについて説明しています。

<4 カザフの音楽 遊牧の叙事詩~トルクィン 3分50秒>

5曲目も同じくカイラト・バイボスキノフのドンブラ弾き語りですが、打って変わって短調の哀愁のある旋律で、これぞカザフ民謡という印象を持ちました。バルハディシャとは娘の名前で、彼女の美しさと優しさを讃えているようです。

<5 カザフの音楽 遊牧の叙事詩~バルハディシャ 3分46秒>

~~~~~~~~~~~~~~~~~

ここでライブのお知らせをしたいと思います。

6月22日に私の店トーク・トークで「まかな瑠音ライアーコンサート」をすることになりました。
開場 午後5時45分 開演 午後6時30分~ 約70分
会場 Cafeトーク・トーク   今治市北高下町2-1-7ハイツ近藤2の1階
*駐車場は限定5台ですので、出来るだけ公共交通機関等をご利用下さい。
定員:30名限定(要予約)  ワンソフトドリンク付き1,500円
演奏:まかな瑠音(ライアー、歌)  共演:Nalu(歌他)
ご予約:VYG06251@nifty.ne.jp
※22日は、3時半~5時半まで、前座のような形で終活カウンセラーの黒石さとみさん主催で毎偶数月開催の終活カフェをやっておりまして、その4回目になります。定員は7人前後までで、要予約ですが、宜しければ併せてお越し下さい。5時からは、当店マスターの近藤(ヴァイオリンとチェロ担当)が代表を務める今治市民弦楽合奏団の演奏が30分程あります。2014年4月に桜井の翠松苑でのライアーコンサートにて、チェロでゲスト出演させて頂きました。4年の月日を経て、遂にまかなさんの当店でのライブが実現します。静謐な美しさ溢れるライアーの音色を、PA無しで聞ける嬉しい機会です。

プロフィール
今治市在住(2012年に東京から移住)数多くの作曲を手掛けながら日本各地、海外(ウィーン、ザルツブルグでのソロコンサート他、ヨーロッパ、ニュージーランド等)でも様々な場面で演奏。国内外の詩人、俳人、歌人、美術家の作品(絵画、版画、彫刻)とのコラボ曲も多数。障がい者との音楽ワークも長年にわたり行っている。

ライアーについて
シュタイナー思想の基に20世紀初めにドイツで最初のライアーが製作されて、主にヨーロッパの教育、セラピーの現場で使われて来た。日本では「千と千尋の神隠し」のエンディングテーマ「いつも何度でも」でその透明感のある音色が知られるようになった。奏者が使用しているコンサートライアーは一般的なものより大きさも響きも大きく、世界でもまだ珍しい型で四国では唯一の楽器である。

以上、ライブのお知らせでした。宜しければ是非お越しください。

~~~~~~~~~~~~~~~~~

男性歌手カイラト・バイボスキノフのドンブラ弾き語りは5曲入っておりますが、時間の都合で飛びまして、シャーマンが占術に用いていた擦弦楽器のコビュズも聞いておきたいと思います。コビュズの曲は全部で7曲入っております。おかけしますのは、ジャルグィズ・アヤクというコブィズの独奏曲で、器楽曲のことをキュイと呼びます。演奏はスマグル・ウンベトバーエフと言う人です。ジャルグィズ・アヤクと言うタイトルは「片足の人」の意味で、作曲者のアビケイは冬の寒さで片足を失い、人間の体の完全さを夢見ながらこの悲しいキュイを書いたそうです。

この曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<9 カザフの音楽 遊牧の叙事詩~ジャルグィズ・アヤク 3分38秒>

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年6月 4日 (月)

ハズィゴラク (WRMLから)

ゼアミdeワールド111回目の放送、日曜夕方に終りました。6日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日の動画は、壮絶なエピソードが伝わっているハズィゴラクだけにしておきます。他の曲は、また後日探してみます。

111回目の放送になりました。トルクメニスタンも4回目になります。最初は3回の予定でしたが、入手してなかったキングWRML(ワールドルーツミュージックライブラリー)盤が手に入ったので、今回はこの2枚組からご紹介したいと思います。このシリーズがリニューアルされて再発されたのは2008年で、当時はプロデューサーの星川京児さんとキングレコードの担当者井上さんのお二人もお元気でしたが、10年経った今では、お二人ともまだお若くして鬼籍に入られて、担当者不在になってしまってからのここ数年は、かなりのタイトルがメーカー切れか、ほぼ廃盤の状態なのをとても残念に思っていました。星川さんからの呼びかけで、私もこの150枚シリーズの一枚の「イラン/シャハラーム・ナーゼリーの芸術」のライナーノーツ執筆を担当しました。

このシリーズの「トルクメニスタンの音楽」の解説は、洗足学園音楽大学などで教鞭を取られている浦本裕子さんです。音楽的には既にご紹介しましたイネディやVDEの音源と似た内容ではありますが、解説には非常に興味深い内容の曲が幾つかありました。まずサルティクラルという曲からおかけします。アタエフ・アラベルディによる擦弦楽器ギジャクの独奏曲です。解説には以下のようにありました。
「サルティクラルは男の名前。兵役でイランに送られ目をくりぬかれた男が、その地で愛する女性を思い、トルクメニスタンに戻ってからこの曲を作った。その演奏を聞いて、その女性は彼だとすぐに気がついたという。」

<1-8 トルクメニスタンの音楽 ~サルティクラル 3分12秒>

もう一曲、何とも切なく壮絶な曲がありました。ハズィゴラクというドゥタールの独奏曲で、解説には以下のようにあります。
「曲名になっているハズィは人の名前で、ゴラクは両手がないという意味である。昔トルクメニスタンにドゥタールの名演奏家ハズィが住んでいた。ある時その評判を聞いたウズベキスタンの王が、富や美しい娘を条件に宮廷に抱えたいと彼に申し入れた。しかし、ハズィは祖国を離れたくないので、それを断った。自分の権力に屈しないハズィに立腹した王は、彼を呼んで宮廷で演奏させた。そして両腕を切り落とし、どこへでも行って演奏するがよいと解き放った。この曲は身の危険を予見した彼が、前の晩に徹夜で作曲して弟子に託したものと言われている。」
漠然と聞いているだけでは分からない、壮絶なヒストリーを秘めた11分を越える大曲で、ドゥタール独奏はアンナムラドフ・アンナセイイトです。

<1-13 トルクメニスタンの音楽 ~ハズィゴラク 11分35秒>
Türkmen dessany - Hajy golak

この曲にまつわるストーリーを語っているように思いますが、トルクメン語のようですので、残念ながら詳細不明です。

2枚目にはイネディ盤でも出てきたバフシーの名歌手ジャマラ・サパロヴァの歌唱も入っておりまして、その中からイズラマという曲をおかけします。中東版の「ロミオとジュリエット」とも形容される悲恋物語の叙事詩「ライラとマジュヌーン」(トルクメンの発音では「レイリとメジヌン」)に基づくトルクメン民謡です。永遠の恋人ライラを探し求めて荒野を彷徨う狂人マジュヌーンの苦悩を、トルクメンではどう歌っているかが聞きものです。

<2-2 トルクメニスタンの音楽 ~イズラマ 4分35秒>

前回Yara Degmesinという曲でご紹介した笛も、1枚目に収録されていました。カルグィ・テュイデュクという縦笛で、その音は、日本なら尺八、イランやトルコならネイ、東欧ならカヴァルに似た縦笛で、ウラル地方南部のバシコルトスタンにも同じ様な音色の笛があります、と前回ご紹介しておりました。同じテュルク系民族で、地理的にはトルクメンよりもロシアやヨーロッパに近い訳ですが、バシキールの方は、ぐっと東洋的なカラーが強く感じられます。笛の音と声が一緒に出ているバシコルトスタンのKurayの吹奏をまず一曲おかけしてから、後でトルクメンのカルグィ・テュイデュクの曲をおかけします。トルクメンの次に控えているカザフの後でバシコルトスタンも一回予定しております。

<4 Ural - Traditional Music of Bashkortostan ~Ilyas 2分39秒>

ジュマエフ・チャルィヤルによるカルグィ・テュイデュクの独奏曲「月のような娘」は、トルクメニスタンの古い曲で、月のように美しい娘を表現している曲です。中東では女性の美しさをしばしば月に喩えます。
この曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1-1 トルクメニスタンの音楽 ~月のような娘 2分38秒>

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年5月28日 (月)

倍音唱法入りバフシー

ゼアミdeワールド110回目の放送、日曜夕方に終りました。30日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。VDE盤では浪曲のような発声から倍音唱法に至る吟遊詩人バフシーの音源が目立ちます。このタイプの歌唱は、イネディやキングWRML盤(次回予定)では聞けなかったので、貴重な記録だと思います。倍音入りバフシーのyoutubeはほとんど見当たりませんが、長尺の映像を含めいくつかありました。VDE盤と同じ演奏者では残念ながら見当たりませんでした。

Turkmen folk song and Dutar


Kerwen bagsy - Goroglynyn oylenishi


トルクメニスタンの3回目は、トルクメンの吟遊詩人バフシーの歌の男性編ということで、スイスVDE-Galloの「トルクメニスタン バフシーの音楽」から聞いて行きたいと思います。この盤には、テケ、サリク、エルサリーなどの部族に伝わる5つの歌唱スタイルが収録されていて、それはアシガバード、メルヴ、チャルゾウ、タシャウズ、クラスノボズクの5つになります。首都のアシガバードなど、それぞれ町や地方の名前のようです。繊細な音の弦楽器ドゥタールをかき鳴らし、朗々と歌うさまは勇壮で、時に擦弦のギジャックの伴奏も入ります。トゥバやアルタイの喉歌(あるいは倍音唱法)に近いような、喉を締めて歌う発声法も随所にみられます。この盤の録音は1988-90年で、やはり現物が手元に残ってないので、アップルミュージックからの音出しになります。解説を参照出来ませんので、その5流がどのトラックになるのか不明なのが残念です。
まず1曲目のYagmyr Nurgeldyevという人のGongurbash Mukamyというドタール独奏曲からどうぞ。

<1 Yagmyr Nurgeldyev / Gongurbash Mukamy 2分53秒>

2曲目は、Khomat Jelilovという人のDalmidiという曲ですが、日本の浪曲に似た歌い方のように思いました。倍音唱法的に聞こえる部分もありますので、と言うことは、浪曲も喉歌に似ていると言えるのかも知れません。

<2 Khomat Jelilov / Dalmidi 4分52秒>

3曲目のGelinlerという曲は先ほどの同じKhomat Jelilovの歌唱ですが、この曲では浪曲風な技巧ではなく、朗々と勇壮に声を張り上げて歌っていて、同じ歌い手なのかと思う位に違って聞こえます。

<3 Khomat Jelilov / Gelinler 4分5秒>

4曲目のAk Yuzliという勇壮な曲もKhomat Jelilovの歌唱ですが、この様な複雑な曲調を表現できる凄い歌い手であることが3曲続けて聴くとひしひしと伝わってきます。CDジャケットの白いテルペックを被った男性はこの人かも知れません。

<4 Khomat Jelilov / Ak Yuzli 4分53秒>

数曲飛んで7曲目のYarym Garasaという曲はOdenyaz Nobatovという人の歌唱で、ドタールの掻き鳴らしは控えめです。声を揺らすゆったりとした歌い方は、隣の国のウズベキスタンの歌に少し似て聞こえました。

<7 Odenyaz Nobatov / Yarym Garasa 4分10秒>

11曲目のGarygymになると、はっきりとした倍音唱法が聞けます。これは明らかにモンゴルのホーミーやトゥヴァのホーメイを思わせるものがあります。Khaitly Mammetdurdyevの歌唱です。

<11 Khaitly Mammetdurdyev / Garygym 4分35秒>

12曲目のGitme Goroglyも同じKhaitly Mammetdurdyevの歌唱ですが、ここでは低音での倍音唱法もありまして、これはチベット仏教の聲明を思わせるものがあります。タイトルのGoroglyというのは、この辺りの英雄叙事詩の朗唱(ダスタン)で最も好まれる古いトルコの英雄叙事詩ケログルの一種のように思いましたが、どうでしょうか。

<12 Khaitly Mammetdurdyev / Gitme Gorogly 3分59秒>

17曲目のAkmammet NurmammedovによるDaglarになると、これまた浪曲にそっくりで、しかも低音の倍音が入って来る歌唱になっています。それが中央アジアから聞こえるという不思議を感じます。

<17 Akmammet Nurmammedov / Daglar 3分40秒>

この盤には器楽だけのトラックも幾つかありますが、8曲目のVelek Gubalyevという人のYara Degmesinという曲は、日本なら尺八、イランやトルコのネイ、東欧ならカヴァルに似た縦笛の吹奏で、ウラル地方南部のバシコルトスタンにも同じ様な音色の笛があります。笛の音と声が一緒に出ているダブルトーンに近い演奏ですが、バシコルトスタンの方が、より声も一緒に出ています。カザフの後でバシコルトスタンも一回予定しております。
時間が余りましたら、9曲目のSona Gelinという曲もおかけしたいと思います。同じ笛の吹奏のようで、演奏はTschariyar Jumaevという人です。

これらの曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<9 Velek Gubalyev / Yara Degmesin 2分>

<10 Tschariyar Jumaev / Sona Gelin 1分40秒>

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年5月21日 (月)

トルクメンとトルカマン

ゼアミdeワールド109回目の放送、日曜夕方に終りました。23日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。女性バフシーの二人とも残念ながらyoutubeは見当たりませんので、Tawus Perizatという人の弾き語りを入れておきます。Tawus Perizatの左で弾いている擦弦楽器が、ギジャクです。

Tawus Perizat Turkmen bagşy


トルクメニスタンの2回目は、トルクメンの吟遊詩人バフシーの歌を中心に聞いて行きたいと思います。まずはフランスIneditの「女性バフシーの歌」から、有名なトルクメンの歌姫ジャマラ・サパロヴァの歌でQashliyarと言う「別れの曲」からどうぞ。ドタール伴奏は、前回ロシアのMelodiya音源でご紹介しましたアク・モラード・チャーリエフと同一人物と思われるアクムラド・シャリエフです。

<1 Songs of Bakhshi Women~Qashliyar  5分4秒>

ジャマラ・サパロヴァは、キングのワールドミュージックライブラリーにも録音が入っていた歌手で、私も執筆で参加した音楽之友社の「世界の民族音楽ディスクガイド」の星川京児さんのコラムによると、「アルジェのライとパンジャブのバングラを掛け合わせ、イランのタハリールを強烈にしたようなヴォーカル」と形容された世にも希なポップスで、この盤ではドタール伴奏で歌っていますが、星川さんが首都アシガバードで彼女の歌を聞かれた時はプログラム・シンセ伴奏のポップなスタイルだったようです。国土の7割が砂漠というトルクメニスタンの風土を強く感じさせるドタールの鮮烈な音と、遊牧民ならではの強靭な喉を聞かせる典型的な歌手です。
このイネディの「女性バフシーの歌」には、もう一人Shemshat Hodjaevaという、サパロヴァよりは高い可憐な声で歌う歌手も入っておりますので、Gelsynという曲をおかけしたいと思います。

<4 Songs of Bakhshi Women~Gelsyn  3分20秒>

ジャマラ・サパロヴァで、もう一曲Kone Guzerと言う曲もおかけしておきたいと思います。完売で手元にないため今回アップルミュージックからかけていて、解説を参照出来ておりませんので、曲の詳細は不明です。

<14 Songs of Bakhshi Women~Kone Guzer  2分53秒>

トルクメンの音楽と言うと、いずれも個性的な中央アジア諸国の音楽の中では比較的印象が薄いのは否めませんが、カスピ海の東岸に面し、日本の1.5倍ほどの国土の7割が砂漠という、地理的な魅惑も感じさせる、謎を秘めた国という風に常々感じております。
トルクメンで思い出すのが、イランのタールとセタールの巨匠ホセイン・アリザーデのトルカマン(正確にはトルキャマン)という曲で、元はセタールとオーケストラのために書かれたようですが、KereshmehとMahoorの盤ではセタール独奏で演奏されています。彼の弾くセタールの強靭な音は、明らかにトルクメンのドタールを思わせるもので、彼自身「この曲はトルカマンの人々と彼らの土地にインスパイアされた」と解説に書いています。イランは北西部にアゼルバイジャン系、北東部にトルカマンという、いずれもトルコ系民族が住んでいる国で、アリザーデ自身アゼルバイジャンの血を引くので、彼らの音楽には強く惹かれる部分があるのだろうと思います。この曲はラストパンジガーという旋法で即興演奏されますが、ペルシアの旋法の中で最も複雑かつ流動的で、遊牧民の哀しみと激情を映し出すのに適した旋法のように思います。
全曲は57分余りありますので、最初のちょうど3分のダルアーマド・ラストと、終曲の11分を越える壮絶なトルカマンの途中までになると思いますが続けてお聞き下さい。

この曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1 Hossein Alizadeh / Torkaman ~Daramad-e Rast 3分>

<14 Hossein Alizadeh / Torkaman ~Torkaman 11分38秒>
Hossein Alizadeh - Torkaman

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年5月14日 (月)

トルクメンのドタール

ゼアミdeワールド108回目の放送、日曜夕方に終りました。16日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。昨日のネットラジオでの放送は、私の番組以外も全て音が割れていて残念でした。同じ曲のyoutubeを探すのは至難の業だと思いますので、ドタールの構造と演奏の感じが分かる映像を一本だけ上げておきます。トルクメン洋折衷の編成と混じり具合がまた面白いです。中間部では、ドタールソロの接写があります。

Dutar Performance - Turkmen Folk Music


今回から中央アジアに入ります。まずは一番西に位置するトルクメニスタンからです。中央アジアは歴史的な地域名称にトルキスタンという言い方があります。その名の通り、テュルク系民族の住む土地(ペルシア語で~スタン)という意味です。トルクメンの他には、ウズベキスタン、タジキスタン、カザフスタン、キルギスタンとありますが、中国側のウイグルも同じトルコ系なので、トルキスタンに入ります。この中でタジキスタンだけイラン系が中心で、他の国はトルコ系民族が中心です。この中でトルクメニスタンは、名前にトゥルクとはっきり民族名が入っている国です。
トルクメニスタンの伝統音楽では、吟遊詩人バフシーが有名でフランスのIneditやユネスコ、スイスのVDE-Galloなどから音源が色々ありましたが、やはり完売していて手元に残ってないため、次回にアップルミュージックからかけることにしまして、今回は手元に資料として残っているコンピレーションの中の音源をご紹介したいと思います。バフシーと言うのは、モンゴル語の仏教指導者バクシュに由来するそうです。録音は首都アシガバードなど本国でのものが多いのかと思ったら、イラン東部のホラサーン地方の北部にもトルクメン人は多く住んでいるので、そちらでの録音もイラン盤で多数出ていて、どうやらイラン側での録音の方が多そうです。バフシーの歌には、ホーミーに似た倍音唱法の一歩手前まで行っている例もあります。
まずは「シルクロード音楽の旅~天山からカフカースへ」という新世界レコードのコンピレーション盤から、アマン・アマンという曲をお聞き下さい。この盤は90年前後にフランスのシャンデュモンドから出ていた確か6枚組の「ソ連の音楽への旅」の音源からの抜粋だったと思います。10枚シリーズのアナログ盤が元ですが、その音源はソ連のメロディアのものです。
アマン・アマンという曲は、中央アジアの代表的な弦楽器ドタールの独奏です。ペルシア語の1,2,3に当たるイェク、ド、セのドが当たっている通り、わずか2弦しかない楽器ですが、棹が長いため、とても弦が2本しかないとは思えない技巧的な演奏を聞かせます。タールは以前言いましたように弦を意味するペルシア語です。因みに、3弦の代表格はセタールでイランの代表的な弦楽器の一つです。1弦のエクタールも、インド東部ベンガル地方の放浪の吟遊詩人バウルが使う弦楽器にこの名前があります。

<15 シルクロード音楽の旅~アマン・アマン 2分52秒>

次に入っているのは「お願い、愛しい人」と言う曲で、ドタールと擦弦のギジャクの伴奏で歌われます。

<16 シルクロード音楽の旅~お願い、愛しい人 3分47秒>

この盤にはトルクメンの曲が3曲入っておりまして、最後はイルハンと言う曲です。イルハンと聞くと、トルコのサッカー選手を思い出される人もいらっしゃるかと思いますが、ここでは言うまでもなく、現在のイランを中心に、アムダリヤ川からイラク、アナトリア東部までを支配したモンゴル帝国を構成した地方政権のことです。イルハン国の首都は、現在のイラン北西部のタブリーズでした。このドタールとギジャクの二重奏曲は、マルコ・ポーロが元朝の中国から姫をお連れしたモンゴル最盛期のイル汗国の賛歌とのことです。

<17 シルクロード音楽の旅~イルハン 2分29秒>

もう一枚ご紹介しますのは、スイスのVDE-Galloから出ている「中央アジアのドタールの名人」と言う盤で、この中にはウズベキスタンのブハラ、タジキスタンのパミール、イランのホラサーン地方などの音源と一緒にトルクメンのドタール演奏が6曲入っております。その中から3曲抜粋しましたが、いずれもイラン側での録音でした。まず最初はジバ・ギョゼルというドタール独奏曲で、演奏しているアク・モラード・チャリーエフと言う人は、録音された1978年当時トルクメンの首都のアシガバード高等音楽院のドタール教授とのことです。洗練された美しい演奏を聞かせています。

<15 中央アジアのドタールの名人  Ziba Gozel 5分17秒>

もう一曲は、ナズリ・ヤールという曲で、和訳は「我が最愛の恋人よ」となっています。ドタール弾き語りがバハマン・ダリジェと言う人で、セカンド・ドタールも入った演奏です。モッラ・ナファスの詩に乗せたエルサリとサリル・サリク形式の曲と解説にありました。喉をひくつかせるような歌唱が独特です。

<17 中央アジアのドタールの名人  Nazli Yar 3分59秒>

最後に、やはりイランのテヘランでの録音になりますが、アク・モラード・チャーリエフのドタール独奏で、マカームという曲です。マカーム(旋法)が何かは不明です。末尾にエフと付く名前から推測するに本国の人だと思いますが、1978年当時はまだソ連時代ですから、トルクメン本国での録音が難しかったのでしょうか? この演奏も実に素晴らしいです。

この曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<18 中央アジアのドタールの名人  Maqam 4分7秒>

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

J.S.バッハ | New Wave-Indies | アイヌ | アメリカ | アラブ | アラブ・マグレブ | アルゼンチン | イギリス | イスラエル | イスラム教 | イタリア | イディッシュ | イラン地方音楽 | インディアン、インディオ | インド | インドネシア | インド音楽 | ウイグル | ウラル・アルタイ | エジプト | エチオピア | オペラ | オーストラリア | オーストリア | キリスト教 | ギリシア | クルド | クレズマー | ケルト | コンサート情報 | コーカサス (カフカス) | サハラ | シベリア | シャンソン | ジャズ | スイス | スペイン | スポーツ | スーダン | セファルディー | ゼアミdeワールド | チェロ | トルコ音楽 | ドイツ | ナイル・サハラ | ナツメロ | ニュース | ハシディック | ハンガリー | バルカン | バルト語派 | バロック | パキスタン | ビザンツ音楽 | フランス | フランス近代 | ブラジル | ペルシア音楽 | ペルシア音楽 トンバク | ユダヤ | ユダヤ音楽 | ライブ情報 | ルーマニア | レビュー | ロシア | ロシア・マイナー | ロマン派 | ヴァイオリン | 中南米 | 中国 | 中央アジア | 仏教 | 仏教音楽 | 北コーカサス(カフカス) | 北欧 | 南アジア | 南インド古典音楽 | 古楽 | 地中海 | 室内楽 | 弦楽合奏 | 弦楽四重奏 | 後期ロマン派 | 文化・芸術 | 新ウィーン楽派 | 旅行・地域 | 日記・コラム・つぶやき | 映画・テレビ | 東アフリカ | 東南アジア | 東方教会 | 東欧 | 歌謡曲・演歌 | 民謡 | 独墺 | 猫・犬 | 現代音楽 | 童謡、わらべうた | 筝曲 | 純邦楽 | 西アフリカ | 西スラヴ | 韓国