ゼアミdeワールド

2021年4月12日 (月)

エスマの絶唱 So maki sum se rodila 他

ゼアミdeワールド254回目の放送、日曜夜10時にありました。14日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。ジプシー・カーペットの2曲以外は、また後日。

マケドニアの音楽の4回目になります。今回は前々回に続いてジプシー・クイーン、エスマ・レジェポヴァの他の音源から、特に素晴らしい2曲をおかけした後で、ゼアミブログの方で取り上げたジェレム・ジェレムと言う曲を、エスマとコチャニ・オルケスタルの音源でご紹介します。

2001年に来日も果した<ジプシーの女王>ことエスマ・レジェポヴァは、ヨーロッパ最大のロマ・コミュニティのあるマケドニアの首都スコピエ出身で、600曲以上の録音と1万本以上のライヴを行ってきたそうです。2007年にリリースされたドイツNetwork Medienの「ジプシー・カーペット」から、7,8曲目の「大きな苦しみに生まれて」と「我が黄金の50年」の2曲にとりわけ感銘を受けました。特に沁みた曲「大きな苦しみに生まれて」について、以下のように解説がありました。

マケドニアではよく知られた歌。エスマとシメオンが感動的なバラッドに改変。「私は大きな苦しみに生まれ、多くの心配と共にいる。死にたい。この苦しみを自分の墓石に刻みたい。山に登り、暗い渓谷に向かおう。そうすれば私の目は乾き、もう太陽を見ることはない。そして山を下り、カーネーションやフレッシュなバジルが茂る、花で満たされた庭園で横たわろう。」 シメオンとは、本作のプロデュースを手掛けたバックバンドのアコーディオン奏者シメオン・アタナソフのことです。

<7 Esma Redžepova / Gypsy Carpet ~So maki sum se rodila (Born with Hard Aches) 4分42秒>
So maki sum se rodila

「我が黄金の50年」の方は以下のように解説がありました。
エスマがその生涯を歌った自叙伝的な歌。「まだ若い時分にスコピエの家を離れた。神が私に与えた贈り物は、山脈と同じくらい大きな魂だ。スティーヴォと私は一緒に歌い、涙を流し、時には悩んだ。だけど私は喜んで彼ら全員にパンと少しの知識を与えた。すぐに数年が経った。まぶしい星のように私の子供たちは光り輝いたけど、今は散らばってしまった。私は黄金の50年を美しいネックレスと共に祝福する。一世紀の半分は半年のように過ぎて行った。それでもあなたたち全員に歌うことを好んでいる。もしあなたが私のホームタウンをどこかと尋ねたら、こう答える。スコピエ、愛するマケドニアの、と。」 スティーヴォとは、エスマの発掘者で後に伴侶になったスティーヴォ・テオドシエフスキのことです。バックバンドの名前はアンサンブル・テオドシエフスキになっています。

<8 Esma Redžepova / Gypsy Carpet ~Moite zlatni 50 (My Golden 50) 3分50秒>
Moite zlatni 50

エスマと言えば、この曲は忘れられない圧倒的な歌唱ということでゼアミブログに上げたDjelem Djelem ですが、Bonus Trackとしてジプシー・キャラヴァンと言うコンピレーションに入っていました。独Network Medienの「ジプシー・クイーン~Flammes du Coeurs」(2CD)にも入っていたように思いますが、記憶違いかも知れません。流浪の民の悲しみを感じさせる絶唱で、Žarko Jovanovićが1949年に書いたこのジェレム・ジェレムは、しばしば「ロマのアンセム」と言われます。

<Djelem Djelem (Bonus Track) 1分21秒>

同じDjelem Djelemが、バルカン・ブラスのグループ、コチャニ・オルケスタルのL'Orient Est Rouge(オリエントは赤い)と言う盤に入っていますので、併せておかけします。

<Kočani Orkestar / L'Orient Est Rouge ~Djelem, Djelem 4分5秒>

「ロマのアンセム」と言えば、エミール・クストリッツァ監督の1988年の映画「ジプシーのとき」に出てきたバルカン・ロマの民謡「エデルレジ」も、そう呼ばれていたように思います。音楽担当はゴラン・ブレゴヴィチでした。エデルレジとジェレム・ジェレムは、どちらも大好きな曲で、甲乙つけられません。これからの旧ユーゴ音楽巡りで何度か登場すると思いますが、セルビアに行く前に一度おかけしておきます。マケドニアの後は、アルバニア、コソボ、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、セルビア、ダルマチア、クロアチア、スロヴェニアの予定です。

<1 Le Temps Des Gitans & Kuduz / Ederlezi (Scena Durdevdana Na Rijeci) 4分59秒>

では最後に、先ほどの「私は大きな苦しみに生まれ」原題はSo maki sum se rodilaを、Struneと言うグループの演奏で聞きながら今回はお別れです。イギリスARCから出ていた「マケドニアの伝統音楽」に入っていた演奏です。エスマと違って、コブシを回さず、すっきりと歌っています。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<Strune / So maki sum se rodila (I was Born in Sadness) 4分23秒>

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2021年4月 5日 (月)

典CapriceのMusic from Macedonia

ゼアミdeワールド253回目の放送、日曜夜10時にありました。7日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日は1枚目の2曲のみです。

マケドニアの音楽の3回目になります。今回はスウェーデンのCapriceから出ていたMusic from Macedoniaの2枚シリーズからピックアップしてご紹介します。CDは売り切ってなかったので、アップルミュージックからの音出しになります。ロマ(ジプシー)音楽が非常に多い中にあって、ジプシー音楽以外のマケドニア伝統音楽の音源も多く含むシリーズです。ギリシア、トルコ、ロマ(ジプシー)、スラヴ、アルバニアなどの音楽文化が重なって、曲によって色々なグラデーションで感じられます。

まずは1枚目の1曲目を飾っているSnoshti edobra - Mitro le Mitroと言う曲からおかけします。演奏はStefche Stojkovski and the National Instruments Ensembleです。

<1-1 Snoshti edobra - Mitro le Mitro 4分24秒>
Snoshti edobra - Mitro le Mitro

ベリーダンスにそのまま使えそうなオリエンタルな曲も何曲かありますが、その中でVeleshki Peshtrefと言う曲をおかけします。フリーリズムのクラリネットの独奏に始まり、オリエンタルな打楽器が入ってきます。演奏はStara Veleska Chalgijaと言うグループです。

<1-5 Veleshki Peshtref 4分39秒>
Veleshki peshtref

サズ系と思われる弦楽器と低音豊かな打楽器の演奏で、Ratevka Oroと言う曲ですが、演奏はPece Atanasovskiです。Ratevkaと言うのが何か気になるので、またブログで探ってみたいと思います。

<1-9 Ratevka Oro 2分9秒>

解説を参照できないので詳細不明ですが、カヴァルと思われる縦笛の幽玄な演奏も何曲かありまして、その中からOvcharska Ezgijaと言う曲をおかけします。演奏はStojanche Kostovskiです。

<2-2 Ovcharska Ezgija 2分22秒>

次に入っているRatevkaと言う曲は、アコーディオンの音色にユーゴらしさを強く感じました。演奏はOrce Lazarov & Goran Alachkiです。

<2-3 Ratevka 2分11秒>

ブルガリアのガイーダと同じ音の組み合わせのバグパイプから始まるMaleshevsko Oroと言う曲は、キトカと言うグループの演奏で、次第にマケドニアらしさが滲み出てくる演奏です。

<2-15 Maleshevsko Oro 2分42秒>

Orce Lazarov & Goran Alachkiのアコーディオン演奏がもう一曲入っていまして、Mariovska Tresenicaと言う曲です。ボスニアのセヴダに似て聞こえるからでしょうか、やはりどうしてもユーゴスラヴィアのカラーを強く感じる音楽です。この曲を聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<2-17 Mariovska Tresenica 5分10秒>

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2021年3月29日 (月)

チョチェクとオロ

ゼアミdeワールド252回目の放送、日曜夜10時にありました。31日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日はコチャニのチョチェクのみです。

マケドニアの音楽の2回目になります。前回はバルカン・ブラスの方が終わりに少しだけになりましたから、今回はそちらをメインに、たっぷりかけたいと思います。
バルカン・ブラスとエスマ・レジェポヴァの歌の両方に共通の舞曲に、ギリシアのホロに由来するオロと、チョチェクというのがあります。オロは輪舞している様子が大体イメージ出来ますが、チョチェクと言うのは聞きなれないので、調べてみました。
バルカン半島で19世紀頃興った音楽のジャンル、およびダンスで、主にロマ(ジプシー)により演奏されるロマ音楽の一種であること、オスマン帝国の軍楽隊の音楽に由来し、ブルガリアやセルビア、マケドニア、ルーマニアなど、オスマン帝国の影響下の地域で広がっていったが、主に各地でロマ(ジプシー)によって受け継がれ、結婚式やパーティーの音楽として定着していったこと、アルバニアやコソボ、マケドニアなどのアルバニア人の間でも盛んである点などでした。またベリーダンスの伴奏にも頻繁に使用されてきたようです。拍子は8分の9拍子が多く、分割は2+2+2+3か、2+2+3+2の2種類が多いそうです。

コチャニ・オルケスタルの95年のフランスのLong Distance盤にチョチェクは3曲ありますが、先ほどのウィキペディアの解説に「旧ユーゴスラビア圏においては、4/4拍子や7/8拍子のものもある」とあった通り、Romski Cocekは4拍子でした。タイトルは「ロマのチョチェク」の意味でしょうか? まずはこの曲からどうぞ。

<3 Kočani Orkestar / A Gypsy Brass Band ~Romski Cocek 4分41秒>

残る2曲のチョチェクも続けておかけします。Nejatov Cocekはやはり4拍子に聞こえますが、後のCiganski Cocekは4拍子のようで、妙なアクセントがついています。先ほどのロマとツィガンは、ジプシーの正式名称とドイツ語読みで、意味は同じだと思います。

<7 Kočani Orkestar / A Gypsy Brass Band ~Nejatov Cocek 5分54秒>

<9 Kočani Orkestar / A Gypsy Brass Band ~Ciganski Cocek 4分40秒>

チョチェクがエスマ・レジェポーヴァの盤にも1曲入っていますので、おかけしておきます。こちらは2+2+2+3の9拍子です。この曲でも器楽陣の演奏の上手さには驚きました。

<4 Esma Redzepova / Songs of the Macedonian Gypsy ~Gypsy Dance (Cocek) 2分34秒>

オロはエスマ・レジェポーヴァの方に入っているMacedonian Horo (Soborsko Oro)から先におかけします。

<7 Esma Redzepova / Songs of the Macedonian Gypsy ~Macedonian Horo (Soborsko Oro) 3分30秒>

では最後にコチャニ・オルケスタルのオロの演奏として、この盤のラストを飾ってるBulgarska Oroを聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<10 Kočani Orkestar / A Gypsy Brass Band ~Bulgarska Oro 5分43秒>

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2021年3月22日 (月)

マケドニアのジプシー音楽 エスマとコチャニ

ゼアミdeワールド251回目の放送、日曜夜10時にありました。24日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。エスマの2曲以外は、また後日。

ブルガリアのシリーズを終えまして、今回からマケドニアの音楽に移ります。旧ユーゴスラヴィアの最南部の国で、ギリシア北部のマケドニア地方と分けるため、2019年2月から正式名称は北マケドニア共和国に変わっています。アレキサンダー大王以来のギリシア人のマケドニアとは違って、5世紀から7世紀頃にこの地に移り住んだスラヴ人の子孫であり、スラヴ系のマケドニア語を話すマケドニア人が半数以上です。2002年時点の人口構成は、マケドニア人が64.2%、アルバニア人が25.2%、トルコ人が3.8%、ロマ(ジプシー)が2.7%、セルビア人が1.8%、その他が2.3%とのことです。マケドニア語は、ブルガリア語と同じ南スラヴ系で、極めて近い言葉と言われます。

この国の音楽は、昔からロマ(ジプシー)の音楽が一般にはよく知られていまして、女性歌手ならエスマ・レジェポヴァ、旧ユーゴ諸国で盛んなバルカン・ブラスのグループでは、2000年代に入って来日したコチャニ・オルケスタルが特に有名だと思います。

今回おかけするエスマ・レジェポヴァの音源は、アメリカのMonitor Recordsから出ていたもので、私はLPで持っていますが、94年に出たCDでは買いなおしていなかった盤です。アップルミュージックにありましたので、こちらからおかけします。ドイツのWorld Networkシリーズの2枚組「ジプシー・クイーン」のジャケットを飾っていた90年代よりは、大分若く可憐な姿がジャケットに写っています。フラメンコにも似た情熱的な節回しを聞かせますが、バルカン音楽らしくクラリネットやブラスが大活躍し、ブルガリアやマケドニアらしい変拍子の曲も多く聞こえます。エスマさんは1943年生まれで2016年に亡くなっています。

まずは最初のEsma's Song (Esma Kiri Gilli)と、彼女の代表曲の一つと言われる3曲目のBeautiful Girl (Caje Sukarije)を続けてどうぞ。

<1 Esma Redzepova / Songs of the Macedonian Gypsy ~Esma Kiri Gilli 1分56秒>

<3 Esma Redzepova / Songs of the Macedonian Gypsy ~Caje Sukarije 3分26秒> 

6曲目の2+2+2+3の9拍子のOh, My God (Ah, Devla)も、よく知られた曲だと思います。

<6 Esma Redzepova / Songs of the Macedonian Gypsy ~Ah, Devla 3分24秒>

10曲目Shiptar Dance (Sote Masala)はインストですが、アコーディオン、クラリネット、打楽器のアンサンブルの妙技に耳が惹きつけられた曲です。

<10 Esma Redzepova / Songs of the Macedonian Gypsy ~Shiptar Dance (Sote Masala) 3分54秒>

16曲目I Won't Get Married (Da Me Molat Ne Se Zenam)は男性陣の歌唱ですが、この旋律はとてもよく知られた曲だと思います。どこで聞いたのか思い出せませんが、LPでは1曲目だったからでしょうか。

<16 Esma Redzepova / Songs of the Macedonian Gypsy ~I Won't Get Married (Da Me Molat Ne Se Zenam) 2分26秒>

バルカン・ブラスのコチャニ・オルケスタルも2000年代になってから色々出ていますが、私が最初に聞いた90年代のフランスのLong Distance盤から、最初の2曲Solo TapanとSrpsko Oroを時間まで聞きながら今回はお別れです。こちらも売り切れて手元にないので、アップルミュージックからの音出しです。私は金管楽器はやったことがありませんが、これだけのハイスピードで細かい音符を吹くのは、非常に困難なことだろうと推測します。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1 Kočani Orkestar / A Gypsy Brass Band ~Solo Tapan 4分58秒>
<2 Kočani Orkestar / A Gypsy Brass Band ~Srpsko Oro 6分58秒>

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2021年3月15日 (月)

THRACE - Sunday Morning Sessions再び

ゼアミdeワールド250回目の放送、日曜夜10時にありました。17日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。フェアリー・テイル・トリオの動画は、また水曜以降に。

ブルガリアのシリーズは8回目でひとまず終えようと思いますが、トラキアが出てきたところで、ちょうど1年余り前のトルコの時にかけた音源ですが、世界的名チェリスト、ジャン=ギアン・ケラスがイランやギリシアの音楽家と共演した「トラキアの伝統音楽(THRACE - Sunday Morning Sessions)」を再度ご紹介したいと思います。何度か確認したと思いますが、トラキアと言うのは、バルカン半島南東部の歴史的地域名で、現在は3か国に分断され、西トラキアがブルガリアの南東部とギリシア北東部の一部に、東トラキアがトルコのヨーロッパ部分になっています。

去年も言いましたが、似たようなアプローチで思い出すのは、NHKの新シルクロードでお馴染みのヨーヨー・マとシルクロード・アンサンブルで、クラシックの音楽家で非西洋の音楽に目を向けるのは、今回もチェリストだったという印象を強く持ちました。

ジャン=ギアン・ケラス(Jean-Guihen Queyras)は、カナダのモントリオール出身でフランスのチェリストです。フランスの現代作曲家ピエール・ブーレーズが創設したアンサンブル・アンテルコンタンポランの首席チェロ奏者を1990年から2001年まで務め、バッハなどバロックの作品から現代作品までの名演を数多く残しています。

共演しているのは、ペルシア音楽だけでなく東地中海諸国の伝統音楽とコラボを重ねている、イランのトンバクとダフの奏者ケイヴァン・シェミラーニ、ビジャン・シェミラーニの兄弟と、ギリシアのリラ奏者ソクラテス・シノプーロスです。

去年はNihavent Semaiとユダヤのクレズマーに似ているギリシアの舞踊ハサピコ、ギリシアのカルシラマースと関係のあるトルコのカルシラーマをかけましたので、今回は出来るだけブルガリアに関する曲を取り上げたいと思います。前回は1曲目をかけてないと思いますので、Khamseを聞いた後で、この盤のラストを飾っているトラキアらしい「8分の7拍子のダンス」に続けたいと思います。ブルガリア関連としてご紹介できるのは、12曲中この曲だけのようです。

<1 Khamse 3分29秒>

<12 Dance in 7/8 7分29秒>

次にご紹介したいのは、98年に独Wergoから出た「フェアリー・テイル・トリオ/Jazz Across the Border」と言う盤で、90年代に一部で流行っていたフレッド・フリスに関する1990年の前衛的なドキュメンタリー映画「Step Across the Border」を明らかにもじっているタイトルから予想が付きますが、編成はカヴァル、ソプラノサックス、タパンと言うブルガリアのトラッドな編成ながら、ジャズ的な、しかもかなりフリーな演奏を繰り広げています。バルカン音楽本来のワイルドさと解け合い、少しの違和感もなく共存している興味深い演奏だと思います。
この2曲を聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1 Karandila 5分19秒>
<5 Samotek 7分46秒>

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2021年3月 8日 (月)

トラキア・アンサンブル、トドラ、ミクロコスモス 他

ゼアミdeワールド249回目の放送、日曜夜10時にありました。10日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日の動画は最初の2本のみにしておきます。

ブルガリアの7回目はブルガリアGegaの「トラキア国立民族アンサンブル」からかけようと思っていた残りの2曲から始めます。この盤が出た97年の話になりますが、ラストを飾っているHubava Momaも新機軸の展開が色々聞こえて、なかなか面白い曲です。この頃は、まだルーマニアのタラフ・ドゥ・ハイドゥークスやマケドニアのバルカン・ブラスのグループが来日して東欧のジプシー音楽ブームが到来する前で、東欧の音楽と言えばブルガリアン・ヴォイスにスポットが当たっていた頃でした。

<13 Hubava Moma 6分58秒>
Hubava Moma

このアンサンブルのシンボルのような曲になっている2曲目のShope Shopeに戻って「トラキア国立民族アンサンブル」からのご紹介を締めたいと思います。明朗快活な曲です。

<2 Shope Shope 3分21秒>
Shope, Shope

女声合唱が出たところで、前にかける予定にしていましたビクターJVCワールドサウンズのブルガリアン・ヴォイスの第2集からトドラをここでおかけしておきます。ピレンツェ・ペエと並ぶブルガリア女声合唱の有名曲でした。穏やかで流麗な美しい旋律ですが、2+2+3+2+2の11拍子と言う複雑な拍子の曲です。

<2 POLEGNALA E TODORA 4分9秒>

20世紀ハンガリーの大作曲家バルトークは、教育目的で153のピアノ曲集「ミクロコスモス」を書いていますが、変拍子が多く一番上級の曲として知られているのが、ラストを飾っている148~153番目の「6つのブルガリア舞曲」です。彼のハンガリーやルーマニアの民謡を題材にした作品は、またそれぞれの民族音楽との比較でかけますが、今回は私がバルトークを通して一番最初に民族音楽に目を向けるきっかけになったミシェル・ベロフの1977年のLPとおそらく同じと思われるアップルミュージックのミクロコスモスの音源でおかけします。

<11-16 バルトーク / ミクロコスモス~6つのブルガリア舞曲 ミシェル・ベロフ 8分27秒>

Gegaからは同じ97年頃に「オーセンティックなブルガリア民謡 Букя Ябукя Родила」と言う盤も出ておりまして、ブルガリアのムスリムによる伝統音楽と言う珍しい内容でした。名前のアサン(元はハッサンと思われる)とかメフメトという名前はオスマン時代のままです。西ロドプ山渓ドラギノヴォ村での現地録音で、二声部の重ね方はアルバニアの歌にも似て聞こえる部分も感じられます。1曲目のOy Le Sino Huseinoを聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1 Букя Ябукя Родила ~Oy Le Sino Huseino 5分1秒>

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2021年3月 1日 (月)

トラキア国立民族アンサンブル

ゼアミdeワールド248回目の放送、日曜夜10時にありました。3日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日の動画は2000年代のジプシー音楽を先取りしたようなRazhodkaのみにしておきます。

ブルガリアの6回目は、97年に出たブルガリア現地盤で、Gegaと言うレーベルの「トラキア国立民族アンサンブル」から始めたいと思います。南東部のトラキア地方だけでなくブルガリア各地の歌や踊りの曲を歌っているようで、監督はStefan Moutafchievと言う人です。

おかけしたい4,5曲がいずれも6~10分位ありまして、一回では入らない感じですが、まずは無伴奏の女声合唱から始めます。Eight Spring Songs(8つの春の歌)と言う10分を越える演奏が1曲目に入っていますが、「ブルガリア人のspringtime enigma(春の謎)の魅力を描いた曲」という意味深な解説に、強く興味を覚えました。春の儚い魅力を感じ取る感性は、洋の東西を問わないようです。

<1 Eight Spring Songs 10分30秒>

大分飛んで11曲目になりますが、ルーマニア南部ワラキアのジプシー音楽と聞き紛うようなRazhodkaは、スピード感溢れ、目くるめくような展開に耳が釘付けの組曲です。8分余りあります。

<11 Razhodka 8分10秒>

次の12曲目のSoloists' Suiteでは小編成の歌も加わり、やはりどれだけ演奏力があるんだろうかと驚愕するような器楽陣がバックで囃し立てています。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<12 Soloists' Suite 6分40秒>

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2021年2月18日 (木)

ドブルジャのホロ 他

ゼアミdeワールド247回目のネットラジオでの放送、水曜夜8時半にありました。ラジオでは14日22時にも放送されました。21日22時と24日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日の動画はドブルジャのホロだけにしておきます。フォークダンスと歌ものは、それぞれまた後日。

今回からスタジオ収録に戻りました。ブルガリアの5回目は前回に続いて、数年前に民族音楽の名門レーベルSmithsonian Folkwaysから出た「ブルガリア音楽の肖像~失われた世界への旅 1966-1979」から抜粋してご紹介したいと思います。前回は選挙特番が22時からあったため21時に放送が急遽変わりまして、聞けなかった方もいらっしゃるのではと思いますので、この盤について再度少し解説しておきます。
CD2枚組と図鑑のような豪華な本が付いたセットで、ポリフォニーばかり紹介されがちなブルガリア音楽に、大きな一石が投じられたという印象を持ちました。編曲されてない民謡や器楽そのものの貴重な録音です。
ニューヨークのバルカン・アーツ・センター創設者でもあるマーティン・ケーニッヒ(Martin Koenig)がカメラとポータブル・レコーダーを携え、1966年から1979年の10数年の間、6度に渡りブルガリアを旅行し、その当時まだ活気に満ちていた伝統文化継承の様子を収め、絶滅の危機に瀕していた希少な文化を捉えています。今では工業技術の発達やグローバル化によって完全に消滅してしまったと言われるブルガリアの生活様式を、視覚/聴覚から追体験することができる内容に仕上がっています。前回8曲かけましたが、今回は予定していた残りの3曲からご紹介します。

2枚目の6曲目はルーマニアに近いブルガリア東北部ドブルジャ地方のホロです。擦弦楽器はヴァイオリンかガドゥルカか、判断が難しく聞こえます。

<2-6 Добруджанско хоро ドブルジャ地方のホロ 3分30秒>
Dobrudzhansko horo (Dobrudzhan dance)

7曲目のトロパンカは、日本ではブルガリアのフォークダンス曲としてある程度知られているようですが、もちろん一つの旋律ではなく、たくさんのトロパンカが存在します。倍音成分が多く聞こえるので、共鳴弦の付いたガドゥルカの独奏だと思います。

<2-7 Тропанка トロパンカ 2分31秒>

トロパンカの比較で、74年に日本コロムビアから出ていたLP「世界のフォークダンス 東欧編」から、トロパンカをおかけします。日本で知られているトロパンカの旋律はこの曲だと思います。

<フォーク・ミュージック・アンサンブル / トロパンカ 2分20秒>

この盤からもう一曲、ロシア民謡になりますが、コロブチカもおかけしておきます。原曲は19世紀の詩人ネクラーソフの長編詩に旋律が付けられ民謡化した「行商人」(コロベイニキ)です。1960年代末頃のアニメーション「魔法使いサリー」の学芸会のフォークダンスのシーンでかかっていたのは、この演奏ではないかと常々思っておりました。個人的に、古き良き昭和40年代を思い出す演奏です。

 
<フォーク・ミュージック・アンサンブル / コロブチカ 3分>

「ブルガリア音楽の肖像~失われた世界への旅 1966-1979」に戻りまして、2枚目11曲目のトリテ・プチという曲は「3回」と訳が出て来ました。バグパイプとタパンのデュオのようですが、前回のカバガイーダ・オーケストラのように同じ始まり方をしています。エネルギッシュな演奏です。

<2-11 Трите пъти 3回 4分46秒>

歌ものをかけていませんでしたので、若い女性歌手二人を器楽が囃し立てる明るく溌溂とした1枚目22曲目のПушка пукна / Одзолу иду връцка колцаを、まずおかけします。その後で女性二人の交唱の民謡Потайно Рада годияを聞きながら今回はお別れです。ロシアの本当の民謡にも似た、茫洋とした感じのスラヴらしい歌です。
今回併せてかけようと思っていたブルガリアGegaの現地盤「トラキア民謡アンサンブル」は、次回に回します。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1-22 Пушка пукна / Одзолу иду връцка колца 2分14秒>
<1-14 Потайно Рада годия 5分48秒>

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2021年2月 8日 (月)

Sound portraits from bulgaria a journey to a vanished world

ゼアミdeワールド246回目の放送、日曜夜9時にありました。選挙特番のため、今回は1時間早くなりました。10日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日の動画は4曲目までにしておきます。

ブルガリアの4回目は、数年前に民族音楽の名門レーベルSmithsonian Folkwaysから出た「ブルガリア音楽の肖像~失われた世界への旅 1966-1979」から抜粋してご紹介したいと思います。CD2枚組と図鑑のような豪華な本が付いたセットで、ポリフォニーばかり紹介されがちなブルガリア音楽の、編曲されてない民謡や器楽そのものの貴重な録音です。
ニューヨークのバルカン・アーツ・センター創設者でもあるマーティン・ケーニッヒ(Martin Koenig)がカメラとポータブル・レコーダーを携え、1966年から1979年の10数年の間、6度に渡りブルガリアを旅行し、その当時まだ活気に満ちていた伝統文化継承の様子を収め、絶滅の危機に瀕していた希少な文化を捉えています。今では工業技術の発達やグローバル化によって完全に消滅してしまったと言われるブルガリアの生活様式を、視覚/聴覚から追体験することができる内容に仕上がっています。
売り切れて現物が手元にないため、その豪華本は参照できていませんので、解説は最小限にしてデータから沢山かけたいと思います。11曲用意していますが、入らない曲は次回に回して、ブルガリアGegaの現地盤「トラキア民謡アンサンブル」などと併せてご紹介したいと思います。

まずは1枚目の1曲目、縦笛カヴァルの独奏で、「羊飼いのメロディ」からどうぞ。尺八を聞くかのような詫び寂び感と、東欧らしいエキゾチックさが入り混じって聞こえます。

<1-1 Овчарска мелодия 羊飼いのメロディ 3分5秒>
Ovcharska melodiya (Shepherd’s melody)

翻訳では「コウモリのいじめっ子」と出てくる8曲目のバトオヴァータ・ブルドスカと言う曲を次におかけします。(動画での英訳はBig brother’s sister-in-lawになっていました)編成はカヴァル、タパン、アコーディオンでしょうか、一聴で耳に残ったとても印象的な曲です。後で出てくるトロパンカのリズムに聞こえましたが、どうでしょうか?

<1-8 Батьовата бълдъзка コウモリのいじめっ子? 1分57秒>
Batyovata baldazka (Big brother’s sister-in-law)

ギリシアから始まる舞曲のホロはブルガリアでも頻繁に出て来ますが、次の曲は結婚式のホロです。

<1-9 Булчинско хоро 結婚式のホロ 2分16秒>
Bulchinsko horo (Bride’s dance)

翻訳ソフトにかけているので正しいかどうか分かりませんが、「惨めな森」とあった1枚目の20曲目を次におかけします。女性の独唱をブルガリアの擦弦楽器ガドゥルカが伴奏しています。

<1-20 Жална горо 惨めな森 4分4秒>
Zhalna goro (Oh, sad forest)

ブルガリア語からの翻訳では23曲目は「右のホロ」と出て来ましたが、ガドゥルカとおそらくツィンバロム系の打弦楽器の忙しい二重奏です。

<1-23 Право хоро 右のホロ 2分9秒>

2枚目の1曲目のスィートナは、翻訳では「小さな」のような意味のようですが、この曲はルーマニア南部ワラキアの音楽に似て聞こえます。

<2-1 Ситно 小さい 1分56秒>

3曲目のパラスカという曲に至ってはストリップと訳が出て来ましたが(笑)、クラリネット、ガドゥルカ(あるいはヴァイオリン)、タパンがメインの、おそらくジプシー音楽ではないかと思いました。

<2-3 Полоска ストリップ 3分52秒>

4曲目の比較的長いホロでは、アコーディオンとおそらくヴァイオリンの一糸乱れぬユニゾンが見事です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<2-4 Хоро ホロ 4分28秒>

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2021年2月 1日 (月)

ガイーダ(バグパイプ)・オーケストラ

ゼアミdeワールド245回目の放送、日曜夜10時にありました。3日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。JVCと同じ音源の動画は余り見当たらず、ソロのものだけ見つかりました。大編成は、代わりに333人の大オーケストラの演奏を入れておきます。

合唱が続きましたのでブルガリアの3回目は、バグパイプ・オーケストラの音源をご紹介します。ビクターJVCワールドサウンズの一枚「ガイーダ響鳴」という盤ですが、民族音楽を長年聞いてきて特に驚いた音源の一つです。最初の音が鳴った瞬間、何だこれは!と驚きの声を発してしまう程でした。演奏しているのは、ブルガリア南部ロドピ地方のカバガイーダのアンサンブルです。カバガイーダとは、一般のブルガリアのガイーダより一回り大きな「ガイーダの王者」と呼ばれるほどのバグパイプです。
複数の音が折り重なるポリフォニーと単旋律のモノフォニーはよく知られていると思いますが、このバグパイプ・オーケストラは微妙にピッチ(音高)の違う音が同時に鳴っているヘテロフォニーの一種と言えるのではと思います。すぐ思い出したのが、日本の木遣り歌や雅楽でした。CDの音では限界がありますが、実際に野外で聞くと、大気を振動させるような大音量で、ドローンは腹の底に響くような低音だそうです。
次々と旋律が変わる舞曲を含むメドレー形式の器楽曲をシュイタと呼びますが、1曲目の「大アンサンブルによるロドピのシュイタ」と、2曲目の「2台のカバガイーダの競演」を挟んで、3曲目の「シロカラカのシュイタ」までを続けてどうぞ。

<1 Rodopi Gaida Suita (Large Ensemble) 5分49秒>
<2 Kaba Gaida Contest 2分8秒>
<3 Shirokalaka Gaida Suita 4分37秒>
333 Bagpipes playing for the World Guinness Records - Sofia, Bulgaria

次の4曲目には、カバガイーダの独奏が入っています。ポサニーツァと言うロドピ地方の踊りの音楽を超絶技巧を交えて演奏しています。

<4 Rodopi Posadnitsa 2分31秒>
Rodopi Posadnitsa (kaba gaida solo)

6曲目の「羊よ」と言う曲では、女性の独唱を一本のカバガイーダが伴奏しています。追分のような細かい節回しに付いていくところは、日本の尺八伴奏の追分などの民謡を思い出させます。

<6 Ovnyolyo Vakal Ramatan 1分43秒>

一曲だけギリシアに戻って、ギリシアのバグパイプ、ツァンブーナの演奏を比較で入れておきます。ギリシア各地のバグパイプを特集したイギリスTopic Recordsの音源で、ギリシア・シリーズでかけようかと思って、かけられなかった曲です。'Tsiftetelli'のタイトル通り、レクと思われる枠太鼓がオリエンタルなリズムで囃し立てています。この盤には、ハサピコ、ペントザリス、スースタなどの有名な舞曲も入っています。

<6 'Tsiftetelli' 3分21秒>

では最後に5曲目に入っているベテランの長老たちのアンサンブルによるドスパットのシュイタを聞きながら今回はお別れです。ベテランらしい音の立った名演だと思います。ドスパットとは、ロドピ地方の町の名前です。これまでの曲を聞いてお分かりかと思いますが、全ての曲が同じ4つ、ないしは間の2つを抜いた上下2つの音の並びから始まっています。津軽三味線で曲の最初に3つの弦の同じ音を弾くように、これはバグパイプの調子を合わせるためでしょうか?

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<5 Dospat Gaida Suita 2分36秒>

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